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星が誕生する現場の分子雲

Posted by moonrainbow on 22.2021 分子雲   0 comments   0 trackback
星が誕生する環境は、銀河内の位置によって異なる

近傍銀河の例
アルマ望遠鏡が撮影した近傍銀河の例。画像クリックで表示拡大(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/PHANGS, S. Dagnello (NRAO)、以下同)

星が誕生する現場である分子雲を、90個の銀河で合計10万個観測した調査によって、銀河内の位置によって分子雲の性質は異なることが初めて明らかにされた

恒星は塵やガスが集まった分子雲の中から生まれ、一つの分子雲からは数千個から数万個の星が形成される。これまで、分子雲ごとの性質の違いには焦点が当てられてこなかったが、近傍の銀河を高解像度で調べるサーベイプロジェクト「PHANGS(Physics at High Angular Resolution in Nearby GalaxieS)」の結果によると、銀河内での分子雲の位置によって星の生育環境は異なるようだ。

PHANGSの一員で米・オハイオ州立大学のAdam Leroyさんたちの研究チームは、2013年から2019年にかけて90個の銀河に含まれる10万個の分子雲をアルマ望遠鏡で観測し、分析した結果を論文にまとめた。アルマ望遠鏡は一酸化炭素分子が発するミリ波をとらえることで、銀河内の分子雲の分布を高い解像度で得ることができる


従来の分子雲の研究では、一つの銀河または銀河の一部だけが対象とされており、PHANGSのような網羅的な調査は初めてだ。「様々なタイプの銀河と、銀河内に存在する多様な環境を観測によって描き出すことで、現在の宇宙で星を形成するガスの雲がどのような条件で存在しているのかを追跡し、そうした条件が星形成の起こり方に与える影響を測定することができます」(米・カーネギー研究所 Guillermo Blancさん)

これまで分子雲の性質はどこでもほぼ同じと考えられてきたが、今回の調査によって銀河内の位置による違いが浮かび上がってきた。「銀河の中心部にある雲は、銀河のより外側にある雲よりも質量が大きく、密度が高く、乱流が激しい傾向があります。また、雲のライフサイクルも、その環境に左右されます。雲がどのくらいの速さで星を作るかや、最終的に雲を破壊するプロセスも、その雲がどこにあるかによって異なるようです」(仏・天体物理学・惑星科学研究所 Annie Hughesさん)

かみのけ座の渦巻銀河NGC 4254(M99)
(左)かみのけ座の渦巻銀河NGC 4254(M99)、(右)おとめ座の渦巻銀河NGC 4535。ハッブル宇宙望遠鏡のデータとアルマ望遠鏡のデータの合成画像

研究チームでは、今回明らかになった分子雲の性質の違いが、そこで生まれる個々の恒星や惑星にどのような影響を与えるのかについて今後解明していきたいと考えている

2021年6月17日
AstroArtsより

オリオン座分子雲

Posted by moonrainbow on 09.2017 分子雲   0 comments   0 trackback
オリオン座分子雲の解剖(ハーバード・スミソニアン天体物理学センター

オリオン座B分子雲の擬似カラー画像
オリオン座B分子雲の擬似カラー画像。一酸化炭素分子の分布を表しており、青は12Cと16O、緑は13C、赤は18Oと異なる同位体に対応している。右下に馬頭星雲が見える(提供:Jérôme Pety et al.)

オリオン座大星雲や馬頭星雲を含む分子雲「オリオン座分子雲」の一角が電波望遠鏡で詳細に観測されました

オリオン座分子雲は若い星や散光星雲、ガスや塵などからなる大きな領域で、その一部であるオリオン座大星雲や馬頭星雲はとくに有名です。有名で明るく、1500光年と近いところに存在するにもかかわらず、この分子雲の実態はあまりよく知られていないのです。実態が明らかになっていない理由の一つとして、若い星やガスの動きなどが密集しており、一方で塵が多くの領域を隠しているために見えないことが挙げられます

米・ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのViviana Guzmanさん、Karin Obergさんたちの研究チームはスペインのIRAM 30mミリ波望遠鏡を使って、オリオン座分子雲の一角にあたる巨大分子雲「オリオン座B」を観測しました。オリオン座Bは典型的な巨大分子雲なので、天の川銀河や他の銀河の中にある分子雲の一般的なモデルとすることができます

この領域は差し渡し約25光年と大きいため、分子雲の状態を幅広く調べ、様々な活動を統計的に調べることができます。今回の研究では、ガスと塵との詳細な関係を示し、分子線強度の空間的変化が物理状態をどう反映しているかを明らかにしました

まず、ほとんど減光がないところから、減光が強く不透明で赤外線でも見通せないところまで、場所により異なる強さの減光が見られますが、分子雲のどの場所においても分子ガスの量と減光量が大きく関係していることが示されました。減光の強いところ(暗いところ)には多くの塵やガスが存在するという従来の考え方どおりの結果です

また、観測領域の端にある若い大質量星からの紫外線の量とガス密度との間には、関係はあるものの単純ではないこともわかりました

分子線放射と巨大分子雲の環境との関係は、従来考えられているよりも複雑なようです。オリオン座Bをはじめ巨大分子雲について知るには、ガスの流れなど大きな視点だけでなく、磁場や局所的な化学反応など小さいスケールも重要だということです

2017年6月26日
AstroArtsより
 

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