ブラックホール調べる新手法を開発

Posted by moonrainbow on 16.2018 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
ナゾの解明へ期待

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はくちょう座のブラックホールのイメージ図。中心の黒い部分がブラックホールで、そのすぐ近くの明るい部分がコロナ(欧州宇宙機関提供)

 ブラックホールを調べる新たな手法を、日本とスウェーデンの共同研究グループが開発しました。宇宙のちりなどがブラックホールに吸い寄せられた際に高温になって輝く「コロナ」を分析します。今回の手法と、重力波による観測とを組み合わせれば、ブラックホールをめぐるナゾの解明が進むと期待されます

 コロナの大きさや構造はブラックホールの性質を強く反映するとされますが、直接観測するのは難しいのです。そこで、研究グループはコロナを対象に、光の波の振動方向の偏り(偏光)の度合いを測ることにしました

 北極圏の上空40キロに気球で分析装置を上昇させ、6千光年先のはくちょう座のブラックホールを観測しました

 コロナには二種類のモデルがあり、偏光の度合いは、比較的広がりを持つモデルだと小さく、コンパクトなモデルだと大きくなると推定されてきました。観測の結果は、広がりを持つモデルの値とほぼ一致しました

 研究グループの高橋弘充・広島大助教は「今後はブラックホールの自転速度や、時空のゆがみの状態などの解明につなげたい」と話しています

2018年7月9日
朝日新聞デジタルより

ブラックホールに吸い込まれる直前の物質の幾何構造

Posted by moonrainbow on 08.2018 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
ブラックホールに吸い込まれる直前の物質の幾何構造

はくちょう座X-1」の想像図
「はくちょう座X-1」の想像図(提供:NASA, ESA, Martin Kornmesser (ESA/Hubble))

気球に搭載した検出器により、ブラックホール連星系からのX線偏光が観測され、ブラックホールに吸い込まれる直前の物質の幾何構造が明らかになりました

約6000光年彼方のブラックホール連星系「はくちょう座X-1」では、太陽の約15倍の質量を持つブラックホールに伴星から物質が降着しています。その際、強い重力によって物質が約1000万度まで熱せられ、X線で明るく輝いています

ブラックホールのすぐ近くにおける降着物質は、太陽の光球とコロナのように、降着円盤とコロナを形成していると考えられています。ブラックホールに物質が吸い込まれる直前の、ブラックホール周辺100kmほどの領域については、これまでに時間変動(測光)やエネルギー(分光)の観測が行われてきました。しかし、これらの観測では、物質の幾何学的な構造がブラックホールの近傍で広がっているのか、コンパクトな状態で存在しているのかという判断が難しかったのです

幾何構造を調べるには、偏光観測を行うのが有効な手段となります。そこで、スウェーデン王立工科大学のM. Chauvinさん、広島大学大学院理学研究科の高橋弘充さんをはじめとする、日本とスウェーデンのPoGO+(ポゴプラス)国際共同研究グループは、硬X線の偏光観測に特化した検出器を開発し、直径100mの気球に搭載して北極圏の上空40kmからはくちょう座X-1の硬X線放射の偏光観測を実施しました。

PoGO+ Balloon Launch


検出器を搭載した気球打ち上げの動画(提供:Swedish Space Corporation)

その結果、2~18万電子ボルトの硬X線の帯域で世界トップクラスの感度が達成され、世界で初めて、反射や散乱によって生じるブラックホール連星系からの偏光情報が信頼性の高い精度で得られました

観測結果から、はくちょう座X-1の硬X線の偏光は微弱であることがわかり、はくちょう座X-1では恒星からブラックホールに吸い込まれている降着物質は相対論的な効果を強く受けていないと推定されます。これは、ブラックホール近傍の降着物質は広がった幾何構造をしているというモデルを強く支持する成果です

今後は、改良された気球実験や人工衛星によるX線偏光の観測と理論研究などの両面から、ブラックホールに吸い込まれつつある物質が重力の影響をどのように受けているが明らかにされていくでしょう。ブラックホールの自転速度といった特性や、時空のゆがみなどブラックホールが及ぼす相対論的効果の理解が進むと期待されます

2018年6月29日
AstroArtsより

中間質量ブラックホール

Posted by moonrainbow on 06.2018 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
接近した星をばらばらにした中間質量ブラックホール(ヨーロッパ宇宙機関

中間質量ブラックホールの候補天体
中間質量ブラックホールの候補と母銀河
ハッブル宇宙望遠鏡による銀河「6dFGS gJ215022.2-055059」の画像中に、チャンドラによってとらえられた中間質量ブラックホールの候補天体(銀河の下やや左)をピンクの擬似カラーで示したもの(提供:NASA/ESA/Hubble/STScI; X-ray: NASA/CXC/UNH/D.Lin et al.)

太陽の数万倍の質量を持つブラックホールが、近づいた恒星を重力で引き裂き飲み込んだ際の爆発的放射と見られる現象が観測されました。これまで確定的な発見例がほとんどない「中間質量ブラックホール」の存在を示す、もっとも可能性の高い観測例となります

米・ニューハンプシャー大学のDacheng Linさんたちの研究チームは、 2つのX線観測衛星「XMMニュートン」「チャンドラ」、そして天文衛星「スウィフト」(現「ニール・ゲーレルス・スウィフト」)のデータから、未だ確定的な発見がなされていない「中間質量ブラックホール」の兆候を見つけました

中間質量ブラックホールとは、太陽の数倍から数十倍程度の質量を持つ「恒星質量ブラックホール」と、太陽の数百万倍から数十億倍の「超大質量ブラックホール」の中間の質量を持つものです

Linさんたちが発見したのは、遠方銀河の外辺部からの莫大なエネルギー放射です。これは、恒星が中間質量ブラックホールへ接近し過ぎために崩壊した結果だとみられています。星をばらばらにしたブラックホールの質量は太陽の5万5000倍ほどと考えられています

「実にエキサイティングです。この種のブラックホールが、これほどはっきり観測されたことはありませんでした。候補天体はいくつか発見されているものの、概して中間質量ブラックホールは非常に珍しく、まだ探索が続けられています。これまでに観測された中では、これは最も中間質量ブラックホールである可能性の高い天体です」(Linさん)

中間質量ブラックホールは、様々なプロセスから形成されると考えられています。そのうちの一つが、密度の高い星団内に存在する大質量星同士の暴走的な合体という形成シナリオです。このシナリオが正しければ、星団の中心領域が中間質量ブラックホール探しに最も適した場所ということになります。しかし、そのような領域は、ブラックホールが形成されるまでにガスが欠乏しやすくなる傾向があります。周囲の物質が不足した状態にあるブラックホールは、ほとんど放射することがなくなるため、発見が困難になります。

「中間質量ブラックホールが近くを通過する恒星を重力で引き裂いて飲み込むことで、ブラックホールが再び活性化し、爆発的なエネルギーが放出されます。これは中間質量ブラックホールの存在を検出できる数少ないチャンスとなります。こうした現象が銀河の外縁部ではっきりと観測されたことはこれまでありませんでした」(Linさん)

LinさんたちはXMMニュートンのデータから、7.4億光年彼方の大型銀河で2006年と2009年に起こった現象の兆候を見つけ、2006年と2016年の「チャンドラ」のデータ、2014年の「スウィフト」のデータからも同一と思われる現象が見つかりました。また、他の望遠鏡の可視光線データでは、数年前と比較して爆発的に青く明るくなっている様子が2005年の2枚の画像にとらえられていました

こうして全データを調べたところ、2003年10月に星が崩壊して発生した爆発的なエネルギーは、その後10年ほどかけて衰えていったようです

中間質量ブラックホールに星が飲み込まれる現象は滅多に起こらないと考えられています。今回それが観測されたことから、まだ数多くの休眠状態にあるブラックホールが近傍宇宙に潜んでいる可能性が示唆されます

X線源
中間質量ブラックホールの候補と思われるX線源
XMMニュートンがとらえた中間質量ブラックホールの候補と思われるX線源「3XMM J215022.4-055108」を白い擬似カラーで示した画像。(左)2006年5月5日、(右)2009年6月7日(提供:ESA/XMM-Newton/UNH/D.Lin et al; Acknowledgement: NASA/CXC)

2018年6月25日
AstroArtsより

潮汐破壊現象が起こるブラックホール周辺

Posted by moonrainbow on 13.2018 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
巨大ブラックホールに星が飲み込まれると何が見えるか(カリフォルニア大学サンタクルーズ校

潮汐破壊現象が起こるブラックホール周辺の断面図
潮汐破壊現象が起こるブラックホール周辺の断面図。ブラックホールに破壊された星の物質は降着円盤(disk)を作り、これが高温になってX線などの高エネルギーの電磁波を出す。降着円盤は外向きに流れ出す物質(outflow)に囲まれているが、円盤の上下にだけ漏斗状の穴(funnel)がある。地球から見てこの穴を覗き込める角度になっていると、円盤から出るX線(X-ray)が直接観測される。地球から円盤の縁に近い方向しか見えない場合は、円盤から出るX線が周囲の物質によって可視光線(Optical)に変換されたものが観測される(提供:Jane Lixin Dai)

超大質量ブラックホールに星が破壊されるときに出る閃光の種類が、地球からブラックホールを見る角度によって変わるというモデルが提唱されました

多くの銀河の中心に存在する「超大質量ブラックホール」では、ブラックホールのすぐそばに星が近づくと、強い重力で星がばらばらに壊され、明るい閃光が放射される現象が起こります。これを潮汐破壊現象(tidal disruption event; TDE)と呼びます

ほとんどの銀河では中心ブラックホールは穏やかな状態で、物質を活発に吸い込むことはなく、それゆえ光を放射することもないのです。潮汐破壊現象はかなりまれな現象で、典型的な銀河では1万年に一度ほどの割合でしか起こらないものです。しかし、運悪くブラックホールに近づいた恒星が破壊されると、ブラックホールはしばらくの間、星の残骸を「食べ過ぎ」た状態になり、このときに強力な電磁波を出します

潮汐破壊現象はこれまでに20件ほど観測されています。そこで生じている物理過程はどれも同じはずですが、実際に観測された特徴は現象ごとに非常に異なっています。X線の放射がほとんどを占めている現象もあれば、可視光線や紫外線を放つ現象もあります。理論家は、潮汐破壊現象にこうした大きなばらつきがある理由を解明し、ばらばらの形のパズルのピースから一貫したモデルを組み立てようとこれまで取り組んできました

デンマーク・コペンハーゲン大学のJane Lixin Daiさんたちの研究チームは、これまでに観測されている様々な潮汐破壊現象の違いを統一して説明できる新しいモデルを提唱しました。「このような激しい環境の下で物質がどのようにブラックホールに落ちていくのかを知るのは面白いものです。潮汐破壊現象で出る光を観測することで、その現象の背景にある物理を理解し、ブラックホールの特性を導くことができます」(Daiさん)

Daiさんたちの新しいモデルでは、観測結果の違いを説明するのは観測者の「角度」だ。地球から銀河を観測するとき、その視線方向に対して銀河はランダムにいろいろな方向を向いている。そのため、銀河の向きに応じて潮汐破壊現象の異なる面を見ることになる、というのだ

Daiさんたちが構築したモデルでは、一般相対性理論や磁場、放射、ガスの流体力学などの要素を組み合わせて、異なる角度から潮汐破壊現象を見たときに観測者に何が見えるかが示されています。これによって、異なる現象を一つの枠組みにまとめることができたのです

「これは獣の身体がベールに一部覆われているようなものです。ある角度から見れば獣の姿が露わに見えますが、別の角度から見るとベール越しに獣を見ることになります。獣自体は同じですが、見る人にとっての見え方は違ってくるのです」(米・カリフォルニア大学サンタクルーズ校 Enrico Ramirez-Ruizさん)

Daiさんによれば、今後数年のうちに行われるサーベイ観測プロジェクトで潮汐破壊現象についてさらに多くのデータが得られ、この研究分野が大いに広がることが期待されるという。「これからの数年間で数百から数千の潮汐破壊現象が観測されるでしょう。これらのデータは私たちにとって、今回のモデルが正しいかどうかを検証し、ブラックホールをより深く理解するための『実験室』となってくれるはずです」(Daiさん)

2018年6月4日
AstroArtsより

成長速度最大のブラックホール

Posted by moonrainbow on 24.2018 ブラック・ホール   0 comments   0 trackback
成長速度最大の「モンスター」級のブラックホール発見

最も成長スピードの速いブラックホール

これまで観測された中で最も成長スピードの速いブラックホールが見つかりました

オーストラリア国立大学の天文学者らがこのほど、これまで見つかった中で最も成長速度が速いとみられるブラックホールを発見しました。太陽と同等の質量を2日ごとにのみ込んでいくその「食欲」の凄まじさから、ついた呼び名は「モンスター」です

研究者らは「スカイマッパー」と呼ばれる望遠鏡でこの超大質量ブラックホールを発見。欧州宇宙機関(ESA)の宇宙望遠鏡のデータを基に算出した結果、地球からの距離は120億光年以上です

研究を主導するクリスチャン・ウルフ氏は電子メールでCNNの取材に答え「当該のブラックホールに吸い込まれる物質からの熱放射を光として観測すると、その明るさはわれわれのいる天の川銀河の数千倍に上る」と述べました

現時点でこのブラックホールの質量は、少なくとも太陽20億個分。質量に比例する成長スピードに基づけば、その形成はビッグバンのおよそ12億年後にさかのぼります。形成当初の質量は太陽5000個分で、これは平均的なブラックホールの100倍に相当します

これほど巨大なブラックホールがどのように形成されたのかは明らかでない。ウルフ氏は、今回の発見によってビッグバンそのものの考察もより深められるかもしれないと指摘しています

同氏はまた、さらに多くの超大質量ブラックホールが宇宙に存在する可能性に言及。「成長スピードの速い超大質量ブラックホールがどのように分布しているのか、その全体像を明らかにしたい。そうすれば、自分たちがどれほど大きな問題に直面しているのかが分かるはずだ」と語っています。

2018.05.17
CNNより
 

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