「偏った円盤」状のメカニズム

Posted by moonrainbow on 16.2018 銀河   0 comments   0 trackback
大食いの銀河中心ブラックホールは偏った円盤の影響かもしれない

アンドロメダ座大銀河M31
偏った中心核円盤を持つ銀河の一つ、アンドロメダ座大銀河M31(提供:投稿画像ギャラリーより。シマッチさん撮影)

アンドロメダ座大銀河などの中心核に存在する「偏った円盤」状の星団が壊れずに長期間存在できるメカニズムが初めて明らかになりました。1年に1個という高頻度で星を飲み込む中心ブラックホールがあるのは、こうした円盤の影響による可能性も示唆されています

超大質量ブラックホールが存在する銀河中心部には、重力の作用によってブラックホールを取り巻くように星団が形成されます。こうした星団の形は重力の影響で球対称になるはずですが、アンドロメダ座大銀河(M31)などいくつかの銀河では中心が偏った円盤状の星団が観測されています。「偏った中心核円盤」はガスの豊富な銀河同士が合体した直後に作られると考えられていますが、形成された円盤が長期間にわたって安定的に存在できる仕組みは謎でした

偏った円盤の中では個々の星が楕円軌道を描いて超大質量ブラックホールの周りを回っていますが、この楕円軌道自体も時間とともに長軸の向きが回転(歳差運動)していきます。そのため、星と星の軌道同士がほとんど重なり合って相互作用を引き起こす場合がしばしばあります。米・コロラド大学ボルダー校のAnn-Marie Madiganさんたちの研究チームは、たくさんの楕円軌道がそれぞれ異なる周期で歳差運動をしていたとしても、円盤本体が軌道に及ぼす重力によって、最終的にはすべての軌道が同じ向きに揃って歳差運動をするようになることを初めて示しました。このメカニズムによって、偏った円盤は長期間にわたって壊されずに維持されると考えられます

こうした軌道同士の相互作用によってある軌道が非常に細長い楕円にまでつぶれると、楕円軌道の近点がブラックホールにきわめて近い位置まで近づくことになります。「ついには星はブラックホールに限界まで接近し、バラバラにされてしまいます」(Madiganさん)

「私たちの研究によると、銀河同士の合体後に『偏った中心核円盤』が作られた場合、超大質量ブラックホールは1年に1個の割合で星を飲み込むと予測されます。これは過去の推定よりも1万倍も高い頻度です」(コロラド大学ボルダー校 Heather Wernkeさん)

これまでの観測で、中心に超大質量ブラックホールを持つ銀河の中には、星がブラックホールに飲み込まれる頻度が他の銀河に比べてかなり高いものがあるという証拠が得られています。今回の研究はこうした観測例を強く支持するもので、「偏った中心核円盤」を持つ銀河は当初考えられていたよりもありふれた存在かもしれないことを示唆しています。今後さらに研究が進むと、銀河の合体や宇宙の進化をより深く理解することにつながるかもしれないのです

「M31の場合、銀河の合体が起こったのはかなり遠い昔なので、偏った円盤によってブラックホールへの星の吸収が進むという過程はすでにピークを過ぎているようです。今後、より分解能の高い観測データが得られるようになれば、もっと遠くの銀河の中心核で、M31のものより若い時期の円盤を発見できるかもしれません」(Madiganさん)

2018年2月8日
AstroArtsより

銀河「3C 298」

Posted by moonrainbow on 08.2018 銀河   0 comments   0 trackback
銀河スケールで影響を及ぼすクエーサーからの風

銀河「3C 298」
銀河「3C 298」
ケック天文台(緑、青)とアルマ望遠鏡(赤、オレンジ)で観測した銀河「3C 298」。(緑)クエーサーが放つ強い光で照らし出されている銀河内の高エネルギーガス、(青)銀河内を吹き抜ける強力な風、(赤・オレンジ)冷たい分子ガス。スケールバーは3万光年に相当する(提供:A. VAYNER AND TEAM)

銀河中心に存在するクエーサーからの強力な風が銀河全体に吹き抜け、銀河の星形成に影響を及ぼす様子が、ケック望遠鏡とアルマ望遠鏡による観測で調べられました

銀河中心に位置する超大質量ブラックホールは銀河内の星形成に影響を及ぼしているようだと考えられてきましたがが、それがどのように起こるのかについては、はっきりとしていません

米・カリフォルニア大学サンディエゴ校のShelley Wrightさん、Andrey Vaynerさんたちの研究チームは、地球から93億光年彼方に位置するおとめ座の銀河「3C 298」を観測し、銀河中心に存在する活動が活発な超大質量ブラックホールであるクエーサーによって生成されている強力な風を取り巻く環境を調べました

ケック天文台の赤外撮像分光器「OSIRIS」と高度な補償光学システム、およびアルマ望遠鏡を用いた観測の結果、クエーサーによって生成される強力な風は銀河全体を吹き抜けて星の成長に影響を及ぼしていることが明らかになりました。「中心の超大質量ブラックホールがこれほど遠い距離で作られる星にまで影響を及ぼせるとは驚きです」(Wrightさん)

私たちから近い現在の宇宙では、銀河の質量と銀河中心の超大質量ブラックホールの質量には強い相関があることが知られていますが、Wrightさんたちの研究により、遠方宇宙(初期の宇宙)に存在する3C 298と中心のブラックホールの間にはそのような関係がないことが示されました。3C 298の質量は、近傍宇宙と同様の関係が成り立つと考えた場合に中心のブラックホールの質量から想定される質量の100分の1しかなのです。このことは、ブラックホールの質量が銀河よりずっと以前に確立され、活動的なクエーサーのエネルギーが銀河の成長を制御できる可能性を示唆しています

「この銀河の研究で最も楽しかったのは、異なる波長と異なる技術を使って得られた全てのデータを合わせることでした。それぞれ最新のデータから謎を解くためのピースの一部をつなぎ合わせることができましたが、同時に銀河の本質とブラックホールの形成に関する新たな謎も生まれました」(Wrightさん)

2017年12月27日
AstroArtsより

銀河は回転が速いものほど平らで円盤が円くなる

Posted by moonrainbow on 24.2017 銀河   0 comments   0 trackback
回転が速い銀河は平らで円い

おとめ座の巨大楕円銀河「M60」(中央)と小さな渦巻銀河「NGC 4647」
楕円銀河「M60」と渦巻銀河「NGC 4647」。おとめ座の巨大楕円銀河「M60」(中央)と小さな渦巻銀河「NGC 4647」(右上)(提供:NASA, ESA, and the Hubble Heritage (STScI/AURA)-ESA/Hubble Collaboration)

845個の銀河について回転速度と形の関係を調べた観測研究から、回転が速いものほど平らで円盤が円くなることが初めて明らかにされました

銀河の形は銀河同士の合体といった過去の現象の結果であり、その形を知ることは銀河の歴史を知ることにもつながる。その形を立体的にとらえることは、一見単純そうだが実際はなかなか厄介です

豪・シドニー大学のCaroline Fosterさんたちの研究チームはシドニー大学とオーストラリア天文台が開発した装置を使い、845個の銀河内のガスや星の動きを詳細に観測した。「銀河の持つ特性、中でも今回は回転速度に対して、銀河の形がどのように依存するのかを初めて確実に計測できました」(Fosterさん)

銀河はたとえばホットケーキやウニ、ラグビーボール、それらの中間のような形になるが、回転が速い銀河は遅いものに比べて平たくなるという結果が得られました。「また、渦巻銀河のうち、速く回転する銀河の円盤はより円い形をしていることもわかりました」(シドニー大学 Scott Croomさん)

2017年9月15日
AstroArtsより

110億光年彼方の銀河の形成

Posted by moonrainbow on 23.2017 銀河   0 comments   0 trackback
自ら形を変える110億光年彼方の銀河

110億光年彼方の銀河
アルマ望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡でとらえた110億光年彼方の銀河。アルマ望遠鏡では、銀河の中心部に活発に星が作られている場所が特定された(左)。ハッブル宇宙望遠鏡の可視光線画像(中央)と近赤外線画像(右)では、それぞれ巨大な星団と広がった銀河円盤が見えている(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), NASA/ESA Hubble Space Telescope, Tadaki et al.)

すばる、ハッブル、アルマ望遠鏡の3つの望遠鏡による観測研究から、110億光年彼方の銀河が円盤状の形をしており、その中心で銀河の形を変えるほどの激しい星形成が起こっている様子が明らかになりました。銀河の進化過程が、定説となっている衝突合体以外にも存在したことを示す重要な証拠となります

銀河の姿形はそれぞれ異なっており、円盤が目立つ「円盤型」(例:「渦巻銀河」や「棒渦巻銀河)と、中央部の星の集合体が目立つ「楕円型」(例:「楕円銀河」や「レンズ状銀河」)の2つに大きく分けられます。現在の宇宙にある巨大銀河の多くは「楕円型」に分類されますが、古い時代の銀河を観測すると大部分が「円盤型」であるため、円盤状の形をして回転していたと考えられます

およそ100年前、アメリカの天文学者エドウィン・ハッブルが天の川銀河の外側にも別の銀河が存在していることを発見してから、銀河の形態の起源を解明するための研究が続けられてきました。40年ほど前には、「円盤型の銀河同士が衝突合体し、楕円型の銀河に進化する」という「銀河の衝突合体説」が提唱され、現在の定説となっています。その一方で、現存する全ての楕円型銀河が衝突合体によって形成したのかという点については疑問とされてきました

銀河の星は100億年から110億年前に生まれたものが多く、銀河の進化の歴史上最も重要な時代であるとされています。この時代の銀河の様子を探るため、マックスプランク地球外物理学研究所・国立天文台の但木謙一さんと東北大学の児玉忠恭さんを中心とする国際チームは、110億光年彼方にある銀河を調査しました

研究では、すばる望遠鏡で発見した25個の銀河をさらにハッブル宇宙望遠鏡とアルマ望遠鏡で観測し、これらの銀河の内部構造を複数の観点から描き出しました

銀河を構成する星々が放つ近赤外線をとらえるハッブル望遠鏡の観測から、110億光年彼方の銀河は大きな円盤状の形をしており、110億年前の時点ではまだ楕円形の銀河には進化していなかったことが明らかになりました。星の材料である塵や分子ガスが放つ電波をとらえるアルマ望遠鏡の観測では、これらの銀河の中心で新たな星が爆発的に生まれている様子がわかったのです

この銀河中心で起こっている星形成活動は天の川銀河の約40倍の規模に相当すると推定され、その活動は銀河の形を変えるほど激しいものであります。つまり、銀河の合体によらず、激しい星形成活動によって円盤型から楕円型へと自らその形を変えることができたといえます

アルマ望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡で観測した110億光年彼方の銀河の想像図
アルマ望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡で観測した110億光年彼方の銀河の想像図。円盤を持つ銀河の中心部で、塵におおわれた中で活発に星が作られている。円盤部には、3つの巨大星団(ハッブル宇宙望遠鏡の可視光線画像で見えている星団に相当)が見えている(提供:国立天文台)

また超大型望遠鏡VLTによって、観測対象となった銀河が大規模な合体をする兆候が見られないことも確認されました

銀河が合体している最中ではない回転円盤を持つ銀河で、銀河の形を変えるほどの激しい星形成活動を発見した今回の研究は、従来の定説である「銀河の衝突合体説」に加え、衝突合体をしない別の進化経路があったことを示す決定的な証拠を示しました。古代の銀河がいつ、どのようにしてその形を変え、今日に至ったのか説明できたとき、銀河の進化史を解明したといえるでしょう

110億光年彼方の銀河1
円盤型の銀河から楕円型の銀河へと進化する道筋の模式図。
従来は2つの円盤型銀河が衝突合体して楕円型銀河へと進化する(上)と考えられていたが、今回の観測で円盤型銀河の中心部で激しい星形成が起こることによって楕円型へと進化する新たな道筋(下)が明らかとなった(提供:NASA, ESA, the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)-ESA/Hubble Collaboration, A. Evan, K. Noll, and J. Westphal, NAOJ)

2017年9月15日
AstroArtsより

46億光年彼方の銀河

Posted by moonrainbow on 10.2017 銀河   0 comments   0 trackback
46億光年彼方の銀河の磁場を調査

重力レンズ効果を利用した銀河の磁場計測概念図
重力レンズ効果を利用した銀河の磁場計測概念図。クエーサーからの電波AとBが重力レンズ源となった銀河の異なる領域をそれぞれ通過し、2つの重力レンズ像が現れる。(左から)遠方のクエーサー、銀河のイラスト、VLA(提供:Bill Saxton, NRAO/AUI/NSF; NASA, Hubble Heritage Team, (STScI/AURA), ESA, S. Beckwith (STScI). Additional Processing: Robert Gendler)

重力レンズ効果を利用した観測により、約46億光年彼方の銀河の磁場が調べられました。銀河の進化において磁場が果たす役割を理解するための重要な情報が得られるかもしれません

磁場は銀河内の星間空間に満ちる希薄なガスの物理に重要な役割を果たしており、磁場の起源や進化を理解することは、銀河そのものの進化に関する重要な情報を得ることにつながります

独・マックス プランク電波天文学研究所のSui Ann Maoさんたちの研究チームは、米・カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群(VLA)を用いて、しし座の方向約79億光年彼方にあるクエーサーから発せられた電波を観測しました

この電波は地球とクエーサーとの間、地球から約46億光年彼方に位置する星形成銀河の重力レンズ効果を受け、2つのシグナルとして観測されましたが、重要なのはその電波が偏光していた点です。「背景に位置するクエーサーからの電波が偏光していること、電波が重力レンズ源となった銀河の異なる2か所を通過しクエーサーが2つの像としてとらえられていること、この2つの事実を合わせると、銀河の磁場に関する重要な事実を知ることができます」(Maoさん)

ハッブル宇宙望遠鏡による重力レンズ像2つ
重力レンズ像2つと手前に位置する銀河。ハッブル宇宙望遠鏡による重力レンズ像2つ(A、B)と、レンズ源となった大質量の星形成銀河(提供:Mao et al., NASA)

重力レンズ効果を受けた2つのクエーサーの像には、電波の偏光がどのように変えられたのかを示す大きな違いが見られました。これは地球とクエーサーの間に位置する銀河内の別々の領域が、電波にそれぞれ異なる影響を及ぼしたことを示しています。「この違いから、現在の宇宙に存在する銀河と同様に、46億光年彼方の銀河にも大スケールの可干渉性磁場が存在しているということがわかります」(Maoさん)。類似性は磁場の強さと、磁力線が銀河の回転軸の周囲で螺旋状にねじれているという並び方の両方に見られます

今回の研究は、銀河の磁場がどのように形成され、宇宙の歴史の中で進化してきたのかに関する重要な情報となります。「太陽磁場の発生プロセスと同様に、回転によるダイナモ作用で銀河の磁場が発生しているという考え方を支持する結果ですが、磁場を発生させ得るプロセスは他にもあります。実際にどのプロセスが起こっているのかを特定するには、時間をもっとさかのぼった、より遠くの銀河の磁場を同じように計測する必要があります」(Maoさん)

2017年9月4日
AstroArtsより
 

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