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Jamie Duffy

Posted by moonrainbow on 29.2023 癒しの音楽   0 comments   0 trackback
Into The West

銀河M77の中心領域

Posted by moonrainbow on 29.2023 天の川   0 comments   0 trackback
銀河中心ブラックホールのジェットが抑制する星形成

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M77(撮影:田中俊成さん。画像クリックで天体写真ギャラリーのページへ)

アルマ望遠鏡がくじら座の銀河M77の中心領域を観測し、分子ガスのアウトフローを発見した。超大質量ブラックホールから噴き出すジェットに起因するものとみられ、銀河中心で新たな星の誕生が抑制されている可能性を示唆している

活動銀河核と呼ばれる天体では、銀河中心に存在する超大質量ブラックホールから莫大なエネルギーが放射されている。このブラックホールの活動が周囲の星間物質に及ぼす影響、とくに新しい星々の誕生を加速するのか抑制するのかを知ることは、銀河の進化過程を理解するうえで非常に重要だ。

活動銀河核は中心部が濃いガスや塵に埋もれていることが多く、可視光線や赤外線での観測が困難だ。電波による観測も、これまでは解像度が足りず、分子ガスの分布や銀河核の中心付近の構造まではわかっていなかった。

日本大学(研究時)の斉藤俊貴さん、名古屋大学の中島拓助さんを中心とする研究チームは、高い空間分解能を持つアルマ望遠鏡を用いて、約5140万光年と比較的近傍に位置する活動銀河核であるくじら座の銀河M77(NGC 1068)の中心核付近を観測した


斉藤さんたちは、検出される全ての分子ごとに分布を描き出す「イメージング・ラインサーベイ」を行い、分子ガスの二次元分布図を作成した。その結果、銀河中心にある直径650光年ほどの核周円盤と呼ばれる構造と、その外側の半径3300光年ほどにある爆発的に星が生まれているリング状のガス雲が明瞭に分解してとらえられた。核周円盤については、その内部構造まではっきりととらえられている。

詳しく解析したところ、核周円盤と外側のリング状のガス雲とでは、強力なX線や紫外線の照射を受けた領域で観測されやすいシアンラジカル(CN)分子や、強い衝撃波を受けたガス雲で観測されやすい一酸化ケイ素(SiO)分子の存在量に違いが見られた。これは、ブラックホールが核周円盤へ影響を及ぼし、衝撃波を伴うような力学的な機構によって分子ガスが高温に加熱されていることを示唆する結果と考えられる。機械学習により、円盤とリング状のガス雲とでは、分子ガスの分布の構造として全く別の領域として分類されることもわかった。

円盤の画像には2方向に向かって伸びる構造が見られ、その方向は先行研究で明らかにされている、超大質量ブラックホールから噴き出す双極のジェットの向きと一致している。このことから、構造は双極のアウトフローと考えられる。ジェットやアウトフローが周囲のガスと衝突して作り出された衝撃波は分子の組成に影響を及ぼすが、アウトフロー部では一般的な銀河でよく見られるような基本的な分子(一酸化炭素やメタノールなど)は破壊されていて少なく、特殊な分子(シアンラジカル、エチニルラジカル、シアン化水素の異性体など)が増えていた。核周円盤が超大質量ブラックホールから噴き出すジェットやアウトフローの強い影響下にあり、その影響が核周円盤からずっと外側の領域まで広がっていることを示す結果である


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銀河中心部の分子の分布
M77中心部の様々な分子の分布。(黄)シアン化水素の同位体(H13CN)/(赤)シアンラジカル(CN)/(青)一酸化炭素の同位体(13CO)。H13CNは活動銀河核の中心部のみに集中し、13COは主に周辺を取りまくリング状のガス雲に分布している。CNは中心部とリング状のガス雲の両方だけでなく、中心から北東(左上)と南西に向かって伸びた構造をしており、ブラックホールのジェットに起因する構造と考えられる(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), NASA/ESA Hubble Space Telescope, T. Nakajima et al.)

こうしたジェットやアウトフローの領域は、激しい衝撃波や、紫外線やX線といった強い放射を伴っている。そのため、星を形成する素となる分子が破壊され、星の誕生が抑制されてしまうはずだ。今回の研究成果は、銀河中心にある超大質量ブラックホールが、その母体となる銀河の成長を遅らせている可能性があることを化学的な観点から示した初の観測例である。

「アルマ望遠鏡の高感度かつ高分解能な性能と機械学習により、ジェットに起因する分子ガスアウトフローの検出とその化学的性質の解明に至りました。銀河中心の超大質量ブラックホールの活動が銀河の成長を抑制している描像が明らかになったことは大きな発見です」(斉藤さん)


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銀河中心の模式図
銀河中心ブラックホールからの双極ジェット、銀河円盤の位置関係と、それに起因する分子ガスのアウトフローの模式図(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), T. Saito et al.)

2023年9月25日
AstroArtsより

Andrea Vanzo

Posted by moonrainbow on 28.2023 癒しの音楽   0 comments   0 trackback
One Little Waltz, Tonight

宇宙に存在する物質とエネルギーの総量

Posted by moonrainbow on 28.2023 ダークエネルギー   0 comments   0 trackback
銀河団のメンバー銀河を用いた宇宙物質量の新測定法

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物質総量などパラメーターを変化させた6モデルに基づく銀河団の分布
宇宙における物質の総量などのパラメーターを変化させた6モデルに基づく銀河団の分布。それぞれの円は銀河団を表す。質量が大きいものほどサイズが大きく黄色く描かれていて、銀河団の質量や銀河団の数も大きく異なることがわかる(提供:千葉大学リリース)

銀河団を構成するメンバー銀河を用いて、銀河団の質量と銀河団の数の関係が高精度に推定された。宇宙に存在する物質とエネルギーの総量のうち物質が31%を占め、残りは暗黒エネルギーとなる

宇宙において各物質の成分がどれくらいの割合で存在するかは、天文学における最も重要な問題の一つだ。これを推定する方法として、銀河団の質量と数の関係を用いるものがある。

銀河団の質量と数の関係は宇宙論的条件に依存し、とくに物質の総量に非常に敏感だ。全物質の割合が高ければ高いほど、より多くの銀河団が形成されると予想される。しかし、銀河団に含まれる物質のほとんどは望遠鏡で光学的に直接観測できない暗黒物質のため、銀河団の質量と数の関係を正確に直接測定することは困難だった。

エジプト国立天文・地球物理学研究所のMohamed Abdullahsさんたちの研究チームは、質量の大きい銀河団ほどより多くの銀河で構成されているという事実に着目した。銀河は光り輝く星で構成されているため、各銀河団に含まれる銀河の数を計測すれば、その銀河団の質量を間接的に測定する方法として利用できる。

Abdullahsさんたちは、大規模天体撮像分光サーベイ「スローン・デジタル・スカイ・サーベイ(SDSS)」の観測データを解析し、各銀河団を構成する銀河の数を計測した。その数から得られた銀河団の質量と、銀河団自身の数の関係を高精度に推定して、パラメーターの異なる複数の数値シミュレーションによる予測と比較した。

その結果、観測とシミュレーションが最もよく一致したのは、宇宙に存在する物質とエネルギーの総量のうち物質が31%を占め、残りが暗黒エネルギーという宇宙モデルだった。この値は、ヨーロッパ宇宙機関の宇宙背景放射観測衛星「プランク」による宇宙マイクロ波背景放射の観測に基づく推定値とも非常によく一致している。

今回の研究の成功の鍵は、SDSSの分光観測のデータから、各銀河団までの距離と、どの銀河が重力的に結合した真の銀河団構成メンバーなのかを世界で初めて正確に決定できたことにある。これまでも銀河団を構成する銀河の数を利用しようという試みはあったが、少数の異なる波長における撮像データを用いていたため、あまり高い精度が得られていなかった。

今回の手法が、従来の手法と完全に異なっていて、物質の総量などの宇宙論パラメーターを制約するための競争力のある手法であると証明されたことの意義は大きい。アップデート計画「すばる2」により機能強化が図られるすばる望遠鏡をはじめ、今年7月に打ち上げられた宇宙望遠鏡「ユークリッド」やジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などによって得られる新しい観測データに対しても、今回の手法が応用可能であることから、今後宇宙の起源などの理解が深まると期待される


2023年9月22日
AstroArtsより

The Bangles

Posted by moonrainbow on 27.2023 癒しの音楽   0 comments   0 trackback
Eternal Flame

オリオン座B分子雲南部とNGC 2024

Posted by moonrainbow on 27.2023 宇宙   0 comments   0 trackback
フィラメント分裂による星誕生の証拠

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オリオン座B分子雲南部とNGC 2024
(左)「ハーシェル」で観測された星形成領域「オリオン座B分子雲南部」と、同領域内にある「NGC 2024」(青い四角)。(右)「NGC 2024」領域の拡大図。3波長の赤外線データを合成した擬似カラー画像(提供:九州共立大学)

星が生まれる高密度のガスの塊のほとんどは、細長い円柱状構造のフィラメントに埋もれている。野辺山45m電波望遠鏡などによる星形成領域の観測から、そのフィラメントが分裂してガスの塊ができる証拠が得られた

恒星は宇宙空間に漂う星間ガスが集まって誕生する。ほとんどの星間ガスは低温で暗いため、可視光線では観測できず、赤外線や電波で観測されている。2009年から2013年まで運用されたヨーロッパ宇宙機関(ESA)の赤外線天文衛星「ハーシェル」は星間ガスの大規模な観測を行い、円柱状の細長い構造である「フィラメント」を星形成領域に多数発見した。

さらに、星の素になる密度の高いガスの塊(コア)のほとんどがフィラメントに埋もれていることも明らかになった。次は、フィラメント自体の形成や、フィラメントからどのようにしてコアが生まれるのかを解明することが、星の誕生の仕組みや太陽系の形成を理解する上で重要となる。

しかし、これまでの赤外線観測では、星間ガスの形を広く詳細に調べることはできていたものの、フィラメントの周りやフィラメント内部の運動に関する情報が得られず、コアの形成メカニズムは解明されていなかった。

九州共立大学の島尻芳人さんたちの研究チームは、長野県の野辺山45m電波望遠鏡と仏・ミリ波電波天文学研究所のミリ波干渉計「NOEMA」を使って、オリオン座にある星形成領域のNGC 2024(燃える木星雲、火炎星雲)を観測し、ガスの運動を調べることができる分子の放射(分子輝線)を取得した。さらに、分子輝線のデータに加えて、ハーシェルやESAの電波望遠鏡「APEX」の観測データを詳しく分析した。

とくに野辺山45m電波望遠鏡の観測では、同時に複数の分子輝線の観測を高い速度分解能で取得できるという特徴が最大限に活かされ、様々な分子輝線の観測データが取得された。そのおかげで、幅広い密度域のガスの運動を調べることができ、ガスがフィラメント中に埋もれたそれぞれのコアに向かって動いていることが明らかになった。フィラメントが分裂してコアが形成されている可能性を示唆する成果だ


島尻さんたちは分裂中のフィラメントと分裂していないフィラメントの単純なモデルを作り、今回の観測結果との詳細な比較を行った。その結果から、観測されたフィラメント内部のガスの動きが、分裂中のフィラメントと似た特徴を持っていることがわかり、フィラメントが分裂していると解釈できることが示された。こうした成果は、異なる密度域をとらえることができる様々な分子輝線のデータを同時に分析することで初めて見えてきたものだ

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フィラメント中のガスの動きとコアの分布のイメージイラスト
フィラメントが分裂してコアができていることを示す、フィラメント中のガスの動きとコアの分布のイメージイラスト(提供:国立天文台)

今回の野辺山45m電波望遠鏡の観測では、違う種類の分子輝線データで同じフィラメントの太さが測定され、観測する星間ガスの密度によって結果が違うことが明らかになった。また、連続波のデータから測定した太さが0.3光年であることもわかった。過去の研究と整合する結果であるとともに、フィラメントの太さが一定かどうかを確定するには、同じ種類のデータを使って色々なフィラメントの太さを測る必要性があることを示すものである

2023年9月22日
AstroArtsより
 

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