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天の川銀河の超大質量ブラックホール「いて座A*(エースター)」で謎の増光

Posted by moonrainbow on 22.2019 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
天の川銀河のブラックホールで75倍も明るくなった謎の増光現象。原因は?

超大質量ブラックホール
超大質量ブラックホール「いて座A*」周辺の想像図(Credit: NRAO/AUI/NSF; S. Dagnello)

2019年5月、天の川銀河の中心に存在が確実視されている超大質量ブラックホール「いて座A*(エースター)」が過去最大級の増光を示したことを、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の天文学者Tuan Do氏らの研究チームが明らかにしました

Astrophysical Journal Lettersに受理された研究論文は、8月7日付でプレプリントがarXivに登録されています。

■過去の最高記録の2倍、2時間で75分の1に減光

観測史上例のない増光と変動が観測されたのは、2019年5月13日のことでした。ハワイのケック望遠鏡が天の川銀河中心の観測を始めたところ、いて座A*が非常に明るく輝いている様子がキャッチされたのです。その明るさは観測開始時点ですでに約6.19mJy(※)に達していました。これは、過去に「いて座A*」で観測された最大光度のおよそ2倍に達します。
(※:ミリジャンスキー、天文学で用いられる明るさの単位)


さらに驚くべきことに、いて座A*の明るさは観測を始めると同時に暗くなり始め、2時間と経たないうちに75分の1(約0.08mJy)まで減光してしまいました。明るさが変化する様子から増光のピークは観測を始める前にもう過ぎていたと考えられ、実際の変化率は75倍を超えていただろうとみられています

こちらは、5月13日に観測された明るさの変化を示すタイムラプス動画。Do氏が自身のTwitterアカウントにて公開したものです。動画の中央付近にある最も明るい光点が、ほとんど見えなくなるまで暗くなっていく様子がわかります。

Tuan Do
@quantumpenguin
Here's a timelapse of images over 2.5 hr from May from @keckobservatory of the supermassive black hole Sgr A*. The black hole is always variable, but this was the brightest we've seen in the infrared so far. It was probably even brighter before we started observing that night!

Milky Way's supermassive black hole flares!


4,500
10:53 AM - Aug 11, 2019
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なお、論文では、3週間ほど前の4月20日に実施された観測における明るさの変化が1.74mJyから0.07mJyの間(およそ25倍の変化)だったと報告されています。5月13日のいて座A*が、いかに普段よりも明るく、そして急速に暗くなったかが数値からもよくわかります

■恒星またはガス雲の接近が原因か?

前例のない増光の原因はわかっていませんが、Do氏は可能性のひとつに恒星「S0-2」の接近を挙げています。

S0-2(S2とも)はいて座A*を16年ほどで周回している恒星で、2018年にはおよそ120天文単位まで接近しました(1天文単位は地球から太陽までの距離に由来)。この最接近の際にS0-2がいて座A*を取り巻く降着円盤やガスの流れなどに干渉し、その影響が2019年5月になって現れたというのです

また、別の可能性として、やはりいて座A*を周回するガス雲「G2」の名も挙げられています。G2は2014年にいて座A*に最接近していますが、その影響が5年経った今年になって現れたとも考えられます

いて座A*は、楕円銀河「M87」の超大質量ブラックホールとともに「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」の観測対象となっていますが、ブラックホールシャドウの撮影には至らなかったり、明確な降着円盤も確認されていなかったりと、地球に最も近い超大質量ブラックホールでありながらも謎の多い天体です

研究チームは、今回観測された増光の原因を探るために、様々な波長を使っていて座A*を追加観測する必要があると訴えています

2019/8/15
Soraeより

超大質量ブラックホールの質量を精密に測定

Posted by moonrainbow on 16.2019 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
アルマ望遠鏡で精密測定。算出されたブラックホールの質量は太陽の22.5億倍

降着円盤の想像
超大質量ブラックホールを取り囲む降着円盤の想像図(Credit: NRAO/AUI/NSF)

アメリカ国立電波天文台(NRAO)は2019年8月7日、銀河中心にある超大質量ブラックホールの質量を精密に測定したテキサスA&M大学のBenjamin Boizelle氏らによる研究内容を紹介しました。研究成果は論文にまとめられ、同日付でThe Astrophysical Journalに掲載されています

■ブラックホールの質量を求めるために降着円盤を観測

各銀河の中心に存在するとされる超大質量ブラックホールの質量は、周囲の天体の動きを精密に観測することで間接的に算出できます。

たとえば天の川銀河の中心にある(と確実視されている)超大質量ブラックホール「いて座A*(エースター)」の場合、ブラックホールの近くを周回する恒星「S0-2」(S2とも)などの動きを調べることで、太陽のおよそ400万倍の質量を持つと推定されています。

他の銀河に存在する超大質量ブラックホールでも同様の方法が利用できるものの、天の川銀河のように恒星1つだけの運動を識別することはできません。そこで研究チームは、高い解像度で電波観測が行える「アルマ」望遠鏡に着目しました。

ブラックホールに引き寄せられたガスや塵などの物質は、その周囲を高速で回転しながら取り囲む降着円盤を形成します。降着円盤に含まれる一酸化炭素から放たれた電波(サブミリ波)をアルマ望遠鏡で観測すると、ドップラー効果によって地球に向かって回転する部分からの電波は波長が短く、地球から遠ざかる向きに回転する部分からの電波は波長が長くなります。

このような波長の違いを高解像度で受信し、降着円盤の回転速度を精密に測定することで、ブラックホールの質量を推定しようと試みたのです


■算出されたブラックホールの質量は太陽22.5億個分!

観測対象となったのは、ポンプ座の方向およそ1億光年先にある楕円銀河「NGC 3258」です。この銀河の中心にある降着円盤はブラックホールにかなり近い部分まで精密に観測することができるため、Boizelle氏は「私たちが見つけたベストターゲットだ」と表現しています。

アルマ望遠鏡の観測データから降着円盤の回転速度を求めたところ、超大質量ブラックホールから500光年の外縁部分では時速100万kmですが、ブラックホールに近付くにつれて急激に速度が増していき、ブラックホールまで65光年の距離になると時速300万kmを超えることがわかりました。

降着円盤の回転速度から判明した超大質量ブラックホールの質量は、なんと太陽22.5億個分でした。なお、計算された質量の理論上の誤差は1パーセント未満とわずかですが、地球からNGC 3258までの距離がまだ正確には判明していないため、距離の不正確さによる誤差が12パーセント残されています


楕円銀河NGC 3258
楕円銀河NGC 3258の中心にある降着円盤をハッブル宇宙望遠鏡で撮影したもの(左の円内)と、アルマ望遠鏡で観測したもの(右の円内)

このように、降着円盤の高解像度観測によって超大質量ブラックホールの質量を精密に求めることは、銀河とブラックホール双方が歩んだ歴史を理解するのに役立つだろうとBoizelle氏は語っています。

ちなみに、地上からおよそ400kmの地球低軌道を飛行する国際宇宙ステーション(ISS)の速度は、時速約2万7700km。今回速度が測定されたブラックホールから65光年の至近距離を吸い込まれずに飛行するには、ISSの100倍以上もの速度が必要です。

※記事タイトルに誤りがありました。8/9に修正させていただきました


2019/8/8
Soraeより

ブラックホール周辺に超小型降着円盤

Posted by moonrainbow on 18.2019 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
弱い活動銀河のブラックホール周辺に超小型降着円盤を確認

渦巻銀河NGC 3147の全体像
渦巻銀河NGC 3147の全体像(Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Riess et al.)

NASAとESA(欧州宇宙機関)は2019年7月11日、イタリアのStefano Bianchi氏をはじめとした国際研究チームのハッブル宇宙望遠鏡を使った観測によって、活動レベルの低い活動銀河の超大質量ブラックホールにも予想に反して降着円盤が存在したとする研究結果を発表しました

銀河のなかには、中心付近の非常に狭い領域から強い電磁波を放つものがあります。こうした銀河のことを活動銀河と呼び、活発な中心部は活動銀河核と呼ばれています

そんな活動銀河にも幾つかの種類があります。遠方銀河の観測でよく話題に上るクエーサーは、特に活動レベルが高いものの一つ。その反対に、それほど活発には電磁波を放っていない、活動レベルの低い活動銀河も存在します

今回の研究で観測対象となった渦巻銀河「NGC 3147」は、地球からは「りゅう座」の方向およそ1億3000万光年先に存在しています。NGC 3147は「セイファート銀河」という活動銀河に分類されていますが、中心に存在するとされる超大質量ブラックホールはガスや塵などの物質をあまり捕獲できておらず、その活動レベルは活動銀河核としては低い状態にあります

クエーサーのように活動レベルが高い活動銀河核では、ブラックホールに落下する物質によって降着円盤が形成されます。いっぽう、活動レベルが低いNGC 3147のような銀河の超大質量ブラックホールの場合、周囲の物質の量が少ないことから平らな降着円盤は形成されず、ドーナツのように膨らんでいるだろうと考えられてきました。NGC 3147が観測対象に選ばれたのも、この予想を裏付けることが目的だったのです

ところが、ハッブル宇宙望遠鏡に搭載されている「宇宙望遠鏡撮像分光器(STIS)」を使ってNGC 3147の中心部分を詳しく調べた結果、光速の10%以上で回転する非常にコンパクトな降着円盤が観測されました。活動レベルや規模は異なりますが、まるでクエーサーの周囲にあるのと同じような降着円盤が存在していたのです

これはまったく予想外の発見だったようで、Bianchi氏は「活動レベルが微弱な活動銀河に対する従来の予測は明らかに誤りでした」とコメントしています

降着円盤の想像図
今回発見された降着円盤の想像図。ブラックホールにとても近いため、可視光線では赤みを帯びて見える

そんなNGC 3147の降着円盤は、あまりにもブラックホールに近いところに存在しているため、そこから放たれた電磁波は非常に強い重力によって波長が伸びてしまい、可視光線では赤っぽく輝いて見えます。これは一般相対性理論で説明される現象です

また、回転速度が非常に速いため、降着円盤の回転方向が地球に向かってくる側からの光は強くなり、遠ざかる側からの光は弱まって見えます。これは「相対論的ビーミング」と呼ばれる現象で、特殊相対性理論で説明することが可能です

研究チームに衝撃を与えたNGC 3147の超大質量ブラックホールとその降着円盤は、アインシュタインの一般相対性理論と特殊相対性理論、両方の効果を同時に見せてしまうほどの強烈な個性の持ち主だったようです

今回の発見を踏まえて、研究チームは、同種のコンパクトな降着円盤をさらに見つけるために、活動銀河に対するハッブル宇宙望遠鏡を使ったさらなる観測を希望しています

Image Credit: ESA/Hubble, M. Kornmesser

2019/7/14
Soraeより

クエーサーの中心の超大質量ブラックホールが光速で回転

Posted by moonrainbow on 15.2019 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
超高速で回転する、クエーサー中心のブラックホール

クエーサーの重力レンズ像
クエーサーの重力レンズ像の画像
チャンドラがとらえたクエーサーの重力レンズ像。各画像の左下は天体名(提供:NASA/CXC/Univ. of Oklahoma/X. Dai et al.)

X線天文衛星「チャンドラ」による観測で、クエーサーの中心に存在する超大質量ブラックホールが光速に近い速さで回転していることを示す証拠がとらえられました

米・オクラホマ大学のXinyu Daiさんたちの研究チームがNASAのX線天文衛星「チャンドラ」で、98億~109億光年の距離にある5つのクエーサーを観測しました。それぞれの中心には太陽質量の1.6億~5億倍という超大質量ブラックホールが存在しており、その自転速度を調べるのが観測の目的です

地球から見ると、これらのクエーサーの手前には別の銀河が存在しており、銀河の質量が作り出す重力レンズ効果によって各クエーサーの像は複数に分かれて観測されます。今回の観測ではさらに、銀河内の恒星によるマイクロ重力レンズ効果の影響もとらえることができており、そのおかげで、X線放射が狭い範囲から発生していることが明らかにされました

X線は、ブラックホールを取り巻く降着円盤の物質が回転しながらブラックホールへと落ち込んでいくときに高温となることによって放射されます。このときにブラックホールが自転していると、物質はブラックホールにより近い領域を周回するようになります。つまり、狭い領域からのX線放射は、超大質量ブラックホールが高速で自転していることを示唆するものです

観測データから、「アインシュタイン・クロス」と呼ばれる4つの重力レンズ像で知られる、みずがめ座方向のクエーサー「Q2237」では、中心ブラックホールはほぼ光速で自転していることが明らかにされました。また他の4つについても、光速の約50%で自転していることが示されました。こうした高速自転は、X線スペクトルに見られる特徴からも確かめられています

超大質量ブラックホールがこれほど高速自転している理由について、研究チームでは、ブラックホールと同じ向き、同じ角度で回転する降着円盤から数十億年以上にわたって物質が供給され続けることで、ブラックホールが成長してきたことを可能性として挙げています

A Quick Look at Lensed Quasars


研究の紹介動画「A Quick Look at Lensed Quasars」(提供:Chandra X-ray Observatory)

2019年7月9日
AstroArtsより

銀河団「Abell 2597」からのガスの様子

Posted by moonrainbow on 26.2019 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
ブラックホールがガス雲を食べ…噴水のように吐き出す様子(ESO

銀河団「Abell 2597」の超大質量ブラックホールがガス雲を食べている様子

ブラックホールは宇宙の中でも最も神秘的な魅力を持つ天体です

我々の天の川銀河の中心にもブラックホールがある様に、様々な銀河の中心にブラックホールが潜んでいることが考えられています。この画像は、銀河団「Abell 2597」の超大質量ブラックホールがガス雲を食べている様子を描いた想像図です

このガス雲を食べるブラックホールの姿は、2016年にアルマ望遠鏡(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計)によって観測されています。その際に、3つのガス雲が時速130万kmでブラックホールに取り込まれていることが判明しています

また、銀河団「Abell 2597」という非常に明るい銀河団は、9万7000光年にわたる内部にイオン化した温かいガスや、冷たい分子性のガスを内包しています。これらのガスの質量は太陽の18億倍という膨大なもの。2018年11月には超大質量ブラックホールから噴水のように放出されているガスも観測されています

ブラックホールにより噴出された高温水素ガス

疑似カラーに色付けされた画像は、黄色はガスが中心に向かって落下しており、赤色はブラックホールにより噴出された高温水素ガス、青紫色は高温の電離ガスを示しています
 
Image Credit: NRAO/AUI/NSF; Dana Berry/SkyWorks; ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)

2019/6/20
Soraeより
 

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