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宇宙で最初の星はひとつではなかった

Posted by moonrainbow on 03.2023 ファーストスター   0 comments   0 trackback
宇宙で最初の星はひとつではなかった

初代星
今回の研究の模式図。初代星が単独で誕生するのか、それとも集団で誕生するのかによって、その次に誕生した星の元素組成に違いが見られると予想される(提供:Kavli IPMU)

宇宙初期から輝いている年老いた恒星の元素を機械学習で分析した結果、複数の超新星に影響されていることがわかった。これらの恒星より前に存在した「初代星」は、複数が同時に誕生したことが示唆される

ビッグバンで宇宙が誕生した後、宇宙最初の星である「初代星」が出現するまでの数億年間は、私たちに身近な元素のほとんどは存在していなかった。というのも、水素やヘリウムより重い元素のほとんどは、恒星の内部で進む核融合反応によって作られるからだ。

初代星が誕生したことにより、その内部で水素やヘリウムから炭素や酸素といった元素が初めて合成された。さらに、星の一生の最期に起こる超新星爆発によって星間空間に元素がばら撒かれ、次の世代の星や銀河の素材を供給している。しかし、いまだに初代星を直接観測することはできておらず、その性質は謎に包まれたままだ。

唯一の観測的な手がかりは、天の川銀河で生き残っている古い星々だ。その中でも水素やヘリウムより重い元素(天文学ではまとめて「金属」と呼ぶ)をわずかにしか含まない「超金属欠乏星」は、初代星が残した元素から作られたと考えられるため、その組成を調べることで、元素を作った初代星の質量や超新星爆発についての手がかりが得られるはずだ。

そこで、東京大学のTilman Hartwigさんたちの研究チームは、機械学習を用いて、超金属欠乏星の元素組成データから初代星の性質を解明する新しい手法を開発した。Hartwigさんたちは、単独の初代星が超新星爆発した場合と、複数が超新星爆発した場合で次世代の恒星に引き継がれる元素組成パターンを理論的に予測し、これを学習した人工知能におよそ450もの超金属欠乏星の元素組成データを分類させた


その結果、およそ68%の超金属欠乏星の元素組成が、複数の初代星からの影響で説明できることが示された。初代星の大半がまとめて誕生していた可能性が高いことを示唆するものだ。

今回の成果は、初代星が複数同時にまとめて生まれたかどうかという「マルチプリシティ」に関する初の定量的な制限となる。「初代星の『マルチプリシティ』は数値計算で予測されていましたが、観測的に検証する方法はこれまでありませんでした。私たちの研究結果は、初代星が小さな星団で同時に複数生まれて、初期の星間空間の化学進化に複数の超新星が影響を及ぼしたことを示唆しています」(Hartwigさん)。

「今回開発したアルゴリズムにより、大容量の天文データを解析する新手法が得られました。人工知能による天文データの解析は、ごく最近世界的にも盛んになってますが、『銀河考古学』に応用されたのは初めてです。初代星が近接連星系だった場合、ビックバン直後の重力波源として、今後衛星や月面からの観測で見つかるかもしれません」(英・ハートフォードシャー大学 小林千晶さん)


低金属量星の炭素と鉄の組成
低金属量星の炭素と鉄の組成。色は機械学習アルゴリズムによって計算された「単一の超新星によって汚染された可能性」を示す(赤は単一、青は複数)。破線(炭素と鉄の比 [C/Fe] = 0.7)より上の星は炭素過剰金属欠乏星と呼ばれ、単一の超新星によって汚染された可能性が高い(提供:Hartwig et al.)

2023年3月30日
AstroArtsより

宇宙の最初期の星 「初代星(ファーストスター)」が残した痕跡

Posted by moonrainbow on 18.2022 ファーストスター   0 comments   0 trackback
ついに宇宙の最初期の星 「初代星(ファーストスター)」が残した痕跡が発見された

「初代星(ファーストスター)」
ビッグバンからわずか1億年後に出現した「初代星(ファーストスター)」のイメージ  Credit:NOIRLab/NSF/AURA/J. da Silva/Sp

<ビックバンからわずか数億年後に形成された宇宙で最初に誕生した世代の星「初代星(ファーストスター)」が残した痕跡が発見された..>

宇宙で最初に誕生した世代の星「初代星(ファーストスター)」は、ビックバンからわずか数億年後に形成されたとみられる。これらの恒星は巨大で、その寿命が尽きると超新星爆発を起こしてバラバラになり、星間空間に重元素をまき散らすと考えられているが、その存在を直接示すものはこれまで見つかっていない

東京大学の吉井譲教授と鮫島寛明特任助教は、クエーサー(銀河の中心核が最も明るく輝く天体)のスペクトルの波長強度をもとにそこに含まれる元素の存在度を推定する方法を開発。豪オーストラリア国立大学、米ノートルダム大学らの研究者とともに、ハワイ島・マウナケア天文台のジェミニ北望遠鏡で近赤外線分光観測した既知で2番目に遠いクエーサー「ULAS J1342+0928」のスペクトルを分析した。

うしかい座方向にある「ULAS J1342+0928」は131億光年の距離に位置することから、誕生からわずか7億年後の宇宙を観測していることになる


「種族Ⅲ(宇宙で最初に形成された恒星)」の爆発
太陽の 300 倍の質量を持つ「種族Ⅲ(宇宙で最初に形成された恒星)」の爆発のイメージ( NOIRLab/NSF/AURA/J. da Silva/Spaceengine )

非常に珍しい組成の天体

分析の結果、非常に珍しい組成が見つかった。鉄に対するマグネシウムの比率が著しく低く、太陽での比率に比べて鉄が10倍も多いのだ。研究チームは、この特徴的な組成から「初代星が『対不安定型超新星』を起こした後に残された物質ではないか」と考察している。

「対不安定型超新星」は太陽の150~250倍の質量を持つ巨大な恒星が寿命を迎える際に起こると考えられている。他の超新星爆発と異なり、中性子星やブラックホールといった星の残骸を残さず、すべての物質を周囲に放出するため、「対不安定型超新星」が発生する瞬間をとらえるか、星間空間に放出された物質から化学的な痕跡を特定するしかない。

これまでも天の川銀河のハロー(銀河全体を包み込むように星間物質や球状星団がまばらに分布している球状の領域)の星の中で大質量の「種族Ⅲ(宇宙で最初に形成された恒星)」の化学的証拠を探る研究は行われており、2014年8月にはその仮同定が発表された。

しかしながら、『ULAS J1342+0928』での鉄に対するマグネシウムの極めて低い存在比を根拠に、研究チームは「今回の研究結果が『対不安定型超新星』の最も明確な痕跡だ」と主張している


初期の宇宙で起こったことの解明

もしこの主張が正しければ、宇宙の歴史の間にどのように進化してきたのかを解明するうえで今回の研究結果は大きな意義がある。しかしその正否を検証するためには、さらに多くの観測を通じて他の天体にも同様の特徴があるのか調べる必要がある。

この研究論文の共同著者でノートルダム大学のティモシー・ビアーズ教授は「我々が探すべきものの道筋は得た」とし、「もしこれが初期の宇宙で局所的に起こっていたとしたら、我々はきっとその証拠を見つけることができるだろう」と述べている


2022年10月12日
Newsweekより

観測史上最も遠い単一の恒星「エアレンデル(Earendel)」

Posted by moonrainbow on 01.2022 ファーストスター   0 comments   0 trackback
ハッブル宇宙望遠鏡、129億光年遠方の星「エアレンデル」を観測

恒星「エアレンデル」
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡の観測によって見つかった観測史上最遠となる単一の恒星「エアレンデル」(矢印)(Credit: NASA, ESA, B. Welch (JHU), D. Coe (STScI), A. Pagan (STScI) )】

NASAが発表を予告していたのはこの発見でした。ジョンズ・ホプキンス大学の天文学者Brian Welchさんが率いる研究グループは、「ハッブル」宇宙望遠鏡を使った観測の結果、観測史上最も遠い単一の恒星が見つかったとする研究成果を発表しました

Record Broken: Hubble Spots Farthest Star Ever Seen



「くじら座」の方向にあるこの星は、研究グループによって「エアレンデル(Earendel)」と名付けられました。エアレンデルは古英語で「明けの明星」を意味する言葉です。エアレンデルの発見はアメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)、それにハッブル宇宙望遠鏡を運用するアメリカの宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)などからも発表されています

■光が地球へ届くのに約129億年もかかるほど遠方の星「エアレンデル」

この宇宙は膨張し続けているため、天体を発した光の波長は長い距離を進むうちに伸びていきます。可視光線では波長が長い赤色のほうにずれていくことから、この現象は(宇宙論的な)赤方偏移と呼ばれています。

赤方偏移の量(zで示される)は光の進んだ距離が長ければ長いほど大きくなるので、地球からその天体までの距離を測るために用いることができます。これまでに知られていた最も遠い単一の恒星は2018年4月に発見が報告された「イカロス(Icarus)」と呼ばれる星で、赤方偏移は1.5、光が星を発したのは約94億年前とされていました。

発表によれば、エアレンデルの赤方偏移は6.2とされています。この値は、エアレンデルを発した光が地球に届くまで約129億年もかかったことを意味しており、イカロスの記録を大幅に更新することになったのです。今回の研究成果は“記録破りな発見”としてNASAが発表を予告していましたが、まさにその通りだと言えます。

エアレンデルはハッブル宇宙望遠鏡を用いた観測プログラム「RELICS」のデータから見つかりました。RELICSは初期宇宙の明るい銀河の観測を目的としており、今回の研究にも参加しているSTScIのDan Coeさんが率いていました。Welchさんは「最初は信じ難かったです、以前の記録よりもはるかに遠かったのですから」と振り返ります。

地球に光が届くまで100億年以上もかかるほど遠く離れていると、銀河のように大きな天体でも小さなしみのようにしか見えません。しかし、遠方の銀河と地球の間に銀河団のような天体が割り込むと、「重力レンズ」効果によって遠方銀河の像が拡大されることがあります。重力レンズとは、手前にある天体の重力が時空を歪めることで、遠くにある天体を発した光の進行方向を変化させる現象です。

エアレンデルが属する銀河は、手前にある銀河団「WHL0137-08」がレンズの役割を果たすことで像が歪められていて、細長い三日月状に見えています。エアレンデルはこの銀河に見られる特徴の一つとして観測されていて、重力レンズ効果によって拡大された単一の恒星であると研究グループは判断しました。エアレンデルの質量は、既知の最も重い恒星に比肩する太陽の約50倍と推定されています


エアレンデル(Earendel)周辺の注釈付き拡大図
【▲ エアレンデル(Earendel)周辺の注釈付き拡大図。エアレンデルの像は銀河団の重力が生じさせた時空の波紋(点線)によって拡大されており、近くにはエアレンデルと同じ銀河に属する星団の2つの像(mirrored star cluster)が、波紋を挟むようにして見えている(Credit: SCIENCE: NASA, ESA, Brian Welch (JHU), Dan Coe (STScI); IMAGE PROCESSING: NASA, ESA, Alyssa Pagan (STScI) )】

研究グループは、今後のエアレンデルの観測に大きな期待を寄せています。特に注目されているのは、エアレンデルの化学組成です。

誕生したばかりの宇宙には、水素・ヘリウム・わずかな比率のリチウムしか存在していませんでした。金属(※ここでは水素やヘリウムよりも重い元素の総称)は恒星内部の核融合反応や超新星爆発などによって生成され、星の世代交代とともに増えていったと考えられています。

恒星は金属の量によって「種族I(金属が多い若い星)」「種族II(金属が少ない古い星)」「種族III(金属を含まない最初の世代の星)」に分類されています。ただ、ファーストスター(初代星)とも呼ばれる種族IIIの星はまだ見つかっていません。

エアレンデルはビッグバンから約9億年しか経っていなかった頃の星なので、含まれている金属の量はまだ少なかったはずです。可能性は低いとみられていますが、もしもエアレンデルが水素とヘリウムだけでできていた場合、史上初めてファーストスターの証拠が得られることになります。

発表によれば、2022年夏から科学観測を始める予定の新型宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」によるエアレンデルの観測が、早くも2022年後半に予定されているといいます。ウェッブ宇宙望遠鏡の観測では、エアレンデルが単一の恒星であることを確認したり、年齢・温度・質量・サイズといった情報を得たりすることが可能とされています。

また、Welchさんは、ウェッブ宇宙望遠鏡を使うことでさらに遠くの星を観測できる可能性に「信じられないほどワクワクします」と強い期待を寄せています。可視光線よりも波長の長い赤外線で天体を観測するウェッブ宇宙望遠鏡に期待されている成果のなかには、ファーストスターの発見も含まれています。「ウェッブ宇宙望遠鏡がエアレンデルの記録を破るところが見たいです」(Welchさん)


Image Credit: NASA, ESA, B. Welch (JHU), D. Coe (STScI), A. Pagan (STScI)

2022-03-31
Soraeより

宇宙最初の星(ファーストスター)を初観測

Posted by moonrainbow on 01.2018 ファーストスター   0 comments   0 trackback
宇宙最初の星(ファーストスター)を初観測

first star
宇宙で最初に誕生した恒星の想像図(2018年2月28日提供)。

米アリゾナ州立大学(Arizona State University)などの天文学者チームは2018年2月28日、宇宙がビッグバン(Big Bang)で誕生した直後に生まれた宇宙最古の星々「ファーストスター」に由来する電波を、史上初めて検出したと発表しました。この観測結果に科学界は騒然となっています

 ファーストスターの痕跡検出に向けた取り組みは10年前から続けられてきたが、実際に観測できるのはまだ何年も先になると予想されていました。観測結果は今後、別の実験によって裏づけられる必要がありますが、一部からは既に、ノーベル賞を受賞した2015年の重力波検出以降で最大級の天文学的発見だとの声も上がっています

 今回の発見は、宇宙の大部分を構成すると考えられている謎の透明物質「暗黒物質(ダークマター)」の謎を解明する手がかりとなることも期待されています

 検出されたのは、今から136億年前、ビッグバンによる宇宙誕生からわずか1億8000万年後にすでに活動を始めていたファーストスターの痕跡で、オーストラリアの砂漠に設置されたダイニングテーブルほどの大きさの電波分光計により観測されました

 この電波には、誰もが驚き、歓喜するような興味深い情報が含まれていました。英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された論文によると、初期宇宙の温度がマイナス270度と、これまで推定されていたより2倍も低温だったとみられることが、観測データから判明したのです

 ネイチャー誌に同時掲載された別の関連論文では、ダークマターがこれに関与している可能性が示唆されています。同論文を執筆したイスラエル・テルアビブ大学(Tel Aviv University)のレナン・バルカナ(Rennan Barkana)氏によると、この極度の低温状態は、通常物質がダークマターと相互作用してエネルギーを受け渡したことで説明できる可能性があるという

2018年3月1日
AFPより
 

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