Joyce DiCamillo Trio

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Just The Way You Look Tonight

砂嵐に霞む火星

Posted by moonrainbow on 24.2018 火星   0 comments   0 trackback
火星探査ローバー「キュリオシティ」がとらえた、砂嵐に霞む火星

火星で発生中のダストストーム
MROの撮影画像から作成された、火星で発生中のダストストーム(オレンジ色で示した部分)のアニメーションの一部。画像中央にオポチュニティ、東(右)にキュリオシティの活動地域がある(提供:NASA/JPL-Caltech/MSSS)

火星の表面で大規模なダストストーム(砂嵐)が続いています。NASAの探査ローバー「キュリオシティ」から、この砂嵐でひどく霞んでいる周辺地域の風景が送られてきました

約3週間前に発生した火星のダストストームは、現在では火星のほぼ全球を覆う規模にまで拡大しています。NASAの火星探査ローバー「オポチュニティ」は電力を太陽電池パネルに頼っているが、このダストストームで地表に届く太陽光が大幅に減っているため、稼働停止状態に追い込まれています。一方、原子力電池で動作する探査ローバー「キュリオシティ」は現在も探査を続けています

キュリオシティが現在探査しているゲール・クレーターは、ダストストームの影響が深刻なオポチュニティの活動地域とはほぼ反対側の経度にあたりますが、ここでも大気中の塵粒子は増え続けており、大気の不透明度を示す「光学的厚さ (τ)」の値は、キュリオシティのミッション開始以降で最も高い8.0以上を記録しています。一方、オポチュニティが稼働停止の直前に測定した τ の値は11に近く、これはもはや正確な測定ができないほど大気が不透明になっていることを示しています

火星で全球規模のダストストームが前回発生したのは、キュリオシティが火星に着陸する5年前の2007年でした。しかし現在は、地上の探査機に加えて火星の軌道上にも探査機が何機も周回しているため、火星の表面と軌道上の両方からダストストームを詳しく研究できる初の機会となっています。とくに、NASAの火星探査機マーズ・リコナサンス・オービター (MRO) の広角カメラは火星表面の全球画像を毎日撮影しており、ダストストームの変化を刻々と追跡することができます。今回もダストストームの発生をいち早く観測し、オポチュニティの運用チームに砂嵐が近づいていることを知らせる役割を果たしました

「こうした大規模なダストストームの観測を重ねることで、将来的にはその発生のしくみをモデル化できるようになるはずです。エルニーニョ現象や台風シーズンの傾向を予測するのと同じように、火星のダストストームを予報できる日が来るかもしれません」(NASAジェット推進研究所 Rich Zurekさん)

下の画像は、ゲール・クレーターの内部にいるキュリオシティが、約30km離れた同クレーターの縁をマストカメラ (Mastcam) で毎日撮影したものです。次第にもやが濃くなってきている様子がわかります。キュリオシティが観測している現在のもやの濃さは、この季節の通常の値に比べて約6倍から8倍も高くなっています

もやが日ごとに濃くなっている様子
キュリオシティのマストカメラがとらえたゲール・クレーター地域の遠景。もやが日ごとに濃くなっている様子がわかる(提供:NASA)

キュリオシティの運用チームによる調査では、今回のダストストームでキュリオシティの搭載機器が影響を受ける可能性はほとんどないことがわかっています。最も影響を受けるのは同機のカメラで、太陽光が弱まっているために、より長い露光時間が必要となっています。キュリオシティは、マストカメラのレンズに吹き付ける塵の量をなるべく少なくするために、撮影を終えるたびにカメラを地面に向けるようにしています

火星のダストストームはありふれた現象で、南半球が春から夏を迎える季節に特に頻繁に発生します。この時期には火星が太陽に最も近づくからです。大気が暖まるにつれて、地面で場所ごとの温度差が大きくなると風が発生し、ベビーパウダーの粒くらいのサイズの塵粒子が巻き上げられて移動する。冬の間はドライアイスとして凍っていた極冠の二酸化炭素が春になって蒸発すると、火星の大気が厚くなって地表の気圧が上がります。これによって塵の粒子が大気中にとどまりやすくなり、さらに多くの塵が巻き上げられるようになります。こうしてできた塵の雲が高さ60km以上まで達することもあります

火星のダストストームはよくある現象ですが、たいていの嵐は局地的な規模にとどまります。しかし現在発生中のダストストームは、地球でいえば北アメリカとロシアを合わせたよりも広い面積にまで拡大しています

こうしたダストストームはきわめて特異な現象に思えるかもしれないのですが、火星特有の現象というわけでもないのです。地球でも北アフリカや中近東、アメリカ南西部のような砂漠地帯ではダストストームが発生します。しかし地球の場合、火星よりも大気が厚く重力も強いため、舞い上がった塵が地表に落下しやすいのです。また、植物が地面を覆っているため、その根が土壌の舞い上がりを抑えたり植生が風を防いでくれる。雨も大気中の粒子を洗い流してくれます

2018年6月22日
AstroArtsより

Gary Moore

Posted by moonrainbow on 23.2018 癒しの音楽   0 comments   0 trackback
Nothing s the same

太陽風で太陽圏が膨らんだり変形したりする

Posted by moonrainbow on 23.2018 太陽系   0 comments   0 trackback
太陽風が吹くと太陽圏が膨らむ

太陽圏の構造を示したイラスト
太陽圏の構造を示したイラスト。惑星軌道のはるか外側にある1つ目の円が「末端衝撃波面」(Termination Shock)、そこを越えた領域が「ヘリオシース」、その先が太陽圏の端である「ヘリオポーズ」(Heliopause)(提供:NASA/IBEX/Adler Planetarium)

2014年に圧力が5割増加した太陽風が太陽圏に与えた影響が最新の研究によって調べられ、太陽圏が膨らんだり変形したりする様子が明らかになりました

太陽から超音速で噴き出す太陽風は、惑星の軌道をはるかに超えた外側にまで達しています。広がっていく太陽風は、太陽から約150億km離れた「末端衝撃波面」と呼ばれる位置で減速し始め、「ヘリオシース」と呼ばれる領域の中をさらに進んでいきます。最終的に太陽風の速度がゼロになる位置が「ヘリオポーズ」で、これより内側、つまり太陽風が届く範囲のことを「太陽圏(ヘリオスフィア)」と呼びます

2014年後半、太陽風の圧力が約5割も増加していることがNASAの探査機による観測で明らかになり、その状態は数年続きました。2年後の2016年後半、NASAの星間境界観測衛星「IBEX」が、通常とは異なる強い信号をとらえました

米・プリンストン大学のDavid McComasさんたちの研究チームは、増加した太陽風の圧力の影響を受けた太陽圏全体の様子を数値シミュレーションによって再現し、強い信号の原因が太陽風の圧力増加によるものらしいことを明らかにしました

McComasさんたちのシミュレーションでは、太陽風が末端衝撃波面にぶつかって圧力波を形成しヘリオシース内を進んでいく様子や、ヘリオポーズで圧力波の一部が跳ね返って再びヘリオシースや末端衝撃波面を通り地球付近まで戻ってくる様子が再現されました。ヘリオシースでは荷電粒子である太陽風が恒星間空間の物質と相互作用することで中性原子が作られます。この高エネルギーの中性原子が戻ってきたものが、2016年にIBEXで観測されたのです

IBEX: Exploring The Edge Of Our Solar System


太陽風の荷電粒子がどのようにしてIBEXが検出した高エネルギー中性原子となるのかを示した動画(提供:NASA's Goddard Space Flight Center)

さらに、シミュレーションの結果によれば、末端衝撃波面は約10億km拡大したはずであり、ヘリオポーズも約3億km拡大するはずであることもわかりました

一方、プリンストン大学のEric Zirnsteinさんたちの研究チームは、McComasさんたちのシミュレーションをさらに進めて、未来の太陽圏の予測を行いました。それによると、IBEXによって観測される高エネルギー中性原子の広がりは2016年は円形d分えしたが、跳ね返って戻ってくるまでの時間の差や跳ね返る場所に応じて形が変わっていき、だんだんと非対称に崩れた環状になっていくと考えられると言います。これをもとに、高エネルギー中性原子が広がる速度や環の形から、末端衝撃波面までの距離や太陽圏の形などを知ることができます

時間の経過につれて環状に広がっていく高エネルギー中性原子の量
リング状となって広がる高エネルギー中性原子の変化
時間の経過につれて環状に広がっていく高エネルギー中性原子の量(提供:Eric Zirnstein)

「太陽の変化と高エネルギー中性原子の観測の組み合わせは、危険な宇宙の放射線環境の長期的変化を理解するのに役立ちます。太陽風の強弱で太陽圏が広がったり縮んだりすることは、太陽圏へ入ってくる宇宙線の量の変化に直接影響します。これは、宇宙空間に長期滞在する宇宙飛行士への潜在的な危険性にもつながります」(McComasさん)

2018年6月14日
AstroArtsより

Nikos Ignatiadis

Posted by moonrainbow on 22.2018 癒しの音楽   0 comments   0 trackback
Gardenia

太陽系外縁天体(Trans-Neptunian object; TNO)

Posted by moonrainbow on 22.2018 太陽系   0 comments   0 trackback
セドナの軌道は「第9惑星」がなくても説明できる

セドナの想像図
セドナの想像図(提供:NASA/JPL-Caltech)

セドナのように海王星のはるか外側を公転する「分離型TNO」の起源について、数値シミュレーションを用いて新たな仮説が提唱されました

太陽系最遠の惑星である海王星(太陽からの距離が約30天文単位、1天文単位は約1.5億km)のさらに外には、「太陽系外縁天体(Trans-Neptunian object; TNO)」と呼ばれる小天体がたくさん存在しています。TNOは太陽からの距離や軌道の傾きによっていくつかのグループに分かれます

大半のTNOは「エッジワース・カイパーベルト天体」と呼ばれ、太陽から30~55天文単位の範囲に分布しています。準惑星の冥王星やマケマケ、ハウメアなどがこのグループに属するTNOです。また、近日点が海王星に近く遠日点が50~100天文単位を超えるような、「散乱円盤天体(scattered disk object / scattered TNO)」と呼ばれるグループもあります。このタイプのTNOはかつて海王星などの巨大惑星の重力で軌道を大きく変えられた天体だと考えられています。冥王星に次いで2番目に大きなTNOである準惑星エリスはこのグループに入ります

さらに、近日点が40天文単位を超え、遠日点が数百天文単位に達するような非常に大きな軌道を持つ、「分離型TNO(detached object / detached TNO)」と呼ばれるグループもあります。2003年に発見されたセドナはこのグループに属するTNOです。分離型TNOは近日点が海王星よりかなり外にあって太陽系の他の天体から「孤立」しており、木星や海王星には決して近づくことがないのです。そのため、分離型TNOがどのようにして自力で現在の軌道にたどり着いたのかは、未解明の謎となっています

分離型TNOの起源については、まだ見つかっていない「第9惑星」が海王星の外側に潜んでいて、これによって太陽から遠く離れた領域へ小天体がはね飛ばされて分離型TNOになった、という説も提唱されています。第9惑星は、もし存在するとすれば大きさは地球の約10倍と考えられていて、2年ほど捜索が続けられていますが、今のところ見つかっていません

米・コロラド大学ボルダー校のAnn-Marie Madiganさんたちの研究チームは、分離型TNOの現在の軌道は、第9惑星の散乱によるものではなく、太陽系の外縁部にある天体同士の相互作用で説明できるという研究成果を発表しました

「海王星の外側の領域には数多くの天体が存在しています。それらが集団として及ぼす重力が何を引き起こすのかを考えれば、多くの疑問を解くことができます」(Madiganさん)

Madiganさんと同校のJacob Fleisigさんはもともと分離型TNOの起源を探っていたわけではなく、TNOの運動を調べるコンピューターシミュレーションを開発していました。その開発を行う中でFleisigさんは、TNOの軌道が時計の針のような運動をすることを見つけました。小惑星ぐらいの質量の天体は、軌道の向きが分針のように比較的速いペースで動いていき、しかも複数の天体の軌道がペースを合わせて動いていきます。一方、セドナのような大きな天体では、時針のようにゆっくりと軌道の向きが動きます。そしてついには、小さな天体と大きな天体の軌道の向きが重なるときがやって来ます

「太陽に対して一方の側に、小天体の軌道がたくさん集まります。これらの軌道が大きな天体とぶつかって起こる相互作用によって、大きな天体の楕円軌道がより円に近い形に変化します」(Fleisigさん)

このようにして、小規模の重力相互作用のみによって、セドナのような大きな天体の軌道がきわめて遠い場所を公転する孤立した軌道に変わるのです。彼らの発見は、大きな分離型TNOほど太陽から遠い軌道を持つという最近の観測結果とも一致しています

セドナの軌道は、太陽系外縁部がどれほど興味深いかを物語る一例だとMadiganさんは語っている。「教科書に描かれている太陽系外縁部の描像は修正する必要があるかもしれません。そこには、私たちがかつて考えていた以上のことがまだまだたくさんあります。本当に面白い場所です」(Madiganさん)

2018年6月11日
AstroArtsより
 

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