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50億光年彼方のクエーサーの中心

Posted by moonrainbow on 17.2020 クエーサー   0 comments   0 trackback
50億光年彼方のクエーサーの中心ジェットを高解像度観測

3C 279のジェット
様々な波長の電波で観測された3C 279のジェット
2017年4月に様々な波長の電波で観測した3C 279のジェット。(左上)米・VLBAが16日に波長7mmで観測。(左下)グローバルミリ波VLBIアレイ(GMVA)が1日に波長3mmで観測。(右)EHTが11日に波長1.3mmで観測(提供:J.Y. Kim (MPIfR), Boston University Blazar Program, and Event Horizon Telescope Collaboration)

史上初めてブラックホールの撮影に成功した「イベント・ホライズン・テレスコープ」が同じ時期に行っていた観測で撮影した、50億光年彼方のクエーサーの中心で輝くジェットの高解像度画像が公開されました

世界の8つの電波望遠鏡をつなぎ合わせて地球サイズの仮想電波望遠鏡を作り上げる「イベント・ホライズン・テレスコープ(Event Horizon Telescope; EHT)」プロジェクトが史上初となるブラックホール画像を発表したのは、ちょうど1年前のことだ(参照:「史上初、ブラックホールの撮影に成功!」)。このときに観測されたのは、5500万光年と比較的近い距離にあるおとめ座の銀河M87の中心に存在する超大質量ブラックホールだったが、同じ2017年4月にEHTは、さらに遠方にある銀河の中心核も観測していた。

この銀河の中心核には太陽のおよそ10億倍の質量を持つ超大質量ブラックホールが存在している。これは天の川銀河の中心部にあるブラックホールの200倍以上もの質量だ。このように巨大な質量を持つブラックホールに大量のガスが落下すると、莫大なエネルギーが解放されて非常に強い光が放射される。そのような天体が地球から非常に遠くにあると、銀河全体よりも中心核が点状に明るく輝き、「クエーサー」と呼ばれる種類の天体として観測される。今回観測されたのは、50億光年彼方に位置するおとめ座の「3C 279」というクエーサーだ。

超大質量ブラックホールに流れ込むガスは周囲に円盤を形成し、その一部が細く絞られたガス流(ジェット)として光速に近い速度で円盤の両側に噴き上げられると考えられている。独・マックスプランク電波天文学研究所のJae-Young KimさんたちはEHTを使い、これまでにない20マイクロ秒角という超高解像度で3C 279のジェットを観測した。この値は3C 279が位置する50億光年の距離で0.4光年のサイズを分解できるほどで、月面に置かれたオレンジが地球から見える視力に相当する。

ブラックホール周囲の円盤の両側に伸びるジェットは通常まっすぐだが、観測データを解析した結果、3C 279のジェットが少しねじれた形状をしていること、本来のジェットの方向に対して垂直に伸びる構造が見えることがわかった。また、4日間の観測の間にその形状は細かく変化していたが、こうした変動はこれまで理論シミュレーションでしか見られていないものだった。このような変動は降着円盤の回転とガスの降着、ジェットの放出の様子を知る手がかりになると考えられる。

「宇宙への新しい窓を開けた時には、必ず新しい発見があることを私たちは知っています。可能な限り高解像度な観測をすることでジェットが形作られる領域を見ることができると期待していたところで、私たちはジェットに垂直な構造を見つけたのです。マトリョーシカを順に開けていって、最後にまったく違う形の人形が出てきたようなものです」(Kimさん)。

観測で明らかになった予想外のジェットの構造は、回転し折れ曲がったジェットの内部に衝撃波や不安定性が存在することを示している。これらは3C 279で観測される高エネルギーガンマ線の起源である可能性も考えられる。

「今回観測されたクエーサーは、宇宙で最も強力なジェットを噴出する巨大ブラックホールとして長年知られています。その一方でクエーサーはブラックホール・シャドウが撮影されたM87よりも地球からはるか遠くに位置するため、ジェットの根元の構造を詳しく撮影するにはこれまで以上に高い視力が必要でした。今回の成果は、EHTがブラックホール撮影のみならず、強力なジェットの生成メカニズムの解明にも極めて有効であることを示しています」(国立天文台 秦和弘さん)。

EHTの観測は毎年北半球の春の季節に行われており、2020年3月から4月にも観測が予定されていたが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために中止を余儀なくされた。「私たちは、2017年に得たデータを論文化するための活動と、新しい望遠鏡を加えて2018年に取得したデータの解析に集中しています。2021年春に、11台の望遠鏡でEHT観測を行うことを楽しみにしています」(EHT副プロジェクトディレクター/MITヘイスタック観測所 Michael Hechtさん)


2020年4月13日
AstrroArtsより

クエーサー「MG J0414+0534」

Posted by moonrainbow on 08.2020 クエーサー   0 comments   0 trackback
重力レンズで110億光年彼方の銀河中心核にズームイン

クエーサー「MG J0414_0534」の擬似カラー画像
MG J0414+0534
アルマ望遠鏡で観測したクエーサー「MG J0414+0534」の擬似カラー画像。オレンジ色が塵と高温電離ガス、緑色が一酸化炭素分子がそれぞれ放つ電波に対応している。(左)重力レンズ効果による像が4つ見えている(右)重力レンズ効果を受ける前の本来の姿を再構成したもの。一酸化炭素分子が銀河中心核の両側に、ジェットに沿って分布していることがわかる(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), K. T. Inoue at al.)

110億光年彼方にあるクエーサーの観測で、銀河中心の超大質量ブラックホールから数万年前に誕生したとみられるジェットが吹き出し、周囲の星間ガスを揺さぶっている様子がとらえられた。進化の初期段階にある銀河でもジェットが星の材料を押し流し銀河の進化に関わっていることを示す成果である

ほとんどの銀河の中心には超大質量ブラックホールが存在し、そのブラックホールは銀河内の星の材料となるガスを流出させるなどして銀河の進化に大きな影響を与えると考えられている。

ブラックホールがガスを押し出すメカニズムには2種類考えられる。一つは、ブラックホールに降り積もる物質は円盤を形成しながら高温に加熱され、ときには銀河の星々全体よりも明るく輝く「クエーサー」と呼ばれる天体になるが、この強力な光がガスを外へ動かすというものだ。もう一つ、ブラックホールに吸い寄せられた物質の一部が円盤とは垂直な方向に超高速で吹き出す「ジェット」となり、銀河からガスを流出させるというものも考えられる。

私たちから比較的近い、つまり宇宙の歴史において私たちの時代に近く、誕生からある程度時間が経っている銀河では、超大質量ブラックホールからのジェットが星間ガス雲に衝突してガス流出を引き起こす様子がすでに観測されている。しかし、時間をさかのぼって進化の初期段階にある銀河を調べるには、それだけ遠くを見る必要があり、従来の観測では解像度が不十分だった。

近畿大学の井上開輝さんたちの研究チームは、おうし座の方向110億光年の距離にあるクエーサー「MG J0414+0534」をアルマ望遠鏡で観測した。このクエーサーと地球との間には別の銀河が存在し、銀河の重力がレンズのようにMG J0414+0534からの光を曲げている。「MG J0414+0534は重力レンズ効果により4つの像として見え、個々の像も大きく拡大されて見えます。重力レンズは、遠方の天体をより詳しく見ることができる『天然の望遠鏡』というべき働きをもつのです」(東京大学 峰崎岳夫さん)。重力レンズ効果のおかげで、今回の観測の解像度は約0.007秒角(視力9000相当)に達した。

研究チームが重力レンズの効果を精密に調べ、複数に分かれて歪んだ像から元のMG J0414+0534の姿を復元したところ、クエーサーの中心部に非常に明るい電波源があり、その左右で一酸化炭素分子が放つ電波が検出されることがわかった。この電波を詳しく調べた結果、超大質量ブラックホールから秒速600kmにも達するジェットが2方向に放たれ、周囲の星間ガスを揺さぶっていることが示唆された。110億光年という遠方のクエーサーの周辺で、ジェットと星間ガス雲の衝突の現場が画像として見えてきたのは、これが初めてだ


さらに注目すべき点は、ジェットと星間ガス雲が衝突している領域の大きさが典型的な銀河の大きさに比べてたいへん小さいことである。「この銀河の中心部で超大質量ブラックホールからジェットが吹き出し始めてからわずか数万年後の姿、つまりジェットの誕生直後の様子を見ているのだと考えています」(台湾中央研究院 松下聡樹さん)。

「今回の観測により、超大質量ブラックホールの活動が銀河に明らかに影響を与えているという確かな証拠をつかむことができました。この成果は、銀河の進化初期において超大質量ブラックホールが放つジェットがどのように星間ガス雲に影響を及ぼし、どのように銀河の巨大ガス流出が引き起こされるのかを明らかにする手がかりになるでしょう」(井上さん)


MG J0414_0534の想像図
観測成果をもとにしたMG J0414+0534の想像図。銀河中心にある超大質量ブラックホールから強力なジェットが最近吹き出し、周囲の星間ガスと衝突している(提供:近畿大学)

2020年4月2日
AstroArtsより

銀河中心核「クエーサー」の中心のブラックホール

Posted by moonrainbow on 28.2020 クエーサー   0 comments   0 trackback
クエーサーが放つ強烈な電磁波が巨大な銀河への成長を止めていた?

遠方銀河を描いた想像図
中心にクエーサーがある遠方銀河を描いた想像図(Credit: NASA, ESA and J. Olmsted (STScI))

銀河全体よりも明るく輝く活発な銀河中心核「クエーサー」の中心には、宇宙誕生から数億年の時点ですでに超大質量ブラックホールが存在していたと考えられています。今回、「ハッブル」宇宙望遠鏡を使ったクエーサーの観測によって、クエーサーが放射する強い電磁波が銀河そのものの成長を抑制していた可能性が示されています

■星の材料となるガスや塵が光速の数パーセントという速さで吹き飛ばされる

今回、Nahum Arav氏(バージニア工科大学、アメリカ)らの研究チームによってまとめられ、The Astrophysical Journalにて公開された一連の論文では、遠方の宇宙に位置する13個のクエーサーが研究の対象となっています。

研究チームがハッブル宇宙望遠鏡による紫外線の観測データをもとにこれらのクエーサーを分析したところ、クエーサーから放たれた電磁波の放射圧によって、毎年太陽数百個分に相当する星間物質(星々のあいだの空間に存在するガスや塵)が吹き飛ばされている様子が明らかになりました。

何千億個もの恒星が存在する銀河全体のさらに1000倍も明るく輝くこともあるクエーサーがもたらす放射圧は強力で、加速された星間物質の速度は光速の数パーセントに達するようです。また、電磁波が星間物質にぶつかる衝撃波面では温度が数十億度まで急上昇し、X線をはじめ可視光を含むさまざまな波長の電磁波で輝くことになるといい、その様子をArav氏は「銀河のいたるところにクリスマスツリーが飾り付けられたような、壮大な光のショー」と表現しています。

クエーサーによる星間物質の流出は、銀河の大きさに関する謎を解く鍵になるかもしれません。理論上、銀河の大きさはこれまでに観測されたものよりも100倍ほどにまで成長できると予想されていますが、星の材料となる星間物質を吹き飛ばすクエーサーの活動は、銀河の成長にブレーキをかける一つの要因である可能性があります。

宇宙論研究者のJeremiah P. Ostriker氏(コロンビア大学/プリンストン大学、アメリカ)は、今回の研究成果について「巨大な銀河の星形成を停止させるプロセスの存在は数十年に渡り知られてきたが、その詳しい仕組みは謎だった。私たちのシミュレーションにおいては、観測された星間物質の流出を反映させることで、銀河の進化におけるこの問題が解決に導かれている」とコメントを寄せています


Image Credit: NASA, ESA and J. Olmsted (STScI)

2020-03-23
Soraeより

クエーサー「3C 273」のブラックホール

Posted by moonrainbow on 17.2018 クエーサー   0 comments   0 trackback
25億光年彼方のクエーサーの中心周囲を回るガス雲

クエーサー「3C 273」
ハッブル宇宙望遠鏡によるクエーサー「3C 273」(画像中央)の可視光線画像(提供:NASA)

25億光年彼方のクエーサー「3C 273」の高解像度観測で、クエーサーの中心に位置する超大質量ブラックホールの周りをガス雲が高速で回転運動している様子がとらえられました

「クエーサー」と呼ばれる活動銀河の一種は、銀河の中心部から強い電磁波を放射している天体です。その第1号は、1963年にオランダの天文学者マーテン・シュミット(Maarten Schmidt)によって発見されました、おとめ座の方向25億光年彼方の「3C 273」というクエーサーで、天の川銀河内の星すべてを合わせた明るさの100倍もの輝きを放っています

独・マックスプランク地球外物理学研究所 Eckhard Sturmさんたちの研究チームは、ヨーロッパ南天天文台パラナル観測所のVLT干渉計に設置された装置「GRAVITY」を用いて、3C 273の中心部分を詳しく観測した。GRAVITYは4つの望遠鏡を連動させて口径130mに相当するバーチャルな望遠鏡として機能し、非常に高い解像度を得ることができます

その結果、3C 273の中心部に存在する超大質量ブラックホールの周りを、ガス雲が回転運動している様子がとらえられました。天の川銀河以外の銀河の中心におけるガス雲の回転運動が詳しく調べられたのは初めてのことです。「GRAVITYは初めて、ブラックホールの周りを細部まで見せてくれました。そのおかげで、ガス雲の運動を明らかにすることができました」(Sturmさん)。

観測された領域の実際の大きさは太陽系程度に相当するが、25億光年も離れているために見かけの大きさは極めて小さい。「これまで、超大質量ブラックホールからガスまでの距離や、ガスの動きのパターンの計測には、クエーサーからの光の変動を利用する手法しかありませんでした。GRAVITYでは、10マイクロ秒角のレベルで構造を見分けることが可能です。これは月面に置いた硬貨を地球から観測できる精度に相当します」(イスラエル・テルアビブ大学 Hagai Netzerさん)。

また、ガス雲の回転運動の測定からブラックホールの質量が太陽の約3億倍であると計算され、過去にクエーサーの光の変動から見積もられていた値と一致することが確認されました。宇宙に多数存在するクエーサーの超大質量ブラックホールの質量を測定するうえで、GRAVITYの計測結果は一つの基準となるでしょう

2018年12月4日
AstroArttsより

クエーサーの強力で冷たいガスの風の起源

Posted by moonrainbow on 17.2017 クエーサー   0 comments   0 trackback
クエーサー風と激しい星形成の関連性(ヨーロッパ宇宙機関

クエーサーの想像図
強い電波を放射するクエーサーの想像図
星形成が進む銀河の中心に位置し、強い電波を放射するクエーサーの想像図(提供:ESA/C. Carreau)

赤外線天文衛星「ハーシェル」の観測データから、クエーサーの強力で冷たいガスの風の起源が示されました。クエーサーを持つ銀河の星形成と関連があるようです

1960年代に初めて発見されたクエーサーと呼ばれる天体の正体は、超大質量ブラックホールが潜む遠方銀河の中心核です。ブラックホールに向かって落ち込むガスが非常に高温となり、電波からX線に至るすべての電磁波長域でエネルギーが放射されることで、天の川銀河の1万倍もの明るさで光って見えています

非常に遠く離れたクエーサーの光が地球へ届くまでに通ってくる経路などを調べるには、クエーサーのスペクトル中に見られる吸収線という特徴が重要な役割を果たします。吸収線を調べることで、光がどんな物質を通過してきたのかに関するヒントが得られるからです

これまでの研究で、クエーサーと地球との間に存在する銀河やガス雲などの組成が突き止められてきたが、一部の吸収線については説明がつかず謎となっていました。その後、多くのクエーサーで観測されていたこの吸収線は炭素やマグネシウム、ケイ素といった元素を含む冷たいガスによって生じるものであり、クエーサーが存在する銀河内を秒速数千kmもの速度で移動する冷たいガスの風の中を光が通ってきたことを示す特徴であることがわかりました。風の存在そのものは新しい情報ではないものの、これほどの高速に達するメカニズムはわかっていなかったのです

オランダ・フローニンゲン大学カプタイン天文学研究所のPeter Barthelさんたちの研究チームは、赤外線天文衛星「ハーシェル」の観測データを使って冷たいガスの風の起源を突き止め、風と関係のある吸収線の強さが、クエーサーが存在する銀河の星形成率に直接関係していることを初めて明らかにしました

「大量の星形成と強力なクエーサー風が密接に関係しているという傾向を特定したことはエキサイティングな発見です。クエーサー風が超新星爆発で作られるというのは自然な説明であり、超新星爆発は激しい星形成期には頻繁に起こるのです」(カプタイン研究所 Pece Podigachoskiさん)

今回の研究で明らかになった関連性は、銀河の大きさに関する謎の答えも提供してくれるかもしれないという。理論上、銀河は現在観測されている100倍もの大質量銀河にまで成長できると予測されているが、そのような銀河は観測されていないという謎です。銀河の質量が最大に到達する前に、銀河内のガスの量を激減させるプロセスが働いていることを示しています

ガスの激減を引き起こすのは、爆発的星形成に関係する超新星爆発の風と、クエーサーの中心に位置する超大質量ブラックホールに関係する風という2つの要因が考えられている。どちらも影響を与えているとみられるが、冷たいガスの風と星形成率との関係を示した今回の研究結果から考えると、クエーサーの場合には、冷たいガスの安定的な供給が必要とされる星形成のほうがガスの激減に対しては大きな影響を及ぼしていると考えられます

2017年12月13日
AstroArtsより
 

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