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「アインシュタインの十字架(Einstein Cross)」

Posted by moonrainbow on 26.2021 クエーサー   0 comments   0 trackback
重力レンズ効果が生む「アインシュタインの十字架」が一度に12個みつかる

重力レンズ効果によって4つに分裂してみえるクエーサー
【▲ 今回新しくみつかった重力レンズ効果によって4つに分裂してみえるクエーサーの画像。「アインシュタインの十字架」と呼ばれる。(Image Credit:The GraL Collaboration)】

ヨーロッパ宇宙機関(ESA)は2021年4月7日、ESAの位置天文衛星ガイアのデータを使って、ガイア重力レンズワーキンググループが、重力レンズ効果によって4つに分裂してみえるクエーサー、いわゆる「アインシュタインの十字架(Einstein Cross)」を一度に12個も発見したと発表しました

ほとんどの銀河の中心には超大質量のブラックホールがひそんでいますが、この超大質量ブラックホールが、周りのガスや塵を渦を巻いて吸い込むと、ガスや塵同士の摩擦によって、莫大な熱が発生し、ガスや塵がプラズマ化して、X線から可視光線、電波にいたるまで、さまざまな光(電磁波)で強烈に光り輝きます。これがクエーサー(活動銀河核)です。

クエーサーは宇宙でもっとも明るい天体の1つといわれています。

ところで、このようなクエーサーと私達の地球の間に銀河や銀河団などの重い天体があると、1つのクエーサーがいくつにも分裂してみえることがあります。アインシュタインの一般相対性理論によれば、重い天体の周りでは、時空が曲がるために、あたかも凸レンズがあるかのような効果が生じて、背後にあるクエーサーからの光(電磁波)が複数の経路に別れて、地球に届くためです。これを重力レンズ効果といいます


アインシュタインの十字架
【▲ 重力レンズ効果によってアインシュタインの十字架が生じる仕組みを解りやすく解説したイラスト。(Image Credit:R. Hurt (IPAC/Caltech)/The GraL Collaboration)】

そのうち、1つのクエーサーが4つに分裂してみえるものが、アインシュタインの十字架です。アインシュタインの十字架は、非常に珍しく、1985年に初めて発見されて以来、これまでに50個ほどしかみつかっていません。

研究チームは、まず、ESAの優れた空間解像力を誇る位置天文衛星ガイアの2回目に公開されたデータを特化したAIを使って解析し、アインシュタインの十字架の候補を絞り込みました。そして、その後、NASAの広視野赤外線探査衛星(WISE)のデータを使ってさらに有力な候補を絞り込み、最終的に、アメリカ、ハワイ州にあるケックI望遠鏡などの地上の望遠鏡を使ってフォローアップ観測をおこない、新たに12個ものアインシュタインの十字架を発見しました。

研究チームでは、アインシュタインの十字架のように分裂してみえるクエーサーは、宇宙の誇張率に関するハッブル定数の決定やダークマターの研究などにユニークな研究手段を提供できますが、位置天文衛星ガイアのデータが最終的に公開されれば、このように分裂してみえるクエーサーが数百単位でみつかるのではないかと期待しています


Image Credit:R. Hurt (IPAC/Caltech)/The GraL Collaboration/The GraL Collaboration

2021-04-14
Soraeより

100億年前の二重クエーサー

Posted by moonrainbow on 15.2021 クエーサー   1 comments   0 trackback
最も古い「100億年前の二重クエーサー」一度に2つも発見

合体の途上にある2つのクエーサー
【▲ 合体の途上にある2つのクエーサーの想像図。銀河の合体によりガスを供給され活動を停止していた銀河の中心にある超巨大ブラックホールが活動を再開しクエーサーとなる。(Credit: NASA, ESA, and J. Olmsted (STScI))】

NASAは2021年4月6日、イリノイ大学のユエ・シェンさん率いる研究チームが、NASAのハッブル宇宙望遠鏡を使って、一度に2つの二重クエーサーを発見したと発表しました。これらの二重クエーサーは、100億年前のもので、これまで発見された二重クエーサーのなかで最も古いものになります

ほとんどの銀河の中心には太陽の質量の100万~数十億倍にもなる大質量ブラックホールが存在しています。その周りにあるガスや塵は渦を巻きながらこの超大質量ブラックホーに呑み込まれていくわけですが、このとき、ガスや塵同士の摩擦によって莫大な熱が発生し、ガスや塵がプラズマ化することで、X線、紫外線、可視光線などの強烈な光(電磁波)が発生します。これがクエーサー(活動銀河核)です。

二重クエーサーは、このようなクエーサーがペアになったもので、銀河同士の衝突の際などにあらわれます。銀河同士の衝突によって、それぞれの銀河のガスが、掻き回され、活動を停止していたそれぞれの超巨大ブラックに落ち込むことで、それらが点火(ignite)され、二重クエーサーとして観測されるというわけです。

しかし、このような二重クエーサーをみつけるのはとても難しいです。二重クエーサーは1000個のクエーサーにつき1個ほどしか存在しないと考えられるからです


どのように二重クエーサーを発見した?

では、研究チームはどのようにして一度に2つもの二重クエーサーを発見したのでしょうか?

まず、研究チームは、ヨーロッパ宇宙機関(UAE)の位置天文衛星ガイア などの観測データを使って、全天に散らばる100億年前のたくさんのクエーサーのなかから二重クエーサーの候補を絞り込みました。

このとき研究チームが着目したのはクエーサーの微妙な揺れでした。二重クエーサーは2つのクエーサーからできているために、それぞれの明るさが変化すると、あたかも1つのクエーサーが揺れているように観測されるのです。

研究チームは、鮮明な視野を誇るハッブル宇宙望遠鏡を使った最初の観測で、このようにして絞り込んだ4つの候補のなかから、2つもの二重クエーサーを発見したというわけです


2つの二重クエーサーの画像
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡の鮮明な視野によって撮影された今回発見された2つの二重クエーサーの画像(Credit: NASA, ESA, H. Hwang and N. Zakamska (Johns Hopkins University), and Y. Shen (University of Illinois, Urbana-Champaign))】

研究チームによれば、これらの二重クエーサーは数千万年後には合体を完了し、さらに巨大な超大質量ブラックホールを形成するそうです

Image Credit:NASA, ESA, H. Hwang and N. Zakamska (Johns Hopkins University), and Y. Shen (University of Illinois, Urbana-Champaign)/NASA, ESA, and J. Olmsted (STScI)

2021-04-11
Soraeより

電波源クエーサーの観測最遠記録

Posted by moonrainbow on 23.2021 クエーサー   0 comments   0 trackback
電波源クエーサーの観測最遠記録を更新

クエーサーの想像図1
P172+18のようなクエーサーの想像図。銀河の中心には周囲のガスを引き込む超大質量ブラックホールが存在し、その周りに降着円盤が形成されている。円盤からブラックホールへ落ち込む物質が高温となり、強い紫外線を放射する。また、ねじれた磁場によって双極ジェットが形成され、これが強い電波放射源となっている(提供:Kaley Brauer, MIT)

強い電波を放つものとしては観測史上最遠となる約130億光年の彼方にクエーサーが見つかった。中心では超大質量ブラックホールがハイペースでガスを取り込んでいるとみられる

クエーサーは、銀河中心の超大質量ブラックホールが大量のガスを取り込む過程で輝く天体だ。宇宙で最も明るい天体の一つであり、極めて遠方からでも観測できる。あまりにも遠いため恒星のような点状にしか見えないが、同時に強い電波を発していることもあり、これがきっかけで1963年にクエーサーの第1号が発見された。クエーサーの電波源となっているのは、集まったガスの一部がブラックホールに流れ込まずに両極方向へ噴き出すジェットの部分だと考えられている。

ところが、研究が進むにつれて、強い電波を発するクエーサーは全体の10%しかないことがわかってきた。電波の強いクエーサーが少ない理由は未解明で、宇宙初期でもその割合が同じだったかも不明である。遠方天体までの距離を示す赤方偏移がz=6以上、つまり私たちから約128億光年以上離れた、誕生から10億年以内の宇宙で見つかった電波の強いクエーサーは、これまで3個しかない。

独・マックス・プランク天文学研究所のEduardo Bañadosさんたちの研究チームは、ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLTやマゼラン望遠鏡をはじめとした世界各地の望遠鏡を使い、新たに電波の強いクエーサー「PSO J172.3556+18.7734」(以降、P172+18)をしし座の方向に発見した。同クエーサーの赤方偏移は6.82(距離約130億光年)で、宇宙がまだ7億8000万歳だったころの天体だ。電波の強いクエーサーとして、最遠記録をおよそ1億光年更新した。

P172+18へエネルギーを供給しているブラックホールの質量は太陽の約3億倍と見積もられ、天の川銀河中心のブラックホールの約70倍もある。引き寄せられたガスはこの超大質量ブラックホールの周囲で回転し、摩擦によって超高温となる。ここから1秒間に放出されるエネルギーは天の川銀河全体の580倍にも達する。

また、電波源のジェットは、流入するガスの中でたまったエネルギーを放出する役割も果たしている。このエネルギーの抜き取りにより、ガスが中心のブラックホールへと流入するのを促進している。落下するガスによって、P172+18の超大質量ブラックホールは観測史上最速のペースで成長しているという。

強い電波のクエーサーを超遠方で見つけることは、宇宙初期にブラックホールがどのように成長したかを知る上で重要だ。さらに、強い電波源が遠方にあることは、そこと地球の間にある物質を研究する上でも意義がある。宇宙で最初の銀河がどのように誕生して成長したのかは現代天文学における重要なテーマであり、中性水素の雲が集まって銀河になったという仮説があるが、その中性水素が電波源の手前にあれば、検出が可能となるのだ。

宇宙第一世代の天体を探る鍵となる、強い電波のクエーサーだが、研究チームではP172+18より遠いものも含め、まだまだ見つかるだろうと期待している


2021年3月15日
AstroArtより

クエーサー「J0313-1806」

Posted by moonrainbow on 25.2021 クエーサー   0 comments   0 trackback
観測史上最も遠いクエーサーを発見

クエーサーJ0313-1806の想像図
今回発見されたクエーサーJ0313-1806の想像図(提供:NOIRLab/NSF/AURA/J. da Silva)

ビッグバンからわずか6億7000万年後の宇宙に存在する、観測史上最遠のクエーサーが見つかった。太陽の約16億倍の超大質量ブラックホールが存在するとみられる

今回発見されたクエーサー「J0313-1806」はエリダヌス座の方向にあり、赤方偏移の値がz=7.642と測定されている。これは、光路距離(天体から出た光が地球に届くまでの間に旅した距離)に直すと約131億光年となる。つまり、宇宙が誕生してから約6億7000万年しか経っていない時代にこのクエーサーは存在している。これは、2018年に発見された「J1342+0928」(z=7.54) の記録を更新し、クエーサーとしては観測史上最遠となる。

J0313-1806を発見したのは、米・アリゾナ大学のFeige Wangさんを中心とする研究チームだ。今回のクエーサーはzが7.5を超えるものとしては史上3個目となるが、第2位のJ1342+0928や第3位の「J1007+2125」(通称「ポニウアーエナ」、z=7.52)もWangさんたちが発見したものだ(参照:「ビッグバン7億年後に存在していた怪物級ブラックホール」)。

Wangさんたちは、過去に様々な望遠鏡で行われた可視光線・赤外線での大規模サーベイ観測のデータを使い、可視光線では見えないが赤外線では見える天体を探した。これによってJ0313-1806は超遠方のクエーサー候補としてピックアップされ、チリのジェミニ南望遠鏡の観測で確かにクエーサーであることが確認された。その後、米・ハワイのジェミニ北望遠鏡やケック望遠鏡の分光観測、さらにチリのアルマ望遠鏡を使った電波観測によって、このクエーサーの赤方偏移が正確に求められ、中心にある超大質量ブラックホールの質量が太陽の約16億倍であることも判明した。このブラックホールは、2番目に遠いJ1342+0928の中心ブラックホールより約2倍も重い。

今回の発見は、宇宙の初期に超大質量ブラックホールがどうやってできたかを考える上でかなり重要な情報になる。現在考えられている巨大ブラックホールの成長モデルから見積もると、宇宙誕生から6億7000万年後に16億太陽質量のブラックホールが存在するためには、宇宙誕生から約1億年経った時点で1万太陽質量ほどのブラックホール(巨大ブラックホールの種)ができていなければならないという。

一方、超大質量ブラックホールができるメカニズムとしては、巨大な恒星の超新星爆発でできたブラックホール同士が合体して生まれるという説や、大規模な星団が重力でつぶれて一気に超大質量ブラックホールになるという説などがあるが、いずれのモデルでも、今回のJ0313-1806の種となるブラックホールを初期宇宙で作り出すのはむずかしい。

「今回の結果は、ブラックホールの種がこれらの説とは別のメカニズムで作られたことを示しています。宇宙のはじめから存在していた大量の低温水素ガスの雲がつぶれることで、ブラックホールの種を直接作り出したのかもしれません」(アリゾナ大学 Xiaohui Fanさん)。

また、アルマ望遠鏡の観測から、J0313-1806を含む銀河(母銀河)が天の川銀河の200倍という非常に速いペースで星形成を行っていることや、中心ブラックホールが太陽25個分の物質を毎年飲み込んでいること、銀河中心部から電離ガスが光速の20%もの速さで噴き出していることもわかった。このため、この母銀河ではいずれ星の材料となるガスが尽きて星形成が止まると考えられる。

超大質量ブラックホールの激しい活動のために星形成が止まってしまった銀河は、後の時代の宇宙では数多く観測されているが、同じことがどのくらい昔の銀河まで起こっていたかについてはわかっていなかった。今回のクエーサーは、この現象がきわめて初期の宇宙でも起こっていた可能性を示唆するものだ。

「今回の例は、超大質量ブラックホールが母銀河にどう影響を与えるかを示す証拠としては最も早い時代のものです。もっと近い銀河の観測から中心ブラックホールが銀河に影響を与えることは知られていましたが、宇宙の歴史の中でこれほど早い時期に起こっているのをとらえたのは初めてです」(Wangさん)


2021年1月18日
AstroArtsより

宇宙で最も明るい天体「クエーサー」とは?

Posted by moonrainbow on 24.2020 クエーサー   1 comments   0 trackback
宇宙で最も明るい天体「クエーサー」とは?

クエーサーを持つ銀河のイラスト
クエーサーを持つ銀河のイラスト。中心部にあるクエーサーからジェットが噴き出している。(Image Credit:NASA, ESA and J. Olmsted (STScI))

NASAは2020年12月15日、今日の1枚としてクエーサー(Quasar)を持つ銀河のイラストを公開しました。そこで、今回は宇宙で最も明るい天体の1つといわれるクエーサーについて解りやすく解説していきたいと思います

ほとんどの銀河の中心には巨大なブラックホールがあると考えられています。例えば、私達の天の川銀河の中心にも「いて座A*(いてざえーすたー:Sgr A*)」と呼ばれる超大質量ブラックホールがあると考えられています。

この「いて座A*」は太陽の質量の400万倍ほどの質量があるといわれています。普通のブラックホールの質量は太陽の質量の10倍ほどといわれているので、銀河の中心にあるブラックホールがいかに巨大かよく解りますね。

ところで、このように銀河の中心にある巨大なブラックホールのなかには活発に活動しているものがあります。

銀河の中心にある巨大なブラックホールに周りのガスや塵が吸い込まれるときに、ガスや塵は、銀河の中心にある巨大なブラックホールの周りを回りながら、円盤を形成します。この円盤を降着円盤といいます。

降着円盤内では、物質同士の摩擦によって莫大な熱が発生するために、温度が数百万℃以上にもなり、物質がプラズマ化します。そのため、降着円盤からはX線から可視光線、電波にいたるまでさまざまな電磁波が強烈に放射されます。

このように活発に活動している銀河の中心部分を「活動銀河核」といいます。クエーサーはこの活動銀河核の1種だと考えられています。

そして、ときにこの降着円盤の一部が細く絞られたガス流として光速に近い速度で噴き出すことがあります。これが「ジェット」と呼ばれる現象です。イラストで銀河の中心にあるクエーサーから銀河の両側に噴き出しているのがそれです。

ジェットは銀河の進化に深く関わっていると考えられています。ジェットによって恒星の原料となる銀河系内のガスが吹き飛ばされ、恒星の誕生が抑制されると考えられています。

私達の天の川銀河もかつては活動銀河核を持っていたといわれています。しかし、周りのガスや塵を吸い込みつくして、現在のような平穏な状態になったといわれています。

私達の天の川銀河も大人になって落ち着いたというわけです


Image Credit: NASA, ESA and J. Olmsted (STScI)

2020-12-19
Soraeより
 

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