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マグネター「Swift J1818.0-1607」

Posted by moonrainbow on 15.2021 マグネター   0 comments   0 trackback
観測史上最も若い「マグネター」のX線をNASAの観測衛星が捉えた

マグネターの想像図
マグネターの想像図(Credit: NASA)

太陽と比べて8倍以上重い恒星が超新星爆発を起こした際に形成されると考えられている中性子星のなかには、典型的な中性子星の最大1000倍という強力な磁場をともなう「マグネター」と呼ばれるものがあります。今回、2020年発見された観測史上最も若いとみられるマグネターをX線で観測した画像が公開されています

X線観測衛星「チャンドラ」が観測したマグネター

X線観測衛星「チャンドラ」が観測したマグネター「Swift J1818.0-1607」(中央)(疑似カラー。Credit: X-ray: NASA/CXC/Univ. of West Virginia/H. Blumer; Infrared (Spitzer and Wise): NASA/JPL-CalTech/Spitzer)

画像の中央にある紫色に着色された天体が、アメリカ航空宇宙局(NASA)のX線観測衛星「チャンドラ」によってX線で観測されたマグネター「Swift J1818.0-1607」です。実際に紫色に見えるのではなく、人の目には見えないX線の観測データをもとに擬似的に着色されています。なお、背景の星々は赤外線による観測データを着色したものになるため、こちらも人の目で見た星空とは異なります。

「いて座」の方向およそ2万1000光年先にあるSwift J1818.0-1607は、2020年3月12日にNASAのガンマ線観測衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト」によって最初に検出された後、欧州宇宙機関(ESA)やNASAのX線観測衛星、それに地上の電波望遠鏡によって追加観測が行われました。

およそ3000個が知られている中性子星のうちマグネターは1パーセントほど。Swift J1818.0-1607は31番目に見つかったマグネターで、自転周期は既知のマグネターで最も短い約1.4秒とされています。前述のようにマグネターの磁場は中性子星のなかでもかなり強力で、もしもマグネターが地球から月までの距離の6分の1(約6万4000km)まで近づいた場合、地球上にあるすべての磁気カード(クレジットカードなど)のデータが消去されてしまうほどだといいます


ウェストバージニア大学のHarsha Blumer氏とマニトバ大学のSamar Safi-Harb氏によるチャンドラを用いたSwift J1818.0-1607の観測は、発見から3週間ほどが経った4月3日に実施されました。高解像度で捉えられたX線がかすかに拡散している様子から、マグネターを取り囲む塵がX線を反射しているとみられています。

冒頭でも触れたように、Swift J1818.0-1607は観測史上最も若いマグネターとみられています。両氏によると、観測されているSwift J1818.0-1607は誕生から470年が経ったと推定されており(昨年6月に発表されたパヴィア高等研究所のPaolo Esposito氏らによる推定では240年とされていました)、人類は16世紀頃にこのマグネターを生み出した超新星爆発を目撃できた可能性があります。

これほど最近の超新星であれば、周囲に超新星残骸が残っていてもおかしくありません。両氏が赤外線宇宙望遠鏡「スピッツァー」やアメリカの「カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群(VLA)」の観測データを分析したところ、Swift J1818.0-1607から離れたところに残骸らしきものが見つかったといいます。

ただ、超新星爆発の際に中性子星が高速で弾き出されることはあるものの、Swift J1818.0-1607と超新星残骸らしき天体の距離は離れすぎているといいます。仮に爆発から約500年ではなく5000~1万年が経っているとしても、観測されている位置関係が成り立つには秒速3600~7300kmという中性子星では観測例のない高速で弾き出されなければならないといい、両者の関連性を調べるために引き続きSwift J1818.0-1607の固有運動(天球上での見かけの動き)の測定と高解像度の電波観測が必要だとしています。

また、マグネターの多くはX線でのみ観測されていますが、その一部はX線だけでなく電波でも観測が可能で、Swift J1818.0-1607も電波で観測できるマグネターのひとつとされています。Blumer氏とSafi-Harb氏は分析の結果、Swift J1818.0-1607は通常のマグネターよりも自転のエネルギーをX線に変換する効率が低く、マグネターとパルサー(自転に同期してパルス状に電磁波が観測される中性子星)の中間的な特性を示していると結論付けています


マグネター
マグネター「Swift J1818.0-1607」(中央)とその周辺(疑似カラー。Credit: X-ray: NASA/CXC/Univ. of West Virginia/H. Blumer; Infrared (Spitzer and Wise): NASA/JPL-CalTech/Spitzer)

Image Credit: X-ray: NASA/CXC/Univ. of West Virginia/H. Blumer; Infrared (Spitzer and Wise): NASA/JPL-CalTech/Spitzer


2021-01-11
Soraeより

マグネター「Swift J1818.0-1607」

Posted by moonrainbow on 24.2020 マグネター   0 comments   0 trackback
観測史上最も若い240歳の「マグネター」が見つかる

マグネターを描いたイメージ図
マグネターを描いたイメージ図。周囲に磁力線が描かれている(Credit: ESA)

恒星が超新星爆発を起こした際に形成されると考えられている中性子星のなかには、典型的な中性子星の最大1000倍という強力な磁場をともなうとされる「マグネター」と呼ばれるものがあります。今回、誕生から240年ほどしか経っていないとみられる若いマグネターが見つかったとする研究成果が発表されています

■既知のマグネターでは最も若いとみられる

いて座の方向およそ1万5000光年先の天の川銀河内にあるマグネター「Swift J1818.0-1607」は、2020年3月12日にNASAのガンマ線観測衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト」によって最初に検出されました。スウィフトによる検出後、欧州宇宙機関(ESA)の「XMM-Newton」やNASAの「NuSTAR」といったX線観測衛星や、イタリアの「サルディーニャ電波望遠鏡」などによるSwift J1818.0-1607の追加観測が行われています

Paolo Esposito氏(パヴィア高等研究所)らの研究グループによると、追加観測の結果、Swift J1818.0-1607が約1.36秒周期で自転していることが明らかになったといいます。また、多くのマグネターがX線のみで観測されるのに対し、Swift J1818.0-1607はX線だけでなく電波でも観測することができる数少ないマグネターのひとつとされています。

注目はその年齢で、分析が正しかった場合、観測されたSwift J1818.0-1607は誕生からおよそ240年(※)しか経っていないことになります。Esposito氏は「アメリカ独立戦争やフランス革命が進行していた頃、人類はこのマグネターを生み出した超新星爆発を目撃できた可能性があります」と語っています。

※…マグネターまでの距離はおよそ1万5000光年離れているので、1万5000年前に240歳だったということになります

発表によると、中性子星はこれまでに3000個以上が知られていますが、マグネターは30個ほどしか見つかっていないといいます。マグネターの活動は年齢が若いときほど活発である可能性がこれまでの研究では示されているといい、今回見つかった若いマグネターは理論モデルを洗練させる上で役立つとされています。

また、研究グループは過去の観測結果を例に、マグネターと認識されていない中性子星でもマグネターのような現象が起こり得ることに言及。マグネターがより一般的なものであり、ガンマ線バーストや高速電波バーストといった一時的な現象に関わっている可能性を指摘しています。研究に参加したAlice Borghese氏は「今回観測されたマグネターがこれまで見つかっていなかったように、マグネターは『目覚める』ときだけ見つかりやすくなるのかもしれません」とコメントしています
。.

2020-06-20
Soraeより
 

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