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円盤銀河「ヴォルフェ円盤(DLA0817g)」

Posted by moonrainbow on 27.2020 銀河   0 comments   0 trackback
124億年前に整った円盤銀河が存在していた。アルマ望遠鏡の観測で判明

円盤銀河「ヴォルフェ円盤(DLA0817g)」を描いた想像図
初期宇宙の円盤銀河「ヴォルフェ円盤(DLA0817g)」を描いた想像図(Credit: NRAO/AUI/NSF, S. Dagnello)

観測技術の進歩により、これまでは理論をもとに予想するしかなかった初期宇宙の姿が少しずつ明らかになっています。今回、チリの「アルマ望遠鏡」などを使った観測によって、宇宙誕生から15億年という初期の宇宙に整った円盤銀河が存在していたとする研究成果が発表されています

■従来の予想よりも早い時点で秩序のある円盤銀河が形成されていた

Marcel Neeleman(マーセル・ニールマン)氏(マックス・プランク天文学研究所)らが今回観測したのは、かに座の方向およそ123.9億光年先にある銀河「DLA0817g」です。この銀河は2014年に亡くなった天文学者のArthur M. Wolfe氏にちなんで「Wolfe Disk(ヴォルフェ円盤)」とも呼ばれています。

研究チームがアルマ望遠鏡やアメリカの「カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群(VLA)」、それに「ハッブル」宇宙望遠鏡を使って観測したところ、ヴォルフェ円盤では天の川銀河の10倍以上のペースで星が形成されている様子が明らかになりました。また、アルマ望遠鏡の観測データをもとにヴォルフェ円盤の回転速度を割り出したところ、天の川銀河とほぼ同じ秒速およそ272kmだったことが判明したといいます。

初期の宇宙における銀河は銀河どうしの合体や高温ガスの流入などが相次ぐことで無秩序な形をしており、低温のガスが回転する円盤銀河のように秩序だった姿になるのはビッグバンから60億年ほど経ってからだと考えられてきました。ところが、ヴォルフェ円盤はビッグバンから15億年ほどしか経っていない頃すでに大きな質量を持ちつつ回転する円盤銀河として存在していたとみられており、今回の観測結果は従来の理論に対して疑問を投げかけるものになったといいます。

ひょっとするとヴォルフェ円盤は特別な銀河なのではないかという思いも浮かびますが、そうではなさそうです。2017年にNeeleman氏らは、遠方のクエーサーが発した光の一部を吸収する水素ガスの存在に気が付きました。この水素ガスに取り囲まれていたのがDLA0817g、すなわちヴォルフェ円盤です。

活動的で明るい銀河は見つけやすい反面、偏った性質を持つものばかり観測することになる可能性があります。いっぽう、ヴォルフェ円盤のように明るい天体(クエーサーなど)の光を吸収する様子をもとに銀河を探す場合、性質による偏りを避けやすくなるといいます。Neeleman氏は「整った回転を持つ天体はこれまで私たちが考えていたよりもめずらしいものではなく、初期の宇宙には同じような天体がもっとたくさん潜んでいると考えられます」とコメントしています


ヴォルフェ円盤
アルマ望遠鏡によって観測されたヴォルフェ円盤。黄色は塵、マゼンタは炭素イオンガスの分布を示す(Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), M. Neeleman; NRAO/AUI/NSF, S. Dagnello)

Image Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), M. Neeleman; NRAO/AUI/NSF, S. Dagnello

2020-05-21
Soraeより

電波銀河「PKS 2014-55」のジェット

Posted by moonrainbow on 17.2020 銀河   0 comments   0 trackback
X字形のジェットを持った電波銀河の謎に迫る

電波銀河「PKS 2014-55」
MeerKATによる電波銀河「PKS 2014-55」の観測結果。X字形に見える古い時代のジェットの要にあたる部分では、新しいジェットの噴出が始まっている(Credit: NRAO/AUI/NSF; SARAO; DES.)

一般的な銀河よりも強い電波を発している電波銀河のなかには、銀河中心核から噴出したジェットがX字形または翼の形に観測されるものがあります。ジェットがこのような形になるはっきりとした理由はこれまでわかっていませんでしたが、その仕組みが明らかになったとする研究成果が発表されています

■一部が逆流してきたジェットの流れが別の方向に曲げられていた

William Cotton氏(NRAO:アメリカ国立電波天文台)らの研究チームは、南アフリカ電波天文台(SARAO)の電波望遠鏡「MeerKAT」を使い、X字形のジェットを持つ電波銀河のひとつとして知られる「PKS 2014-55」を観測しました。PKS 2014-55は南天の「ぼうえんきょう(望遠鏡)座」の方向およそ8億光年先にあります。

合計64基の電波望遠鏡で構成されるMeerKATを使った従来よりも高い解像度での観測による結果、PKS 2014-55の銀河中心核から双方向に噴出したジェットの一部が銀河へ落下するように逆流した際、その向きが銀河に受け流されるようにして別の方向へと曲げられたことで、特徴的なX字形の構造が形作られたことが明らかになったといいます。

研究チームによる今回の観測では、PKS 2014-55の銀河中心核から新しいジェットが噴出し始めている様子が確認されており、その噴出方向が古いX字形のジェットのうち長い部分と揃っていることがわかりました。このことから、長い部分は古い時代に噴出したジェットの本体とみられています。この古いジェットの一部が銀河に向かって逆流し、流れの向きが変えられて平仮名の「し」のような形が2組できたことで、全体ではX字形に見えるようになったというわけです。

なお、X字形が形成される理由としては、これまでに「ジェットを噴出するブラックホールの自転軸の向きが変化した」「2つのブラックホールがジェットの形成に関わっている」といった超大質量ブラックホールの関与を指摘する説の他に、「銀河に落下した物質の向きが変えられた」とする説も提唱されていました。今回のCotton氏らによる研究成果は、最後の説を支持するものとなります


今回の研究成果の解説図
今回の研究成果の解説図。オレンジの点線は銀河円盤を示す。逆流したジェットの一部が向きを変えられた(左の全体図の白い矢印)ことでX字形が形成されたとみられる。また、新しいジェット(右の拡大図の中央付近)の噴出方向は古いジェットのうち長い部分と揃っている(Credit: UP; NRAO/AUI/NSF; SARAO; DES.)

Image Credit: NRAO/AUI/NSF; SARAO; DES.

2020-05-12
Soraeより48

銀河「OJ 287」のフレア

Posted by moonrainbow on 09.2020 銀河   0 comments   0 trackback
ブラックホールがもたらすフレアのタイミングを事前に予測し観測成

フレアを発生させつつ降着円盤を横切っていくブラックホール
フレアを発生させつつ降着円盤を横切っていくブラックホールを描いた想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)

かに座の方向およそ35億光年先にある銀河「OJ 287」は、約12年間で2回のフレアが発生する活動銀河核を持つことが知られています。今回、OJ 287で観測されるフレアのタイミングを従来以上の精度で予測することに成功したとする研究成果が発表されています

■地球からは見えないタイミング、予測当日にスピッツァーで観測

Seppo Laine氏(カリフォルニア工科大学赤外線画像処理・分析センター)とLankeswar Dey氏(タタ基礎研究所、インド)らの研究チームは、2019年7月31日に観測されることが予測されていたOJ 287のフレアを予測通りの日に捉えることに成功したと発表しました。OJ 287で発生するフレアは1兆個の恒星を合わせたよりも明るく、天の川銀河全体よりも明るいとされています。

フレアが観測される日は以前にDey氏らが構築したモデルによって事前に予測されていたものの、ちょうど太陽がかに座の方向に位置する時期だったため、地上の天文台や地球を周回する宇宙望遠鏡から観測することはできませんでした。そこで研究チームは、当時運用中であり、地球から2億5400万km(地球から月までの距離の600倍以上)離れたところにあったNASAの宇宙望遠鏡「スピッツァー」を観測に用いています。スピッツァーの位置からOJ 287を観測できたのは、偶然にも予測された7月31日からでした。Laine氏は「フレアのピークをスピッツァーで捉えられたのは本当に幸運でした」とコメントしています。

OJ 287の中心部には、太陽のおよそ180億倍という非常に重い超大質量ブラックホールが存在すると考えられています。これは国際プロジェクト「イベントホライズンテレスコープ(EHT)」が直接撮影に成功した「M87」の超大質量ブラックホール(質量は太陽のおよそ65億倍)の3倍近い質量です。このブラックホールの周囲には約12年周期で公転する別のブラックホールが存在するとみられており、その質量は太陽のおよそ1億5000万倍と見積もられています。

軽いほうのブラックホールは重いほうのブラックホールを取り巻く降着円盤を横切ることがあり、このときにフレアが発生すると考えられています。1回公転するあいだに降着円盤を2回横切るため、約12年間で2回のフレアが生じるというわけです。

ただ、フレアとフレアのタイミングは狭いときで1年ほど、広いときで10年ほどの間隔があり、不規則に生じているように見えます。その理由として、重いほうのブラックホールの重力がもたらす一般相対論的効果によって、軽いほうのブラックホールの軌道が花びらを描くように歳差運動する「近点移動」が関係していると考えられています。

近点移動によって軌道が少しずつずれていくことで、軽いほうのブラックホールが降着円盤を横切るタイミングも毎回変わり、一見不規則にフレアが生じているように観測されます。軌道の変化とフレアが観測されるタイミングの関係は、こちらの動画で解説されています


Timing of Black Hole Dance Revealed by NASA Spitzer Space Telescope



従来の研究でもフレアのタイミングを3週間以内の正確さで求めることができていましたが、Dey氏らはこのタイミングをより正確に算出することで、フレアが観測される日を的中することに成功しています

Image Credit: NASA/JPL-Caltech

2020-05-04
Soraeより

銀河「GSN 069」

Posted by moonrainbow on 03.2020 銀河   0 comments   0 trackback
ブラックホールに破壊されかけた星、周期的なX線放射に関係している?

超大質量ブラックホール(右)に接近する白色矮星
超大質量ブラックホール(右)に接近する白色矮星(左)を描いた想像図(Credit: X-ray: NASA/CXO/CSIC-INTA/G.Miniutti et al.; Illustration: NASA/CXC/M. Weiss)

多くの銀河では中心に質量の大きなブラックホールが存在すると考えられており、なかにはその活動にともなって強い電磁波が放射される場合もあります。今回、およそ9時間周期でX線を放つ超大質量ブラックホールとみられる天体の活動に、ブラックホールに破壊されかけた星が関係しているとする研究成果が発表されています

■潮汐破壊をまぬがれた白色矮星が9時間周期でブラックホールを周回か

2018年12月24日、欧州宇宙機関(ESA)のX線天文衛星「XMM-Newton」によって、南天の「ちょうこくしつ座」の方向およそ2億5000万光年先にある銀河「GSN 069」において、通常時の100倍も強いX線を放つ天体が観測されました。このX線源は1時間以内に通常のレベルまで弱まりましたが、およそ9時間後には再び強いX線を放つ様子が観測されています。

その後NASAのX線観測衛星「チャンドラ」を交えた追加観測により、GSN 069のX線源がほぼ9時間周期で強いX線を放っていることが明らかになりました。今回、レスター大学のAndrew King氏は、GSN 069の中心にあるとみられる超大質量ブラックホール(質量は太陽の約40万倍と推定)を白色矮星が周回しており、X線の周期的な放出に関係している可能性を指摘しています。

King氏によると、GSN 069の超大質量ブラックホールの周囲では、太陽の約2割の質量がある白色矮星が細長い楕円軌道を約9時間ごとに1周していると考えられています。この白色矮星は最接近時に「事象の地平面」の半径の15倍以下というごく近くまでブラックホールに近づくため、白色矮星を構成する物質の一部がブラックホールに奪い取られるとみられます。このときに強いX線が放射されることで、地球からは白色矮星の公転周期と同じ9時間周期のX線源として観測されているようです。

またKing氏は、超大質量ブラックホールを周回する白色矮星の正体は、かつてブラックホールに接近した赤色巨星の中心部分だった可能性が高いとしています。太陽の12倍程度の大きさがある赤色巨星がブラックホールに近づいた結果、強力な重力がもたらす潮汐力によって外層の部分は破壊されてブラックホールに飲み込まれたものの、中心部分だけが生き残ったというわけです。ブラックホールの潮汐力で破壊(潮汐破壊)されたとみられる恒星の観測例に対して、完全な破壊をまぬがれたケースはかなりめずらしい現象とされています。

なお、もしもこのような白色矮星が周回しているとすれば、ブラックホールの重力がもたらす相対論的効果によって、白色矮星が描く楕円軌道の近点(ブラックホールに最も近づく軌道上の一点)は1周するごとに約70度ずつずれていくとみられています。King氏は近点の移動による影響は地球に届くX線にも約2日間のサイクルで現れる可能性があると予想しており、長期間の観測によって検出できるかもしれないと考えています


白色矮星の軌道が変化する様子を描いた模式図
白色矮星の軌道が変化する様子を描いた模式図。1周するごとに近点が約70度ずつずれていくので、軌道を上または下から見ると約2日かけて花のような形を描くように見えると予想されている(Credit: NASA/CXC/M.Weiss)

Image Credit: X-ray: NASA/CXO/CSIC-INTA/G.Miniutti et al.; Illustration: NASA/CXC/M. Weiss

2020-04-30
Soraeより

渦巻銀河「NGC 253」

Posted by moonrainbow on 24.2020 銀河   0 comments   0 trackback
銀貨のような渦巻銀河「NGC 253」が見せるカラフルな姿

渦巻銀河「NGC 253」

この画像は非常に明るく輝く渦巻銀河「NGC 253」で、日本の「すばる望遠鏡」、ハッブル宇宙望遠鏡、ヨーロッパ南天天文台の「Very Large Telescope」「デンマーク1.54メートル望遠鏡」の4つの望遠鏡による観測データを組み合わせたものです。そのためカラフルな画像になっていますが、小さな望遠鏡で観測するとその見た目から銀貨に例えられています。NGC 253は「ちょうこくしつ座銀河」としても知られており、その名の通り南の星座「ちょうこくしつ座」付近に見ることができます

この銀河は1783年、数学者・天文学者であったカロライン・ハーシェルによって発見されました。地球からは約1,000万光年先に位置しており、差し渡しは7万光年ほどです。複数の銀河が集まったものを「銀河群」、その数が多いと「銀河団」と呼びますが、NGC 253は「ちょうこくしつ座銀河群」のメンバーで最大の銀河です。なお、私たちの銀河系も「局所銀河群」というグループに属しており、ちょうこくしつ座銀河群はもっとも近い銀河群でもあります。

NGC 253の銀河円盤に見える黒っぽい部分はダストレーン(ダストが集まっている部分)で、青白く見える若い星の集団やピンク色の星形成領域に入り混じったように見えます。ダストが多いことは星形成が活発に行われていることを示しており、そのためNGC 253は短期間に星が大量に誕生する「スターバースト銀河」に分類されます。

一方でNGC 253は高エネルギーのX線やガンマ線の強い発生源としても知られています。下の画像はNASAのX線観測衛星「チャンドラ」によるもので、銀河中心付近を拡大した画像にある赤い部分がX線を観測した領域です。白っぽく見える複数の点は強いX線源を発見しており、このX線はブラックホールの存在によるものと言われています

チャンドラによるX線画像
チャンドラによるX線画像(右上)。銀河の中心付近を観測したもの。
Credit: X-ray: NASA/SAO/CXC, Optical: ESO

NGC 253は小さな望遠鏡でも点ではなく広がった天体として観測できるからこそ銀貨のようだと例えられたのだと思いますが、すばる望遠鏡をはじめとした現代の各望遠鏡で観測すると「銀」という一色だけではなく、その波長ごとにカラフルな(一部は擬似カラーですが)姿を見せてくれることがわかります

image Credit: NAOJ: Subaru, NASA & ESA: Hubble, ESO: VLT & Danish 1.5-m;
Processing & Copyright: Robert Gendler & Roberto Colombari

2020-04-20
Soraeより
 

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