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棒状構造を持つ渦巻銀河

Posted by moonrainbow on 20.2023 銀河   0 comments   0 trackback
80億年以上前の銀河で棒状構造が見つかった! ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の観測データを分析

約107億年前の銀河
【▲ 約107億年前の銀河「EGS-23205」。左:ハッブル宇宙望遠鏡、右:ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で取得した画像(Credit: NASA/CEERS/University of Texas at Austin)】

テキサス大学オースティン校の大学院生Yuchen Guoさんを筆頭とする研究チームは、今から約110億年前の初期宇宙にすでに棒状構造を持つ渦巻銀河が存在していたとする研究成果を発表しました。研究チームが利用したのは「ジェイムズ・ウェッブ」宇宙望遠鏡を使って取得された観測データです

画像は、2つとも今から約107億年前(赤方偏移z=約2.136)の銀河「EGS-23205」を捉えたものです。左の画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡で取得されたEGS-23205の姿ですが、円盤状の構造をしているようには見えるものの、棒状構造があるかどうかははっきりしません。いっぽう、ウェッブ宇宙望遠鏡で取得された右の画像を見ると、銀河の中心を貫く棒状構造と、湾曲した渦巻腕(渦状腕)を持つ渦巻銀河であることがわかります。

研究チームは今回、国際的な研究チーム「CEERS(Cosmic Evolution Early Release Science Survey)」がウェッブ宇宙望遠鏡を使って取得したデータに含まれる数百個の銀河を対象に、棒状構造を持っていそうな銀河を視覚的に数十個選び出して分析を行いました。その結果、今から約110億年前(z=約2.312)の銀河「EGS-24268」や前述のEGS-23205など、約80億年以上前に存在していた棒状構造を持つ銀河が合計6つ見つかったといいます


80億年以上前の6つの銀河
【▲ 棒状構造が見つかった80億年以上前の6つの銀河。論文のプレプリントから(Credit: Guo et al.)】

渦巻銀河の棒状構造は、星の材料となるガスを銀河の中心領域に運び込むことで、銀河の進化に重要な役割を担ったと考えられています。研究に参加したテキサス大学オースティン校のShardha Jogee教授は、棒状構造の働きをサプライチェーンに例えて説明しています。

「製品の原料を港から内陸の工場へと運ぶように、棒状構造は銀河の中心領域へと強力にガスを輸送します。中心領域では銀河の他の部分と比べて10倍から100倍のペースでガスが新たな星へと変換されているのです」(Jogeeさん)

初期宇宙の銀河における棒状構造の発見という今回の成果についてJogeeさんは、初期の時代に銀河の星形成を加速させた新たな経路が銀河の進化モデルに追加されたことを意味すると指摘。研究チームは棒状構造の存在量を正しく予測するために今後も分析を続けるということです


Image Credit: NASA/CEERS/University of Texas at Austin, Guo et al

2023-01-09
soraeより

成長をやめた銀河、銀河団内に偏って分布

Posted by moonrainbow on 11.2023 銀河   0 comments   0 trackback
成長をやめた銀河、銀河団内に偏って分布

銀河団の一例
銀河団の例
今回の研究に用いた銀河団の一例。(青い円)河団に所属する銀河のうち、星形成を続けて成長している銀河、(オレンジの円)星形成をやめた銀河。右上は銀河団中心部の拡大図。中心銀河の長軸方向を延長したピンク色の領域では、成長をやめた銀河の割合が他の方向よりも高く、長軸方向に垂直な水色の領域ではわずかながら少ない(提供:東京大学、以下同)


70億年前から現在までの銀河団を調べた結果、星形成が止まった銀河は特定方向にわずかながら多く分布していて、その方向は銀河団の中心銀河の向きとそろっていることが明らかになった

星の大集団である銀河には、今でも星を作って成長しているものもあれば、そうした星形成活動が止まってしまったものもある。興味深いことに、単独で存在する銀河の多くは星形成を続けているが、銀河団に属する銀河では止まっていることが多い。

銀河団は銀河が数百から数千個集まった集団で、銀河と銀河の間は銀河団ガスと呼ばれる数千万度から数億度の高温ガスで満たされている。そのため、近くの銀河の重力や銀河団ガスの風圧が、星の材料となるガスを銀河からはぎ取り、星形成が止まるのだと考えられる。従来の研究では、こうした作用は銀河団のどの方向でも同じように働くとされていた。銀河団の中心から見れば、あらゆる方向で銀河の性質は同じであるという前提があったからだ。

ところが、近年では星形成の止まった銀河が特定方向に集中している可能性が指摘されている。一般に銀河団の中心には一際大きな楕円銀河が存在しているが、その楕円の長軸を延長した方向では、成長をやめた銀河の割合が他の方向よりもわずかながら多いというのだ。ただ、こうした研究は比較的私たちに近い、最近の時代の銀河団ばかりを対象にしているか、ごく少数の銀河団をサンプルとしたものだった。

東京大学の安藤誠さんたちの研究チームは、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ「ハイパー・シュプリーム・カム」が撮影した5000個以上の銀河団を統計的に調べた。対象としたのは、現在から70億年前に至るまでの幅広い年代の銀河団だ。調査の結果、銀河団の中心銀河とそろった方向で成長をやめた銀河の割合が多くなる傾向は、あらゆる年代で起こっている普遍的なものだと判明した。

成長をやめた銀河が特定の方向に偏っているのはなぜだろうか。銀河の数や質量自体が特定方向に分布しているとは考えにくく、銀河団の外から特定方向に沿って銀河が入ってくるという可能性も低いことがわかった。鍵を握るのは、銀河団の中心銀河かもしれない。

ほとんどの銀河の中心核には、超大質量ブラックホールが存在する。銀河団の中心銀河の場合、その質量は一際大きいと考えられる。超大質量ブラックホールは周囲の物質を飲み込む過程でエネルギーの一部を放出するが、中心銀河の中心核は銀河団ガスを吹き飛ばすほどの活動を示しうる。このことは、シミュレーションを用いた先行研究で示されていた。

超大質量ブラックホールからは、銀河の長軸に垂直な方向へエネルギーと物質が放出される。つまり、中心銀河の長軸に垂直な方向で銀河団ガスが吹き飛ばされるので、星形成を抑制する要因が減り、結果として成長をやめる銀河の割合が少なくなるというわけだ


成長をやめた銀河
成長をやめた銀河の偏り
今回の研究で検出された成長をやめた銀河の偏り(左)とそのイメージ図(右)。左図は約60億年前の宇宙での解析結果で、成長をやめた銀河の割合を中心銀河の長軸方向に対する角度ごとに示している。白丸が実測値、黒色の太線は分布傾向を表す。中心銀河の長軸にそろった方向(ピンク)では、中心銀河の長軸に垂直な方向(水色)と比べて、成長をやめた銀河の割合が高くなっている

「すばる望遠鏡の大規模で高品質な観測データのおかげで、銀河団の中で銀河の成長を止めるメカニズムの新たな一面とその普遍性が明らかになりました。しかしその直接的な証拠となるブラックホールの活動性や、銀河団ガスの偏在を検出したわけではありません。これらは今後X線や電波の観測によって明らかになると期待されます。今回検出された、成長をやめた銀河の偏りの原因を解明することで、銀河団における銀河の成長史に迫ることができると思います」(安藤さん)

2023年1月5日
AstroArtsより

赤い渦巻銀河RS13、RS14

Posted by moonrainbow on 14.2022 銀河   0 comments   0 trackback
JWSTの画像に写っていた「赤い渦巻銀河」

銀河団SMACS 0723
SMACS 0723
JWSTが撮影した、とびうお座の銀河団SMACS 0723。今回の研究対象となった2つの赤い渦巻銀河はともにこの画像の右上に写っている(提供:NASA, ESA, CSA, STScI)

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の成果として最初に公開された銀河団の画像から、渦巻銀河でありながら初期宇宙に存在していて色が「赤い」という、珍しい特徴を持つ銀河が見つかった

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の初成果として7月に発表された銀河団「SMACS 0723」の画像には、はるか遠方に位置する無数の銀河が精細にとらえられていて、大いに話題を集めている。早稲田大学理工学術院総合研究所の札本佳伸さんたちの研究チームは、その中に特異な「赤い渦巻銀河」が写っていることに注目した。

天の川銀河のように渦巻き状の腕を持つ「渦巻銀河」は、もっぱら近距離の、言い換えれば「最近の時代の」宇宙で見つかっている。ハッブル宇宙望遠鏡(HST)などによる従来の観測では、80億年以上前の初期宇宙には不規則な形状の銀河が多く、渦巻銀河はほとんど発見されていない。このことから、渦巻銀河の形が整うには宇宙誕生から比較的最近までの長い時間が必要なのではないかと考えられてきた。

また、すばる望遠鏡による大規模な探査によれば、現在の宇宙に存在する渦巻銀河の98%では活発に星が形成されている。そのため、渦巻銀河は生まれたての星の青い光で彩られがちだ。

札本さんたちが見つけた渦巻銀河は初期宇宙にあり、しかも赤い光を発している点で、従来の知見と大きく異なる。これらの銀河はHSTやNASAの赤外線天文衛星「スピッツァー」の観測で検出はされていたものの、形状や性質までは知られていなかった。スピッツァーの10倍の空間分解能と50倍の感度を持つJWSTの性能によって初めて渦巻きがとらえられたのだ


RS13(左)とRS14
赤い渦巻銀河RS13、RS14
渦巻銀河の中でも特に赤かったRS13(左)とRS14(右)。上が赤外線天文衛星スピッツァーが撮影した単波長の画像で、下はJWSTがはるかに高い解像度で撮影した多波長擬似カラー画像(提供:早稲田大学リリース)

「赤い渦巻銀河」は全部で21個見つかった。JWSTは赤外線をとらえるため、私たちの目に赤く見えているのは可視化するための擬似色だ。しかし他の銀河と比べると、これらの銀河は間違いなく波長が長い、つまり「赤い」傾向にある。遠方の天体から届く光は宇宙膨張の影響を受け、波長が長くなるため赤くなるが、その効果を考慮しても、これらの渦巻銀河は私たちが知るものより赤かった。

研究チームは、渦巻銀河の中で特に赤かった「RS13」「RS14」の2つを分析した。いずれも80億年から100億年前の初期宇宙に存在する銀河であり、RS14では星形成が行われておらず、年老いた星の光で赤くなっていることが確認された。

このように年老いた渦巻銀河は現在の宇宙では極めて珍しいものの、JWSTが最初に公開した深宇宙の画像で早速見つかっている。つまり、過去の宇宙では年老いた銀河はこれまで考えられてきたよりも多く存在するかもしれない。そうした銀河はどのように作られたのか。研究チームは、今後も赤い渦巻銀河の研究を進めていくことでいまだ謎多き銀河の成り立ちについて新たな知見を加えられると考えている


2022年12月9
AstroArtsより

NGC 5548

Posted by moonrainbow on 13.2022 銀河   0 comments   0 trackback
観測と合うだけでは不十分、活動銀河核のモデル

研究チームのモデルの概略図
研究チームのモデルの概略図。超大質量ブラックホールを取り巻くコロナからX線が放射され(青線P)、視線上の複数の吸収体により吸収を受けたX線が観測される。鍵となるのは粒状のガス塊が集まった層で、それぞれの粒は熱い外層(W1)と冷たい中心部(W2)からなる(提供:Midooka et al., 2022, Fig.3を改変)

NGC 5548の活動銀河核が発するX線の変化は、従来は複雑なモデルで説明されていたが、パラメーターの間に不自然な相関があった。これを解消するシンプルなモデルが提唱されている

銀河の中心に潜む超大質量ブラックホールへ物質が流れ込むと莫大なエネルギーが生じ、明るく輝く銀河中心核となる。このとき、ブラックホールの周辺には回転しながら落下する物質が形成する降着円盤と、高温で薄いガスからなるコロナが形成される。これらはとりわけX線で強く輝くが、一方でそのX線を遮ってしまう「吸収体」もブラックホール周辺に存在することがわかってきた。

ブラックホールのコロナや吸収体がどのような構造や状態であるかについては、様々なモデルが提唱されている。そして基本的にはどのモデルを使ってシミュレーションを行っても、観測されている活動銀河核のX線スペクトルを再現できてしまう。つまり、適切なモデルを選ぶには、単に観測と合っているかどうか以外の切り口が必要となる。

東京大学の御堂岡拓哉さんたちの研究チームは、うしかい座の方向約2億5000万光年の距離に位置するNGC 5548の活動銀河核に注目した。この活動銀河核では複雑で時間変動するX線吸収が生じており、その仕組みを解明すべく複数の天文衛星などによる観測キャンペーンも行われている。しかし、その観測結果に合うように先行研究で作られたモデルには問題があった。

先行研究では、異なる性質を持つ2層の吸収体などからなり、変化するパラメーターが9つもある複雑なモデルでX線スペクトルの変動を説明した。これらのパラメーターのうち、ブラックホールコロナが発するX線スペクトルの形状を表す「光子指数」と、吸収体の片方の層によるX線の吸収率の間に相関関係が見つかっている。だが、中心付近のコロナがとそこから離れた吸収体の間に、これらのパラメーターを連動させるような物理的なつながりはないはずだ。

御堂岡さんたちは、不必要に多くのパラメーターを設定したことで連動しないはずのパラメーターが相関してしまったのだと考え、よりシンプルなモデルを構築した。

研究チームは、熱い外層と冷たい中心部という二重構造を持つガスの塊がいくつも集まってX線を吸収していると想定した。このモデルではわずか3つの要素を変えるだけで、16年間におよぶNGC 5548のX線スペクトルの変化を説明できるという。先行研究のようにパラメーターが不自然な相関を示すこともなかった。

こうして、「観測とモデルが一致しているか」だけを見るのではなく、パラメーターの正当性を吟味することにより、超大質量ブラックホール近傍のより現実的な物理モデルが構築された。今後はJAXAが2023年に打ち上げを予定しているX線天文衛星「XRISM」の観測によって、モデルがさらに改良できると期待されている


2022年10月3日
AstroArtsより

大小マゼラン雲

Posted by moonrainbow on 09.2022 銀河   0 comments   0 trackback
大小マゼラン雲を包み、星の材料を守るシールドを発見

今回の研究手法の概念図
今回の研究手法の概念図。大小マゼラン雲の背後に存在するクエーサー(右下)の光が太陽系(中央上)の私たちに届くまでの間に、特定の波長の紫外線がマゼラン雲の銀河コロナに吸収される。天の川銀河にもコロナがあるが、マゼラン雲のコロナは大小マゼラン雲に近い部分ほど紫外線を多く吸収するので、存在が確認できる(提供:STScI, Leah Hustak)

天の川銀河の衛星銀河である大小マゼラン雲の周りに、銀河コロナと呼ばれる高温ガスが見つかった。この構造が星の材料の流出を防ぐおかげで、大小マゼラン雲では今も星形成が続いているようだ

大マゼラン雲と小マゼラン雲はどちらも、かつては小さな棒渦巻銀河だったと考えられるが、現在では天の川銀河に引き込まれて形が大きく崩れ、両銀河が通った後にはガスの尾が残されている。このような過去を経た大小マゼラン雲では星の材料となるガスが流出していてもおかしくないが、どちらの銀河でも活発な星形成が続いていて、天文学者たちは頭をひねっている。

米・コロラド大学のDhanesh Krishnaraoさんたちの研究チームは、大小マゼラン雲をまゆのように包む高温のガスが存在し、これが星の材料を保持していることを突き止めた。ガスは直接観測できないほど薄いが、特定の波長を吸収する性質があり、奥の天体からの光を観測することで発見できた。

今回見つかったような、銀河を包むプラズマ化した高温のガスは「銀河コロナ」と呼ばれ、天の川銀河でも見つかっている。その成因については、何十億年も前にガスが集まって銀河を形成したときの残りだという説がある。質量が小さい矮小銀河でも銀河コロナが検出されているので、大小マゼラン雲にも存在する可能性は以前から指摘されていた。

Krishnaraoさんたちは、NASAのハッブル宇宙望遠鏡と遠紫外線分光衛星「FUSE」の観測データから28個のクエーサーの紫外線スペクトルを調べた。選ばれたクエーサーは見かけ上大小マゼラン雲の近くにあるが、実際にははるか遠方にある天体だ。その光が私たちへ届くまでの間に、プラズマ化している炭素、酸素、ケイ素などに特定の波長が吸収されていることが紫外線スペクトルからわかった。なおかつ、大マゼラン雲に見かけ上近いほど吸収量は多く、それだけプラズマが濃いことも判明した。このことから、大小マゼラン雲を中心とした高温ガスのコロナが実在すると研究チームは結論づけている。

しかし、「コロナのガスはあまりに薄く、そこにないも同然です」(Krishnaraoさん)。それだけ薄いガスが、どうして大小マゼラン雲を守るシールドとなれるのだろうか。

「何かが銀河に入り込もうとするなら、最初にこの物質(銀河コロナ)を通過しなければいけないので、それが衝撃を吸収する役目を果たすわけです。また、コロナは最初に引きずり出される物質でもあります。コロナのごく一部を代償にすることで、銀河の内部で星の材料となるガスは守られるのです」(Krishnaraoさん)


2022年10月4日
AstroArtsより
 

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