パルサー「PSR B1957+20」

Posted by moonrainbow on 06.2018 未分類   0 comments   0 trackback
「プラズマの虫眼鏡」でパルサーを超拡大観測

パルサー「PSR B1957_20」の想像図
褐色矮星を覆っているガスを通して見える、背景のパルサー「PSR B1957+20」の想像図(提供:Dr. Mark A. Garlick; Dunlap Institute for Astronomy & Astrophysics, University of Toronto)

6500光年彼方に位置するパルサーと褐色矮星の連星系の電波観測で、パルサーの表面にある2個の電波源を見分けることに成功しました。褐色矮星から流れ出す電離ガスが天然の「虫眼鏡」として働くことで得られたユニークな観測成果です

や座の方向約6500光年の距離にあるパルサー「PSR B1957+20」は、毎秒600回以上も高速自転する中性子星で、自転に伴って表面の「ホットスポット」から電波のビームが放たれています。このパルサーは太陽の3分の1ほどの大きさを持つ褐色矮星との連星になっています。パルサーと褐色矮星の距離はわずか約200万km(地球と月の距離の5倍ほど)しか離れておらず、およそ9時間の周期で互いの周りを公転しています。褐色矮星は潮汐力によっていつも同じ面をパルサーに向けているため、パルサーに近い側はパルサーからの強い放射によって、太陽の表面とほぼ同じ摂氏6000度もの高温になっていると考えられています

このように、パルサーからの強い放射と恒星風にさらされているため、この褐色矮星からはガスが吹き飛ばされ、彗星の尾のように褐色矮星を取り囲んでいます。このようなタイプの連星パルサーは「ブラックウィドウ・パルサー」と呼ばれている。クロゴケグモ(black widow spider)のメスがオスを食料にするように、パルサーが褐色矮星のガスを徐々に失わせて、条件が揃えば最終的には褐色矮星を消し去ってしまうと考えられているためです

カナダ・トロント大学のRobert Mainさんたちの研究チームは、米自治領プエルトリコのアレシボ天文台にある口径305m電波望遠鏡を使い、このPSR B1957+20から届く電波パルスの精密観測を行いました。その結果、互いに20kmほど離れた2か所の明るいホットスポットがパルサーの表面に存在することが明らかになりました。これは、冥王星の表面にいるノミを地球から望遠鏡で見分けるのと同程度の分解能の観測を間接的に行えたことに相当します

このような観測ができたのは、このパルサーが褐色矮星と連星になっているという特徴に加え、地球から見てパルサーが褐色矮星に隠される「食」が定期的に起こる幸運な位置関係になっているためです。この連星系では、食の前後に褐色矮星を取り巻く電離ガス(プラズマ)を透かしてパルサーからの電波を観測できます。電波がプラズマの中を通るとその進路が曲げられるため、ちょうど光がレンズによって曲げられるのと同じように、地球に届くパルサーの電波も「集光」されてより明るく観測されるのです

「褐色矮星から流れ出している電離ガスがパルサーの前に置かれた『虫眼鏡』のような役割を果たしています。この天然の拡大鏡を通してパルサーを観測することで、離れた2つのホットスポットを定期的に見ることができるのです」(Mainさん)

Mainさんたちによる観測結果は、高速電波バースト(Fast Radio Bursts; FRB)として知られる謎の現象の本質に迫る手がかりになるかもしれません

「これまでにFRBで観測されている様々な特徴は、プラズマによるレンズ効果で電波が増幅されていると考えれば説明がつきます。私たちが観測した増幅パルスの特徴は、繰り返しバーストが発生している『FRB 121102』のバーストと非常によく似ています。つまり、FRB 121102も母銀河のプラズマによるレンズ効果を受けているのかもしれません」(Mainさん)

2018年5月28日
AstroArtsより

若い星を取り巻く多様な塵円盤

Posted by moonrainbow on 20.2018 未分類   0 comments   0 trackback
そのSPHEREがとらえた星周円盤の画像が多数公開されました

SPHEREで撮影された様々な星周円盤
SPHEREで撮影された様々な星周円盤。一部の円盤には、惑星の重力で塵が集められてできた溝らしい模様が見られ、惑星形成プロセスが進んでいると考えられる。(提供:ESO/H. Avenhaus et al./E. Sissa et al./DARTT-S and SHINE collaborations)

超大型望遠鏡VLTの観測装置「SPHERE」が撮影した、若い星を取り巻く塵の円盤の画像が多数公開されました。大きさや構造などが異なる、多種多様な円盤の姿がとらえられています

ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLTでは、恒星の光を隠してそのすぐそばの領域を撮像する装置「SPHERE」を取り付けて、太陽から比較的近い恒星をめぐる巨大惑星の発見調査や、生まれて間もない星を取り巻く塵の円盤(星周円盤)の観測が行われています

円盤は大きさや形が様々で、明るい環や暗い部分があったり、ハンバーガーの形に似ていたりするものもあります。また、真上から見た円形のものから、ほぼ真横から見た幅の狭い円盤まで、見る方向によっても姿は劇的に変化します

下の画像は、「おおかみ座IM星」の円盤をとらえたもの。生まれて1000万年に満たない変光星の一種「Tタウリ型星」を観測する「DARTTS-S」サーベイプロジェクトで撮影されました

「おおかみ座IM星」を取り巻く円盤
「おおかみ座IM星」を取り巻く円盤。中心の灰色の丸が星の位置(提供:ESO/H. Avenhaus et al./DARTT-S collaboration)

これらの円盤は、惑星系の前段階である原始惑星系円盤であり、ガスや塵や微惑星といった惑星形成の材料が存在しています。いくつかの円盤は、40億年以上前に形成初期の時代にあった太陽系は「きっとこんな姿をしていただろう」と思わせるものです

また、SPHEREの系外惑星赤外線サーベイ「SHINE」で観測したいて座方向のM型矮星(赤色矮星)「GSC 07396-00759」には、新たに星周円盤が発見されました。

「GSC 07396-00759」を取り巻く円盤
「GSC 07396-00759」を取り巻く円盤。円盤は左下から右上に伸びている。中心の灰色の丸が星の位置(提供:ESO/E. Sissa et al.)

この星の星周円盤は、同じ多重星系に属しているTタウリ型星(これも「DARTTS-S」の観測対象)を取り巻くガスの豊富な円盤よりも進化しているように見えるのですが、意外にも年齢は同じであることがわかっています。星自体も円盤も同じころに作られたのに、なぜ違って見えるのか。これを明らかにするため、より多くの円盤の発見と、それらの特徴を調べる研究が進められています

これまでにもSPHEREの観測データは惑星と円盤との相互作用や軌道、円盤の時間進化といった研究に利用されてきました。今回の結果は、アルマ望遠鏡など他の望遠鏡の観測データと共に、若い星の周囲の環境や惑星形成の複雑なメカニズムに対する理解を革命的に向上させていくものとなります

2018年4月13日
AstroArtsより

Michel Pépé

Posted by moonrainbow on 03.2017 未分類   0 comments   0 trackback
Saisons Eternelles

火星との距離が縮まるか?

Posted by moonrainbow on 30.2017 未分類   0 comments   0 trackback
NASAの新型イオン推進エンジンが新記録を樹立

新型イオン推進エンジン

NASAの新型エンジン「X3」が最近実施された稼働試験で新記録を樹立したそうです。このエンジンの技術は火星への有人飛行に用いられるかもしれません

 X3はホール効果推進器の一種で、イオンストリームで船体を加速させます。NASAによれば、その推進力は化学ロケットのそれを超えるといいます

 化学ロケットの限界速度は秒速5キロ程度ですが、ホール効果推進器を用いれば、秒速40キロまで加速させることができます

イオン推進エンジンの利点

 このような加速は、近い将来挑戦されるであろう火星への有人飛行のような長距離間の宇宙飛行に威力を発揮します。事実、開発チームのリーダーは、今後20年以内の火星有人飛行にイオン推進エンジンが使われることを念頭に置いています

 イオン推進エンジンは化学ロケットより効率の点でも優れており、同じだけの宇宙飛行士と設備をずっと少ない燃料で遠くまで運ぶことができます。開発チームを率いる米ミシガン大学のアレック・ガリモア(Alec Gallimore)博士によれば、同じ量の燃料で10倍の距離を飛行できると言います

新型イオン推進エンジン1
image credit: NASA

最近の試験で最高記録を出したイオン推進器X3

 最近実施された試験運転では、X3を100kW以上の出力で稼働し、5.4ニュートンの推進力を発生させることに成功しました。イオン推進器としてはこれまでの最高記録です。また最大出力と動作電流の点でも新記録です

 なお現時点では制限もあります。化学ロケットに比べると、非常に小さな推進力しか発生できないのです。ゆえに従来のロケットと同レベルの加速に到達するには非常に時間がかかるということで、打ち上げには向きません

新型イオン推進エンジン2
image credit:nasa

 X3ではこの問題の緩和が図られ、複数のプラズマチャンネルが利用されています。だが難しいのはエンジンに十分なパワーを発揮させながらも本体をコンパクトに保つことです。ほとんどのホール効果推進器は研究所内をかなり楽に持ち運びできるが、X3の場合はクレーンが必要な大きさです

NASA's X3 Ion thruster engine breaks records

 2018年には宇宙空間で100時間の連続稼働実験が予定されています

 またプラズマによる推進器のダメージを防ぐシールドシステムも開発中です。これが完成すれば、耐用時間がぐっと伸びて、数年でも稼働できるようになるかもしれないのです

宇宙旅行の新しい技術

 イオン推進エンジン以外にも宇宙旅行の新しい技術がいくつも提案されています。ただし化学燃料を使った装置の欠点は、宇宙に行く際に燃料を搭載しなければならないことです。すると重量が増えることになり、一層打ち上げに必要となる燃料が増えるという悪循環に陥ってしまいます

 例えばバサードラムジェット(恒星間ラムジェット)が提唱されています。これは核融合ロケットの一種で、宇宙空間に漂う水素分子を巨大な磁場(ラムスクープ)で集め、これを燃料として使うものです。理論上、光速にも近づけるとされています



image credit:バサードラムジェットエンジン- Wikipedia
新型イオン推進エンジン4

 またワープのような光速を超える航法を想像する方もいるでしょう。一般相対性理論は光速を超える速度は不可能だと説明しています。ところが前方と後方の時空を伸び縮みさせることができれば、事実上光速を超える移動も可能になります。だが残念なことに、現時点でこれを実現できそうな技術は見当たらないのです

nasa より

2017年10月22日
カラパイアより

宇宙のミッシングパーツ「バリオン(baryon)物質(重粒子)」

Posted by moonrainbow on 21.2017 未分類   0 comments   0 trackback
宇宙のミッシングパーツだった、欠けていた「バリオン(baryon)物質(重粒子)」の存在がついに立証された

バリオン物質1

暗黒エネルギーと暗黒物質の発見に気をとられるあまり、きちんと定義されている粒子のほとんども、いまだ欠けているパーツのごとく行方不明になっているという事実を我々は忘れがちです。しかし今、それが銀河同士をつなぐ宇宙の繊細な網の目に隠されているという史上初の確かな証拠が得られたのです。

 2つの独立した天文学者チームが、それぞれ似たようなアプローチで銀河の間にあるバリオン物質なるものの存在を立証したのです

失われていた粒子、バリオン

 バリオン物質(重粒子)は、陽子・中性子・電子といった高校の物理の教科書に掲載されている基本的粒子で概ね構成されています

 これは宇宙の総量のおよそ4.6パーセントのみを占めると考えられています。残りは暗黒物質と暗黒エネルギーです

 星々や輝くガス雲が放つ光を調べ、現在までに明かされてきた宇宙の大きさと密度に基づきその質量を掛け合わせれば、それらの中のバリオン物質の量を大体のところは把握できます

 しかし把握した量を足し合わせてみても、ビッグバン以降に放たれた放射線で融合しているはずの量に届かないのです。宇宙の希薄な部分においては、一見すると実に90パーセントものバリオン物質が足りないほどです

 行方不明の物質は、銀河を取り巻く塵とガスの拡散ハローとして存在する可能性もありますが、それでもなお大量のバリオン物質が在処が分からないまま残されます

バリオン物質2
image credit:nasa ESA

スニヤエフ・ゼルドビッチ効果に着目して測定

 困ったことに、バリオン物質が光や影を何らかの形で広めていない場合、それを発見することはできないのです

 しかし最近の発見によって宇宙に暗黒物質の広大な網の目が広がっていることが確認され、普通に視認できるはずのバリオン物質は銀河と銀河を結ぶフィラメントに蓄積されているのではないかと疑われるようになってきました

 しかし、きちんとした証拠がなければ、疑いは疑いのままです

 それは星の光を遮るほど密度が高くなく、何らかのサインを示すほど熱くもないと考えられたため、ほとんどの測定技法では発見が困難でした

 そこで着目されたのが、スニヤエフ・ゼルドビッチ効果という、ビッグバンの輝きの名残である陽子が、銀河団を取り巻くガスの電子を通過する際に拡散して、わずかに高いエネルギーが生じる現象です。

バリオン物質3
image credit: Sunyaev–Zel'dovich effect - Wikipedia

 両チームともにスローン・デジタル・スカイサーベイの銀河のペアのデータを用い、相対的な位置を基に、そこにある微かなパターンを補強しました

 こうしてカナダ・ブリティッシュコロンビア大学のチームはフィラメントの密度が周辺の空間のバリオン平均密度の3倍近くあることを発見。またイギリス・エディンバラ大学のチームはそれを6倍と計測しました

バリオン物質4

 この差異はフィラメントを異なる距離で観測した場合に予測されるものであり、これを考慮に入れれば両チームの結果は一致するものと考えられます
 
 今後、より大規模な調査によって、宇宙の網の目に蓄積している可視物質の正確な量についてさらなるデータが集められることは間違いないです。独立した2つの研究チームの結果が一致したのだから、今の時点でもかなり確かな証拠です。宇宙と銀河の進化のモデルはさらに発展することでしょう

arxiv より

カラパイアより
2017年10月15日
 

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