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高速電波バーストの謎に迫るマグネターの双子グリッチ

Posted by moonrainbow on 24.2024 高速電波バースト   0 comments   0 trackback
高速電波バーストの謎に迫るマグネターの双子グリッチ

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モニタリング観測のイメージイラスト
SGR 1935+2154のモニタリング観測のイメージイラスト(提供:京都大学リリース、Souichi Takahashi)

強磁場を持つ中性子星「マグネター」のX線観測で、高速電波バーストに付随して自転が急に速くなる「グリッチ」が2回連続で検出された。高速電波バーストの発生機構の解明につながると期待される成果だ

高速電波バーストは、数百メガヘルツから数ギガヘルツの電波帯で1ミリ秒以下という非常に短い時間に起こる突発現象だ。2007年に初めて報告されて以降、そのほとんどが天の川銀河外に起源を持つことがわかっていて、高速電波バーストを起こした天体の母銀河が特定された例もある。しかし、高速電波バーストを起こす天体の正体は明らかになっていなかった。

そんな中、天の川銀河内に存在する「マグネター」(強磁場を持つ中性子星)の一つ、こぎつね座の「SGR 1935+2154」が、2020年4月28日にX線バーストを頻発し、さらにそのX線バーストの一つと高速電波バーストが同時に検出された。この観測から、少なくとも高速電波バーストの一部はマグネターを起源としていることが明らかになった。ただし、観測が少ないため、発生機構はまだ明らかになっていない。

その約2年後の2022年10月10日、SGR 1935+2154が再び類似したX線バーストを頻発しはじめた。この現象にいち早く気が付いた台湾国立彰化師範大学のChin-Ping Huさんたちの研究チームは、前回と同様に高速電波バーストが発生することを期待して、国際宇宙ステーションに設置されたNASAのX線望遠鏡「NICER」やX線天文衛星「NuSTAR」に緊急観測を要請し、同月12日から4日間にわたるモニタリング観測を行った


観測開始から2日後の14日、期待どおりにマグネターが高速電波バーストを起こした。残念ながら地球の影であったため高速電波バーストそのものの瞬間にX線観測はできなかったが、バーストの発生前後の2日間にわたって、かつてない高頻度のX線観測データが得られた。

マグネターを含む中性子星は表面にホットスポットと呼ばれる高温の領域があり、そこからのX線が自転に伴ってパルス的に放射されるので、そのパルスを観測すれば星の自転を測定できる。HuさんたちはX線パルスの到来時間を詳しく解析し、今回の高速電波バースト前後の時間でSGR 1935+2154の自転がどのように変化したかを調べた。

その結果、この天体は高速電波バースト発生の約4時間前と4時間後に、急激に自転が速くなるグリッチ(スピンアップ・グリッチ)という現象を起こしていたことが明らかになった


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SGR 1935+2154のX線パルスの変化
マグネターSGR 1935+2154のX線パルスの自転周波数の変化(上)と、それぞれの時刻での周波数の時間変化率の絶対値(下)。上図では上の方が自転が速い。青いデータ点は観測値、オレンジの線はモデルを示す。赤の点線は高速電波バーストが起こった時間(図の時刻原点)、紫の点線は2回のグリッチの時刻を示す(提供:京都大学リリース)

このようなグリッチはこれまでにもいくつかの中性子星で観測されているが、高速電波バーストに付随して観測されたこと、短期間にほぼ同じ強度で2度連続して観測されたことは今回が初だ。また、今回の双子のグリッチはこれまでに観測された中で最大級であることもわかった。

2度のグリッチの間で自転が急激に減速していることから、何らかの方法でエネルギーが放出されたと考えられる。観測データを元に計算したところ、放射によって失われたエネルギーは10%程度と見積もられた。放射エネルギー以外の理由で減速が起こった可能性を示唆するものである。

今回の研究では高速電波バーストが起きる際にマグネターの自転が短時間で大きく変化していることが示され、マグネターの活動と高速電波バーストとの関連を解明するうえで有用な成果が得られた。今回のような電波とX線を結びつけた多波長観測や、高頻度なマグネター観測などにより、さらに研究が進展することが期待される


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研究成果の概略マンガ
今回の研究成果を描いた4コママンガ「マグネターって不思議!SGR 1935+2154編」(提供:ひっぐすたん)

2024年2月21日
AstroArtsより

20億光年先から電離圏を擾乱したガンマ線バースト

Posted by moonrainbow on 24.2023 高速電波バースト   0 comments   0 trackback
1年前、地球を襲った大規模なガンマ線バースト 20億光年先から電離圏を擾乱

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強力なガンマ線バーストの影響で、地球の電離圏に顕著な擾乱が引き起こされた様子を描いた想像図(ESA/ATG Europe; CC BY-SA 3.0 IGO)

約20億光年先の恒星の爆発によって発生したガンマ線の大規模な増光現象「ガンマ線バースト」が、地球の大気を変化させるほど強力だったとする研究結果が発表された

ガンマ線は最も波長が短い電磁波で、最も高いエネルギーを持つ。地球では雷、核爆発、放射性崩壊などとして放出される。宇宙空間では、恒星の超新星爆発や、超新星の残骸である高密度の中性子星同士の衝突などが発生源と考えられている。

今回のガンマ線バーストは、発生源が20億光年先にある。つまり20億年前に発生したものだ


■著しい擾乱

科学誌Nature Communicationsに14日付で掲載された、今回の研究をまとめた最新論文で、2022年10月9日に巨大なガンマ線バースト「GRB 221009A」が、電離圏と呼ばれる地球大気の層に著しい擾乱を引き起こしたことが明らかになった。

電離圏は、地表の上空約50~950kmに位置する。論文の筆頭執筆者で、伊ラクイラ大学のミルコ・ピエルサンティは、プレスリリースで「おそらく、これまでに検出された最も明るいガンマ線バーストだっただろう」と指摘している。

継続時間わずか13秒のこのエネルギー噴出現象は、発生頻度が1万年に1回と考えられている。このガンマ線バーストにより、地球の電離圏に数時間にわたって乱れが生じたことが、最新の研究で明らかになった。雷検知器が作動するほどのエネルギーが、地球に到達した


■大気の変化

地球の大気が宇宙天気の影響を受けるのは、珍しいことではない。この数カ月間、地球大気は多くの地磁気活動にさらされており、強力な太陽風によってオーロラの頻度と強度が著しく上昇している。だが、これは太陽に起因する現象だ。

GRB 221009Aは、発生源が20億光年先にあると見られるにもかかわらず、電離圏に著しい影響をおよぼした。

地球史における大量絶滅
欧州宇宙機関(ESA)の研究員で、太陽物理学者のローラ・ヘイズは「この擾乱は、地表の上空わずか数十キロメートルに位置する地球の電離圏の最下層に影響を与え、大規模な太陽フレアに相当する痕跡を残した」と説明している


■地球史における大量絶滅

超新星からのガンマ線が地球を襲ったのは、GRB 221009Aが初めてではなかったはずだ。ピエルサンティは「天の川銀河(銀河系)内でガンマ線バーストが起きたら、どのような結果を招く可能性があるかをめぐっては、大きな議論が巻き起こっている」と話す。

今回の最新研究は、銀河系内の超新星が電離圏に影響を与え、オゾン層をも損傷する恐れがあるとする説を補強している。オゾン層は、太陽からの危険な紫外線から生物を守っている。

地球史における大量絶滅は、GRB 221009Aに類似の、しかしはるかに強力な現象によって引き起こされた可能性がある


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ガンマ線バーストを観測するESAのインテグラル宇宙望遠鏡の想像図(ESA. Illustration by D. Ducros

■天文学の最大級の謎

GRB 221009Aを検出したのは、ESAのインテグラル宇宙望遠鏡。天体をガンマ線、X線、可視光で同時に観測する機能を備えた初の宇宙望遠鏡だ。ESAによると、2002年10月に打ち上げられたインテグラルは、ガンマ線などの天文学の最大級の謎を解明することを目的として、爆発現象や放射現象、元素の形成、ブラックホールや他の奇妙な天体などの調査を行っている。

GRB 221009Aが地球大気におよぼした影響を検出したのは、中国の地震電磁波観測衛星「張衡(Zhangheng)」だ。張衡は2018年、中国とイタリアの共同宇宙ミッションで打ち上げられた。電離圏上層部の電磁気的挙動の変化を観測している


2023年11月18日
Forbes JAPANより

ガンマ線バースト「GRB 221009A」

Posted by moonrainbow on 10.2023 高速電波バースト   0 comments   0 trackback
数千年に一度、史上最強のガンマ線バースト

GRB 221009A
GRB 221009Aの発生前(上)と後(下)各6時間の擬似カラーX線画像(提供:日本大学リリース)

昨年10月に検出され、異例の明るさとなったガンマ線バースト「GRB 221009A」は、数千年に一度しか起こらない規模の現象だったことがわかった。X線残光も桁外れの強さだ

2022年10月9日、や座の方向19億光年の距離で、ガンマ線バースト「GRB 221009A」が発生した。NASAのガンマ線バースト観測衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト」などによる検出を受け、世界中の天文台が残光を観測した結果、その明るさが異例なものだと判明した(参照:「観測史上最強規模のガンマ線バーストが発生」)。

このたび日本の「MAXI」研究チームなどが発表した研究成果によれば、GRB 221009Aは、それまでで最も明るいガンマ線バーストの70倍も明るく、この規模の現象が起こる頻度は1000年から1万年に一度と極めて稀だという。

MAXIは国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の船外実験プラットフォームに取り付けられている全天X線監視装置だ。90分で地球を1周する間に全天をスキャンし、突発的なX線天体などを観測する。ガンマ線バーストのX線残光は急激に減光するため、タイミングが合わないとMAXIでの観測が困難なこともあるが、GRB 221009AはMAXIが最初に検出した時点で発生から41分経過していたにもかかわらず全天で2番目に強いX線源としてとらえられ、その後も7.5時間にわたる計5回のスキャンで検出され続けた


GRB 221009Aが発生したや座の方向は天の川の流れの中にあり(銀河面に近く)、そのためガンマ線バーストは天の川銀河内の塵の層をいくつも透過して地球へ届いている。その結果、スウィフトやヨーロッパ宇宙機関のX線宇宙望遠鏡「XMMニュートン」による観測では、幾重にも重なる「X線リング」が観測された。X線リングが見られたガンマ線バーストは7例目だが、過去の例に比べてリング数が3倍も多い

X線リング
XMMニュートンがとらえたX線リング(擬似カラー)。GRB 221009Aの発生から2日後と5日後に行われた観測を統合している。最も広いリングは満月の大きさに匹敵し、約1300光年の距離にある塵の雲から生じたもの、最も内側のリングは6万1000光年の距離にある塵から発生したもの(提供:ESA/XMM-Newton/M. Rigoselli (INAF))

GRB 221009Aの正体は超新星爆発に伴って放出されたジェットに由来するものと考えられている。MAXIなどによって明らかになったX線残光の性質は、今後ジェットの特徴を調べる上で役立てられるだろう。また、過去最大の明るさだったGRB 221009Aはガンマ線バーストとその残光の特徴がこれまでにないほど数多く詳細に観測されており、今後の研究でガンマ線バーストとその残光に関する多くの知見が得られると期待される

ガンマ線バーストの構成
GRB 221009Aのような継続時間の長いガンマ線バーストの構成。大質量星(左)のコアが崩壊してブラックホールが形成され、光速に近いジェットが放射される。ブラックホール近くのプラズマなどにジェットが衝突してガンマ線バーストが発生し、離れた部分の星間ガスとジェットが衝突したところから残光が放射される。画像クリックで拡大表示(提供:NASA's Goddard Space Flight Center)

2023年4月5日
AstroArtsより

高速電波バースト

Posted by moonrainbow on 11.2022 高速電波バースト   0 comments   0 trackback
高速電波バーストの正体を、出現する銀河の環境から探る

高速電波バーストFRB 20180924B
FRB 20180924B母銀河の一酸化炭素分子輝線の積分強度図
高速電波バーストFRB 20180924Bが起こった母銀河における一酸化炭素分子輝線の分布。明るい部分ほど信号が強いことを表す。緑丸がFRBの位置。左下の楕円はアルマ望遠鏡の空間分解能(提供:東京大学大学院理学系研究科・理学部リリース、以下同)

星の材料である分子ガスの観測から、未だ謎の多い天体現象である「高速電波バースト」が一般的な星形成銀河とは異なる銀河環境で出現することが明らかになり、その起源に関する手がかりが得られた

高速電波バースト(Fast Radio Burst; FRB)は、宇宙のどこかから突発的に、数マイクロ秒~数ミリ秒という短時間の強力な電波パルスが届く現象だ。2007年に初めて見つかって以来これまでに数千例観測されているが、その正体はよくわかっていない。FRBの大半が天の川銀河の外から届く中、2020年には天の川銀河内のマグネター(強力な磁場を持つ中性子星)から似たような電波パルスが検出されたことで注目を集めたが、他のFRBもマグネターに由来するかは不明だ。

東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センターの廿日出文洋さんたちの研究チームは、FRBが出現した銀河(母銀河)の環境を調べることで、その環境で誕生しやすい天体の中からFRB起源天体の候補を見つけるというアプローチの研究を行った。廿日出さんたちは天体の材料となる分子ガスに注目し、その指標となる一酸化炭素分子からの輝線をアルマ望遠鏡で観測した。

これまでにFRBの母銀河で分子ガスの観測が試みられたのは(天の川銀河を除くと)2例しかなく、このうち検出に成功したのは近傍の銀河であるおおぐま座のM81(約1200万光年)だけだった。今回はより遠くにある3つのFRB母銀河を観測し、つる座の方向約3.6億光年の距離にある母銀河で分子ガスを検出することに成功した


分子ガスを検出できなかった母銀河についても、観測限界を踏まえれば質量の上限値を見積もることができる。今回と過去の観測を合わせた6つのFRB母銀河をサンプルとして解析を行ったところ、分子ガスの質量が多いほど銀河で星が生まれるペースも速くなるという一般的な傾向が6つの母銀河では必ずしも当てはまらないことが示された。また、FRB起源天体の候補であるガンマ線バーストや重力崩壊型超新星の母銀河とも傾向が異なるため、FRBを放出したのは別の天体である可能性が示唆された。

分子ガス質量
様々な銀河における分子ガス質量と星形成率の関係。橙色の四角が今回の研究対象となった6つのFRB母銀河で、左向きの矢印は上限値であることを示す。一般的な星形成銀河(水色の十字)では分子ガス質量と星形成率との間に相関があるのに対して、FRB母銀河はそこから外れることもある。また、ロングガンマ線バースト母銀河(緑の菱形)、重力崩壊型超新星母銀河(黄色の三角)とも傾向が異なる

今回の研究で提示された手法を元に、分子ガスを観測したFRB母銀河のサンプルを増やすことで、FRB起源天体の理解が進むと期待される

2022年12月5日
AstroArtより

「高速電波バースト」ののマップ

Posted by moonrainbow on 21.2021 高速電波バースト   0 comments   0 trackback
宇宙で検出された数百もの謎の電波現象「高速電波バースト」ののマップが公開される

高速電波バースト

ほんのミリ秒という一瞬の間に、太陽3日分のエネルギーが放出される謎の電波現象――それが「高速電波バースト(FRB)」だ

 どこで起きるのかまったく予測不能で、その多くはたった一度きりしか発生しない。そのために検出がきわめて難しく、2007年に初めて検出されてからその後の10年で約140回しか観察されてこなかった。

 しかしカナダ、ドミニオン電波望遠鏡に建設されたCHIME望遠鏡によって、状況が大きく変わりつつある。その運用初年度にあたる2018~19年だけでも、535ものFRBの検出に成功しているのだ。

そのこれまでの成果となるFRBのマップが、第238回アメリカ天文学会で発表されたそうだ。

デジタル処理で空の半分をカバーするCHIME望遠鏡
 CHIME望遠鏡の特徴は、4つの巨大なアンテナアレイを使い、地球が自転する間に空の半分の範囲をカバーできることだ。

 光をとらえる通常のアンテナと違い、デジタル信号プロセッサーで電波をとらえる点も大きな特徴だ。その処理能力は秒間7テラビットに相当――世界のインターネットで送受信されるデータ容量の数パーセントに匹敵する膨大な量だ


New CHIME radio telescope will help unravel today’s biggest cosmic mysteries


New CHIME radio telescope will help unravel today’s biggest cosmic mysteries

FRBは珍しい現象ではない
 
検出された535のFRBのうち、ほとんどはたった一度きりしか発生しなかった。しかし18の発生源で検出された61回は繰り返し検出されたものだ。これら反復するタイプは単発のものよりもやや長く続く傾向があるらしく、発生源も異なっている可能性があるとのこと。

 また今回得られたデータから計算すると、FRBは空全体で1日に800回は起きていると推測できるという。つまり検出することは難しいが、決して宇宙において珍しい現象ではないと考えられるのだ


宇宙に分布するガスマップの作成

FRBは未だ原因が特定されない不可思議な現象だが、天文学者はすでにその利用価値を見出している。

 電波が宇宙を伝わるとき、その途中でおそらくはガスやプラズマを通過している。そしてその際に特性や軌道が変化する。そうした変化を分析することで、FRBがどのくらいの距離を移動し、どれだけのガスに遭遇したのか推測できるのだ。

 これを利用すれば、宇宙の理解を深め、そこに分布しているガスのマップを作成することすら可能になるそうだ


2021年06月16日
カラパイアより
 

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