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渦巻銀河「NGC 4632」

Posted by moonrainbow on 23.2023 銀河   0 comments   0 trackback
隠れた極リング銀河? おとめ座の渦巻銀河を取り囲むリング構造を発見

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渦巻銀河「NGC 4632」と電波で見つかったリング構造。国立天文台の「すばる望遠鏡」とCSIROの電波望遠鏡「ASKAP」の画像を合成して作成

こちらは「おとめ座」の方向約5600万光年先の渦巻銀河「NGC 4632」です。国立天文台ハワイ観測所の「すばる望遠鏡」に搭載されている超広視野主焦点カメラ「Hyper Suprime-Cam(HSC、ハイパー・シュプリーム・カム)」で撮影した画像と、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)マーチソン電波天文台の電波望遠鏡「ASKAP」の観測データを合成したものとなります

CSIROによると、青く輝くNGC 4632を取り囲んでいるのはASKAPで捉えられた低温の水素ガスのリングです。このリング構造はNGC 4632の銀河円盤に対して90度の角度で周回しているといい、クイーンズ大学(カナダ)のNathan Deg博士らが参加した研究チームの観測で発見されました。

星々やガスでできたリングが円盤に対して大きな角度で周回している銀河は「極リング銀河(Polar Ring Galaxy)」と呼ばれていて、「うお座」の「NGC 660」などが知られています。アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、既知の極リング銀河はどれも光学観測で発見されてきたといい、NGC 4632は電波観測によって極リング銀河の可能性が示された初の銀河のうちの1つとされています。

研究に参加したCSIROのBärbel Koribalski教授によると、今回の研究はASKAPを使用して行われている観測プロジェクト「WALLABYサーベイ」の一環として実施されました。WALLABYは南天全体の観測を通して数十万の銀河におけるガスの分布の検出・可視化を目的としており、今回の研究では同サーベイ初期の小規模な観測の対象となった600個の銀河から2つの銀河(NGC 4632とNGC 6156)が極リング銀河の候補として特定されています。Degさんによれば、今回の結果は天の川銀河の近くにある銀河のうち1~3パーセントにはこうしたリングが存在する可能性を示唆していますが、この割合は光学観測の結果から予測された割合よりも高いようです。

CSIROによると極リング銀河のリング構造がなぜ存在するのかはまだよくわかっておらず、相互作用した銀河から剥ぎ取られた物質でできている可能性や、コズミックウェブ(※)に沿って銀河に流れ込んだガスからリングが形成される過程で星が誕生した可能性などが考えられるといいます。ASKAPによる今後数年間の観測で極リング銀河のようなめずらしい銀河がより多く発見されれば、暗黒物質(ダークマター)の性質に関する手がかりが得られるかもしれないと期待されています。

※…暗黒物質が形作るフィラメント状(糸状)の大規模構造、宇宙のクモの巣とも。

冒頭の画像はCSIROやNASAから2023年9月13日付で紹介されています


Source
Image Credit: Jayanne English (U. Manitoba), Nathan Deg (Queen's University) & WALLABY Survey, CSIRO/ASKAP, NAOJ/Subaru Telescope

2023年9月18日
sorae 宇宙へのポータルサイトより

銀河「2MASX J02301709+2836050

Posted by moonrainbow on 19.2023 銀河   0 comments   0 trackback
巨大ブラックホールに繰り返し削られる星

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スイフトJ0230の位置
米・ハワイのPanSTARRS望遠鏡で撮影された銀河「2MASX J02301709+2836050」の一時光線画像。白の破線は「ニール・ゲーレルス・スウィフト」で検出されたX線源「Swift J0230」の位置を正確範囲をこの銀河の中心からやや南東には、2020年に超新星「SN 2020rht」が出現している(黄色の円)。当初、Swift J0230はこの超新星とがあるのではないかとも考えられた(提供:Daniele B. Malesani / PanSTARRS)

巨大ブラックホールの周囲を巡る恒星が、約25日ごとに物質をはぎ取られて強いX線を放射現象するが受け止めた。1回の接近で奪われる質量は地球3個分に達する

2022年6月22日、NASAのガンマ線観測衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト」(以下「スウィフト」)がさんかく座の方向約5億2000万光年の距離にある銀河「2MASX J02301709+2836050」の中心近くでX線の突発的な増光を検出しました。 このX線源には「Swift J023017.0+283603」(以下Swift J0230)という名前が付けられ、ただちに追観測が行われました。

当初、Swift J0230は次第に減光すると予想されていたが、追跡観測の結果、この天体は7~10日間にわたって明るいX線を放射し続け、その後突然消えるというふるまいを約25日ごとに訪れることが分かりました。

このような現象は過去にも観測例があり、「準周期性爆発」QPE)」や「周期性中心核突発現象(periodic Nuclear transient; QPEは増光が数時間続く現象で、数十万~数百万太陽質量の超大質量ブラックホール(SMBH)の周辺を公転する白色矮星物質が周期的にはぎ取られてブラックホールに落ち込んで、X線が放射されるものと考えられている。は数千万~数億太陽質量のSMBHの周囲を公転する普通の恒星が、繰り返し物質をはぎ取られる現象だと推定されている。

Swift J0230を検出した英・レスター大学のフィル・エヴァンスさんを中心とする研究チームは、今回の規則的な増光現象はQPEとPNTの中間的な性質を持っていて、この2種類の現象の間をつなぐ「ミッシングリンク」というべき新現象を考えているのだろうか


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スイフト J0230の増光
スウィフトのX線望遠鏡で撮影されたSwift J0230付近。左が増光前、右がX線で増光が見られる期間(提供:Phil Evans (University of Leicester) / NASA Swift)

エヴァンスさん達QPEとPNTのモデルを使って解析を行い、Swist J0230は太陽と同程度の質量を持つ恒星が、銀河中心にあるSMBHの周囲を楕円軌道で公転しているのだと結論づけた恒星がブラックホールに少したびに、地球質量の約3倍の物質が恒星の大気からはぎ取られ、ブラックホールに遠慮しながら加熱される。が放射されるというのだ。

研究解析チームでは、このブラックホールの質量は約20万太陽質量かそれ以上と推定されていて、銀河中心のSMBHとしてはかなり小さい。私たちの天の川銀河の中心ブラックホールは約400万太陽質量、典型的なSMBHの質量は数億太陽質量だ。

「今回の発見は、太陽に似た恒星が、比較的小さなSMBHに繰り返し物質をはぎ取られて飲み込まれつつある現象を初めて考えたものです。いわば『反復型の部分潮汐破壊』というべきもので、これまでに知られている2種類の現象は、数時間おきに発生するか、または年単位の周期を持つもので、今回の現象はこの中に相当します。計算すると、する天体のタイプもちょうどこれらの現象の間を眺めるようなものであることがわかります」(エヴァンスさん)関連。

エヴァンスさん達スウィフトのデータからX線の突発現象を次々で検出する新たなシステムを開発し、今回のSwift J0230がこのシステムでの初の検出となった。

「このタイプの天体は、私たちがこの新しいシステムを開発するまで、本質的に不可能なものでした。新システムの運用を始めてすぐに今回の現象が見つかりました。スウィフトは20年近く「運用されていますが、今回突然、全く新たな現象が起きません。宇宙を見る新しい方法を見つければ、必ず新しい未知のものを見つけられる、ということを示す結果だと考えています」エヴァンスさん)


Black Hole Snack Attack


解説動画「ブラックホール・スナック・アタック」(提供:NASA's Goddard Space Flight Center)

2023年9月15日
カラパイアより

レンズ状銀河「NGC 6684」

Posted by moonrainbow on 15.2023 銀河   0 comments   0 trackback
淡い光に包まれた幻想的なレンズ状銀河 ハッブル宇宙望遠鏡で撮影

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ハッブル宇宙望遠鏡で撮影されたレンズ状銀河「NGC 6684」

こちらは「くじゃく座」の方向約4400万光年先のレンズ状銀河「NGC 6684」です。明るい中心部を滑らかで散乱した光が包み込んだ幻想的な姿をしています

レンズ状銀河は渦巻銀河と楕円銀河の中間にあたる形態の銀河です。渦巻銀河と同じように中央部分の膨らみや円盤構造を持つものの、渦巻銀河の特徴である渦巻腕(渦状腕)は持たないとされています。また、レンズ状銀河には楕円銀河と同じように古い星が多く、星形成活動もほとんどみられないといいます。

この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope:HST)」の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で取得したデータ(可視光線と近赤外線のフィルターを使用)をもとに作成されています。欧州宇宙機関(ESA)によると、ハッブル宇宙望遠鏡によるNGC 6684の観測は、天の川銀河から10メガパーセク(約3260万光年)以内に存在する近傍の銀河すべてを観測するためのキャンペーン「Every Known Nearby Galaxy」の一環として2020年2月に実施されました。

この観測キャンペーンではハッブル宇宙望遠鏡による十分な観測がまだ行われていなかった153個の銀河とその候補を対象に、2019年から2021年にかけて観測が行われました。ESAによると、天の川銀河の隣人とも言える近傍の銀河の観測は、天文学者が様々な銀河に存在する星の種類を断定し、宇宙の局所構造をマッピングする上で役立つということです。冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡の“今週の画像”として、ESAから2023年8月7日付で公開されています


Source
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Tully
ESA/Hubble - Portrait of a Ghostly Galactic Peacock

2023年8月11日
sorae 宇宙へのポータルサイトより

棒渦巻銀河の棒は、星形成を抑制する

Posted by moonrainbow on 14.2023 銀河   0 comments   0 trackback
棒渦巻銀河の棒は、星形成を抑制する

渦巻銀河M51
渦巻銀河M51と棒渦巻銀河NGC 1300
(左)りょうけん座の渦巻銀河M51、(右)エリダヌス座の棒渦巻銀河NGC 1300(提供:NASA, ESA, and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA); Acknowledgment: P. Knezek (WIYN))

棒渦巻銀河の中心を貫く棒の部分では、星の材料が存在するにもかかわらず、渦巻き部分に比べて星が生まれにくい。棒構造に由来するガスの激しい運動が、星形成活動を抑制しているらしい

私たちから比較的近いところにある銀河のうち半分以上は円盤形で、渦を巻いた構造が見られる。こうした銀河では中心まで渦が巻いているものだけでなく、棒構造が中心を貫く「棒渦巻銀河」も多い。円盤形の銀河のうち棒渦巻銀河が占める割合は、約半数から3分の2と言われており、私たちの天の川銀河も棒渦巻銀河と考えられている。

渦巻銀河では、渦巻きの腕部分に星の材料となる塵やガスが集積していて、それに隣接する場所で活発に星が形成されている様子が見られる。それに対して棒渦巻銀河の場合、渦巻腕では同様に星形成が起こっているものの、棒部には材料だけが集まっていて、生まれたての星や若い星からの光は観測されない。そのため、棒渦巻銀河の棒部では星形成活動が抑制されているのではないかと言われてきた。

数個の棒渦巻銀河については、分子ガスから新しい星が形成される効率を示す「星形成効率」が棒部で低いことが確認されている。しかし、未調査の銀河も多く、この傾向が棒渦巻銀河全体で一般的なのか、棒部による抑制の度合いは銀河によってどの程度異なるのか、抑制の原因が何であるのかといった重要な問いへの答えはわかっていなかった。

東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センターの前田郁弥さんたちの研究チームは、近傍宇宙の棒渦巻銀河について、現時点で星形成効率を正確に測定できる17天体を対象として棒部の星形成効率の統計的な調査を行った。

星形成効率は星形成活動の強さを分子ガスの量で割ることで得られる。前田さんたちは、星形成活動の強さをNASAの赤外線天文衛星「NEOWISE」とNASAの紫外線観測衛星「GALEX」のデータから、分子ガスの量は野辺山45m電波望遠鏡やアルマ望遠鏡などによる大規模プロジェクトで蓄積したデータから求めた


棒渦巻銀河の分子ガス分布
棒渦巻銀河の分子ガス分布。(等高線)星形成活動の強さ。(マゼンタの長方形)棒部、中心部、バーエンドの領域。画像クリックで拡大表示(提供:東京大学、以下同)

分析の結果、どの銀河においても棒部の星形成効率は渦巻腕に比べて低いことが示され、棒部による星形成の抑制は一般的な傾向だと確認された。ただし、棒の中心(銀河の中心部)とバーエンド(棒と渦巻腕との結合部)では星形成効率が渦巻腕と比べても高い傾向にあった。棒渦巻銀河の内部では、渦巻銀河に比べて星形成効率が大小様々な値を示すようだ。また、電波のスペクトルからガスの運動の激しさを調べたところ、運動が激しい領域ほど星形成が抑制される傾向にあることもわかった

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棒渦巻銀河の星形成効率、星形成活動の描像、星形成効率と一酸化炭素分子輝線の速度幅の関係
(左)棒渦巻銀河の中心部からの距離と星形成効率の関係。渦巻腕に比べて棒部の星形成効率が低い。(中)今回得られた棒渦巻銀河内部の星形成活動の描像。(右)棒部とバーエンド領域の、星形成効率と一酸化炭素分子輝線の速度幅の関係。渦巻腕と比べて速度幅が大きいほど星形成効率が低くなる。画像クリックで拡大表示

従来より多くのデータに基づく統計的なアプローチから、棒部の星形成が抑制されていること、その現象がガスの動きの激しさと連動していることが明確に示された。しかし、「星形成を抑制する激しいガスの運動」がどのような現象なのかは未解明だ。棒部の分子雲の内部までわかるような高解像度の観測が期待される

2023年7月7日
AstroArtsより

レンズ状銀河「NGC 3489」

Posted by moonrainbow on 11.2023 銀河   0 comments   0 trackback
しし座のレンズ状銀河「NGC 3489」ハッブル宇宙望遠鏡が撮影

しし座のレンズ状銀河「NGC 3489」
ハッブル宇宙望遠鏡で撮影されたレンズ状銀河「NGC 3489」

「しし座」の方向約3000万光年先にあるレンズ状銀河「NGC 3489」です。明るい中心部分とその周囲で渦巻く網目のような塵の帯が、淡い輝きを放つ領域のなかに埋め込まれているような姿をしています

レンズ状銀河は渦巻銀河と楕円銀河の中間にあたる形態の銀河です。渦巻銀河と同じように中央部分の膨らみや円盤構造を持つものの、渦巻銀河の特徴である渦巻腕(渦状腕)はありません。また、楕円銀河と同じように古い星が多く、レンズ状銀河では星形成活動もほとんどみられないといいます。

アメリカ航空宇宙局(NASA)によればNGC 3489は活動銀河の一種であるセイファート銀河(セイファート2型)に分類されており、その中心部には狭い領域から強い電磁波を放射する活動銀河核(AGN)があることが知られています。

活動銀河核の原動力は銀河の中心部に存在するとされる超大質量ブラックホール(超巨大ブラックホール)だと考えられています。NASAによると、活動銀河核のなかには非常に明るく輝くために銀河そのものを観測できない場合があるものの、セイファート銀河の活動銀河核は他の種類と比べて比較的暗いため、超大質量ブラックホールを宿す銀河の姿もはっきりと見ることができるということです。

なお、活動銀河核の種類を説明するモデルに「活動銀河核の統一モデル」というものがあります。このモデルでは活動銀河核のブラックホールはどれもみな塵を含むトーラス(ドーナツ形をした厚いリング状の構造)に囲まれた基本構造をしていて、活動銀河核の種類の違いは地球から見たトーラスの角度の違いによって生じていると考えられています。このモデルに従えば、地球から見たトーラスが真横かそれに近い角度だった場合、その銀河はセイファート銀河として観測されることになります。

この画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」で取得したデータをもとに作成されたもので、NASAから2023年5月1日付で公開されています


Source
Image Credit: NASA, ESA, P. Erwin (Max-Planck-Institut fur extraterrestrische Physik), L. Ho (Peking University), and S. Kaviraj (University of Hertfordshire); Processing: Gladys Kober (NASA/Catholic University of America)きます。

2023年5月8日
Soraeより
 

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