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ブラックホール連星が合体

Posted by moonrainbow on 06.2020 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
合体して光った?連星ブラックホール

超大質量ブラックホールと周囲を取りまく円盤
超大質量ブラックホールと周囲の円盤、円盤内のブラックホール連星の想像図
超大質量ブラックホールと周囲を取りまく円盤、円盤内に存在するブラックホール連星(手前)の想像図(提供:Caltech/R. Hurt (IPAC))

ブラックホール連星が合体すると重力波を伴うが、理論上、光は放たない。しかし、特殊な環境での合体により発生した可能性のある輝きが、重力波とともに検出された

近年、連星ブラックホールや連星中性子星の合体に伴う重力波が次々と検出されている。このうち、中性子星同士が衝突する場合は明るく輝くため、重力波と電磁波で同時に観測できた例もある。一方、光を放たないブラックホール同士の合体は、そのままだと電磁波ではとらえられないはずだ。だが、環境次第では連星ブラックホールでも合体とともに電磁波で輝く可能性が、理論家たちによって提唱されている。そんなブラックホールの合体で放たれたと思われる光が、初めて観測された。

2019年5月21日に米・国立科学財団のレーザー干渉計型重力波検出器「LIGO」とヨーロッパの重力波検出器「Virgo」が重力波イベント「S190521g」をとらえた。この重力波は連星ブラックホールの合体で生じた可能性が高いと判定されている。そして、重力波がやってきたと推定される天域内にあるクエーサーJ1249+3449が増光していたことを、米・パロマー天文台で行われている突発天体掃索プロジェクト「Zwicky Transient Facility(ZTF)」が突き止めた。

クエーサーは遠方にある銀河の中心核が明るく輝いている天体で、銀河中心の超大質量ブラックホールを囲むガスの円盤がエネルギー源である。米・カリフォルニア工科大学のMatthew Grahamさんたちの研究チームは、このガス円盤の中で2つの恒星質量ブラックホールが合体したのがS190521gの正体なのではないかと考えた。

「銀河中心の超大質量ブラックホールの周囲では、恒星や恒星質量ブラックホールなどの天体同士が重力で引き合い、束の間だけペアとなることがありますが、不安定なため大抵はすぐにパートナーを失ってしまいます。しかし、ガス円盤の中なら、流れるガスによってブラックホールも整列しペアを組むことができるようになります」(米・ニューヨーク市立大学 Saavik Fordさん)。

連星ブラックホールが合体すると、一体となったブラックホールは衝突の勢いで弾き飛ばされる。そのブラックホールが周囲の円盤のガスをかき分けるように高速で移動することにより、ガスが輝いたと考えられている。このような増光は合体後数日から数週間で始まると予想されており、実際にZTFがとらえた増光は重力波の検出から数日後に始まっていた。またZTFは、輝きが1か月間にわたってゆっくり暗くなっていく様子も観測していた。

クエーサーJ1249+3449の詳細なスペクトルが測定されたのは増光が収まった後だったため、クエーサーの増光がブラックホールの合体で生じたことを裏付ける証拠のいくつかは欠けたままだ。それでも研究チームでは、他の可能性の大部分、たとえば超新星爆発やブラックホールが恒星を飲み込む際の光、超大質量ブラックホールが円盤の物質を取り込むときの輝きなどを増光の原因から排除できたとしている


2020年6月30日
AstroArtsより

ブラックホールから放出されたジェット

Posted by moonrainbow on 06.2020 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
恒星質量ブラックホールから放出されたジェットの連続画像が公開

MAXI J1820_070
チャンドラによってX線で撮影されたMAXI J1820+070。左から順に2018年11月、2019年2月、2019年5月、2019年6月に撮影。中央の明るいX線源から上下に向かって放出されたジェットが写っている(Credit: NASA/CXC/Université de Paris/M. Espinasse et al.)

ブラックホールに引き寄せられたガスなどの物質はそのすべてが飲み込まれてしまうのではなく、一部は高速のジェットとして放出され、ブラックホールから遠ざかっていきます。放出されたジェットがブラックホールとみられる天体から離れていく様子を、数か月かけてX線で連続撮影した画像が公開されています

■放出された物質の質量はハレー彗星1000個分、速度は光速の80パーセント

Mathilde Espinasse氏(パリ大学)らによって観測されたのは、「へびつかい座」の方向およそ1万光年先にあるX線源「MAXI J1820+070」です。MAXI J1820+070は主星である恒星質量ブラックホール(質量は太陽のおよそ8倍)と伴星(太陽の半分ほどの質量がある恒星)から成る連星と考えられており、X線は伴星からブラックホールへと流れ込むガスでできた降着円盤から放射されているものとみられています。

Espinasse氏らがNASAのX線観測衛星「チャンドラ」を使って2018年11月から2019年6月にかけてMAXI J1820+070を4回観測したところ、そこには強いX線を放つブラックホール周辺から互いに反対方向へと遠ざかっていく2つのジェットが写っていました。画像の上方向へ進むジェットは地球から遠ざかるように、下方向へ進むジェットは地球に近づくように放出されていて、下方向のジェットは後半には見えなくなってしまったものの、上方向のジェットは4回の観測すべてにおいて捉えられています。

ジェットの速度を求めると、下方向のジェットは光速の160パーセントというあり得ない速度で進んでいるように見えます。これは見かけ上の速度が光速を超えているように観測される「超光速運動」という現象によるもので、ジェットが地球の方向に近い角度で放出されたときに生じます。研究チームによると、ジェットの実際の速度はどちらも光速のおよそ80パーセントに達していて、放出された物質の質量はハレー彗星1000個分に相当するとみられています。

発表では、MAXI J1820+070のような天体の研究を通して、恒星質量ブラックホールから放出されるジェットをより深く理解できるようになることが期待されています


降着円盤を形成する様子
伴星からブラックホールへとガスが流れ込み降着円盤を形成する様子を描いた想像図。ガスの一部はジェットとして双方向へ放出される(Credit: NASA/CXC/M.Weiss)

Image Credit: NASA/CXC/Université de Paris/M. Espinasse et al.

2020-05-31
Soraeより

天の川銀河中心のブラックホール「いて座A*」

Posted by moonrainbow on 18.2020 ブラック・ホール   1 comments   0 trackback
天の川銀河中心のブラックホール「いて座A*」直接撮影は難しいかも

超大質量ブラックホールを取り囲む降着円盤
超大質量ブラックホールを取り囲む降着円盤と、ブラックホールのすぐ近くで回転するホットスポットを描いた想像図(Credit: 慶応義塾大学)

太陽系がある天の川銀河の中心には「いて座A*(エースター)」という電波源があり、そこには太陽の400万倍も重い超大質量ブラックホールが存在すると確実視されています。今回、いて座A*から届く電波の強度が短期間で変動する様子が確認されたとする研究成果が発表されています。いて座A*はブラックホール周辺の直接撮影も期待されている天体ですが、その実現は簡単ではないようです

■電波強度の短周期変動が直接撮影を難しくする

岩田悠平氏(慶応義塾大学)らの研究チームは、2017年10月にチリの電波望遠鏡「アルマ望遠鏡」によって得られた観測データを使い、いて座A*における電波強度の変化(1日あたり70分、全部で10日間)を詳しく解析しました。

解析の結果、いて座A*の電波強度は1時間以上かかるゆっくりとした変動とは別に、およそ30分周期で繰り返される短い周期の変動も時折起きていることが明らかになりました。研究チームによると、ゆっくりとした電波強度の変動は過去の研究でも指摘されていたものの、静かな時期のいて座A*で短周期の変動が確認されたのは今回が初めてのこととなるようです。

このおよそ30分という周期は、いて座A*の超大質量ブラックホールを取り囲んでいるとみられる降着円盤のうち、ブラックホールのすぐ近く(中心から0.2天文単位)の部分における回転周期に相当するといいます。研究チームでは、降着円盤に生じた小規模なホットスポット(熱いガスの塊)がブラックホールの周りを高速で回転することで「相対論的ビーミング」(※)の効果がもたらされ、電波強度に回転周期と同じ短周期の変動が生じたものと考えています。

※…光速に近い速度で移動する天体やガスなどから発せられた光(電磁波)が、地球に近づくように動くときには明るく(強く)観測される特殊相対論的効果

2019年4月、国際プロジェクト「イベントホライズンテレスコープ(EHT)」によって楕円銀河「M87」の中心にある超大質量ブラックホール周辺の直接撮影に成功したことが発表され、大きな話題となりました。EHTでは天の川銀河にあるいて座A*も観測対象となっていますが、今のところその画像は公開されていません。

研究チームでは、ブラックホール周辺の撮像を行うためには長時間の観測が必要となるものの、いて座A*では電波強度だけでなくブラックホール周辺の形状も短時間で変化していくことが今回の研究結果から示唆されるとしており、直接撮影は容易ではないと指摘しています。

また、今回のような観測をより高い感度で継続していくことで、ガスがブラックホールを周回しながら飲み込まれていく様子が捉えられる可能性にも言及しており、一般相対性理論で説明される時空構造のさらなる理解につながることにも期待を寄せています


M87中心の超大質量ブラックホール周辺の様子
EHTが撮影に成功したM87中心の超大質量ブラックホール周辺の様子。短時間で電波強度が変動するいて座A*についてこのような画像を撮影するのは容易ではないようだ(Credit: EHT Collaboration)

Image Credit: 慶応義塾大学

2020-05-12
Soraeより

HR 6819

Posted by moonrainbow on 14.2020 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
肉眼でも見られる連星にブラックホールを発見。およそ1000光年先

HR 6819の構成を描いたイメージ図
HR 6819の構成を描いたイメージ図。2つの恒星(青い軌道)と1つの恒星質量ブラックホール(赤い軌道)から成る三重連星とされている(Credit: ESO/L. Calçada)

天の川銀河ではこれまでに数十個のブラックホールとみられる天体が見つかっていますが、理論上は大小さまざまなブラックホールが1億個以上存在すると見積もられています。今回、地球からおよそ1000光年という比較的近いとことに、太陽数個分の質量がある恒星質量ブラックホールが見つかったとする研究成果が発表されています

■地球から肉眼でも見える連星を研究する過程でブラックホールを発見

ブラックホールらしき天体が見つかったのは、南天の「ぼうえんきょう(望遠鏡)座」の方向にある連星「HR 6819」です。HR 6819は肉眼でも見ることができる5等星で、いずれも太陽より重く青いB型星とBe型星から成る連星として知られています。

Thomas Rivinius氏(ESO:ヨーロッパ南天天文台)らの研究チームは当初、連星の研究対象のひとつとしてHR 6819に注目していました。ところが、HR 6819を構成するB型星の動きを詳しく調べたところ、この星と約40日周期で互いに周回し合う「見えない天体」の存在が判明しました。HR 6819は、実際には2つの恒星と1つの未発見の天体から成る三重連星だったとみられています。

太陽のほぼ5倍の質量と見積もられたB型星の動きから、見えない天体の質量は少なくとも太陽の4.2倍であることも明らかになっています。「太陽と比べて4倍以上も重いのに見えないのですから、この天体はブラックホールとしか考えられません」とRivinius氏はコメントしています。

天の川銀河で発見されたブラックホールとみられる天体の多くは、飲み込まれかけているガスで形成された降着円盤から放射されるX線を検出することで観測されてきました。いっぽう、HR 6819で見つかった恒星質量ブラックホールらしき天体は降着円盤を伴っておらず、B型星の動きを分析することで初めて捉えることができました。研究に参加したPetr Hadrava氏(チェコ科学アカデミー)は「肉眼で見える星と連星を成すものとしては初めて見つかったブラックホールだと気づいたときには、本当に驚きました」と振り返ります


■さらなるブラックホール発見へと導く「氷山の一角」

HR 6819(中央)とその周辺の様子
HR 6819(中央)とその周辺の様子(ESO/Digitized Sky Survey 2. Acknowledgement: Davide De Martin)

Rivinius氏らは今回の結果をまとめた論文において、昨年「太陽の70倍以上の質量があるブラックホールが見つかった」として研究成果が発表された連星「LB-1」にも言及しています。報告されたLB-1のブラックホールらしき天体の質量は想定されてきた恒星質量ブラックホールの上限を上回っているとされていましたが、研究チームはLB-1とHR 6819の観測データを比較した上で、LB-1もブラックホールを含む三重連星であり、ブラックホールの質量も太陽の6.3倍以上という値に落ち着くのではないかとしています。

また、恒星質量ブラックホールの候補が相次いで見つかったことや、1000光年先という地球から近いところでの発見に至った今回の研究結果から、天の川銀河だけでも億単位で存在するはずのブラックホールについての手がかりが得られるとしています。研究に参加したDietrich Baade氏(ESO)は「何を観測すべきかを知ることで、私たちは狙いを定めることができます。今回の発見は氷山の一角にすぎません」と語っています


Image Credit: ESO/L. Calçada

2020-05-07
Soraeより

銀河衝突で刺激された超大質量ブラックホール

Posted by moonrainbow on 02.2020 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
銀河衝突で刺激された超大質量ブラックホールから噴き出すジェット

銀河「TXS 2116-077」
合体途上にある銀河「TXS 2116-077」(右)と同程度の質量を持つ銀河(左)の近赤外線画像。両銀河はともに活動銀河核を持ち、銀河同士の衝突で発生した相対論的ジェットがTXS 2116-077の中心から噴出している(提供:Vaidehi Paliya))

2つの渦巻銀河の衝突によって一方の銀河中心核が明るくなり、光速近くで物質が噴き出す「ジェット」が生じつつあることを示す画像が、すばる望遠鏡によって撮影されました

銀河の中心核で生じるジェットは、太陽が100億年の生涯で生み出す以上のエネルギーを1秒間で放つという非常に強力な現象だ。これまでにジェットが観測されてきたのはもっぱら長い時間をかけて成長した楕円銀河だったが、ドイツ電子シンクロトロンのVaidehi Paliyaさんたちが行ったすばる望遠鏡による観測で、初めて2つの若い渦巻銀河の合体によってジェットが生じたことを示す画像が得られた。

すばる望遠鏡が向けられたのは、みずがめ座の方向約43億光年の距離にある「TXS 2116-077」と呼ばれる天体である。過去の観測から、TXS 2116-077は中心核が明るい「セイファート1型銀河」であり、ジェットが発生していることがわかっていたが、すばる望遠鏡の撮影で初めて、この銀河に別の銀河が衝突していることが判明した。「すばる望遠鏡の高い解像力により、ジェットを放出するこの銀河が合体途上にあり、隣の銀河と4万光年まで近づいている様子を初めてとらえることができました。これらは銀河合体の最終段階にあるようです」(国立天文台ハワイ観測所 Hyewon Suhさん)。

これまで銀河が衝突・合体する様子は数多く撮影されてきたが、その中に地球の方向へ放たれるジェットが存在する例は初めてである。どうやらこのジェットは形成されたばかりで、比較的弱いようだ。「通常、ジェットが放つ光は非常に強く、背後の銀河の姿は見えません。ある物を見ようとしたときに誰かがあなたに懐中電灯を向けたようなものです。このジェットはそこまで強くないため、誕生現場である銀河を実際に見ることができたのです」(米・クレムソン大学 Stefano Marchesiさん)。

ほとんどの銀河の中心には、太陽の数百万倍から数十億倍の質量を持つ超大質量ブラックホールがあると考えられている。そこへ引き寄せられたガスや塵はブラックホールの周りに「降着円盤」を形成し、この物質がブラックホールに落ち込んでいくと銀河中心核が膨大なエネルギーを放ち、ときに銀河全体をしのぐほど明るくなる。また、その過程で一部の物質はブラックホールへ落ち込まずに円盤と垂直な方向へ加速され、細く絞られたビーム状のジェットとなって外へ向かって噴き出す。光速近くまで加速されることから、相対論的ジェットと呼ばれることもある。

比較的年齢の若い渦巻銀河ではジェットがあまり見つからず、高齢で質量の大きな楕円銀河で多く見つかる理由は、今回観測されたような銀河の合体で説明できるかもしれない。「銀河のガスを移動させて中心へ到達させることは困難です。銀河を多少揺さぶって、ガスを中心部へ届ける『何か』が必要です。銀河の合体や衝突は、ガスを移動させる最も簡単な方法です。十分なガスが移動すれば、超大質量ブラックホールは非常に明るくなり、ジェットを形成できる可能性が出てきます」(クレムソン大学 Marco Ajelloさん)。

私たちの天の川銀河とお隣のアンドロメダ座大銀河も数十億年後には衝突・合体すると予測されている。「数多くの詳細なシミュレーションが行われており、この出来事が最終的に巨大楕円銀河の形成につながる可能性が示されています。条件によっては相対論的ジェットが形成されるかもしれませんが、それはずっと先のことです」(Paliyaさん)


2020年4月28日
Soraeより
 

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