珍しい四つ子のクエーサーを発見

Posted by moonrainbow on 18.2015 クエーサー   0 comments   0 trackback
発見確率は理論上1000万分の1のきわめて珍しい四つ子(Quartet of Quasars)のクエーサーを発見(National Geographic

四つ子のクエーサー
クエーサーは、銀河の中心にある巨大なブラックホールに物質が落ち込むときのエネルギーによって強烈に輝いている天体です。今回、非常に明るい星雲の中に、きわめて珍しい四つ子のクエーサーが埋もれているのが発見されました。(PHOTOGRAPH BY HENNAWI & ARRIGONI BATTAIA, MPIA)

天文学者のチームが、観測可能な宇宙の端で四つ子のクエーサー(Quasar)を発見しました。クエーサーは非常に明るい天体で、ふつうはばらばらに存在していますが、今回発見された4個のクエーサーは、わずか65万光年という狭い範囲にひしめいています

 2015年5月15日付け学術誌『サイエンス』にこの論文を発表したジョゼフ・ヘナウィ氏は、「平均すると、クエーサーどうしは1億光年ほど離れて存在しています。4個のクエーサーがこんなに狭い領域で見つかる確率は1000万分の1です」と述べています

 1960年代初頭にクエーサーが発見されたとき、その正体は謎に包まれていました。数十億光年の彼方にある天体がこれほど明るく輝いて見えるためには莫大な量のエネルギーを放出していなければならないが、そのような物理過程が思いつかなかったのです。今日では、クエーサーのエネルギー源は、活動銀河の中心にある大質量ブラックホールであることが明らかになっています。こうしたブラックホールに大量のガスが落ち込むとき、ガスは数百万℃まで加熱され、途方もない量のエネルギーを放射するのです

 今回の発見で天文学者を驚かせたのは、四つ子のクエーサーだけではないのです。4個のクエーサーは、冷たい水素ガスからなり、恒星1000億個分もの質量を持つ、巨大な星雲の中に埋もれていたのです。この星雲もまた、ふつうでは考えられないものです

 マックス・プランク天文学研究所(ドイツ・ハイデルベルク)のヘナウィ氏は、「理論的に確率が非常に低いものを発見したなら、信じられないくらいラッキーだったか、理論が間違っているかのどちらかです」と述べています

ふつうでは考えられない

 天文学者が四つ子のクエーサーの発見に驚いたのは、クエーサー自体が比較的珍しいからです。クエーサーのエネルギー源である大質量ブラックホールはごくありふれた天体で、大きな銀河のほとんどが中心部に大質量ブラックホールを1つ持っていますが、こうしたブラックホールが明るく輝くのは、大量のガスを飲み込んでいるときだけです。ヘナウィ氏によると、銀河の生涯においてそのようなことはめったに起こらないという(ちなみに、銀河系の中心部にある大質量ブラックホールは太陽400万個分の質量で、クエーサーになるには軽すぎる。これに対して、お隣りのアンドロメダ銀河の大質量ブラックホールは太陽1億個分の質量があるので、クエーサーだった時期があるかもしれない)

 観測可能な宇宙には約1000億個の銀河がありますが、そのうちクエーサーとして活動しているものは約50万個です。オハイオ州立大学の天体物理学者デビッド・ワインバーグ氏は、今回の研究には関与していないが、四つ子のクエーサーが見つかったことの意義を次のようなたとえで説明しています

 地球上のすべての人間がショッキングピンクのアロハシャツを1枚ずつ持っていて、生涯に一度だけそれを着るとしよう。「あなたがある日、そんなシャツを着ている人を見かけたら、『やあ、派手なシャツだな』と思うでしょう。いちどに2人見かけたら、『へえ、偶然だな』と思うでしょう。けれども4人だったら、何かが起きているに違いないと思うでしょう」。

四つ子の誕生

 四つ子のクエーサーを包んでいる巨大な冷たいガスの雲は、クエーサーの形成に関する手がかりを握っているかもしれないのです。天文学者は、銀河はもともとビッグバンにより生じたガスがダークマターの塊に吸い寄せられたときに誕生したと考えています。ダークマターは、光で観測できる恒星や銀河の5倍もの質量があるにもかかわらず、その正体がいまだに不明の物質です

 ふつう、ガス雲は重力収縮するときに高温になりますが、ヘナウィ氏らが発見した雲の温度はわずか1万℃だったのです。「宇宙論的には、1万℃というのは低温です。ガス雲が重力収縮するときの温度は1000万℃程度になるはずだからです」とワインバーグ氏は述べています。また、このガス雲の密度は理論家が考える密度よりはるかに高かったのです。「そんなガス雲がどうして存在するのか、まったくわかりません」とヘナウィ氏は述べています

 異常な星雲の中に異常なクエーサーの集団があるのは、偶然ではないのかもしれない。この星雲の冷たいガスが燃料となることで、クエーサーがふつうより長期にわたって活動できるようになり、同時に輝く確率が高くなったのかもしれないのです

 アリゾナ大学の天体物理学者で、『Beyond: Our Future in Space(彼方へ:宇宙における私たちの未来)』の著者であるクリス・インピー氏は言う。「何が起きているにせよ、シミュレーションと観測との食い違いは、観測宇宙論の重要性を改めて教えてくれます」

2015.05.15
ナショジオより

クエーサー「PDS 456」から噴出する高温のガスの「風」

Posted by moonrainbow on 04.2015 クエーサー   0 comments   0 trackback
超巨大ブラックホールの四方八方に噴出する風が星形成を終わらせる

膨大な量の高温のガスの柱を噴出する超巨大ブラックホール
膨大な量の高温のガスの柱を噴出する超巨大ブラックホール。NGC 1068という銀河のX線画像と光学画像を合成した。(PHOTOGRAPH BY X-RAY: NASA/CXC/MIT/UCSB/P.OGLE ET AL.; OPTICAL: NASA/STSCI/A.CAPETTI ET AL.)

 遠方の銀河の中心にある超巨大ブラックホールから光速の3分の1という途方もないスピードで四方八方に噴出する「げっぷ」のような風は、ブラックホール自身の成長を制限し、その付近での星形成を終わらせている可能性があるという研究を、英国の研究者らが2015年2月20日付『Science』誌で発表しました

 英国キール大学の天文学者エマヌエーレ・ナルディーニらは今回、欧州宇宙機関のX線観測衛星XMM-ニュートンとNASAX線宇宙望遠鏡NuSTARを使って、へび座のPDS 456というクエーサー(Quasar)から噴出する高温のガスの「風」の地図を作りました

 クエーサーは、地球から非常に遠いところにあり、極めて明るいために全体が恒星のような点光源に見える天体のことです。今回観測されたクエーサーは、なかでも地球から比較的近いもので、20億光年ほどの距離にあります

 クエーサーを輝かせているのは、その中心にある巨大なブラックホール、より正確にはブラックホールのまわりにできる降着円盤というパンケーキのような形のガスの雲です。ブラックホールの周囲の物質は、ここを猛スピードで回転しながら重力場に落ち込んでいき、数百万度という高温になって、強烈な光を発するのです

 われわれの銀河系を含め、事実上すべての銀河の中心またはその近傍には、恒星数百万~数十億個分の質量を持つ超巨大ブラックホールがありますが、すべての超巨大ブラックホールがクエーサーを輝かせるわけではないのです。「以前も、クエーサーから地球の方向に噴出してくるガスを観測したことはありました」とナルディーニは述べています。「けれども、あらゆる方向に噴出していることを証明できたのは今回が初めてです」

破壊をもたらす風

 ナルディーニによると、降着円盤から出る強烈な光が、この風のエネルギー源になっていますが、ガスが吹き飛ばされてしまうと、降着円盤を作る物質が不足し、ブラックホールは新たな物質を飲み込めなくなります。「この風は、ブラックホールの成長を制御しているのです」とナルディーニは説明しています

 風は、ブラックホールの周囲の星の成長も妨げます。ガスの泡が広がっていく際に、新たな恒星を生み出す巨大分子雲を吹き払ってしまうからです。クエーサー自身から燃料を奪い去り、その付近での星形成を終息させる高温のガスの泡は、PDS 456だけでなくどのクエーサーでも生じていると、研究者は考えています。ただ、ほとんどのクエーサーはPDS 456に比べて地球からはるかに遠い位置にあるため、われわれが現在見ている光は、宇宙がもっと若かった時代のものです

 これは何を意味しているか? 地球の近くにある多くの銀河も、若い頃はクエーサーとして激しく活動していたが、今回の研究で明らかになったような過程を通じて大量のエネルギーを放出し、落ち着いた中年の銀河になったということです。たまたまPDS 456が奥手だったことが、今回の発見につながったとも言えるのです

 クエーサーPDS 456は、見た目は古いが、天文学者が詳細に研究できるだけの若さを持つ「生きた化石」です。「極めてユニークな存在なのです」とナルディーニは述べています

ナショナル ジオグラフィックより
2015年2月20日

クエーサー「SDSS J1029+2623」

Posted by moonrainbow on 30.2014 クエーサー   0 comments   0 trackback
100億光年彼方のクエーサー「SDSS J1029+2623」を複数アングルから観測

巨大銀河団の重力レンズ効果によって分離された遠方天体の複数の像が、天体を異なる角度から見た立体構造を映し出したものであると確認されました。ハワイのすばる望遠鏡から、100億光年彼方にある銀河核(クエーサー)の構造を立体視できているということになります

約50億光年彼方の銀河団ごしに見える100億光年彼方のクエーサー「SDSS J1029+2623」は、銀河団の強い重力による屈折(重力レンズ効果)を受けて分離した3つの像となって観測されています。2010年にこの分離像のうち2つ(AとB)をすばる望遠鏡で観測した信州大学などの研究グループが、これらの像に違いがあり、クエーサーを異なる角度から見た姿という可能性があることを2013年に発表しました

クエーサーの3つのレンズ像
しし座方向の銀河団の重力レンズごしに見える、クエーサーの3つのレンズ像(A、B、C)。ハッブル宇宙望遠鏡で撮影(提供:信州大学、国立天文台、カブリIPMU)

クエーサーとは、ひじょうに遠くにある銀河の中心核がとても明るい輝きを放っているものです。銀河中心の巨大質量ブラックホール付近がその放射源で、ブラックホールを取り囲むガス円盤の表面からガス流(アウトフロー)が噴き出しています。研究グループが観測した分離像の違いは、このガス流の立体的な内部構造を映し出しているのではと考えられたのです

レンズ像AとBは異なる経路からやってくるので、地球に届くタイミングにおよそ2年の差があります。研究チームでは2014年4月、2つの像の違いがこの時間差によるものではなく、角度の差によるものであることを確かめるための追観測を行いました。その結果、2010年の観測データから大きな変動はなく、同じタイミングにクエーサーを出発したAとBの像には前回の観測通りの違いが見られることが確認されたのです

重力レンズ効果の概念図
重力レンズ効果の概念図。クエーサーを出発したA像とB像は、銀河団の重力による屈折を受けて744日違いで地球に届きます(提供:信州大学・国立天文台)

観測される像が確かに立体視されているものであるということをふまえ、アウトフローの内部は一様ではなく、小さなガス塊、あるいは濃淡のムラが存在する複雑な構造であることが示されました。今回の観測ではガス塊の密度や光源からの距離に関する大まかなヒントが得られるに留まったが、今後同じような多数のクエーサー分離像を観測することで、アウトフローの全貌解明につながる道筋が作られました

クエーサーのアウトフローガスを構成するガス塊
クエーサーのアウトフローガスを構成するガス塊。真上に噴き出しているジェットは別の現象(提供:信州大学)

2014年10月23日
Astro Artsより

ツインクエーサー(Twin Quasar)

Posted by moonrainbow on 07.2014 クエーサー   0 comments   0 trackback
約140億光年先のツインクエーサー(Twin Quasar)

ツインクエーサー

 ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた、約140億光年先のツインクエーサー(Twin Quasar)(2014年1月20日公開)。アルベルト・アインシュタインが予言した、「重力レンズ効果」を最初に実証した天体として知られています

 中心の輝く点は、1979年の発見時には2つの天体と考えられましたが、実際は1つのクエーサー(準恒星状電波源)です。地球とクエーサーの間に位置する、約40億光年先の巨大な楕円銀河「YGKOW G1」の強大な重力が時空をゆがめると、クエーサーからの光が曲げられ地球に複数届きます

 自身の重力理論に基づく重力レンズ効果は、1936年にアインシュタインが提唱。ツインクエーサーなど、はるか遠くの星や銀河の観測に役立っています

PHOTOGRAPH BY ESA/NASA/HUBBLE

National Geographic Newsより
January 30, 2014

100億光年彼方のクエーサー

Posted by moonrainbow on 04.2013 クエーサー   0 comments   0 trackback
100億光年かなたの天体を立体視

国内の共同研究チームが天体の重力で光が屈折する「重力レンズ効果」を利用し、およそ100億光年彼方にあるクエーサーからのガス流出の異なる2つの像をとらえました。別の角度からの観測と考えれば、立体的な構造が見えるかもしれません

クエーサー中心部の想像図
銀河中心ブラックホールの周囲に明るく輝く円盤が存在しており、そこから高速のガス流(アウトフロー、矢印)が噴き出されます。真上に噴き出しているのはアウトフローとは異なる現象(ジェット)です。(提供:信州大学・国立天文台、以下同)

重力レンズ効果
重力レンズ効果の概念図。

クエーサーの3つのレンズ像
ハッブル宇宙望遠鏡で観測されたクエーサーの3つのレンズ像です(A,B,C)。重力レンズの役割を果たす銀河団の銀河(G1a、b、G2)も写っています。

宇宙に存在する銀河の中には、銀河全体の100倍以上もの明るさで輝く中心核を持つものがあり、クエーサーと呼ばれています。銀河中心には巨大質量ブラックホールとその周囲のガス円盤があり、これが輝いて見えるのがその正体とみられています

円盤の表面からは外向きのガスが吹き出していると考えられます(画像1枚目)。このガスの流れ(アウトフロー)は周囲の宇宙空間にも大きな影響を与える重要な現象ですが、はるか遠方に存在するので内部構造を詳しく調べることは難しいです

しし座の方向約100億光年の距離にあるクエーサー「SDSS J1029+2623」の手前には、約50億光年かなたの銀河団があります。クエーサーから届く光は、この銀河団の強い重力を受けて進路が大きく歪められ、クエーサーの姿は最大離角が22.5秒角の3つの像A、B、Cとして地球に届いています

それぞれの像から、クエーサーのアウトフローを別の角度から見た姿がわかるかもしれません。この可能性を調べるため、信州大学、奈良高専、国立天文台、東京大学カブリIPMUの共同研究グループは、すばる望遠鏡でクエーサーの比較的明るいレンズ像AとBの分光観測を行いました。その結果、2つの像に見られるアウトフローによる光の吸収の形が、一部明らかに異なることがわかりました。異なる角度からのアウトフローの観測に成功したということです

わずか22.5秒角の離角にもかかわらず、こうした違いがみられたのは驚きの結果です

今回観測したアウトフローは最大で秒速1600kmものスピードで噴き出していて、またその内部には0.1光年程度のスケールでガスの濃淡が存在することがわかりました。このようにアウトフローの内部は一様ではなく、うろこ雲のように小さな塊が大量に集まったものなのかもしれません。それを確認するためにも、今後は今回観測しなかったレンズ像Cについても詳しく調べていく予定です

ただし、今回の結果については別の解釈も可能です。レンズ像AとBは光がたどる経路が異なるため、地球に届くタイミングに差が生じます。この場合、たとえ2つのレンズ像がアウトフローの同じ場所を通過していても、その内部の構造が時間とともに変化していれば今回のような結果が再現できます。この可能性については2013年3月の追観測で検証が行われる予定です

2013年2月20日
Astro Artsより
 

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