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ボリソフ彗星は2019年12月8日に太陽へ最接近します

Posted by moonrainbow on 28.2019 彗星   0 comments   0 trackback
間もなく太陽に最接近する恒星間天体「ボリソフ彗星」の最新画像が公開

ケック天文台で撮影されたボリソフ彗星
ケック天文台で撮影されたボリソフ彗星(Credit: P. van Dokkum, G. Laughlin, C. Hsieh, S. Danieli/Yale University)
2019年8月に発見された、観測史上2例目となる恒星間天体「ボリソフ彗星(2I/Borisov)」。あと10日余りで太陽に最接近するボリソフ彗星の最新画像が国内外から公開されています

■ケック天文台ではボリソフ彗星の全体像を撮影

ハワイのマウナケア山にあるケック天文台からは、Pieter van Dokkum氏(イエール大学)らが同天文台の低分解能撮像分光計「LRIS」を使って11月24日(現地時間)に撮影したボリソフ彗星の全体像が公開されました。核を取り巻くコマから広がり伸びていく尾が写し出されています。

同じ縮尺の地球の画像をボリソフ彗星の隣に合成した比較画像も公開されており、彗星の核から放出されたガスや塵によって形成された尾が、地球を上回るサイズにまで広がっている様子がわかります。発表によると、現在のボリソフ彗星の尾の長さは地球の直径の14倍にあたるおよそ10万マイル(約16万km)に達しているようです


ボリソフ彗星と地球を同じ縮尺で並べた比較画像
ボリソフ彗星と地球を同じ縮尺で並べた比較画像(Credit: P. van Dokkum, G. Laughlin, C. Hsieh, S. Danieli/Yale University)

van Dokkum氏ら研究チームは、LRISによって取得された観測データを通して、ボリソフ彗星を構成する太陽系外の物質の組成を詳しく調べようとしています。なお、発見当初は10kmを上回る可能性も指摘されていたボリソフ彗星の核の大きさは、今回の発表では1マイル(約1.6km)ほどとされています

東京大学木曽観測所は夜空を移動するボリソフ彗星を動画で撮影

また、東京大学木曽観測所からは、同観測所の105cmシュミット望遠鏡に取り付けられている観測装置「Tomo-e Gozen(トモエゴゼン)」によって11月16日未明に撮影されたボリソフ彗星の動画がこちらのページで公開されています。動画は24分間の撮影データを300倍速にしたもので、星々の間を移動するボリソフ彗星が捉えられています

赤丸内がトモエゴゼンによって撮影されたボリソフ彗
赤丸内がトモエゴゼンによって撮影されたボリソフ彗星。画像は公開されている動画の一部をキャプチャしたもので、赤丸は筆者が追加(Credit: 東京大学木曽観測所)

ボリソフ彗星は12月8日に太陽へ最接近します。太陽からほぼ2天文単位(地球から太陽までの距離の2倍)まで近付いたあとは太陽系の外へ向かって飛び去り、二度と戻ってくることはありません。

2019-11-27
Soraeより

彗星に複雑な有機物が存在

Posted by moonrainbow on 26.2019 彗星   0 comments   0 trackback
彗星に複雑な有機物が含まれていることを「すばる望遠鏡」の観測で確認

ジャコビニ・ツィナー彗星
2018年8月22日に撮影されたジャコビニ・ツィナー彗星(Credit: Michael Jaeger)

彗星に複雑な有機物が存在する証拠を見つけたとする研究成果が発表されました

■複雑な有機物の証拠が得られたのは「ジャコビニ・ツィナー彗星」

今回、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙科学研究所、京都産業大学の神山天文台などを中心とした研究チームは、国立天文台ハワイ観測所の「すばる望遠鏡」によって2005年7月5日に取得された「ジャコビニ・ツィナー彗星(21P/Giacobini-Zinner)」の中間赤外線による観測データを詳細に調べました。

分析の結果、脂肪族炭化水素や多環芳香族炭化水素の存在を示す証拠が得られました。特に後者の多環芳香族炭化水素はベンゼン環を2つ以上持っており、炭素原子が10個以上ある複雑な有機化合物です。

研究チームは、これほどまでに複雑な有機化合物が存在するということは、ジャコビニ・ツィナー彗星に大量の有機物が含まれていたことを意味するとともに、彗星のもとになった天体が特殊な環境で誕生した可能性が高いとしています


■特殊な彗星の生まれ故郷は「周惑星円盤」か

初期太陽系のイメージ図
初期太陽系のイメージ図。周惑星円盤で形成され、有機物を豊富に含んだ彗星(中央左)が、初期の地球(中央下)に有機物をもたらしたのかもしれない(Credit: 京都産業大学)

「10月りゅう座流星群」(以前は「ジャコビニ流星群」と呼称)の母天体として知られるジャコビニ・ツィナー彗星は、公転周期6.6年の短周期彗星です。実は、過去の研究において、ジャコビニ・ツィナー彗星を含む一部の彗星(これまで見つかっている彗星の6パーセントほど)は、他の彗星とは異なる特徴を持つことが判明していました。

今回の研究によって、ジャコビニ・ツィナー彗星が形成されたときの周囲の様子が明らかになりました。研究チームによると、形成されたときの太陽からの距離は他の彗星に似ていたものの、複雑な有機化合物の存在は、形成時の温度環境が他の彗星よりも高温だった(絶対温度で数百ケルビン)ことを示唆するといいます。

「太陽からの距離は変わらず温度が高い」条件を満たす場所として、研究チームは、木星のような巨大惑星の周囲に形成される「周惑星円盤」の名を挙げています。周惑星円盤とは、誕生したばかりの巨大惑星に取り込まれつつあるガスや塵によって形成されると考えられている円盤で、ガスや塵の密度が濃く、温度も高くなるため、有機物が形成される可能性が高いとされています。形成された場所の違いが、他の彗星に対する特徴の違いとして現れていた可能性があるのです。

彗星が形成される環境に多様性があったとすれば、初期の太陽系ではジャコビニ・ツィナー彗星のように複雑な有機物を豊富に含んだ彗星がほかにも誕生していたかもしれません。研究チームは、そのような彗星が衝突することで、誕生間もない頃の地球に有機物がもたらされたと考えています


Image: Michael Jaeger

2019/11/21
Soraeより

恒星間天体「ボリソフ彗星(2I/Borisov)」

Posted by moonrainbow on 23.2019 彗星   0 comments   0 trackback
時速15万キロで移動する恒星間天体「ボリソフ彗星」をハッブルが撮影

ボリソフ彗星
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した「ボリソフ彗星(2I/Borisov)」(Credit: NASA, ESA, D. Jewitt (UCLA))

人類が発見した2つ目の恒星間天体「ボリソフ彗星(2I/Borisov)」。2109年12月の太陽最接近に向けて観測が進められていますが、いよいよ「ハッブル」宇宙望遠鏡によってその姿が撮影されました。10月16日付で公開されています

■太陽系の彗星のように活動的なその姿をキャッチ

画像が撮影されたのは10月12日のこと。ボリソフ彗星までの距離は、地球からおよそ4億2000万km(地球から太陽までの距離のおよそ2.8倍)離れています。固体の氷でできた核の周囲に、噴出した塵が集中している様子が捉えられています。

2017年10月に発見された恒星間天体「オウムアムア(1I/2017 U1)」は、見つかった時点ですでに太陽から遠ざかりつつあったため、観測できた期間は数週間程度しかありませんでした。

いっぽう、ボリソフ彗星が太陽に最接近するのは、2019年12月7日と算出されています。これから太陽(そして地球に)近付くという幸運なタイミングで見つかったため、ハッブルをはじめとしたさまざまな手段で観測する時間的な余裕がかなり残されています


■猛スピードで移動する様子を動画で再現

Animation of Comet 2I/Borisov



また、今回は静止画だけでなく、ボリソフ彗星が星々をバックに移動していく様子を早回しで示した上記の動画も公開されています

現在、ボリソフ彗星は時速15万km(秒速およそ42km)で太陽系内を移動しています。太陽からの距離が現在のボリソフ彗星とほぼ同じ、小惑星帯にある準惑星「ケレス」の移動速度(平均軌道速度)が秒速およそ18kmですから、その2倍以上という速さ。国際宇宙ステーション(ISS)の飛行速度(秒速およそ7.7km)と比べると、ほぼ5.5倍という猛スピードです。

活発に物質を放出するボリソフ彗星は、その光を波長ごとに詳しく調べることで、どのような物質で構成されているのか、その物質がどれくらいの比率で存在するのかなどを知ることができます。塵やガスの目立った放出が確認できなかったオウムアムアとは違い、恒星間天体が何でできているのか、太陽系の天体とはどれくらい違うのかを詳しく知るチャンスなのです。

なお、ハッブル宇宙望遠鏡によるボリソフ彗星の観測は来年2020年1月まで予定されていますが、さらなる観測が研究者によって提案されているとのことです


Image Credit: NASA, ESA, D. Jewitt (UCLA)

2019/10/17
Soraeより

「2I/Borisov」と命名されて恒星間天体に正式認定

Posted by moonrainbow on 07.2019 彗星   0 comments   0 trackback
「ボリソフ彗星」が恒星間天体に正式認定。新たに「2I/Borisov」と命名

ハワイの「ジェミニ北望遠鏡」が撮影した
ハワイの「ジェミニ北望遠鏡」が撮影した「2I/Borisov」

国際天文学連合(IAU)は2019年9月24日、恒星間天体の可能性が極めて高いとされてきた「ボリソフ彗星」(C/2019 Q4 (Borisov))について、正式に恒星間天体と認定し、新たに「2I/Borisov」と命名したことを発表しました

■「I」は「interstellar(恒星間)」の略

2019年8月30日にロシア(クリミア)のGennady Borisov氏が新しい彗星を発見。彗星の命名ルールに従って「C/2019 Q4 (Borisov)」の仮符号が付与されたものの、追跡観測の結果からは太陽系由来とは考えにくい軌道(※)が判明したため、早い段階から「太陽系外から飛来した恒星間天体なのではないか?」と考えられてきました。

今回、天体の命名に関する権限を持つIAUが認めたことで、ボリソフ彗星は正式に恒星間天体に分類されることになりました。新名称「2I/Borisov」のうち、2文字目の「I」は「interstellar(恒星間)」の頭文字。「2I」の2文字で「恒星間天体であることが判明した2番目の天体」という意味を持ちます。

また、2I/Borisovはもともと彗星として見つかったため、伝統に則って発見者であるボリソフ氏の名が冠されてきました。今回、IAUはこの伝統に従うことを決めたため、恒星間天体としての名称にも「Borisov(ボリソフ)」が引き継がれています。

なお、IAUの発表によると、ボリソフ彗星の太陽最接近は2019年12月7日とみられており、最接近時の太陽からの距離と地球からの距離は、どちらも同じ2天文単位(1天文単位は地球から太陽までの距離に由来)とされています。火星の公転軌道よりも遠く、小惑星帯の内縁あたりを通過していくことになるようです。

(※…ジェット推進研究所によると離心率が約3.36の双曲線軌道)


■仮符号は「いつ頃見つかったのか」をもとに付けられる

ちなみに、ボリソフ彗星に当初割り当てられた仮符号C/2019 Q4も、明確なルールに従って命名されています。

1文字目の「C」は、「comet(彗星)」の頭文字。スラッシュをはさんだ「2019」は彗星が発見された年、スペースを空けて続く「Q」は「8月後半」、「4」は「4番目」を示します。どうして「Q」が8月後半という意味になるのかというと、1月前半は「A」、後半は「B」、2月前半は「C」……といったように、12月後半まで半月ごとにAからYまでのアルファベットが割りてられているためです(IとZを除く)。

つまり、C/2019 Q4は「2019年8月後半の4番目に見つかった彗星」という意味を持ちます。仮の名前を付けるために定められたシステムですが、アルファベットがどの月に割り当てられているのかさえ覚えてしまえば、仮符号を見ただけでいつ頃見つかった彗星なのかがパッとわかる仕組みになっています


Image: Gemini Observatory/NSF/AURA

2019/9/27
Soraeより

短周期彗星がどのようにやってくるのかの分析

Posted by moonrainbow on 02.2019 彗星   0 comments   0 trackback
短周期彗星への“入り口”は、木星の公転軌道のすぐ外側にあった

「シュヴァスマン・ヴァハマン第1彗星」の想像図
軌道が変わって地球に近付く日が来るかもしれない「シュヴァスマン・ヴァハマン第1彗星」の想像図

アメリカのセントラルフロリダ大学は2019年9月19日、比較的短期間で太陽を周回する短周期彗星がどのようにやってくるのかを分析したGal Sarid氏らの研究成果を発表しました。研究内容は論文にまとめられ、The Astrophysical Journal Lettersに掲載される予定です(arXivにてプレプリント版が公開中)

■海王星の外側から来た小天体が一時的に滞在する「ゲートウェイ」

その長い尾で私たちの目を楽しませてくれる彗星には、公転周期が長い長周期彗星と、公転周期が短い短周期彗星の2種類があります。両者の違いはその故郷にあるとみられており、長周期彗星は太陽系の一番外側にある「オールトの雲」、短周期彗星は海王星の公転軌道よりも外側にある「エッジワース・カイパーベルト」からやってくる小天体がそれぞれの正体と考えられています。

場合によっては公転周期が数万年にも及ぶ長周期彗星とは異なり、短周期彗星は一人の人間が一生を終えるまでに何度か太陽に接近することもめずらしくありません。ひんぱんに塵やガスを放出することになるため、短周期彗星は(天文学的なスケールで見れば)すぐに活動を終えてしまいます。

太陽系が誕生してからすでに46億年ほどが経過したと考えられていますが、それなのに現在でも短周期彗星が見られるという事実は、エッジワース・カイパーベルトから絶えず小天体がやってきていることを意味します。

今回Sarid氏らの研究チームは、エッジワース・カイパーベルトを外れた小天体が太陽へと接近する前に、一時的に滞在するとみられる軌道が存在することをシミュレーションによって明らかにしました。その場所は木星の公転軌道(太陽からおよそ5天文単位)のすぐ外側にあり、太陽から5.2~7天文単位の範囲。研究チームはこの軌道を「ゲートウェイ」(入り口、玄関)と呼んでいます


■ゲートウェイを周回する彗星は将来地球の近くまでやってくるかも?

今回ゲートウェイと名付けたエリアでは、「ケンタウルス族」というグループに属する小惑星が幾つか見つかっています。これらの小惑星は以前から、エッジワース・カイパーベルトを外れて短周期彗星になる途上の小天体ではないかと考えられてきました。Sarid氏らによる今回の研究は、この説をシミュレーションによって補強した形です。

そのなかには、ひんぱんにアウトバースト(急激な増光現象)を起こすことで知られている「シュヴァスマン・ヴァハマン第1彗星(29P/Schwassmann-Wachmann 1、SW1)」という彗星も含まれています。SW1の公転周期はおよそ15年ですが、その現在の軌道はかなり真円に近く、木星の軌道よりも内側に入ることはありません


シュヴァスマン・ヴァハマン第1彗星の赤外線画像
宇宙望遠鏡「スピッツァー」が撮影したシュヴァスマン・ヴァハマン第1彗星の赤外線画像。2003年に公開(Credit: NASA/JPL/Caltech/Ames Research Center/University of Arizona)

SW1の軌道は繰り返し木星の影響を受けています。研究チームによると、現在の真円に近いSW1の軌道は1975年に木星へと接近したときから続いていますが、今後2038年の接近時にも影響を受けて、今よりも少しだけ真円から離れた軌道に変化する(離心率が大きくなる)とみられています。

また、研究チームは、SW1が歴史的な彗星へと移行する可能性も示唆しています。NASAによると、SW1の核の直径はおよそ30km。22年前に太陽へ最接近した「ヘール・ボップ彗星」(60km)より小さいものの、有名な「ハレー彗星」(11km)の3倍近くもあります。

そう遠くない将来、木星の重力によって軌道が大きく変化したSW1が地球の比較的近くを通過するようなことがあれば、冒頭の想像図のように壮大な天体ショーを見せてくれるかもしれません


Image Credit: University of Arizona/Heather Roper.

2019/9/23
Soraeより
 

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