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宇宙人の誕生には?

Posted by moonrainbow on 13.2023 地球   0 comments   0 trackback
高度な科学技術をもつ宇宙人の誕生には「適切な大気中酸素濃度」も必要

高度な科学技術
落雷が原因の山火事。カナダ、アルバータ州(THE GOVERNMENT OF ALBERTA VIA NASA)

グローバルなWi-Fiから空の旅まで、今、私たちが享受しているテクノロジーはすべて、人類が火を利用し始めたことに端を発する。そしてこの地球が、地質学的な長期間にわたって大気中酸素を維持するのに最適な環境であったらしいという事実によるものでもある

屋外における燃焼(燃料燃焼)は、稲妻が起こした火というかたちで、200万年ほど前に私たちの祖先であるヒト亜科が最初に気づいたと考えられている。人類が正確にいつ火を初めて利用し始めたのかは、現在も議論の対象だ。しかし、この決定的に重要な第一歩が、今日のテクノロジーの進化を可能にした。

技術的に進歩した宇宙人の存在に思いを巡らす日々を過ごしている研究者たちにとって、最初のハードルは知的生命の始まりを確実にするのに十分な酸素が存在する太陽系外地球型惑星を見つけることだ。また、あらゆる技術文明の萌芽期には、冶金(鉱石から金属を取り出して精製する能力)を促進するための酸素も必要になる。

Nature Astronomy Commentary誌に掲載予定の論文でアメデオ・バルビとアダム・フランクの2人は、地球におけるテクノロジー開発には、大気中での燃焼を容易に利用できることが必要であり、それは酸素の分圧が18%を超える時にのみ可能だと主張。これは「高度」な技術圏の発展には、大気中の酸素濃度が高い惑星においてのみ可能であることを示している。

野外で火を起こす能力が必要なのは、生まれたての文化にとってそれが冶金などに使う入手可能な初めてのエネルギー源になるからだとロチェスター大学の天文学者で論文の共著者、アダム・フランクはいう。

天文学的観察によって検出できるような先進的な技術文明を確立するためには、酸素が必須だと論文主著者でローマ・トルヴェルガタ大学の宇宙論研究者、アメデオ・バルビは述べている


■現代の文化は偶然の産物なのか?

地球に21~23%の酸素を含む大気があるという事実は偶然ではないかもしれないと『The Little Book of Aliens』の著者であるフランクはいう。酸素濃度が高くなりすぎて地球全体が火事にならないよう、おそらく生物圏が自主規制したのだろうと彼は述べている

■タイミングも重要

地球の酸素濃度の歴史を踏まえると、地球におけるモノの燃えやすさは極めて変化しやすかったと考えられ「1億8000万~2億年前頃の数千万年間は、まったく燃焼させることができなかったかもしれません」と著者らはいう。その期間、初期の道具を使っていた人々は、電波望遠鏡といった高度な技術に必要な金属鋳造ができなかっただろうと著者らは指摘する。

複雑な生命に必要な酸素の最低量は、燃焼に必要な量よりも少ないという点が重要だとバルビはいう。これは、複雑な生命や知能にとって十分な量の酸素は存在しても、科学技術の発展に必要な量の酸素が存在しない惑星が存在する可能性を示唆している。

これは、地球外生命のテクノシグニチャー(技術文明の証拠)を探索する現在の戦略に影響を及ぼすのだろうか?

望遠鏡を使える時間が限られているのであれば、研究者はその時間をすでに酸素の存在が示されている惑星に注ぎ込むだろうとフランクはいう


■環境の問題でもある

生命の証拠を表すシグナルを探すだけでなく、そのシグナルが大気中に酸素をもつ惑星からのものかどうかも確認すべきだ。それは、見つけたテクノシグニチャーが本物かどうかを見極めるのに役立つだろうとフランクはいう

■地球は酸素の宝くじに当たったのか?

その疑問に対する明確な答えはない。地球の酸素発生の歴史は非常に複雑で完全には理解できていない。果たして酸素濃度20%という数字が、ほぼ必然なのか偶然なのか、それがわかればおもしろいだろうとバルビは語っている

2023年8月11日
Forbes JAPANより

太陽光発電エネルギー

Posted by moonrainbow on 13.2023 地球   0 comments   0 trackback
宇宙で作られた太陽光発電エネルギーを地球に無線送電することに初めて成功

太陽光発電

宇宙で作った太陽光エネルギーを地球に無線送信することに初成功
 
アメリカの研究者が宇宙で太陽光を利用して発電した電気を、地球に無線(ワイヤレス)送電することに初めて成功したそうだ。

 太陽光発電は持続可能な再生可能エネルギーだが、夜には発電できないのが弱点だ。だが宇宙でならば昼夜を問わずにほぼいつでもOKだ。

 問題はその電気をどうやって地上に送るのかということ。そこで登場するのが、今回カリフォルニア工科大学の研究チームが成功した「無線送受電技術」だ。

 これは、「マイクロ波の干渉」を利用したSF的な送受電技術で、電線などを1本も使わずに地上に電気を送ることができるという。

宇宙から地球へ電気を無線送電する方法
 この実験は、今年1月に打ち上げられた人工衛星「宇宙太陽光発電実証機SSPD-1」を利用して行われた。

 SSPD-1は、宇宙に存在する太陽光エネルギーを利用し、それを地球へ送ることを目指しており、2枚のソーラーパネルを翼のように生やしており、それで発電することができる


Space Solar Power Demonstrator


Space Solar Power Demonstrator

 そして、その電気を無線(ワイヤレス)送電するのが、今回の主役となるデバイス「MAPLE(Microwave Array for Power-transfer Low-orbit Experiment)」だ。

 MAPLEは電気を一度マイクロ波に変換してから、その干渉を利用して遠く離れたところにエネルギーを送信する。

 ちょっと静かな水面を思い浮かべてほしい。もしあなたが両手で同時に水面に触れたとしよう。すると2つの波紋が広がり、互いにぶつかり合うことだろう。

 このとき波が正反対のタイミング……つまり片方の波が盛り上がり(山)、もう片方が下がっている(谷)タイミングでぶつかると、互いに打ち消しあって弱くなる(相殺的干渉)。

 一方、まったく同じタイミング、どちらも山(あるいは谷)でぶつかると、波が増幅されて強くなる(建設的干渉)。

 この性質をうまく利用すると、波のエネルギーはまったく失われないままに、そのエネルギーに指向性を与えることができる。

 MAPLEの場合、2つの波ではなく、32個の送信機でマイクロ波をいくつも重ねて、送りたい方向とタイミングでそのエネルギーを送信する。

 このマイクロ波を受信機で受け取り、再び電気に変換する。これがワイヤレス送受電技術の基本的な仕組みだ


太陽光発電1
無線送電中のMAPLEの内部。送信機から送られたマイクロ波を受けて、LEDが光っている/Image: Caltech

宇宙から地上に電気を無線送電することに成功
 今回の実験では、まず送信機から30センチ離れたところに設置された受信機に無線送電を試し、見事にLEDを点灯させることに成功した。

 その後さらに宇宙から無線送電して、大学キャンパス内の建物屋上に設置した受信機でキャッチすることにも成功したそうだ。

 MAPLE開発チームの中心人物アリ・ハジミリ教授はこの成功を受けて、「インターネットが情報へのアクセスを民主化したように、無線送電が電気へのアクセスを民主化するよう期待しています」とプレスリリースで語る。

 「この電力を受け取るために、地上の電線は要りません。つまり人里離れた地域、あるいは戦争や自然災害で荒廃した地域などにも電気を送れるのです」


How Does Wireless Power Transfer Work?


How Does Wireless Power Transfer Work?
日本でも進むSF的送受電技術
 ちなみにこうした無線送受電技術は日本も実用化を目指しており、官民連携で2025年に試験な導入が計画されているそうだ。

 宇宙での太陽光発電は、設備の打ち上げコストこそかかるものの、太陽光パネルの稼働率が圧倒的に優れているため(地上14~15%に対して、宇宙90%以上)、十分採算が取れるのだとか。

 宇宙から電気を送るなどSF映画のような技術だが、もはや現実になりそうだ。そしてそんな未来的技術はこれだけではない。

 たとえば身の回りにいくらでもある空気から発電する方法も開発されている。それは雷が発生するメカニズムを利用したやはり未来的な技術だ


2023年06月06
カラパイアより

太陽系外から地球に飛来する宇宙線

Posted by moonrainbow on 10.2023 地球   0 comments   0 trackback
太陽活動に伴う宇宙線量の変化にドリフト効果が大きな役割

地球に到来する宇宙線のイメージ図
地球に到来する宇宙線のイメージ図。ドリフト効果の結果、CALETが観測を行っている太陽双極子磁場が北向きの期間においては、陽子は太陽系の極領域を通過して地球に到来し、電子は太陽系の赤道領域に存在するカレントシートと呼ばれる領域に沿って地球に到来する(提供:(イラスト)早稲田大学、(図中の写真)JAXA/NASA)

太陽系外から地球に飛来する宇宙線は22年周期で変化する。その要因は、太陽周辺の磁場中を進む宇宙線に働く「ドリフト効果」であることが、宇宙線電子望遠鏡「CALET」による観測などからわかった

太陽系外から超高速で飛来する粒子である宇宙線の量は、太陽からのプラズマ風や磁場によるバリアの効果で増減するため、太陽の活動周期に合わせて変動している。「宇宙線の太陽変調」と呼ばれるこの現象は、1950年代から観測が続けられており、同時に理論モデルの研究も進められている。

宇宙線の太陽変調は約22年周期で、ちょうど太陽の活動周期の倍だ。これは、太陽活動の11年周期ごとに、太陽磁場のN極とS極が反転することによる。宇宙線の大部分は正の電荷を持った陽子で、負の電荷を持った電子も少量ながらある。そうした電荷を帯びた粒子の動きは磁場に影響されるため、約22年で元に戻る太陽磁場の向きが太陽変調に反映されているのだ。宇宙線の陽子に着目すると、11年周期ごとにピークがなだらかな場合(下図で赤い期間)と鋭い場合(青い期間)を繰り返している


地上に置かれた宇宙線計
宇宙線陽子の量と太陽黒点数の変動
地上に置かれた宇宙線計(中性子モニター)とCALET(右端の赤点線)による宇宙線量と太陽黒点数の変動。赤と青の塗りつぶし期間は、太陽磁場極性が同一の期間を示している(提供:早稲田大学リリース)

荷電粒子は磁力線に巻き付くようにしてらせん状に進むが、場所によって磁場の強さが異なったり、磁力線がカーブしていたりすると、らせんの中心は磁場と垂直な方向にずれていく。この現象は「ドリフト効果」と呼ばれ、磁場の向きが変われば作用する方向も変わる。11年周期ごとにピークの形状が変わるのも、ドリフトの向きが反転するからだと考えられる。だが、太陽活動は磁場極性以外にも周期ごとに様々な違いがあり、宇宙線量の変動の違いがドリフト効果によるものだという確かな証拠をとらえることは困難だった。

ドリフト効果は粒子の電荷が正と負の場合に逆向きに働く。陽子のなだらかなピークと鋭いピークの繰り返しがドリフト効果によるのであれば、正の電荷を持つ陽子と負の電荷を持つ電子の量を同時に観測すれば、一方のピークはなだらかでもう片方は鋭くなるはずだ。このことに着目し、伊・フィレンツェ大学のOscar Adrianiさんたちの研究チームは、国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームに設置されている宇宙線電子望遠鏡「CALET」で、2015年10月から2021年5月の約6年にわたって宇宙線の陽子と電子を同時に観測した。

その結果、2020年の太陽活動極小期には、陽子のピークはなだらかで電子のピークは鋭かった。Adrianiさんたちはドリフト効果を考慮した宇宙線輸送過程のシミュレーションも行い、観測された陽子と電子の量の変動を再現することに成功した。CALETによる観測結果を理論モデルで再現することで得られたこの結果は、ドリフト効果が太陽変調に大きな役割を果たしていることを示す世界初の成果だ


CALETが観測した
宇宙線電子量と陽子量の変化および同期間の太陽黒点数と太陽磁場のカレントシートの傾き角
CALETが観測した宇宙線電子量(青丸)と陽子量(赤丸)の変化(下図(b))。1枚目の図の右端部分にあたる。青線と赤線はドリフト効果を考慮したモデルによる計算結果。上図(a)は同期間の太陽黒点数(黒線)と太陽磁場のカレントシートの傾き角(青点)を示したもの(提供:Physical Review Letters)

今回CALETが観測したデータが示したのは、太陽活動の半周期分に当たる、主に太陽活動が減退期の太陽変調の描像だ。今後、太陽活動の増進期でもCALETが観測を継続すれば、太陽系内の磁場構造の変化による宇宙線への影響がより明確に示されると期待される

2023年6月5日
AstroArtsより

「地球照」

Posted by moonrainbow on 22.2023 地球   0 comments   0 trackback
三日月の欠けた部分が見える「地球照」が肉眼で楽しめる、5月24まで

三日月の欠けた部分が見える「地球照」
満ちていく三日月と地球照(Getty Images)

日没のすぐ後の西の地平線上に見えるほっそりとした三日月ほど美しくて独特な景色はほかにない。太陽のまぶしさで見えない新月の後にやってくるその輝きは、月が地球を回る29.5日の旅の始まりを意味している。しかも、注意して見ると月の暗い部分も見ることができる

この、太陽に照らされていない月面の微かな光は「地球照」と呼ばれ、太陽光が地球に反射して月を照らしているものだ。

来週は、その最も明るく最も美しい姿をみるのに最適な時だ。

日本時間5月20日土曜日に新月を迎え、その後の数日間(まだ太陽の輝きの中にいる5月21日を除く)の三日月は常にこの微かな光を見せる。

「地球照」を見られるのが、細い三日月の時に限られるのには理由が2つある。

・新月の直前、最中および直後は月から見て「満地球」になるため、地球は受け取った太陽光の輝きをすべて月面に反射する

・人間の目は、月が細い三日月でいる間は、最も明るいところと最も暗いところのダイナミックレンジを堪能できるが、一度上弦の月になり、太陽光の50%を反射するるようになると、そのまぶしさによって地球照を見ることが困難になる

■「地球照」はなぜ起こるのか?

「地球照(earthlight)」は、地球の海と氷に反射した太陽光によって起きる。NASAによると、4月から6月の間にもっとも明るくなる。

他に「earthshine(地球の輝き)」「Planetshine(惑星の輝き)」あるいは15世紀に初めてこの現象を説明した人物にちなんで「Da Vinci glow(ダ・ヴィンチの光)」とも呼ばれるこの毎月の景色は、日没の後に見ることができる。

「地球照」を見るべき日時は以下の通りだ。

・5月22日月曜日の日の入り後
日の入り(東京では18時44分)の後に北西の空を見ると、非常に細い輝面比3%の三日月が地平線低くに見える。これは1週間の中で最も見るのが難しい「地球照」だが、最も満足度の高いものになる可能性が高い。

その上には非常に明るい金星が、その向こうにはずっと暗い火星がある。

・5月23日火曜日の日の入り後
今夜の日没後に北西方向を見ると、輝面比14%の三日月と金星が大接近(視野角約3度)しているところが見える。「地球照」もよく見えるはずだ。

・5月24水曜日の日没後
この日、21%を照らされた三日月が、今度は火星と接近する。ふたご座で最も明るい恒星であるポルックスも近くに見える。この頃の「地球照」はすばらしいが、翌日以降は、明るく輝く三日月の光に圧倒されて見えなくなっていく。

■「地球照」を見る方法

晴れた空なら、肉眼で月を見るだけで「地球照」をかなりはっきり見ることができる。しかし、どんな倍率のものでもいいので双眼鏡があったら覗いてみてほしい。月の暗くなった縁で、クレーターが不気味な光に照らされているところのすばらしいクローズアップが見えるはずだ


2023年5月21日
Forbes JAPANより

地球表層は原始生命に苛酷

Posted by moonrainbow on 15.2023 地球   0 comments   0 trackback
形成直後の地球表層は原始生命に苛酷な環境だった

巨大天体衝突の想像図
巨大天体衝突の想像図とマグマオーシャン酸化メカニズム
(左)巨大天体衝突の想像図、(右)2価鉄(Fe2+)の不均化反応によるマグマオーシャン酸化メカニズムの概要。2価鉄の不均化反応で生成した金属鉄がマグマオーシャンから取り除かれ、3価鉄(Fe3+)の割合が増加し、マントルが酸化する。画像クリックで表示拡大(提供:木下真一郎)

地球マントルと同等の試料を超高圧で融解させる実験から、マグマの海で覆われていた形成直後の地球表層は、有機分子の生成率が低い酸化環境で、生命にとって非常に苛酷だったことが示唆された

地球が形成されたのは約46億年前とされる。当時の地質記録はほとんど残っていないため、表層の環境がどのようなものであったかについては、あまり理解が進んでいない。地球の大気は、火山から出るガスによって形成されたと考えられるが、その火山ガスの組成は上部マントルの物質がどれだけ酸化していたかに左右される。そこで、遅くとも約39億年前に発生した生命誕生の謎を解明するには、当時のマントルの酸化状態を知ることが重要な手がかりとなる。

数少ない地質記録によると、約44億年前には上部マントルの一部が現在と同程度以上に酸化されていたとみられる。形成末期の地球では、巨大な天体の衝突によって表面がマグマオーシャン(マグマの海)になっていたと考えられるが、そうした環境ではマグマ中の2価鉄イオン(Fe2+)から3価鉄イオン(Fe3+)が生成される反応が起こり、結果としてマントル全体が酸化するという説がある。

しかし、この反応を研究する実験では、地球マントルと大きく組成が異なる試料が用いられていた。また、実際のマグマオーシャンと比べると低い圧力条件で実験が行われていた。そのため、より現実的なマントル組成の試料を用いた高圧下での実験的検証が必要とされていた。

愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センターの桑原秀治さんたちの研究チームは、深さ約660~800kmに相当する下部マントルと同じ圧力下でマグマオーシャンを再現する実験を試みた。実験では大型高圧発生装置と超高温高圧実験に適した密閉容器を組み合わせて、上部マントルの主成分であるカンラン岩の試料を金属鉄と共に溶融させた。分析には大型放射光施設「SPring-8」を用いて、実験回収試料の2価鉄と3価鉄の量を決定した。

その結果、下部マントル条件下で、これまでの予想以上に3価鉄が生成されることが示された。深いマグマオーシャンが形成されると現在の地球よりも酸化的な表層環境が形成されることを裏付ける成果だ


金属鉄共存化における
マグマ中の酸化鉄に占める3価鉄の割合の変化
金属鉄共存化におけるマグマ中の酸化鉄に占める3価鉄の割合の変化。下部マントル圧力条件(23万気圧以上)では、2価鉄の電荷不均化反応の効率が非常に高くなる(提供:愛媛大学リリース)

この結果は地質記録から示唆されている冥王代(地球誕生から40億年前までの約5億年間)の記録と一致していて、地球表層が全球的に非常に酸化的であったことを示す。また、当時の地球大気が二酸化炭素や二酸化硫黄から構成されていた可能性が高いことも示唆される。

こうした大気では生命が利用可能なアミノ酸などの有機分子の生成率はとても低く、原始生命にとって非常に過酷な環境であったと想像される。一方で、現在の上部マントルの3価鉄の量は、今回の研究で予想される冥王代の値よりも一桁程度低い。その理由について研究チームは、その後に降着したであろう金属鉄に富む小天体によって上部マントルの酸化状態が還元されたとする新しい仮説を提案している。

今後、地質学的な検証により、地球の上部マントルの酸化状態や大気組成の変遷に関する理解が進むと期待される


2023年5月11日
AstroArtsより
 

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