24光年しか離れていない超大質量ブラックホールのペア

Posted by moonrainbow on 16.2017 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
超大質量ブラックホールのペアの動き(NRAO

楕円銀河「0402_379」に存在する超大質量ブラックホールのペアの想像図
楕円銀河「0402+379」に存在する超大質量ブラックホールのペアの想像図(提供:Josh Valenzuela/University of New Mexico)

約7億5000万光年の距離にある銀河に存在する、超大質量ブラックホールのペアの動きがとらえられました。互いの間隔は24光年しか離れていないのです

VLBA(超長基線電波干渉計)による観測で、ペルセウス座の方向約7億5000万光年彼方の楕円銀河に存在する超大質量ブラックホールのペアの動きがとらえられました。ブラックホールのペアの質量は合計で太陽の150億倍もあり、お互いの距離はわずか24光年しか離れていないのです

「これは、互いの周りを回る2つのブラックホールが分離してとらえられた初めてのケースで、目に見えるブラックホール連星の第1号です」(米・ニューメキシコ大学 Greg Taylorさん)

ほとんどの銀河の中心には、太陽の数百万倍から数十億倍もの質量を持つ超大質量ブラックホールが潜んでいると考えられています。今回のように、1つの銀河の中心に大質量ブラックホールが2つが存在しているということは、過去に銀河同士が合体したことを意味しています。今後2つのブラックホールは接近していき、最終的には合体して重量波を放出するとともに、より大きい1つのブラックホールとなります。「この銀河に存在する2つの超大質量ブラックホールも、数百万年以内に合体すると考えられます」(米・ニューメキシコ大学 Karishma Bansalさん)。

TaylorさんたちはVLBAによる過去の観測データから、この銀河に超大質量ブラックホールのペアが存在することを2006年には突き止めていました。今回さらに2009年と2015年の観測データなどを用いて、2つの超大質量ブラックホールが互いの周りを回っていることが確かめられた。1周するのに約3万年かかると見積もられています

VLBAによる楕円銀河0402_379の中心領域の観測画像
VLBAによる楕円銀河0402+379の中心領域の観測画像。超大質量ブラックホールのペアと確認された2つの核(C1とC2)がとらえられている(提供:Bansal et al., NRAO/AUI/NSF.)

「軌道やブラックホールの質量をもっとよく理解するために、この銀河の観測を続ける必要があります。このペアは、連星系でどのような相互作用が起こっているのかを研究する初めての機会を与えてくれます」(Taylorさん)

2つの超大質量ブラックホールを接近させるような銀河の合体は、宇宙ではよく起こることだと考えられています。つまり、この銀河に存在する超大質量ブラックホール連星系は、宇宙において一般的な存在と考えられます。「ブラックホール連星の動きを観測できたことは、同様の連星系の発見を目指す私たちの励みになります。今後、もっと研究に適したブラッホール連星を発見できるかもしれません」(Bansalさん)。

2017年7月3日
AstroArtsより

モンスターブラックホール

Posted by moonrainbow on 08.2017 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
惑星を食い散らし、地球へ赤外線を放射するモンスターブラックホールが観測される

モンスターブラックホール

米テキサス大学サンアントニオ校の研究者はNASAの遠赤外線天文学成層圏天文台(Stratospheric Observatory for Infrared Astronomy/SOFIA)を使いモンスターブラックホールを観測しています

 「すべてではないとしても、ほとんどの大型銀河の中心には超大質量ブラックホールがあります」とNASA広報官

 「宇宙にあるそうしたブラックホールの多くは、天の川銀河にあるもののように、比較的平穏で不活発です。しかし超大質量ブラックホールは今現在引き寄せられた大量の物質を消化し、膨大なエネルギーを放射しています」

膨大なエネルギーを排出するブラックホール「活動銀河核」

 こうしたブラックホールは「活動銀河核」と呼ばれます。研究からは、その周囲にある塵が従来考えられていた以上にずっと圧縮されていることが判明しました

 また、これまでどの活動銀河核も基本的に同じ構造をしていると考えられてきましたが、これに関連して、超大質量ブラックホールの周囲を塵がドーナツのように囲んでいる構造、すなわちトーラス構造であることも示唆されています

モンスターブラックホール1

 研究チームはSOFIA望遠鏡微光天体赤外線カメラ(Faint Object infraRed Camera for the SOFIA Telescope/FORCAST)で、1億光年以上先にある活動銀河核の中に存在する11個の超大質量ブラックホール周辺の赤外線放射を観測し、各トーラスの大きさ、不透明度、塵の分布を測定しました

 『マンスリー・ノーティシズ・オブ・ザ・ロイヤル・アストロノミカル・ソサイエティ(Monthly Notices of the Royal Astronomical Society)』に掲載された論文によれば、トーラスは予測よりも30パーセント小さく、赤外線放射のピークも推定よりも長い波長を有していました

 これは中央のブラックホールをとりまく塵が、これまで考えられていた以上に圧縮されていることを示唆しています。さらに、地上からは大気の水蒸気に吸収されてしまうために観測できない波長において、ほとんどのエネルギーを放射していることも窺える

モンスターブラックホール2
image credit:youtube

 SOFIAはボーイング747-SPを改造して約2.5メートル望遠鏡を搭載した、NASAとドイツ航空宇宙センターの共同開発による空飛ぶ天文台です

 地球に存在する水蒸気99パーセントの上空を飛行して、今回のように遠赤外線波長におけるトーラス型塵構造の特性を把握することを可能にしました

モンスターブラックホール3
SOFIA

 今回観測されたものがすべてトーラスを起源としているのか、それとも何か別の要素が存在するのかどうか判断するには、さらなる観測が必要になります。研究チームの次の目標は、SOFIAを用いてさらに多くの活動銀河核を観測するとともに、より長い波長を観察することだそうです

2017年06月22日
カラパイアより

ブラックホールの境界「事象の地平線」

Posted by moonrainbow on 13.2017 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
ブラックホールの「事象の地平線」の存在をサーベイ観測で検証(RAS News&Press

ブラックホールの事象の地平線を横切る星の想像図
ブラックホールの事象の地平線を横切る星の想像図(提供:Mark A. Garlick/CfA)

ブラックホールの境界「事象の地平線」の存在は広く信じられているものの、その実在性は証明されていません。「存在しない場合」に見られるはずの現象を調べることで、反対に実在性を示すという研究結果が発表されました

物質がブラックホールにある程度より近づくと、ブラックホールの強力な重力のためそこから逃げ出すことはできません。この境界は「事象の地平線」と呼ばれており、理論的に存在が予測されています。多くの銀河の中心に存在すると考えられている、太陽の数百万倍から数十億倍もの質量を持つ超大質量ブラックホールの場合も、星が事象の地平線を越えてしまうと消えてしまうはずです

しかし、銀河の中心にはブラックホールではなく巨大な質量を持つ「何か」があるという説も考えられています。その場合、天体の周りには事象の地平線の代わりに硬い表面が存在するはずであり、そこに星がぶつかれば、吸い込まれて消えるのではなく破壊されてしまうはずです

米・テキサス大学オースティン校のPawan Kumarさんたちの研究チームは、そうした破壊現象が起こっているかどうかを観測的に調べ、そこから逆説的に事象の地平線の実在性を示すことを考えました

Kumarさんたちはまず、銀河中心に事象の地平線が存在せず硬い表面があり(つまりブラックホールではない大質量天体があり)、そこに星がぶつかった場合にどんな現象が観測されるかを調べました。すると、天体が星のガスで包み込まれ、数か月から数年単位で輝くだろうという結論に至りました

次に、こうした衝突がどのくらいの頻度で起こるかを見積もり、その見積もりをもとに、観測されると期待される現象数を計算しました。そしてその結果を、米・ハワイで行われているパンスターズ望遠鏡によるサーベイ観測の結果と比較しました

「硬い表面を持つ大質量天体の理論が正しい場合、サーベイ観測の結果中に10回以上、星のガスに包み込まれたことによる一時的な増光が検出されるはずでした」(米・テキサス州オースティン校 Wenbin Luさん)

しかし研究チームは、たったの一つも一時的増光を見つけることはなかったのです

「今回の研究が示唆したのは、一部の、いやおそらくすべてのブラックホールに事象の地平線が存在しており、そこを越えた物質は観測可能な宇宙から消えてしまうということです。アインシュタインの一般相対性理論の正しさを証明する結果です」(米・ハーバード・スミソニアン天体物理センター Ramesh Narayanさん)。

2017年6月6日
Astro Artsより

「N6946-BH1」がブラックホ―ルに!

Posted by moonrainbow on 08.2017 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
超新星爆発を起こさずブラックホ―ルになった大質量星(NASA JPL)

N6946-BH1.jpg
(左)2007年にハッブル宇宙望遠鏡がとらえた「N6946-BH1」、(右)2015年の同領域(提供:NASA/ESA/C. Kochanek (OSU))

太陽の25倍の大質量星が超新星爆発を起こすことなく、徐々に弱々しくなりブラックホールになったらしい観測結果が示されました。こうした進化の過程は、大質量星が起源の超新星の観測数が予想より少ないことの理由かもしれません

大質量の恒星は一生の最期に超新星爆発を起こし、その後でブラックホールになると考えられています。しかし、観測されるこうしたタイプの超新星爆発の頻度は、終末期を迎えた大質量星の数から考えるとずっと少ないのです

米・オハイオ州立大学のChristopher Kochanekさんたちの研究チームは巨大双眼望遠鏡(Large Binocular Telescope: LBT)を用いて、7年かけて複数の銀河を対象とした超新星サーベイ観測を行いました。その対象銀河の一つが、地球から2200万光年離れたケフェウス座の渦巻銀河「NGC 6946」です。花火銀河の愛称で知られるこの銀河には比較的頻繁に超新星が出現しており、つい最近も明るい超新星2017 eawが見つかったばかりです

2009年、この銀河中にあった太陽の25倍の質量を持つ星「N6946-BH1」が輝き始め、数か月間にわたって太陽の100万倍も明るく光り続けました。しかし2015年に同じところを観測したところ、星の姿は見えなくなってしまっていたのです

この星がまだそこに存在しているのかどうか確認するため、ハッブル宇宙望遠鏡や赤外線天文衛星「スピッツァー」で追加観測が行われました。単に暗くなった可能性や塵に隠された可能性も考えられたが、観測結果は星の存在を否定するものでした。最終的に、N6946-BH1はブラックホールになったはずだとの結論が導かれた。非常に明るい超新星爆発を起こすはずの大質量星が徐々に弱々しくなり、ブラックホールが残されたのです

「N6946-BH1は7年間のサーベイでたった1つ見つかった、最期に超新星爆発を起こさなかったと思われる大質量星です。観測対象の銀河全体では普通の超新星が7年間で6つ現れましたから、超新星爆発を経ず静かに死を迎える大質量星は、全体の1~3割であると示唆されます。この割合は、『実際に観測される超新星爆発の数が、発生しているはずだと考えられる数より少ないのはなぜか』という疑問に対する答えかもしれません」(Kochanekさん)

大質量星が超新星爆発を起こさずブラックホールに生まれ変わる様子を描いたイラスト
大質量星が超新星爆発を起こさずブラックホールに生まれ変わる様子を描いたイラスト(提供:NASA/ESA/P. Jeffries (STScI))

2017年5月31日
Astro Artsより

2つ目の超大質量ブラックホール?

Posted by moonrainbow on 04.2017 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
超大質量ブラックホールのそばに明るい天体が出現( NRAO)

はくちょう座Aの中心部
はくちょう座Aの中心部の、1989年と2015年の比較。VLAによる電波観測データ(オレンジ)とハッブル宇宙望遠鏡の画像を重ねている(提供:Perley, et al., NRAO/AUI/NSF, NASA)

2つ目の超大質量ブラックホール
Credit: Bill Saxton, NRAO/AUI/NSF

有名な電波銀河「はくちょう座A」の中心にある超大質量ブラックホールの近くに、非常に明るい電波源が現れました。2つ目の超大質量ブラックホールが存在し光り始めたもののようです

地球から約8億光年の距離にある有名な電波銀河「はくちょう座A(Cygnus A)」は、1939年に発見されて以来、頻繁に観測・研究されてきた銀河です

英・リバプール・ジョン・ムーア大学のDaniel Perleyさんたちは2015年から2016年にかけて、米・国立電波天文台のVLA(超大型干渉電波望遠鏡群)をはくちょう座Aに向けました。VLAによる観測は1996年以来のことです。そして、銀河中心核の近くに現れた明るい電波源をとらえたのです

「じゅうぶん明るいので、過去の画像中に写っていればすぐにわかります。1996年以前のものには見られませんから、この20年間に明るい天体が発生したことを示しています」(国立電波天文台 Rick Perleyさん)

この天体の正体は超新星爆発か、銀河中心核付近に存在する2つ目の超大質量ブラックホールが起こしたアウトバーストのいずれかだろうと考えられています。しかし、既知の超新星爆発と比べてあまりに長期間にわたって明るさを保っていることから、超新星の可能性はなさです

一方、天体ははくちょう座Aの中心にある超大質量ブラックホールからは1500光年ほど離れているものの、周囲にある物質を急速にむさぼる超大質量ブラックホールと多くの特徴が一致しています。「私たちはこの銀河に2つ目のブラックホールを発見したのだと考えています。つまり、天文学的な時間スケールでつい最近、銀河同士の合体があったことが示唆されます。将来はブラックホール同士も合体するでしょう」(国立電波天文台 Chris Carilliさん)

2つ目の超大質量ブラックホールがアウトバーストを起こし電波で見えるようになった原因は、ブラックホールが新たな「食糧源」と遭遇したためではないかと考えられています。その食料となったのは、銀河同士の合体によって混ぜられたガスか、2つ目のブラックホールに接近した星がブラックホールの強力な重力によってバラバラに引き裂かれたものでしょう

「更なる観測によって、この天体に関する疑問を解く鍵が得られるでしょう。もしこれが2つ目のブラックホールであれば、似たような銀河にも、同様の発見があるかもしれません」(Daniel Perleyさん)

2017年5月26日 NRAO
Astro Artsより
 

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