かにパルサーの点滅は、1957年シカゴ大学で開催された公開観測に参加していた無名の女性によって、最初に発見された可能性があるとも言われています。しかし、1967年に最初のパルサーを発見したジョスリン・ベル・バーネル(Susan Jocelyn Bell Burnell、1943-)によれば、かにパルサーが発する光の点滅を見るのは、多くの人にとって困難だと述べています。
ジョスリン・ベル・バーネルはノーベル賞こそ受賞しなかったものの、その後数多くの賞を受賞し、2018年には基礎物理学ブレークスルー賞(Breakthrough Prize in Fundamental Physics)を受賞しました。賞の発表後、彼女は物理学の研究者になりたいと考えているマイノリティー(女性、少数民族、難民)の学生を支援するために、230万ポンド(約3億3千万円)の賞金全額を寄付することに決め、奨学金の基金としました。
1/5「Kes 75」と呼ばれる超新星残骸を観測していた科学者たちが、これまで発見されたなかで最も若いパルサーを発見した。NASAのチャンドラX線観測衛星でこの星域を観測したところ、大量のX線放出が見つかった(写真の、紫色やピンク色に輝いている部分)。地球から見ておよそ500年前にここで恒星が爆発し、その残骸がパルサー(青い部分)の回転による「風」を受けて飛び散っていると天文学者たちは考えています。 PHOTOGRAPH COURTESY OF NASA