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宇宙の大きさ(6)

Posted by moonrainbow on 03.2010 宇宙の果て   0 comments   0 trackback
WMAP

WMAP(Wilkinson Microwave Anisotropy Probe: ウィルキンソン・マイクロ波異方性探査機)は アメリカ航空宇宙局 (NASA) が打ち上げた宇宙探査機である。
WMAP の任務はビッグバンの名残の熱放射である宇宙マイクロ波背景放射 (CMB) の温度を全天にわたってサーベイ観測することである
この探査機は2001年6月30日、アメリカのケープカナベラル空軍基地からデルタIIロケットで打ち上げられた。
784px-WMAP_spacecraft_diagram.jpg
WMAP

概要
WMAP の目的は CMB の微小なゆらぎを全天にわたって描き出すことによって、宇宙の性質を記述する様々な理論の妥当性を検証することである
この探査機は COBE の後継機で、中型探査機シリーズmedium-class explorer (MIDEX) の1つである。
COBE.jpg
COBE2.jpg
COBE

WMAP の科学的目標は、CMB の相対温度を全天について高い角分解能と感度で正確に測定することである。それゆえ、探査機の設計に求められる最も重要な点は、最終的に得られる CMB マップに含まれる系統誤差をできるだけ抑えることであった。

これらの目標を達成するために、WMAP は天空上の2点の温度差を測定する差分マイクロ波ラジオメータを搭載している。WMAP は地球から150万km離れた太陽‐地球系のラグランジュ点 L2 付近の軌道から観測を行う。よって、WMAP を慣習的に「衛星 (satellite)」と呼ぶ場合があるが、宇宙機の軌道としては正確には人工惑星である。L2 へ向かうために月の引力によるスイングバイが行われた。

L2 は太陽から地球へ伸ばした直線上の地球よりも遠い地点にあり、この点では、地球と同じ周期で太陽を公転するために必要な向心力が、太陽の重力と地球の重力の和と等しくなる。このため、L2 に置かれた物体は太陽や地球との相対位置を保ち続ける。

この地点は常に太陽・地球・月から離れて何にも遮られることなく深宇宙を見ることができ、観測にとっては例外的に安定な環境である。WMAP は以下の方法で空をスキャンする。すなわち、一日に全天の約30%をカバーし、地球の公転に合わせて L2 も太陽を周回することを利用して6ヶ月ごとに全天を観測する。CMB の前景となる我々の銀河系からの信号を排除しやすくするために、WMAP では 22-90 GHz の間にある5つの周波数帯を使う。

成果
宇宙の大きさ 1

WMAP で得られた宇宙マイクロ波背景放射の画像
COBE_cmb_fluctuations.gif
比較:COBE で得られた宇宙マイクロ波背景放射の画像

WMAP は多くの宇宙論パラメータについて、過去の観測装置で得られた値よりも高い精度での測定を行った。現在の宇宙モデルによれば、WMAP の 1st-year のデータから各宇宙論パラメータは以下のように求まる。

宇宙年齢は137億年である
宇宙の大きさは少なくとも780億光年以上
宇宙の組成は4%が通常の物質、23%が正体不明のダークマター、73%がダークエネルギーである
インフレーション宇宙論のシナリオは観測と一致している

WMAP のデータに現在の宇宙モデルの理論を適用すると、我々の宇宙は永遠に膨張を続けるという結果になる

宇宙の大きさ(5)

Posted by moonrainbow on 02.2010 宇宙の果て   0 comments   0 trackback
実際の宇宙と観測可能な宇宙

「宇宙」といえば「観測可能な宇宙」を指すことが多い。
宇宙は、直接的な実験法では宇宙のどの部分についても全く何も分からない
もちろん、宇宙のインフレーションなどの信頼できる多くの理論では、観測可能な宇宙よりもいっそう大きな宇宙が必要になる。観測可能な宇宙の境界面が、実際の宇宙の物理的な境界面とぴったり一致することを示唆する証拠はない(そのような境界面があるとしての話だが)。
両境界面が一致するということはまずないと考えてよい。もし一致するなら、地球が実際の宇宙のちょうど中心にあることになり、宇宙原理に反する。確からしいのは、可視宇宙(≠観測可能な宇宙)内にある銀河が、実際の宇宙の全銀河のごくわずかしか表していないということである。

実際の宇宙が観測可能な宇宙よりも「小さい」ということも、もちろん可能である。
その場合、非常に遠くにあるように見える銀河が、実は近くにある銀河の光が宇宙を一周してくることによって生じた複製像だということもあり得る。
この仮説を実験によってテストするのは、銀河の異なる像がその一生の異なる時代を指すこともあり、結果として全く違うということにもなりかねないため、困難である。

2004年のある論文では、全宇宙の直径は、24ギガパーセク(780億光年)が下限であると主張されており、その場合、観測可能な宇宙より少しだけ小さいということになる。
この値はWMAPの観測をマッチング・サークル分析したものに基づいている。
784px-WMAP_spacecraft_diagram.jpg
WMAP

宇宙の大きさ 1
WMAP で得られた宇宙マイクロ波背景放射の画像

多くの二次資料が、これまでにさまざまな可視宇宙の大きさを「報告」している。いくつかを例示する。

137億光年

宇宙の年齢は約137億歳である
光より速く進むものはないということが広く知られている一方で、観測可能な宇宙の半径はゆえに137億光年しかないはずだという誤解も根強い。
この論理は、宇宙が特殊相対論での平らな時空である場合に限って意味をなすものである。
しかし実際の宇宙では、時空連続体は宇宙スケール上でかなり歪んでおり、三次元空間(だいたい平ら)はハッブルの法則で実証されたように、膨張しているわけである。つまり、光速と宇宙時間の積で得られる距離は、いかなる物理的意義をも持たない。

158億光年

この数字も137億光年と同じように得られるが、こちらは有名な一般雑誌が2006年中ごろに、宇宙の年齢を誤って公表したことによる数字です

270億光年

これは半径137億光年という誤解にもとづく、直径である

780億光年

これは、宇宙マイクロ波背景放射 (CMBR) の対蹠点間の現在の測定値を基にした、全宇宙の大きさの下限である
そのため、CMBRが形成する球体の「直径」を表している
もし全宇宙がこの球体よりも小さいなら、光はビッグバン以降、球体内を周回するだけの時間があるわけで、CMBRには互いに異なる複数の像を生じ、何重もの円を描くことになる。
Cornish et alは24ギガパーセク(780億光年)までのスケール値でそのような効果を探したが、結局見つからず、もし自分たちの調査が可能な限り全方位に拡張できるのであれば、「われわれの住む宇宙が直径24ギガパーセクより小さいという可能性を排除できる」はずだと示唆している。さらに、「ノイズが少なく、解像度の高いCMB分布図(WMAPの延長ミッションやプランクからのデータ)」があれば、「より小さい円パターンを探し、下限を28ギガパーセクまで拡張できるであろう」とも推定している。
いずれ計画実験で見られるであろうCMBR球体の最大直径は、推定最小値が28ギガパーセクだということになり、半径14ギガパーセクに対応する。これは前節で挙げた数字と一致する。

1560億光年

これは780億光年を半径として、二倍すると得られる
但し、780億光年自体が直径なのだから、二倍するのは誤りである

1800億光年

宇宙の年齢を158億年とした場合の推定値です
1560億光年を誤って15%増ししても得られる。

宇宙の大きさ(3)

Posted by moonrainbow on 31.2010 宇宙の果て   2 comments   0 trackback
“宇宙の外側”に何があるのか?
暗黒流動による、“宇宙の外側”の証拠を発見

宇宙の外側
“暗黒流動”という未知の流れの中に漂う、「かみのけ座銀河団」

 宇宙には「暗黒流動(ダークフロー)」という壮大な運動原理が働いているとする理論がある
宇宙の外側に存在する観測不能な未知の構造が引き起こしているという考えだが、その裏付けとなる新研究が発表された

 まず2008年に、科学者たちが「数百個の銀河団が時速360万キロで同方向に流れている」という発見を報告した。

 この不可解な動き、暗黒流動は、宇宙の質量分布に関する現在のモデルでは説明がつかない。そこで研究チームは「銀河団は既知の宇宙の外側にある物質の重力によって、強く引き寄せられている」という理論を唱えたのだが、これには疑問の声も上がっていた。

 今回、同じチームが、この暗黒流動の影響が以前の報告よりもさらに遠く、地球から25億光年以上離れた宇宙まで及んでいることを発見した

 研究責任者でアメリカ、メリーランド州にあるNASAゴダード宇宙飛行センターの天体物理学者アレキサンダー・カシリンスキー氏は、「さらに2年分の有効データの精査を続け、前回の2倍の数の銀河団を追跡調査した。その結果、暗黒流動の存在と、それが同一方向の流れであることを確認した。確固たる一貫性のある流れのようだ」と話す。

 今回の発見は、「ビッグバン直後に、物質の塊が既知の宇宙の外に押し出された」という理論の新たな裏付けとなる。これが正しいとすれば、私たちの住む宇宙は“多世界宇宙(multiverse)”というさらに大きな宇宙の一部ということになる

 カシリンスキー氏のチームが暗黒流動の存在に初めて気づいたのは、銀河団内部のガスと宇宙マイクロ波背景放射(CMB)との相互作用を研究しているときだった。CMBはビッグバンのわずか38万年後に放射されたマイクロ波とみられており、現在も宇宙を飛び交っている

 ウィルキンソン・マイクロ波異方性探査機(WMAP)のデータから、CMBが銀河団内部のガスを通過するときの微小な温度変化を観測できるという。

 この通過時に銀河団内部のガスによってCMBの光は散乱する。地球の大気によって光が散乱し星がきらめいて見えるのと似ている。だが、銀河団はCMBと相対的に移動しているため、散乱した光はドップラー効果でさらに歪められる。この歪みがWMAPデータで温度変化として現れるため、これを調べれば銀河団の移動方向と速度を解明できるというわけだ。

「個々の銀河団ごとに温度変化を識別するのが非常に難しいため、前回の研究では銀河団700個が限界だった」とカシリンスキー氏は言う。

 今回は約1400個の銀河団の集団的な動きを基にしている。より多くの銀河団でも暗黒流動を確認できたことで、理論への自信をさらに深めたという。

 また、分析方法を検証するために、特定の銀河団が放つX線の明るさと、WMAPデータの温度変化との比較も行った。 内部のガスが高温なより明るい銀河団ほど、CMBへ与える影響も大きくなると予想されたが、分析の結果その仮説も裏付けられた。

 カシリンスキー氏は、暗黒流動は観測可能な宇宙の全領域、つまり約470億光年の彼方にまで広がっていると推測している。これが正しければ、「既知の地平を越えたところに存在する物質に、銀河団が引き与せられている」ということになる

「暗黒流動が25億光年先に達していて、そこで止まっているとすれば、理論的な説明は余計に難しい。さらに遠くまで広がっていると見るのが妥当だ」とカシリンスキー氏は語っている。

National Geographic Newsより
March 23, 2010

宇宙の大きさ (2)

Posted by moonrainbow on 30.2010 宇宙の果て   4 comments   0 trackback
宇宙の大きさ

宇宙の大きさとは、我々人間が物理的に観測可能な宇宙の時空の最大範囲を指します
又、宇宙は膨張し続けています

宇宙1

地球から、人類が光を含む電磁波により観測可能な宇宙の果てとは、我々が観測できる光のうち、最も古い時代に光が放たれた空間を示す。この空間から光が放たれたとき、つまり約137億年前(宇宙の晴れ上がり直後)この空間は地球がある位置から地球を中心とする全方向に宇宙論的固有距離において約4200万光年離れたところにあった。そしてこの空間は当時地球の位置から光の約60倍の速度で遠ざかっていた。この空間までの現在の距離である共動距離 (Comoving distance) は、約465億光年と推定されている。宇宙の晴れ上がりの直後から約137億年の間に、宇宙は約1100倍程度膨張したと考えられる。この空間は現在、光速の約3.5倍の速度で地球から遠ざかっており、かつ宇宙が生まれてから現在に至るまで常に超光速を保っている。
インフレーション期を経た宇宙膨張の概念図
インフレーション期を経た宇宙膨張の概念図

天体から放たれた光が地球にたどり着くまでの時間に光速をかけたものは光行距離 (Light travel distance) とよばれる。これは光が地球に届くまでの間に、光の旅した道のりを表す。光行距離では、電磁波により観測される宇宙の果てから地球までの光の旅した道のりは約137億光年と推定される
これは光速に宇宙の年齢をかけたものだが、この値は先に述べた2つの距離(465億光年、4200万光年)と値が異なる。なぜならば、光が地球に届く間に宇宙が膨張し、そのため光の道のりが延び、また光を放った空間が遠ざかるからです
つまり光行距離はある時刻における空間上の2点間の距離を指し示すものではなく、天文学では光行距離を天体までの距離とみなすことが多いが、それは現在の天体までの距離や、天体が光を放ったときの天体までの距離を示すものではない。それはあくまで、我々に届く光が旅した道のりです。

まとめると、
今我々が観測することができる最も古い時代に放たれた光は、約137億年前に約4200万光年離れた空間から放たれた光です。そしてその空間は現在465億光年先にあり、光は137億年かけて137億光年の道のりを旅してきたということです。わずか4200万光年の距離を光が進むのに137億年もの時間を費やしたのは宇宙の膨張が地球への接近を阻んだためです
これは、流れの速い川を上流へ向かう船がなかなか前に進めないことと似ている。宇宙空間の膨張は一般相対性理論より導かれる。よって電磁波の媒質である空間の膨張により地球を基点としたときの、地球から離れた場所にある光の速度が変化しても特殊相対性理論における「光速度不変の法則」とは矛盾しない

我々の観測可能な領域を超える宇宙は、共動距離的な意味の場合、インフレーション理論に基づき、より広大であろうと予想されているが、いまだその大きさが有限なのか無限なのかすらわかっていない

光行距離的な意味では、137億光年以上の距離では宇宙の晴れ上がり以前となるため光が直進できず、地球への旅ができない。つまりそのような距離そのものが存在しないことになる

wekipediaより

宇宙の大きさ(1)

Posted by moonrainbow on 29.2010 宇宙の果て   4 comments   0 trackback
コズミック・ビュー

私たちが日常生活で歩き回る距離は、せいぜい数キロメートル、つまり数千メートル程度です。
私たちの知ることのできる宇宙の大きさは、10の26乗メートル、つまり1の後ろに0が26個つながる数値以上あります

※)この映像は、国立天文台と共同研究者であるコニカミノルタプラネタリウム(株)、(株)五藤光学研究所が共同で制作したドーム投影用番組の「コズミック・ビュー」を、平面用に変換した映像です。これらの番組のドーム投影用映像の優先配給権は、コニカミノルタプラネタリウム、五藤光学研究所が有しています。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.東京の三鷹市上空から旅はスタートします。市街地の主だった地形などは10の4乗メートル = 10kmほどのスケールになります。
数字の10kmは、枠線が中心から10kmづつ離れていることをあらわしているため、立方体の一辺は20kmになります。

2.地球全体は、距離10の7乗メートル = 1万キロメートルの枠の中にすっぽり納まります。(地球の半径は約6千500キロメートルです)

3. 距離10の11乗メートル = 1億キロメートルの枠の中には、金星や火星の軌道が一部かかっています。太陽系でもっとも遠い惑星である海王星の軌道は、10の13乗メートル = 100億キロメートルの枠に収まります。

4. 宇宙望遠鏡を使って直接星の地図が作られているのは、数10の19乗メートル = 数千京(けい)キロメートル程の領域です。これより先の銀河系内の星々の分布は、間接的にわかっている大雑把な姿になります。

5. 星座の星々の世界を抜けて、私たちの太陽系のある銀河系の見えるスケールまできました。銀河系は、数10の20乗メートル=数垓(がい)キロメートルほどの大きさです。

6. 銀河団の連なりである、宇宙の大規模構造が見えるスケールは、数10の25乗メートル = 数十■(じょ)キロメートルのスケールです。観測のすんだ領域だけを表示しているために扇状に見えますが、実際にはこのような構造が宇宙全体に広がっています。(■は禾へんに予)
640x480, Flash Video 形式ストリーミング

137億光年の世界
128億光年先の銀河を「すばる望遠鏡」は見つけました。でも、その先はどうなっているのか?
宇宙ができたのは137億年前。128億光年先の天体の光は、128億年前にひかった光です。ということは… 宇宙が始まってから9億年ぐらいの銀河を見ていることになります。もっと遠くを見るということは、もっと昔を見るということなのです。128億年よりもっと昔にはどのような宇宙があったのか、まだまだ分かっていないことはたくさんあります

   下記をクリックして、映像でご覧下さい。
     コズミック・ビュー(注:音声付き映像です。10分39秒)
映像が観れない方は、下記をクリックしてお進み下さい。
国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト

今、我々が理解している宇宙は137億年前に誕生しましたが、その時の光は今はもう、地球から465億年離れた場所にあります、しかし、実際の宇宙の大きさは、それ以上の780億光年とか1800億光年とか色々説があります



 

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