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チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星

Posted by moonrainbow on 07.2022 彗星   0 comments   0 trackback
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星が古来の酸素を放出 核内部に2つの貯留層が存在

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星
【▲チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P/Churyumov-Gerasimenko)のクローズアップ画像(Credit:ESA/Rosetta/MPS)】

欧州宇宙機関(ESA)の彗星探査機「ロゼッタ」が2015年に「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P/Churyumov-Gerasimenko)」から大量の分子状酸素を検出し、科学者を驚かせました

このたび、コーネル大学のJonathan Lunine氏とジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所のAdrienn Luspay-Kuti氏が率いる国際科学者グループが、彗星表面の氷に加えて、その核に古来の分子状酸素が貯蔵されていることを示唆する研究結果を発表しました。この発見はまた、初期の有機物や分子が、どのようにして太陽系の岩石惑星にたどり着いたかを明らかにする可能性もあります。

彗星の核の周りに広がるガス状のコマは、成分のほとんどが水や一酸化炭素、二酸化炭素であることが知られています。しかし、Lunine氏は「この彗星では、水や他の気体に比べて、分子状酸素が非常に多く測定されたことに科学者たちは驚きました」と語っています。

しかしそれは、表面からだけでなく、核の深部からの分子状酸素の放出を見ていたのです。

今回の論文では、Lunine氏は、自らの専門である化学が活かして、分子状酸素が氷の表面にどのように閉じ込められ、核からどのように出てくるのか、そのプロセスをモデル化しました。

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は太陽を周回する際、近日点の約1年前から暖まり始めます。太陽によって暖められた影響と、近日点を過ぎた後の冷却によって、分子状酸素、一酸化炭素、二酸化炭素の放出の関係が変化していることがわかりました。その相関関係の結果、酸素は彗星の表層に閉じ込められ、より多くの古い物質が彗星の内部に留まることになります。

「現実には、彗星は少なくともその形成過程においては、これほど高い酸素量を有していないのです」とLuspay-Kuti氏は語っています。しかし、彗星は上層に閉じ込められた酸素を蓄積しており、彗星が太陽に近づき十分に暖められたとき、酸素が一気に放出されるのです。

さらにLuspay-Kuti氏は「言い換えれば、彗星のコマで測定された酸素の存在量は、必ずしも彗星の核での存在量を反映しているわけではありません」と語っています。

ロゼッタの発見は科学者が最初に想像したほど奇妙ではないのかもしれません。代わりに、この彗星の内部には2つの貯留層があり、実際に存在するよりも多くの酸素があるように見えることを示唆しているというのです。Luspay-Kuti氏によれば「一種の錯覚」なのです


彗星内部の2つの貯留層
【▲チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星内部の2つの貯留層から、分子状酸素などの揮発性分子が放出されている様子を描いた図。彗星の軌道は反時計回りで示され、深い貯留層から「二酸化炭素、一酸化炭素、分子状酸素」(クリーム色の点)が絶えず放出されています。青い点は、深い貯留層から表面に向かって移動する間に水の氷に捕らえられた分子状酸素(青でH2O-O2と表示)で、浅い貯留層を形成し、表面が暖められ、彗星が十分に太陽に近づいたときにのみ中身を放出します(Credit:Johns Hopkins APL / Jon Emmerich)】

「貯留層は両方とも重要で、表層に酸素が過剰にあるように見えるという謎を解決し、実際には彗星の深部に酸素の供給源があることを明らかにしています」とLunine氏は語っています。

Lunine氏によれば、彗星が地球上の有機物や水の起源に貢献したという証拠があるとのこと。そして「わたしたちの住む岩石質の惑星が、どのようにして有機物を豊富に含む気体を得たのかがわかれば、わたしたちの惑星がどのようにして居住可能になったのか、また、他の星の惑星系でどのようなことが起こっているのかがわかるのです」と結んでいます


Image Credit: ESA/Rosetta/MPS、Johns Hopkins APL / Jon Emmerich

2022-03-25
Soraeより

レナード彗星がやってくる

Posted by moonrainbow on 05.2021 彗星   0 comments   0 trackback
レナード彗星がやってくる どこまで明るくなるか、年末の彗星に注目!

レナード彗星
【▲2021年11月中旬に米国で撮影されたレナード彗星(Credit: Dan Bartlett)】

まもなくレナード彗星「C/2021 A1 (Leonard)」がやってきます。

2021年1月に火星付近を通過した際に、かすかな染みのような天体として発見されましたが、その巨大な氷の玉は軌道に乗って太陽系内を進み、12月には地球と金星の近くを通過、その後2022年1月初めには太陽に最接近します。

彗星の予測は難しいとされていますが、レナード彗星はしだいに明るさを増し、12月には肉眼で見えるようになるとのこと。

冒頭の画像は2021年11月21日付けのAPOD(Astronomy Picture of the Day)に掲載されたレナード彗星の写真で、その1週間前に撮影されました。すでにグリーンのコマとダストテイルを持っています。

今回の画像は、中程度の望遠鏡で撮影した62枚の画像から構成されており、彗星を追跡するセットと背景の星を追跡するセットから成っています。

撮影場所は米国カリフォルニア州のジューンレイク(June Lake)付近、イースタンシエラ(Eastern Sierras)山脈上空の暗い空です。

彗星は12月中旬に地球の近くを通過した後、北天から南天に移動します。

昨年(2020年)夏はネオワイズ彗星「C/2020 F3 (NEOWISE)」に注目が集まりましたが、この年末はレナード彗星がどのような姿を見せてくれるか、期待したいものです


Image Credit: Dan Bartlett

2021-11-30
Soraeより

彗星「ルナーディネッリ・バーンスティン彗星(C/2014UN271)」

Posted by moonrainbow on 06.2021 彗星   0 comments   0 trackback
直径155キロの巨大な彗星が、350万年ぶりに太陽へと接近中

巨大な彗星
NOIRLab/NSF/AURA/J. da Silva

太陽系外縁部の「オールトの雲」から直径155キロと推定される巨大な彗星「ルナーディネッリ・バーンスティン彗星(C/2014UN271)」が約350万年ぶりに太陽へと接近しつつある

太陽系最外縁部の天体群「オールトの雲」から、直径155キロと推定される巨大な彗星「C/2014UN271」が約350万年ぶりに太陽へと接近しつつある。

一般的な彗星の質量に比べて1000倍重い

この彗星は、南米チリのセロ・トロロ・汎米天文台のビクターM.ブランコ望遠鏡に搭載された「ダークエネルギーカメラ(DECam)」で観測したデータをもとに、米ペンシルバニア大学の天文学者ペドロ・ベルナーディネッリ博士とゲイリー・バーンスティン教授が2021年6月に初めて発見したことから、「ベルナーディネッリ・バーンスティン彗星」と名付けられている。

ベルナーディネッリ・バーンスティン彗星は、アメリカ国立科学財団(NSF)国立光学赤外線天文学研究所(NOIRLab)の研究プロジェクト「ダークエネルギー調査(DES)」が2013年から2019年までに観測したデータから見つかった。

ベルナーディネッリ博士とバーンスティン教授がスーパーコンピュータを用いて観測データを解析した結果、この彗星が32回検出されていた。ベルナーディネッリ博士とバーンスティン教授らの研究チームは2021年9月23日、一連の研究成果をまとめた査読前論文を「arXiv」で公開している。

ベルナーディネッリ・バーンスティン彗星は、一般的な彗星の質量に比べて1000倍重く、既知の彗星で最大とされる直径100キロのサラバット彗星(C/1729P1)よりも大きい。

2031年に太陽に最も近づく
ベルナーディネッリ・バーンスティン彗星は4万400AU(天文単位:約6兆6000億キロ)の遠日点から太陽に向けて移動している。

2014年8月時点で29AU(約43.5億キロ)であった太陽との距離は、2021年5月に20.1AU(約30.15億キロ)にまで縮まった。2031年には土星の軌道のやや外側の10.97AU(約16.5億キロ)で太陽に最も近づく、近日点に到達する見込みだ。太陽からの距離が18AU(約27億キロ)となった350万年前の近日点通過よりもさらに太陽に接近する。

ベルナーディネッリ・バーンスティン彗星の継続的な観測は、太陽系の外側を取り巻いていると考えられている「オールトの雲」や太陽系の形成の解明などに役立つと期待されている


Comet Bernardinelli-Bernstein Discovered 6 Years After It Was First Imaged



2021年10月1日
ニューズウィークより

「アトラス彗星(C/2019 Y4)」

Posted by moonrainbow on 26.2021 彗星   0 comments   0 trackback
太陽最接近前に崩壊した「アトラス彗星」ハッブルの観測をもとにした研究成果が発表される

「アトラス彗星
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が2020年4月20日(左)と4月23日(右)に撮影した「アトラス彗星(C/2019 Y4)」。撮影当時の地球からの距離は約1億5000万km。分析に備えて細部を強調するため擬似的に着色されている(Credit: SCIENCE: NASA, ESA, Quanzhi Ye (UMD), IMAGE PROCESSING: Alyssa Pagan (STScI) )】

2019年12月にハワイの小惑星地球衝突最終警報システム「ATLAS」によって発見された「アトラス彗星(C/2019 Y4)」は、2020年5月に太陽へ最接近する前に肉眼でも観測できるほど明るくなる可能性があるとして注目を集めましたが、太陽最接近の2か月ほど前に彗星核が断片化した様子が観測されました。今回、メリーランド大学のQuanzhi Ye氏らの研究グループは、分裂・崩壊したアトラス彗星に関する研究結果を発表しました

■5000年前に分裂した彗星の内部に由来する可能性

アトラス彗星の軌道は、シリウスと同じくらい明るくなったとされる1844年の大彗星(C/1844 Y1)とほぼ同じだったことから、2つの彗星は過去に同じ彗星が分裂してできた断片だったのではないかと早い段階から指摘されていました。両彗星は今から約5000年前、母天体(もとになった天体)の彗星が太陽に接近した際に分裂したと考えられています。文明の黎明期を生きていた当時の人類は、母天体である彗星の見事な姿を目撃していたかもしれません。

その上で、Ye氏は疑問点を指摘します。アトラス彗星の母天体となった彗星は、太陽から0.25天文単位(地球から太陽までの距離の約4分の1)まで接近したとみられています。しかし、5000年後に太陽系の中心部へ戻ってきたアトラス彗星は、太陽まで1天文単位以上も離れているうちに分裂してしまいました。母天体の一部として一度は太陽への接近に耐えたはずのアトラス彗星は、なぜ今回は遠いところで分裂してしまったのでしょうか。

その手がかりは「ハッブル」宇宙望遠鏡の観測によって得られました。Ye氏らがアトラス彗星の分裂した彗星核の断片を観測したところ、一部の断片は分裂から数日ほどで崩壊したのに対し、別の断片は数週間程度存在していたといいます。なお、研究グループはアトラス彗星の彗星核が分裂した原因として、彗星核から噴出するガスが自転速度を加速させたために遠心力で分裂した可能性と、氷が素早く大規模に気化したことであたかも打ち上げ花火のように分裂した可能性をあげています。

断片によって「強さ」が異なっていたことから、アトラス彗星は母天体内部の不均一な氷が豊富に存在していた部分に由来すると研究グループは推測しています。母天体内部の氷は外層によって太陽の熱から保護されたため、最接近を耐え抜けたのではないかというわけです。5000年前に母天体からアトラス彗星が分裂したタイミングは、母天体が太陽へ最接近した後、太陽から1.5天文単位以上離れてからだった可能性が指摘されています。今回の成果について研究グループは、太陽の熱から氷が保護される複雑で不均一な内部構造を、直径数kmまでの彗星が持つ可能性を示すものだとしています。

Ye氏は2020年当時、分裂したアトラス彗星の観測を行った頃に「本当にエキサイティングです。断片化する彗星はたいてい暗くて見えませんし、このような規模の崩壊は10年に1度か2度しか起きないからです」と語っており、彗星核が断片化する原因に迫るチャンスが得られたことに期待を寄せていました。肉眼でも観測できる明るい彗星にはならなかったものの、アトラス彗星は研究者に新たな知見をもたらす貴重な彗星となったようです


Image Credit: SCIENCE: NASA, ESA, Quanzhi Ye (UMD), IMAGE PROCESSING: Alyssa Pagan (STScI)

2021-08-20
Soraeより

恒星間天体「ボリソフ彗星」

Posted by moonrainbow on 17.2021 彗星   0 comments   0 trackback
恒星間天体「ボリソフ彗星」に関する新たな研究成果、太陽系に似た環境で誕生した可能性

2019年10月12日に撮影した「ボリソフ彗星」
【▲「ハッブル」宇宙望遠鏡が2019年10月12日に撮影した「ボリソフ彗星」(Credit: NASA, ESA, D. Jewitt (UCLA))】

2019年8月にウクライナのGennady Borisov氏が発見し、同年12月に太陽へ再接近した「ボリソフ彗星(2I/Borisov)」は、その軌道から、太陽系の外で誕生した後に飛来した恒星間天体だと考えられています。史上初めて見つかった恒星間天体は2017年10月に発見された「オウムアムア(’Oumuamua)」ですが、その名が示すようにボリソフ彗星は彗星としての活動を示したことから、観測史上初の恒星間彗星としても知られています

エディンバラ大学のCyrielle Opitom氏をはじめ、リエージュ大学や京都産業大学などの研究者らによる国際研究グループは、ヨーロッパ南天天文台(ESO)のパラナル天文台にある「超大型望遠鏡(VLT)」の観測装置「UVES(Ultraviolet-Visual Echelle Spectrograph)」を用いて、ボリソフ彗星に対する高解像度の分光観測を2019年11月から2020年3月にかけて実施。その結果をもとに、ボリソフ彗星の組成に関する新たな研究成果を発表しました

■太陽に似た成分を持つ恒星周辺の冷たい環境で形成された可能性

分光観測とは天体のスペクトル(波長ごとの電磁波の強さ)を捉える観測手法のことで、天体に存在する原子や分子が電磁波に残した痕跡(輝線や吸収線)を検出できるため、分光観測を行うことでボリソフ彗星を構成する物質やその割合に関する情報が得られます。観測の結果、ボリソフ彗星は太陽系の彗星と同じように水分子(H2O)を主成分とする氷でできていることが判明しました。

また、研究グループはボリソフ彗星に存在する鉄(Fe)とニッケル(Ni)の成分比と、量子力学的な性質が異なる2種類のアンモニア分子(NH3)の比率(原子核スピン異性体の存在比)を測定することに世界で初めて成功したといい、このデータからも、ボリソフ彗星が太陽系の彗星と同様な環境で形成された天体であることが考えられるとしています。いっぽう、酸素のスペクトルに関するデータ(酸素禁制線の強度比)は、ボリソフ彗星に一酸化炭素(CO)が豊富に存在することを示しているといいます。一酸化炭素は揮発性が高い物質であるため、ボリソフ彗星が形成されたのは恒星から遠く離れた摂氏マイナス250度以下の冷たい環境だったことが考えられるといいます。

研究グループはこれらの観測結果もとに、ボリソフ彗星は太陽に似た成分を持つ恒星を取り囲んでいた原始惑星系円盤のうち、温度が低い外縁部で誕生した可能性を指摘しています。なお、ボリソフ彗星が太陽系と同じような環境で形成されたとする研究成果は過去にも発表されており、アーマー天文台のStefano Bagnulo氏らは「ヘール・ボップ彗星」との比較をもとに、ボリソフ彗星が初期の太陽系と比べてそれほど組成が違わない環境で形成された彗星だったと考えています。

こうした成果を得るための観測は困難を伴うものだったようです。研究グループによると、通常の彗星の観測では1秒あたり数トンの水が気体(水蒸気)として放出されるような、彗星が十分に明るくなった状況で行われるものの、ボリソフ彗星は2019年12月末の時点で1秒あたり約7キログラムしか水を放出しておらず、必要なデータを得るために暗いボリソフ彗星の観測を何度も行ったといいます。

彗星としての活動がみられたボリソフ彗星は、太陽系外で形成された天体を構成する物質に関するより詳しい情報が得られる可能性があるとして、早くから注目されていました。今後は米国科学財団(NSF)が建設したヴェラ・ルービン天文台(チリ)の「シモニー・サーベイ望遠鏡」(2023年に本格観測開始予定)などによってより多くの恒星間天体が見つかると期待されており、地上や宇宙の望遠鏡による観測だけでなく、欧州宇宙機関(ESA)が2029年の打ち上げを目指す待ち伏せ型の探査機「Comet Interceptor(コメット・インターセプター)」による恒星間天体のフライバイ探査が実現する可能性もあります。

研究を率いたOpitom氏は「他の恒星の周りで形成された彗星の氷を初めて探査し、それが太陽系の彗星の氷とよく似ていたことを確かめる機会が得られたのは、とてもエキサイティングなことです」とコメント。アンモニア分子の測定で貢献した京都産業大学・神山(こうやま)天文台の新中善晴氏は「今回、太陽系の外から来た彗星の内部の物質の一部が太陽系の彗星と似た特徴を持つことがわかりました。今後、他の恒星間彗星を観測し、太陽系以外の星がどのような環境で作られるのかを明らかにしたいと思います」とコメントしています


「ボリソフ彗星」を描いた想像図
【▲「ボリソフ彗星」を描いた想像図(Credit: NRAO/AUI/NSF, S. Dagnello)】

Image Credit: NASA, ESA, D. Jewitt (UCLA)

2021-07-05
Soraeより
 

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