銀河「NGC 2903」の「薄いガス」と「濃いガス」

Posted by moonrainbow on 12.2017 銀河   0 comments   0 trackback
銀河の「薄いガス」と「濃いガス」の同時観測に初成功

ガスの分布
NGC 2903。(左)赤外線天文衛星「スピッツァー」が撮影した波長8μmでの赤外線画像、(中央)45m電波望遠鏡とFOREST受信機で観測した薄いガスの分布、(右)濃いガスの分布(提供:国立天文台野辺山)

銀河全体に広く分布する「薄いガス」と、新たに誕生する星のもととなる「濃いガス」が世界で初めて同時に観測されました。それぞれのガスが銀河のどこにどれだけ分布しているかという情報は、新たに誕生する星の数がどのように決定されるのかを解明するうえで重要な手がかりとなります

一般的な銀河は主に、星、その材料となるガス、大きさが1μm以下の塵、という3つの成分からできています。銀河でどのように星が生まれ、物質が循環し、長い時間をかけ進化していくかを解き明かすためには、星・ガス・塵の3成分がどこに、どれだけ存在しているかを知ることが不可欠です

このうち、星については可視光線や近赤外線の観測画像、塵については遠赤外線の観測画像が、数多くの銀河で得られています。しかし、ガスに対応する電波の観測画像は数十個の銀河にとどまっており、銀河内部のガスに関する情報は乏しい状態です。とくに、銀河全体にわたって広がる「薄い(密度の低い)ガス」から、新たに誕生する星の直接的なもととなる「濃い(密度の高い)ガス」の塊を作る「高密度ガス形成」が、銀河のどのような場所でどれくらいの規模で起こっているのかということが、まだあまりわかっていないのです

大阪府立大学の村岡和幸さんたちの研究チームは、野辺山45m電波望遠鏡に搭載された受信機「FOREST」を用いて、地球から2700万光年離れたしし座の銀河NGC 2903を観測しました。FORESTは薄いガスと濃いガスを高感度で同時に観測でき、銀河の高精細なガス画像を効率よく得られます。そして、わずか14時間(従来の7分の1程度の時間)の観測で、NGC 2903全体の薄いガスと濃いガスの分布を描き出すことに成功しました

銀河の全体的な構造を示した赤外線画像と比較すると、薄いガスが銀河全体にわたって広がっていること、濃いガスは中心部や棒構造、渦巻腕など、銀河の中でもごく限られた場所に集中していることがわかります。こうしたガスの分布の情報をもとに、ガスの濃さ(密度)を推定したところ、銀河の中心部で最も密度が高く、次いで渦巻腕が高いこと、棒構造で最も低くなっていることがわかったのです

さらに、ガスの濃さを、可視光線と赤外線の明るさを元にして計算した「星の生まれやすさ」と比較したところ、ガスが濃い場所ほど星が生まれやすいということがわかりました。銀河の中で星が生まれやすい場所を見つけ出すためには、ガスの濃さを調べることがきわめて重要である、ということを示す結果です

本研究では、銀河の中心部だけでなく棒構造や渦巻腕など銀河円盤の一般的な構造に対してガスの濃さを推定でき、同じ銀河中の異なる場所で比べてもガスの濃さが星の生まれやすさと深く関わっていることが初めて明らかにされました。研究チームでは他の銀河のガス画像も順次得ており、今回の成果が他の銀河でも当てはまるかどうかの確認などの研究を進めていきます

2017年3月6日
Astro Artsより

約100億光年彼方にある星形成時期の銀河の姿

Posted by moonrainbow on 06.2017 銀河   0 comments   0 trackback
初めて見る現在の星の大多数が生まれた現場

約100億光年彼方の星形成銀河
VLA(電波)とHST(可視光線)の観測データを合成した、ハッブル・ウルトラディープフィールド内にある約100億光年彼方の星形成銀河(提供:K. Trisupatsilp, NRAO/AUI/NSF, NASA)

二つの電波望遠鏡が約100億光年彼方の銀河を観測し、星形成が非常に盛んだった時期の星形成現場である銀河の姿を初めて精細にとらえました

約100億年前の時代は宇宙の歴史の中において星形成が非常に盛んだった時期で、現在の宇宙に存在するほとんどの星はこの頃に生まれたと考えられています。しかし、そのころの銀河は星形成が活発なため塵が多く存在しており、可視光線で星形成の現場を詳しく観測することは困難です。塵を見通した観測には電波望遠鏡が適しています

カブリIPMUのWiphu Rujopakamさんたちの研究チームは、米・ニューメキシコ州のカール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡(VLA)と南米チリのアルマ望遠鏡を用いて、この時代の銀河を電波観測しました。観測対象としては、2003年から2004年にかけてハッブル宇宙望遠鏡(HST)が撮影した天空の一領域「ハッブル・ウルトラディープフィールド」に含まれる、約100億光年彼方の銀河11個が選ばれました

観測から、アルマ望遠鏡では星形成に必要な冷たいガスの分布が明らかにされ、VLAでは星形成が起こっている場所がとらえられました。どの銀河でも星形成が広い領域で活発に行われており、その活発さは現在の普通の銀河の20倍にもなります。現在の宇宙では銀河の合体が起こっている場所など限られた領域で星形成が盛んであることとは異なる状況です

今後より多くの銀河の星形成現場を精細に観測することで、当時の銀河における星形成のメカニズムや、現在の銀河との違いに迫り、銀河進化の歴史の解明が進んでいくことが期待されます。.

2017年2月20日
Astro Artsより

暗黒矮小銀河の微弱な光

Posted by moonrainbow on 03.2017 銀河   0 comments   0 trackback
世界初、アルマが暗黒矮小銀河の微弱な光を検出

重力レンズ効果による光路の曲がり
重力レンズ効果による光路の曲がり。単一の光源が手前の銀河により4つのレンズ像に分裂して見える(提供:近畿大学、以下同)

暗黒矮小銀河からの微弱な光と考えられるシグナルをアルマ望遠鏡が世界で初めて検出しました。謎に包まれた暗黒矮小銀河の正体を解明する手がかりになると期待されています

天の川銀河の約1000分の1以下の質量しかない「矮小銀河」は、理論上は宇宙に多く存在していると考えられていますが、観測されている数は予測よりもずっと少ないのです。その理由の一つとして、宇宙にはほとんど光って見えない「暗黒矮小銀河」がたくさん潜んでいるのではないかと推測されています

暗黒矮小銀河の正体を解明するには、銀河からの微弱な光を直接とらえたり、「重力レンズ効果」を利用して銀河の質量を測定したりする必要があります。重力レンズ効果とは天体の重力によって光が曲げられる現象で、光の曲がり具合などを観測することによってレンズとなる天体の存在やその質量を知ることができます

近畿大学の井上開輝さん、東京大学の峰崎岳夫さんたちの研究グループは、地球から114億光年離れたおうし座方向の重力レンズ天体「MG 0414+0534」をアルマ望遠鏡で観測しました。「MG 0414+0534」は、単一の光源が手前の銀河の重力レンズ効果によって4つのレンズ像として見えている天体です

この4つのレンズ像には理論予測と異なる明るさの違いがあり、大きな質量を持つ銀河による重力レンズ効果だけでは明るさの比を説明できないため、暗黒矮小銀河も小さなレンズとして働いているだろうと考えられてきました

観測の結果、1つのレンズ像のすぐそばで、冷たい塵(小さな岩や氷の粒)によるものと考えられる微弱な電波を検出しました。その方向の、地球から約60~80億光年先のところに暗黒矮小銀河があると仮定すると、レンズ像の明るさの比や、可視光線で観測されているレンズ像の減光を説明できることがわかったのです

アルマ望遠鏡によるMG 0414_0534のサブミリ波画像
アルマ望遠鏡によるMG 0414+0534のサブミリ波画像。赤い円内が、暗黒矮小銀河由来と考えられる光

これらのことから、微弱な電波の起源は暗黒矮小銀河であると考えられます

今後はより高い解像度で観測を行い、重力レンズ像のわずかな歪みから暗黒矮小銀河までの距離や質量分布などを測定し、その正体の解明に向けた研究をさらに進めていくそうです

2017年2月13日
AstroArtsより

最終的に合体する7つの矮小銀河の集団

Posted by moonrainbow on 03.2017 銀河   0 comments   0 trackback
大銀河の材料となる矮小銀河の群れ

矮小銀河群の例
SDSSの画像から発見された、矮小銀河群の例(提供:Sloan Digital Sky Survey)

SDSSのデータなどから、矮小銀河の集団が7つ発見されました。こうした小銀河が衝突合体して大きい銀河が形成されると考えられており、その観測的な証拠となります

矮小銀河は、星やガスが天の川銀河の100分の1~1000分の1しかない小さな銀河です。こうした小さい銀河が衝突や合体を繰り返して大きい銀河へと成長していくと考えられていますが、矮小銀河が合体しつつあるような銀河の集団はこれまで見つかっていなかったのです

アメリカ国立電波天文台のSabrina Stierwaltさんたちの研究チームは、スローン・デジタル・スカイ・サーベイ(SDSS)のデータや様々な光学望遠鏡の観測データを分析し、矮小銀河からなる銀河の集団を7つ発見しました。各集団で銀河同士は重力的に結びついており、最終的にはそれぞれ合体して1つの大きな銀河になると考えられます

StierwaltさんたちはまずSDSSのデータをくまなく調べ、相互作用している矮小銀河のペアを探しました。次に、これらのペアのうちで、より大きな銀河集団の一部と思われるものを探し出し、チリのマゼラン望遠鏡と米・ハワイのジェミニ望遠鏡を使って銀河の距離を調べました。そして、矮小銀河が見かけ上同じ方向にあるのではなく、実際にほぼ等距離にあり重力的に結びついていることを確かめたのです

今回の成果は、現在の宇宙に見られる天の川銀河のような成熟した銀河が、より小さな銀河同士が数十億年前に合体して形成されたとする説の、観測的な証拠となります。

「大きな銀河ができるには、多くの小銀河が集まならなくてはなりません。私たちは初めて、そのプロセスの第一歩であるサンプルを見つけました。この発見が将来の矮小銀河群の研究を可能にし、天の川銀河のような大銀河の形成に関する見識が得られることを願っています」(Stierwaltさん)。大銀河の材料となる、矮小銀河の群れ

SDSSのデータなどから、矮小銀河の集団が7つ発見された。こうした小銀河が衝突合体して大きい銀河が形成されると考えられており、その観測的な証拠となります

2017年1月24日
Astro Artsより

銀河「IRAS 16399-0937」

Posted by moonrainbow on 14.2017 銀河   0 comments   0 trackback
強力なメガメーザー銀河「IRAS 16399-0937」 

銀河「IRAS 16399-0937」
 
稼働年月が26年をこえ、まだまだ元気に稼働し続けるNASAのハッブル宇宙望遠鏡。そのハッブルから、あらたに強力なマイクロ波を放つメガメーザー銀河「IRAS 16399-0937」の画像が届けられました
 
メガメーザーとは強力なエネルギー(今回はマイクロ波)の放出過程のことで、その明るさは銀河系で発見される通常のメーザーの1億倍にも達します。また、今回ハッブルの掃天用高性能カメラ(ACS)と近赤外カメラ及び多天体分光器(NICMOS)によって観測されたIRAS 16399-0937は地球から約3億7000万光年先に存在し、2つの銀河核によって形成されています
 
2つの銀河核は、北の「IRAS-16399N」と南の「IRAS-16399S」と名付けられています。そして南のIRAS-16399Sからは急速なスピードで星が誕生し、北のIRAS-16399Nには太陽質量の100倍近いブラックホールが存在するのです。2つの銀河核は1万1000光年も離れており、周囲のガスやチリと影響しあって上のような美しい天体を作り出しています
 
現在稼働しているハッブル宇宙望遠鏡は5年の稼働期間の延長が発表され、さらに後継となるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡も2018年頃に打ち上げられます
 
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, Acknowledgement: Judy Schmidt (geckzilla)

2017/01/01
Soraeより
 

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