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球状星団「パロマー5」のブラックホール

Posted by moonrainbow on 12.2021 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
球状星団「パロマー5」に予想を上回る数のブラックホールが存在する可能性

複数の恒星質量ブラックホールを描いたイメージ図
【▲ 球状星団に存在する複数の恒星質量ブラックホールを描いたイメージ図(Credit: ESA/Hubble, N. Bartmann)】

バルセロナ大学宇宙科学研究所(ICCUB)のMark Gieles氏らの研究グループは、球状星団「パロマー5(Palomar 5)」に予想を上回る数のブラックホールが存在する可能性を示した研究成果を発表しました。研究グループは、重力を介した相互作用によってすべての恒星が放り出されてしまうことで、今から10億年後のパロマー5にはブラックホールしか残らないと予想しています

■球状星団から飛び出した恒星がストリームを形成し、そのあとにはブラックホールだけが残される可能性

「へび座」の方向およそ6万5000光年先にあるパロマー5は、天文学者のウォルター・バーデによって1950年に発見されました。天の川銀河の周囲では150個ほどの球状星団が見つかっていて、パロマー5もそのひとつに数えられます。

研究グループはパロマー5が持つ2つの特徴に注目しました。1つ目は星の密集度です。パロマー5は一般的な球状星団と比べて質量が約10分の1(およそ太陽1万個分)と軽くて星がまばらに分布しており、星と星は平均して数光年離れているといいます。これは太陽の周辺における星から星までの距離とほぼ同じで、発表ではパロマー5のことを「天の川銀河で最もふわふわした球状星団のひとつ」と表現しています。

2つ目は、天球における見かけの長さが20度以上に及ぶ「恒星ストリーム(stellar stream)」を伴うことです。恒星ストリームは星やガスでできた川の流れのような細長い構造で、銀河の重力がもたらす潮汐力によって矮小銀河や球状星団が引き伸ばされてできたと考えられています


パロマー5と恒星ストリームの画像
【▲ ESAの宇宙望遠鏡「ガイア」の観測データ「EDR3」をもとに作成された天の川銀河の全天画像(背景)に、「DESIレガシー撮像サーベイ(DESI Legacy Imaging Survey)」によるパロマー5と恒星ストリームの画像(中央上)を重ねたもの(Credit: M. Gieles et al./Gaia eDR3/DESI DECaLS)】

研究グループは、パロマー5が「まばらな星々」と「恒星ストリーム」という2つの特徴を持つ理由を探るために、観測結果と一致する条件を求めてシミュレーションを繰り返しました。その結果、現在観測されているパロマー5には太陽の約20倍の質量を持つ恒星質量ブラックホールが100個以上存在する可能性が示されました。この数はパロマー5に属する恒星から予想される数の約3倍であり、星団全体の質量のうち約5分の1をブラックホールが占めることを意味するといいます。これらのブラックホールは、100億年以上前に形成されたとみられるパロマー5の年齢がまだ若かった頃、大質量星の超新星爆発によって誕生したとみられています。

研究グループはパロマー5のシミュレーションを通して、ブラックホールよりも恒星のほうが星団から飛び出しやすく、ブラックホールの占める割合が当初の数パーセントから徐々に高くなっていくことを見出しました。重力を介した相互作用によってブラックホールが星団を膨張させたことが、より多くの恒星の脱出と恒星ストリームの形成につながり、冒頭でも触れたように今から10億年後のパロマー5にはブラックホールだけが残されると予想されています


N-body simulation of the Galactic globular cluster Palomar 5 and its stream


▲研究グループによるパロマー5のN体シミュレーション。点は黄色が恒星、黒がブラックホールを示す▲
(Credit: Gieles et al.)

研究グループによると、近年、天の川銀河の周辺では球状星団に由来するとみられる細い恒星ストリームが30近く見つかっているものの、そのほとんどは既知の星団と関連付けられておらず、パロマー5は唯一の例外だといいます。

研究グループでは関連した星団が見つかっていない他の恒星ストリームもパロマー5のような球状星団がもとになったと考えており、Gieles氏は恒星ストリームの由来となった球状星団では大規模なブラックホールの集団が一般的な存在だった可能性があると指摘しています

どちらも同じ?

Image Credit: ESA/Hubble, N. Bartmann

2021-07-06
Soraeより

中性子星とブラックホールの合体

Posted by moonrainbow on 09.2021 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
中性子星とブラックホールの合体に伴う重力波を初観測

中性子星とブラックホールの合体のイメージイラスト
中性子星とブラックホールの合体のイメージイラスト(提供:Carl Knox, OzGrav - Swinburne University)

中性子星とブラックホールの合体に伴う重力波が2020年1月に相次いで2件とらえられた。同種の天体の合体に伴う重力波の観測例はあるが、ブラックホールと中性子星の合体を検出したのは初めてだ

2015年9月に重力波検出器が初めてとらえた宇宙からの信号は、ブラックホール同士の合体に伴う重力波だった。また、2017年8月には中性子同士の合体に伴う重力波が観測された。それ以来、こうした超高密度天体同士の合体で放出された重力波は続々ととらえられている。大半がブラックホール同士の合体による重力波で、中性子星同士の合体による重力波も数件見つかっているが、ブラックホールと中性子星が合体したと判断できるイベントはこれまでなかった。

そんな前例のないイベントが、わずか10日の間に2度とらえられた。最初は2020年1月5日に、米国にある双子の重力波検出器「Advanced LIGO」の一方とイタリアにある「Advanced Virgo」が観測したもので、この重力波イベント「GW200105」は太陽質量の8.9倍の天体と1.9倍の天体の合体によるものだと計算された。次いで2020年1月15日に両方の「Advanced LIGO」と「Advanced Virgo」を合わせた3基で「GW200115」が観測され、合体した天体は太陽質量の5.7倍および1.5倍と算出されている。

どちらの現象も、重い方の天体(太陽質量の8.9倍と5.7倍)は観測と理論の両面からブラックホールと判断できる。また、軽い方の天体(太陽質量の1.9倍と1.5倍)は既知のどのブラックホールよりはるかに軽く、中性子星と考えるのが整合的だった。2つの天体が合体したということは、両者は直前まで、近接した連星系だったことを意味する。ブラックホールと中性子星の連星が存在することは数十年前から予測されていたが、今回の観測で初めて説得力のある証拠が得られた


中性子星とブラックホールの質量一覧
重力波源の質量チャート
これまでに観測された重力波源となった中性子星とブラックホールの質量一覧(縦軸の単位は太陽質量)。青で描かれているのがLIGO/Virgoの重力波観測で質量が求められたブラックホール。中央の2つが今回の「GW200105」と「GW200115」。紫は光や電波などの電磁波観測で質量が決まったブラックホールで、黄色は同じく電磁波観測で質量が決まった中性子星、オレンジ色はLIGO/Virgoの重力波観測で質量が決まった中性子星を表す(提供:LIGO-Virgo & Frank Elavsky, Aaron Geller, Northwestern University)

重力波からは、ブラックホールと中性子星の連星が形成された経緯までも読み取ることができた

ブラックホールも中性子星も大質量の恒星が寿命を迎え超新星爆発を起こした後に残される天体だが、合体前の2つの天体は恒星だったときからお互いの周りを回っていた可能性がある。その場合、ブラックホールの自転方向がその周りを回る中性子星の公転方向と一致する傾向がある。GW200105では判別ができなかったが、GW200115では2つの回転が反対向きである可能性が高く、そうであれば元々恒星だった2つの天体は別々に生まれ、離れた所で超新星爆発を起こしてから出会ったというシナリオが考えられる。これは、GW200115の発生源が球状星団のように星の密度が高い環境で生まれたことを示唆するものだ

天体の質量
GW200105とGW200115を引き起こした天体の質量。横軸は重い方の天体(ブラックホール)の質量、縦軸は軽い方の天体(中性子星)の質量を表す。色の濃淡はデータと矛盾しない質量の組み合わせを示す。最初のイベントはオレンジ色、2番目のイベントは青で表示。陰影が濃いほど一致度が高く、そのような質量の組み合わせの確率が高いことを示す。(上のパネル)青い曲線は、GW200115のブラックホールの質量が太陽質量3.5倍と7.5倍の間のどこかにあることを示す。(右側のパネル)オレンジ色の曲線は、GW200105の中性子星の質量が太陽質量の1.75倍から2.2倍であることを示す。右側のパネルの緑の陰影は、中性子星がどれだけ重いかについて現在の天文学的知識を要約したもので、中性子星になるのに十分小さい質量であることを示す。「GW190814」と「GW190426_152155」は以前に観測された重力波イベント(提供:R. Abbott et al. 2021)

今回観測された2つの重力波イベントから見積もったところによると、私たちから10億光年の範囲で起こるブラックホールと中性子星の合体は年間5~15回だという。この数字は、元から連星だったペアによる合体でも超新星後に出会ってからの合体でも説明できるので、この発生率だけで連星の形成シナリオを特定することはできない

Neutron star-black hole merger


中性子星とブラックホールの合体を描いた動画「Neutron star-black hole merger」(提供:Carl Knox, OzGrav - Swinburne University)

2021年7月5日
AstroArtsより

超大質量ブラックホールの成長

Posted by moonrainbow on 14.2021 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
銀河中心の超大質量ブラックホールが成長を止めた現場を捉えることに成功

Arp 187の観測結果
【▲ VLAとアルマ望遠鏡による電波を用いたArp 187の観測結果(疑似カラー。青色:VLAの4.86GHz、緑色:VLAの8.44GHz、赤色:アルマの133GHzにそれぞれ対応)。2つの電波構造が見えるのに対し、中心核がある中央部分は暗くなっている(Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Ichikawa et al.)】

東北大学の市川幸平氏らの研究グループは、これまで困難だと思われてきた活動を止めつつある活動銀河核(研究グループでは「死につつある活動銀河核」と表現)を発見することに成功したとする研究成果を発表しました。活動銀河核では超大質量ブラックホールが周囲から物質を集めて成長しているとみられており、研究グループは今回の成果が超大質量ブラックホールの成長が止まる条件を知ることにつながるかもしれないと期待を寄せています

■超大質量ブラックホールが成長を止めた「瞬間」を捉えた

ブラックホールに落下するガスは降着円盤と呼ばれる構造を形成してブラックホールを周回しながら落ちていきますが、このとき重力エネルギーが解放されることでガスは明るく輝きます。ブラックホールそのものは光(電磁波)で直接観測できませんが、周辺のガスから放射された可視光線、電波、X線などを観測することで、間接的にその性質や活動を調べることが可能です。

この宇宙に数多く存在する銀河の中心には太陽の数十万~数十億倍もの質量がある超大質量ブラックホールが存在すると考えられていますが、そのなかでも超大質量ブラックホール周辺が明るく輝いている銀河の中心核は活動銀河核(AGN:Active Galactic Nucleus)と呼ばれています。研究グループによると、活動銀河核を観測することで、超大質量ブラックホールがどのようにして成長してきたのかを探ることができるといいます


超大質量ブラックホールを描いた想像図
【▲ 活動する超大質量ブラックホールを描いた想像図。降着円盤を形成する周辺のガスが明るく輝いた状態のものは活動銀河核と呼ばれる(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

今回、研究グループはエリダヌス座の方向にある銀河「Arp 187」をアメリカの「カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群(VLA)」やチリの「アルマ望遠鏡(ALMA)」を使って観測しました。その結果、ブラックホール周辺から双方向に噴出するジェットに特有の広がった構造が見られたいっぽうで、中心核からの電波は非常に暗く、見えないことに気が付いたといいます。

研究グループが様々なスケールでArp 187の活動銀河核を調べたところ、100光年より小さな物理スケールでは活動銀河核の特徴がまったく見られないことが明らかになりました。これは、観測されている中心核の姿が活動を止めてから約3000年以内だとすれば自然に説明できるといいます。いっぽう、活動銀河核の周囲に約3000光年に渡り広がる電離領域(活動銀河核から放出された高エネルギーの光子によってガスが電離した領域)の一部では活動の影響がまだ残っており、活動中の様子を調べることができるといいます。

分析の結果、まだ輝いている電離領域の光度は太陽の約3兆倍であり、3000年前の活動が非常に活発だったことがわかるといいます。これに対し、アメリカ航空宇宙局(NASA)のX線観測衛星「NuSTAR」による観測ではArp 187からのX線が検出されず、現在の活動銀河核の光度は太陽の10億倍よりも暗いことがわかったといいます。このことから、Arp 187の活動銀河核の光度は3000年で1000分の1以下になったとみられており、活動銀河核が「死につつある」瞬間を捉えることに成功したとされています


活動銀河核(左)と死につつある活動銀河核(右)
【▲ 一般的な活動銀河核(左)と死につつある活動銀河核(右)の比較。一般的な活動銀河核では中心核と電離領域の両方が明るく輝くが、死につつある活動銀河核では電離領域だけが明るく輝く(Credit: Ichikawa et al.)】

研究グループによると、活動銀河核が終焉を迎えた、つまり超大質量ブラックホールが成長を止めた現場を捉えるのは非常に困難であり、これまで発見されていなかったといいます。というのも、超大質量ブラックホールが活動を止めるとその周辺は速やかに輝きを失ってしまい、電磁波では観測できなくなってしまうからです。

市川氏は今後の展望について、同様の手法を用いて「死につつある活動銀河核」をより多く探すことを検討しており、超大質量ブラックホール周辺の分子ガス分布の調査を通して、どのような環境でブラックホールの成長が止まるのかを明らかにする予定だと語っています


Image Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Ichikawa et

2021-06-08
Soraeより

重いブラックホールと軽いブラックホール

Posted by moonrainbow on 25.2021 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
重いブラックホールと軽いブラックホール、ガスの「食べ方」はどちらも同じ?

超大質量ブラックホール(奥)に接近して一部が引き裂かれる恒星
【▲ 超大質量ブラックホール(奥)に接近して一部が引き裂かれる恒星(手前)を描いた想像図(Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center)】

ヨーロッパ南天天文台(ESO)/ケンブリッジ大学のThomas Wevers氏らの研究グループは、ブラックホールの質量が大きくても小さくても、ガスの「食べ方」はよく似ているとする研究成果を発表しました。ブラックホールはその質量によって分類されていますが、ガスが落下していく際に生じるブラックホール周辺の変化は、どの質量のブラックホールでも同じように進行する可能性があるようです

■ガスが降着するプロセスの推移は超大質量ブラックホールでも同じように観測された

ブラックホールは「恒星質量ブラックホール」(質量は太陽の数十倍程度まで、別の恒星と連星を組んでいる場合がある)や「超大質量ブラックホール」(質量は太陽の数十万~数十億倍以上、さまざまな銀河の中心に存在すると考えられている)といったように、質量の大小によって分類されています。ブラックホールそのものは光(電磁波)で観測できない天体ですが、周辺のガスから放射された電磁波を捉えることで、その性質や活動の様子を間接的に観測することが可能です。

研究グループによると、休止状態にあった恒星質量ブラックホールに伴星から流れ出たガスが落下し始めると、ブラックホールはまず降着円盤(ブラックホールを周回しながら落下していくガスが形成する薄い円盤)からの電磁波が支配的な「ソフト状態」に移行します。やがてブラックホールに流れ込むガスが減ると、今度は白熱したブラックホールコロナ(ブラックホール周辺に希薄に広がる高温のプラズマ)からの電磁波が支配的な「ハード状態」に移り、最終的には再び休止状態に落ち着きます。このプロセスは数週間から数か月間続くといいます。

ガスが降着する際のこのようなプロセスは、過去数十年に渡り複数の恒星質量ブラックホールで観測されてきました。いっぽう、超大質量ブラックホールでは1回のプロセスに要する時間が長すぎるため、その全貌は捉えられないと考えられてきたといいます。研究に参加したマサチューセッツ工科大学(MIT)のDheeraj Pasham氏は「超大質量ブラックホールにおけるこのプロセスは、通常なら数千年のタイムスケールで進行します」と語ります。

ところが、ブラックホールがもたらす潮汐力によって天体が破壊される「潮汐破壊」と呼ばれる現象では、このプロセスがスピードアップするといいます。研究グループは2018年9月に超新星全天自動サーベイ「ASAS-SN」によって検出された潮汐破壊現象「AT2018fyk」を多波長(X線、紫外線、可視光線、電波)で2年間に渡り追跡観測し、プロセスがどのように進行するのかを分析しました。

約8億6000万光年先の銀河で起きたAT2018fykでは、太陽と同程度の質量を持つ恒星が、太陽の約5000万倍の質量を持つ超大質量ブラックホールによって破壊されたとみられています。破壊された恒星に由来するガスによって形成された降着円盤の幅は、約120億キロメートル(地球から太陽までの距離の約80倍)と推定されています。

Pasham氏によると、プロセスは降着円盤の形成にともなうソフト状態(紫外線が大半でX線はとても少ない)から始まり、円盤が崩壊してブラックホールコロナが支配的なハード状態(高エネルギーのX線で明るい)を経た後に、全体的な光度が下がって検出できないレベルに戻ったといいます。つまり、恒星質量ブラックホールと比べて数百万倍も重い超大質量ブラックホールでも、恒星質量ブラックホールと同じように「ソフト状態→ハード状態→休止状態」と移り変わる可能性が示されたことになります。Pasham氏は「ある意味では、1つのブラックホールを見ればすべてを見たことになる、私たちはそれを実証しました」とコメントしています。

研究を率いたWevers氏は今後の展望について、降着円盤やブラックホールコロナといった超大質量ブラックホールのすぐ近くにある構造がどのように形成されるのかを潮汐破壊現象を通して研究することで、うまくいけばこれらを支配する基本的な物理法則をより良く理解できると語っています


Image Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center

2021-05-19
Soraeより

観測史上最軽量のブラックホール

Posted by moonrainbow on 08.2021 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
質量は太陽の3倍。観測史上最軽量のブラックホールが報告される

赤色巨星「V723」
【▲ 赤色巨星「V723」(右)と恒星質量ブラックホール(左)を描いた想像図(Credit: Lauren Fanfer)】

オハイオ州立大学のTharindu Jayasinghe氏らの研究グループは、太陽の約3倍の質量を持つ恒星質量ブラックホール(質量が太陽の数十倍程度までのブラックホール)を発見したとする研究成果を発表しました。研究グループは、見つかったのは観測史上最も軽いブラックホールであり、中性子星とブラックホールの間にある「質量ギャップ」を埋めるものだとしています

研究グループによると、今回発見が報告されたブラックホールは「いっかくじゅう座(一角獣座)」の方向およそ1500光年先にある赤色巨星「V723」と連星を成しています。V723の質量は太陽とほぼ同じであるものの、直径は太陽の約25倍まで膨らんでいるとみられています。

いっかくじゅう座で発見されたことにちなんで、研究グループはこのブラックホールを「ユニコーン」と呼んでいます。「ユニコーン」とV723は約60日周期で互いの周りを公転しており、3倍の質量がある「ユニコーン」の重力がもたらす潮汐力によって、V723は引き伸ばされた形をしていると予想されています。研究に参加したオハイオ州立大学のTodd Thompson氏は「月が潮の干満を引き起こすように、ブラックホールは星の形をフットボールのように歪めます」と語ります


■相次ぐ「軽いブラックホール」の発見

恒星質量ブラックホールと中性子星は、どちらも超新星爆発によって形成されると考えられています。理論上、中性子星の質量は太陽の2.5倍が上限であり、中性子星どうしの合体などによってこの質量を上回ると、潰れてブラックホールになると予想されています。そのいっぽうで、太陽の5倍よりも軽いブラックホールは見つかっていませんでした。

ところが2019年10月、今回の研究にも参加したThompson氏らの研究グループによって、質量が太陽の約3.3倍と推定される恒星質量ブラックホールの発見が報告されました。ブラックホールが見当たらない「質量が太陽の2.5~5倍」の空白域は「質量ギャップ(mass gap)」として知られていましたが、この発見は「質量ギャップにもブラックホールが存在する可能性」を示すものとなり、今回の「ユニコーン」の発見にもつながっています。

Thompson氏は、恒星の誕生とその最期を理解するためにも、質量ギャップのブラックホールがより多く見つかることに期待を寄せています


Image Credit: Lauren Fanfer

2021-04-28
Soraeより
 

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