NASA、最も遠いブラックホールを発見…成長段階だがホスト銀河とほぼ同じサイズ
これまで見つかった中で最も遠く離れたブラックホールのX線写真。
X-ray: NASA/CXC/SAO/Ákos Bogdán; Infrared: NASA/ESA/CSA/STScI; Image Processing: NASA/CXC/SAO/L. Frattare & K. Arcand
NASAはこれまでで最も遠く離れた場所にある成長中のブラックホールを発見した。
心配は無用だ。この成長しているブラックホールは132億光年離れている。
この超大質量ブラックホールは、原始的な状態で発見された。
NASAはこれまで見つかった中で、最も遠くにあるブラックホールの原始的な段階で成長している姿を捉えた。
NASAは先日、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)とチャンドラX線望遠鏡からのX線データを組み合わせ、遠い銀河の後ろに、原始的で巨大なブラックホールの存在を確認したことを発表した。
巨大な鏡と赤外線レンズのおかげで、JWSTは280億光年も離れた星や銀河を検出することが可能だ。
超大質量ブラックホールとそれが発するプラズマジェットを同時に撮影
地球から132億光年離れた場所にあるこのブラックホールは、宇宙の年齢が現在のわずか3%だった、ビッグバンから約4億7000万年前にまでさかのぼるという。
光の速さは有限であり、遠く離れた物体は我々から数十億光年も離れているため、我々が見ているのはその物体の過去の状態だ。

なぜすべての銀河の中心に超大質量ブラックホールがあるのか。それは天文学者たちが解明しようとしている大きな謎だ。
Daniel Rocal / Getty Images
これによって、研究者は宇宙が形づくられる初期の段階を見ることができる。このブラックホールは、JWSTによって発見された記録的なリストのなかでも最も印象的なものだ。
JWSTは運用を始めた最初の週に、135億年前の銀河を発見した。また、別の初期段階のブラックホールを見つけ、ハッブル宇宙望遠鏡が捉えることができなかった多くのものを発見した。
このブラックホールはこれまでに見つかったものより若く、まだ成長しており、総質量はホスト銀河と同じ程度に大きいとNASAは述べた。
超大質量ブラックホールは通常、ホスト銀河に比べてはるかに小さく、サイズは0.1パーセントだという。
科学者はこの発見が、このようなブラックホールが初期の段階から大きくなるのか、知ることに役立つと期待している。
「ブラックホールが形成されてから成長する速度には物理的な限界があるが、巨大に誕生すれば有利なスタートとなる。苗木を植えるようなもので、種から育てるよりも成長させるまでの時間を短縮できるだろう」とプリンストン大学の研究者でこの研究の共著者であるアンディ・ゴールディング(Andy Goulding)は、NASAのプレスリリースで述べた2023年11月16日
BUSINESS INSIDER JAPANより