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超光速運動

Posted by moonrainbow on 16.2020 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
M87のブラックホールからのジェットは光速の99%以上

M87の中心ブラックホールの影
イベント・ホライズン・テレスコープが撮影したM87の中心ブラックホールの影。ハワイの創世神話「クムリポ(Kumulipo)」にちなみ「ポヴェヒ(Powehi、「装飾が施された深遠な暗い創造物」の意)」という名前が付けられた(提供:EHT Collaboration)

巨大楕円銀河M87の中心に存在する超大質量ブラックホールから噴出するジェットがX線で観測され、噴出する粒子の運動速度が光速の99%以上であることが確かめられました。ジェットの見かけ上の速度は、最大で光速を約6倍も超えています

2019年4月、おとめ座の巨大楕円銀河M87の中心に存在する超大質量ブラックホールの影(ブラックホールシャドウ)が史上初めて撮像されたと発表され、大きな話題となった)。

M87の中心ブラックホールは太陽の65億倍もの質量を持っています。その周囲に近づいた物質はブラックホールを取り巻く降着円盤を形成し、物質の一部がブラックホールへと落ち込むと、磁力線に沿ってブラックホールから細いジェットとなって噴き出します。この長く伸びたジェットは以前から、様々な電磁波で観測されてきました。

米・ハーバード・スミソニアン天体物理センターのBradford Sniosさんたちの研究チームはNASAのX線天文衛星チャンドラで、このジェットを繰り返し観測しました。その結果、2012年と2017年の観測データから、ジェット中の一部分がブラックホールから遠ざかるように移動している様子がとらえられました


M87のブラックホールから噴出するジェットのX線画像
M87のブラックホールから噴出するジェットのX線画像。右下は2012年と2017年の5年間でジェットの一部が移動し暗くなっている様子を示したもの。(提供:NASA/CXC/SAO/B.Snios et al.)

詳しく調べると、ブラックホールから900光年離れた塊は見かけ上の速度が光速の6.3倍、2500光年離れた塊は2.4倍で運動している。これは「超光速運動」と呼ばれる現象で、物質がこちら向きに、光速に近い速度で移動する際に見られるものです。また、900光年離れたほうの塊からのX線は、5年間で約70%弱くなっていました。

超光速運動はこれまでにも電波や可視光線で観測されていましたが、この運動がX線で観測されたことと、塊からのX線が弱くなっていることは、間違いなくジェットを構成する粒子そのものが光速の99%以上で移動していることを示す重要な成果です。X線が弱く暗くなった理由は、粒子が磁場の周りで回転運動することでエネルギーを失ったためと考えられている。「私たちの研究で、M87から噴き出すジェットの粒子が光速に近い速度で移動していたことを示す、これまでで最も強力な証拠が得られました」(Sniosさん)。

チャンドラが観測したジェットの全長は1万8000光年にも及び、ブラックホールシャドウよりもはるかに大きい範囲を見ている。また、チャンドラが見ているのは数百年から数千年前にブラックホールから噴出したジェット中の物質であり、これはブラックホールシャドウが見せた観測当時のブラックホールの姿の、はるか昔の様子を知る手がかりを与えてくれるものです。チャンドラの観測は、ブラックホールシャドウの観測を補うという点でも重要な成果です


2020年1月9日
AstroArtsより

ブラックホール急成長のカギ?

Posted by moonrainbow on 10.2020 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
クエーサーを取り囲む高密度の水素ガス

クエーサー(中心)の想像図
広大な高密度水素ガス(青)に囲まれているクエーサー(中心)の想像図(Credit: ESO/M. Kornmesser)

銀河中心の狭い範囲が銀河全体よりも明るく輝いている「クエーサー」。クエーサーの中心には超大質量ブラックホールが存在すると考えられていますが、初期宇宙のブラックホールがいかにして急速な成長を遂げたのか、そのメカニズムの解明につながりそうな研究成果が発表されました

■太陽数十億個分の水素ガスが銀河を取り囲んでいた

およそ138億年前に始まったとされる宇宙の歴史。その最初の数億年が経過した時点で、クエーサーの中心にはすでに太陽10億個分以上という途方もない質量を持つ超大質量ブラックホールが存在していたとみられています。ただ、どうしてこれほどの「短期間」でブラックホールが急速に成長できたのか、そのメカニズムは明らかになっていません。

今回、Emanuele Paolo Farina氏(マックス・プランク天文学研究所)らの研究チームはこの謎に迫るべく、ヨーロッパ南天天文台(ESO)の「超大型望遠鏡(VLT)」を使って125億年以上前のクエーサー31個を観測しました。その結果、12個のクエーサーが広大かつ高密度な水素ガスの集まりに取り囲まれていたことが明らかになりました。水素ガスはクエーサーの中心にあるはずの超大質量ブラックホールから10万光年の範囲にまで広がっており、ガスの質量は太陽数十億個分に達するとみられます。

クエーサーがある初期宇宙の銀河では天の川銀河の100倍というハイペースで星が生み出される「スターバースト」が起きていたと考えられていますが、今回発見された水素ガスの量は、当時の銀河による活発な星形成活動と中心にあるブラックホールの急成長、その双方を維持するに足る量とされています。また、今回の観測は、過去の研究における「若いクエーサーを宿す銀河はガスの供給源となる広大な水素ガスに囲まれている」という予想を裏付ける結果にもなりました。

高密度水素ガスの発見についてFarina氏は、宇宙に最初の恒星が誕生してから数億年で超大質量ブラックホールが誕生するに至ったメカニズム、その解明に向けた重要な一歩になるだろうとコメントを寄せています


クエーサー(中心)の想像図1
「アルマ望遠鏡」による合体銀河の観測データ(オレンジ)と、今回VLTによって得られた高密度水素ガスの観測データ(青)を重ねた画像(Credit: ESO/Farina et al.; ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Decarli et al.)

Image Credit: ESO/Farina et al.

2019-12-26
Soraeより

天の川銀河の中心に2つ目の巨大ブラックホールが存在?

Posted by moonrainbow on 09.2020 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
天の川銀河の中心にもう1つの巨大ブラックホールが存在するかも?

巨大ブラックホールの連星を描いた想像図
巨大ブラックホールの連星を描いた想像図(Credit: NASA)

この宇宙に存在する銀河のほとんどは、質量が大きな巨大ブラックホールを持っていると考えられています。私たちが住む天の川銀河の中心にも超大質量ブラックホールが存在すると確実視されていますが、もしかするともう1つの巨大なブラックホールが潜んでいるかもしれません

■今はまだ検出できない2つ目の巨大ブラックホールが存在する?

カリフォルニア大学ロサンゼルス校のSmadar Naoz氏は2019年12月12日、The Conversationにおいて、天の川銀河の中心にもう1つの巨大ブラックホールが存在する可能性に言及しました。

天の川銀河の中心には「いて座A*(エースター)」と呼ばれる超大質量ブラックホールの存在が確実視されています。いて座A*はM87の超大質量ブラックホールのように直接撮像されたことはまだありませんが、すぐ近くを周回する複数の恒星の動きを長年追跡することで、太陽の400万倍という大質量を持つ天体であることが明らかになっています。

このうち「S0-2」(または「S2」)と呼ばれる恒星はおよそ16年で一周する楕円軌道を描きながらいて座A*を周回しており、最接近時にはいて座A*まで120天文単位という「至近距離」まで近付くことから、いて座A*の質量の推定や一般相対性理論の検証などに用いられてきました。

過去20年以上に渡るS0-2の観測結果は、少なくともいて座A*から200天文単位以上離れたところに太陽の10万倍以上の質量を持つ巨大ブラックホールが存在する可能性を否定しています。しかしNaoz氏は、現在の観測技術では検出困難なブラックホールが存在するかもしれないと考えています


■銀河が合体するとブラックホールも集まり合体する

相互作用銀河「SDSS J0849+1114」
3つの銀河が合体しつつある相互作用銀河「SDSS J0849+1114」の光学観測画像(背景)とX線観測画像(左下)(Credit: X-ray: NASA/CXC/George Mason Univ./R. Pfeifle et al.; Optical: SDSS & NASA/STScI)

宇宙では、銀河どうしの接近、衝突、合体もめずらしいことではありません。近年では「ハッブル」宇宙望遠鏡などの観測により、接近しはじめたばかりのものから合体がかなり進行したものまで、さまざまな相互作用銀河が見つかっています。天の川銀河も例外ではなく、およそ100億年前に別の銀河と衝突・合体したことが恒星の動きから判明しています。

銀河が合体すると、それぞれが持っていた巨大なブラックホールは合体した銀河の中心付近に向かって集まり、やがて合体してより巨大なブラックホールへと成長します。天の川銀河が別の銀河との合体を経験してきたとすれば、複数の巨大ブラックホールが存在していたとしても不思議ではありません。

ブラックホール連星の存在を検出するには、連星が放つ重力波を観測する方法が利用できます。ただ、仮にいて座A*が別の巨大ブラックホールと連星を成していた場合、放たれる重力波は周波数が低くなるとみられ、現在稼働している「LIGO」や「Virgo」といった重力波望遠鏡では検出できません。そのためNaoz氏は、欧州宇宙機関(ESA)が2034年に打ち上げを予定している宇宙重力波望遠鏡「LISA(Laser Interferometer Space Antenna)」による観測に期待を寄せています


3つの衛星のうち1つを描いた想像図
宇宙重力波望遠鏡「LISA」を構成する3つの衛星のうち1つを描いた想像図(Credit: AEI/MM/exozet)

Image Credit: NASA

2019-12-25
Soraeより

巨大銀河「Holm 15A」の中心ブラックホール

Posted by moonrainbow on 13.2019 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
太陽の400億倍、最重量記録の巨大銀河「Holm 15A」のブラックホール

銀河団「エイベル85」
銀河団「エイベル85」。中央の明るい銀河が巨大銀河「Holm 15A」(提供:Matthias Kluge/USM/MPE)

巨大銀河「Holm 15A」の中心ブラックホールが太陽の400億倍の質量を持ち、これまでに質量が直接測定されたブラックホールとしては最も重いことがわかりました

くじら座の方向約7億光年の距離にある「エイベル85」は500個以上の銀河が属している銀河団だ。この銀河団の中心には「Holm 15A」という巨大楕円銀河が存在する。私たちの天の川銀河に含まれる恒星の総質量は太陽の1000億倍ほどだが、Holm 15Aの恒星の総質量は太陽の2兆倍もある。

一般に、楕円銀河は内側に向かうほど星が密集して明るさが高くなり、中心部には直径が数百~数千光年ほどの「コア」と呼ばれるほぼ均一な構造がある。しかし、Holm 15Aの中心部はあまり密集しておらず、大マゼラン雲(直径約1万5000光年)とほぼ同じサイズの大きく広がった淡いコアを持っている。このことから、独・マックスプランク地球外物理学研究所(MPE)のKianusch Mehrganさんたちの研究グループは、この銀河には非常に重い中心ブラックホールがあるのではないかと推測した。

「超大質量ブラックホールの質量を直接測定できた例はまだ数十個しかありませんし、これほど遠い距離でブラックホールの質量が測定されたことは一度もありません。しかし私たちは、この銀河の中心ブラックホールはかなり重いのではないかという、ある程度の予想をしていました。そこで測定を試みたのです」(MPE Jens Thomasさん)。

研究チームでは、独・ミュンヘン大学ヴェンデルシュタイン天文台の望遠鏡とヨーロッパ南天天文台のVLT望遠鏡で観測を行い、Holm 15Aの中心ブラックホールを回る恒星の運動を測定してブラックホールの質量を見積もった。その結果、Holm 15Aの中心ブラックホールの質量は太陽の400億倍という値が得られた。これは地球近傍の宇宙にある質量が知られたブラックホールの中では最も重いものだ。「この値は、Holm 15Aの恒星の総質量や恒星の速度分散(速度のばらつきの度合い)から間接的に導いた値よりも数倍大きなものでした」(MPE Roberto Sagliaさん)。

Holm 15Aの表面輝度(単位面積当たりの明るさ)の分布を見ると、コアが大きく広がっている。また、その表面輝度は非常に暗く、他の楕円銀河のコアと比べてもずっと暗い。「Holm 15Aは中心付近でもコアの明るさが非常に平坦です。過去の銀河合体の際に中心部の恒星の大半が銀河の外へはじき出された可能性があります」(Mehrganさん)


Holm 15Aの表面輝度の分布(赤)
Holm 15Aの表面輝度の分布(赤)。横軸が銀河中心からの距離で縦軸が表面輝度を表す。灰色の線は他の銀河の輝度分布。表面輝度がほぼ一定になっている領域をコアと呼ぶ。他の銀河と比べて、Holm 15Aのコアは非常に大きく、輝度が低い(提供:MPE)

現在広く受け入れられているモデルでは、巨大楕円銀河のこうした淡く広がったコアは「core scouring(コアの『精錬』)」と呼ばれるプロセスでできたと考えられている。2個の銀河が合体すると、それぞれの銀河中心にあったブラックホール同士が重力相互作用でブラックホール連星となる。このブラックホール連星と普通の恒星が出会うと、3つの天体の「三体相互作用」によって最も軽い恒星が細長い軌道に変えられ、合体後の銀河のコアからはじき出されるのだ。もし合体後の銀河の中心部に新たな星を生み出せるガスが残っていなければ、ブラックホール連星によって星の放出が繰り返されることで、若い星が少なく暗い「枯渇したコア」が残ることになる。

「最新の銀河衝突シミュレーションでも、今回の観測で得られた特徴と非常に良く合う予測が得られていました。シミュレーション結果によると、銀河合体で淡く広がったコアができるためには、合体前の2個の楕円銀河がすでに「枯渇したコア」を持っていることが最も大事です。つまり、銀河の輝度分布の形や恒星の軌道に関する観測データには、Holm 15Aのコアが形成されたときの環境に関する、銀河考古学上の価値ある情報が含まれているということになります。これは他の巨大銀河でも同じです」(Thomasさん)。

Holm 15Aの合体の歴史はこのように少し特殊なものだが、ここからブラックホールの質量と銀河の表面輝度を関連づける新たな強い関係を見出すことができる。「銀河が合体するたびに、中心ブラックホールの質量は増え、銀河の中心部からは星が失われていく」、という関係だ。この関係を使えば、ブラックホールのそばを回る恒星を直接測定できないような遠い銀河についても、中心ブラックホールの質量を見積もることができるかもしれない


2019年12月9日
AstroArtsより

ブラックホール「LB-1」

Posted by moonrainbow on 06.2019 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
「存在すらしないはず」の巨大な恒星ブラックホール、銀河系内で発見

「存在すらしないはず」の巨大な恒星ブラックホール、銀河系内で発見
青い伴星からのガスを吸い込む恒星ブラックホールの想像図。中国科学院、北京天文館提供(2019年11月26日提供)。

太陽系が位置する天の川銀河(銀河系、Milky Way)内で、極めて巨大なブラックホールを発見したとする研究結果が2019年11月28日、発表されました。このブラックホールはあまりに巨大なため、星の進化に関する既存のモデルに疑問が投げ掛けられています

 英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された論文によると、地球から1万5000光年の距離にあるこのブラックホール「LB-1」は、太陽の70倍の質量を持つとされます。

 今回の研究を率いた中国科学院国家天文台(China's National Astronomical Observatories)の劉継峰(Liu Jifeng)教授によると、大質量星の中心核が重力崩壊して形成される恒星ブラックホールが銀河系には約1億あると推定されるが、LB-1は科学者らの間で存在し得ると考えられていた重い恒星ブラックホールの2倍の質量を持つます。

「現在の恒星進化モデルの大半によれば、これほどの質量を持つブラックホールは、銀河系内には存在すらしないはずだ」と劉教授は話しています。

 また、銀河系内の典型的な恒星は恒星風を通じてガスの大半を放出するため、LB-1ほどの巨大なブラックホールは出現しないというのが研究者らの考えだと説明し、「今回の発見により、理論研究者らはLB-1の形成を説明するという難題に立ち向かわなければならなくなる」と続けました。

 恒星ブラックホールは通常、超新星爆発によって形成されます。超新星爆発とは大質量星が燃え尽きてその一生の最後に起きる現象です。

 今回の研究には参加していないが、米カリフォルニア工科大学(Caltech)のデービッド・ライツェ(David Reitze)氏は、「LB-1の大質量は、超新星で生成されてはいないはずで『対不安定型のギャップ』として知られる範囲に分類される」「これは、LB-1が別の物理学的機構で形成された新たな種類のブラックホールであることを意味する」とコメントしています


2019年11月28日
AFPより
 

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