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ウィルタネン彗星(46P)

Posted by moonrainbow on 07.2019 彗星   0 comments   0 trackback
電波やレーダーで観測されたウィルタネン彗星

ウィルタネン彗星
(左)アルマ望遠鏡が観測したウィルタネン彗星のシアン化水素分子の分布、(右)アマチュア天文家が可視光線で撮影したウィルタネン彗星。アルマ望遠鏡の画像サイズは約5秒角(満月の見かけサイズの約360分の1)で、可視光線写真のおよそ1000分の1サイズに相当する(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), M. Cordiner, NASA/CUA; Derek Demeter, Emil Buehler Planetarium)

2018年12月中旬に地球に最接近し明るくなったウィルタネン彗星が、アルマ望遠鏡やアレシボ天文台のレーダー観測によってとらえられ、核を取り巻くシアン化水素分子ガスの分布や核の自転の様子などが詳しく調べられました

ウィルタネン彗星(46P)は約5.4年周期で太陽を公転する短周期彗星の一つです。1948年に発見されて以来何度も太陽に近づいており、今回も12月13日に太陽に最接近、その後の16日に地球にも最接近しました。地球との最接近距離は1160万kmで、地球から月までの約30倍という大接近でした。これは70年前の発見から今後200年ほどの間での最接近記録となります

太陽と地球に接近したことでウィルタネン彗星は明るくなり、天文ファンの観察や撮影の好対象となりました。また、研究者にとってもめったにない観測機会となり、様々な望遠鏡がウィルタネン彗星に向けられました

アルマ望遠鏡は12月2日と9日に、地球から1650万kmと1360万kmの距離にあったウィルタネン彗星を観測し、「汚れた雪玉」とも形容される彗星核を取り巻くシアン化水素分子(HCN)が放つ電波をとらえました。観測画像には、核の周りにコンパクトにまとまったHCNガスと、それよりも大きく非対称に広がったHCNガスが見られます。ただし、彗星が非常に近いため、アルマ望遠鏡がとらえたのは核のごく近傍だけであり、大きく広がったガスのほとんどはアルマ望遠鏡では見ることができていません

「彗星が太陽に近づくと、氷を含む彗星本体の温度が上がり、内部に持っていた水蒸気や様々な物質を噴き出すようになります。これが彗星の尾になります」(NASA Martin Cordinerさん)

また、米・アリゾナ大学月惑星研究所のEllen Howellさんたちの研究チームも、プエルトリコのアレシボ天文台で12月10日から18日までウィルタネン彗星のレーダー観測を実施しました。レーダー観測では、ガスと塵の雲の中に隠されている彗星核を見ることができます。さらに、ガスと塵の放出による軌道の変化を詳しく予測し、彗星の軌道を正確に決定できるようになります。しかし、レーダーで彗星を観測できる機会は少なく、過去30年間で8回目という貴重なチャンスでした

観測の結果、彗星の核が細長くごつごつしていることや、幅が約1.4kmであることがわかりました。また、彗星のコマ(核の周囲に広がっている部分)の観測から、コマに含まれる粒子のサイズが約2cmより大きいことや、コマが非対称で長く伸びていることもわかりました

ウィルタネン彗星1
ウィルタネン彗星の核の自転
2018年12月15日のウィルタネン彗星のレーダー画像から作成された動画(自転周期8.9時間のうちの1.4時間分)。核が反時計回りに自転していることがわかる(提供:Arecibo Observatory/NASA/NSF)

ウィルタネン彗星は遠日点(太陽から最も遠く離れる点)が木星軌道付近にあります、木星族彗星の一つですが、同じ木星族彗星で活動のレベルも同程度である本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)やタットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)と比べると、コマに含まれる大きい粒の量が異なっています。ウィルタネン彗星のコマには大きな粒が多く含まれていますが、本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星では大きな粒の数は少なく、タットル・ジャコビニ・クレサーク彗星では大きな粒は全く存在しないのです

ウィルタネン彗星2
ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が12月13日に撮影したウィルタネン彗星(距離約1150万km)。ガスの放出や氷の成分、ガスに対する太陽光の影響などを調べるためにHSTやX線天文衛星「チャンドラ」などもウィルタネン彗星を観測した(提供:NASA, ESA, and D. Bodewits (Auburn University) and J.-Y. Li (Planetary Science Institute))

2018年12月27日
AstroArtsより

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星からの景色

Posted by moonrainbow on 05.2018 彗星   0 comments   0 trackback
探査機ロゼッタが記録したチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の異界っぷりがすごい!

d37b150d.gif

2014年にチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に接近、2年にわたり観測を続けた探査機ロゼッタの働きぶりが最近そのロゼッタがとらえていた画像のGIFバージョンが話題になっています

 静止画では伝わらなかった彗星の景色。そこは星々を背景に雪のような塵が舞う飛ぶ異界が広がっていました

 その風景に多数のネットユーザーが圧倒され、掲示板では遠い宇宙を駆け巡る異形の彗星についてさまざまな声が上がっています

ロゼッタがとらえていた連続画像をGIFに!

 これはヨーロッパ宇宙機関(ESA)の探査機ロゼッタが記録した、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の表面の連続画像を、投稿者のlandru79さん自身がGIFにしたものです

 なお、使用したのは2018年ようやく回収されたデータから抽出したもので、彗星表面からおよそ13kmから撮影していた赤外線写真だそうです(元画像一覧はこちら)
 
 切り立った崖やごつごつした岩肌を思わせる地形。その背後に白く見える点は星々で、手前で舞っているのは塵や宇宙線だということです

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星

 回転しながら凄まじい速さで宇宙を突っ切るチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星。その地上ではこんな光景が繰り広げられていたのです
 
 一見、地球の吹雪を思わせながらも、現実には全くかけ離れた環境で起きている幻想的な眺めです

最後まで記録を続けていたロゼッタ

 2014年から始まったロゼッタの観察記録は、この彗星が地球とは起源が異なる水を持つ証となるなど、研究者に多くの手がかりをもたらしました

 そして2016年、機能停止前から落下を開始、撮影を継続したまま彗星に衝突し、使命を終えました

2018年05月25日
カラパイアより

本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星

Posted by moonrainbow on 02.2017 彗星   0 comments   0 trackback
奇妙な木星族彗星「本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー」

本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星
2016年12月にナミビアで撮影された本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(提供:Gerald Rhemann)

2017年2月に地球に最接近した本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星の赤外線観測から、この彗星は一酸化炭素よりもメタンが多いという珍しい特徴を持つことが明らかになりました

1948年に本田実さんたち3人が相次いで発見した本田・ムルコス・パイドゥシャーコヴァー彗星(45P)は、太陽の周りを5年ほどで公転する短周期彗星の一つです。2016年末に太陽に、2017年2月に地球に近づき、双眼鏡で見える明るさとなって天文ファンの観測や撮影の好対象となっていました

NASAゴダード宇宙センターのMichael DiSantiさんたちの研究チームは米・ハワイにある赤外線観測装置IRTFを使って、この彗星の気体9種類を分光観測しました。気体は彗星の核を構成している氷や岩、塵などが混ざった塊から生じており、その氷には彗星の歴史に関する手がかりが含まれていると考えられています

観測の結果、45P彗星では凍った一酸化炭素がほぼ枯渇していることが明らかになりました。彗星が太陽に接近して暖められると一酸化炭素は簡単に宇宙空間へ逃げ出すため、公転周期の短い45P彗星でこの物質が少ないこと自体は不思議ではないのですが、同様に逃げ出しやすい物質であるメタンが、45P彗星には豊富にあることも明らかになり、45Pは一酸化炭素の氷よりもメタンを多く含む珍しい彗星の一つだとわかりました

メタンが豊富な理由として、メタンが氷に閉じ込められたという可能性もりますが、研究チームは、一酸化炭素が水素と反応してメタノールを形成したかもしれないと考えています。45Pでは平均よりも凍ったメタノールの割合が高いことが明らかになったからです

いつ一酸化炭素と水素の反応が起こったのかという別の疑問が出て来ますが、もし、メタノールが45Pの形成以前に、原始的な氷の粒子上で形成されたのなら、彗星は変化がなかったということになります。反対に、コマにおける一酸化炭素とメタノールの量は、時間の経過と共に変化してきたのかもしれないのです。特に木星型彗星(5~7年周期の彗星)は、オールトの雲を起源とする彗星に比べて、太陽の近くにいる時間が長いからです

太陽系の果てにあるオールトの雲を起源とする長周期彗星の氷と比べると、45P彗星のような木星族彗星の氷についてはまだわかっていないことが多いのです。木星族彗星で今回の対象となったような物質を検出するのは非常に難しく、これまでの研究は数例しかないため貴重な成果です

研究チームは、今回の観測結果が似たような彗星の間でどれほど典型的なのかを明らかにしようとしています。45Pは、2017年から2018年の間に地球から研究可能な5つの短周期彗星のうちの1つ目だ。2017年は45Pに続いてエンケ彗星(2P)とタットル・ジャコビニ・クレサーク彗星(41P)が観測され、来年の夏から秋にはジャコビニ・チンナー彗星(21P)が、2018年末にはウィルタネン彗星(46P)が、それぞれ観測対象となります

「この研究は画期的で、木星型彗星中に存在する分子種の混合物と、太陽の周りを何度も周回したあとの違いに関するわたしたちの知識を広げてくれます」(アメリカ国立科学財団 Faith Vilasさん)

2017年11月28日
AstroARTSより

彗星288P

Posted by moonrainbow on 05.2017 彗星   0 comments   0 trackback
連星の核を持つ彗星288P

彗星288P
2016年8月から9月にかけてハッブル宇宙望遠鏡で撮影した288P/2006 VW139。1か月弱の間に互いの星を周回している様子がわかる。9月20日以降は彗星の尾の方向が変わり始めている(提供: NASA, ESA, and J. Agarwal (Max Planck Institute for Solar System Research))

ハッブル宇宙望遠鏡による観測で、小惑星帯に位置する彗星288Pには核が2つあることがわかりました。小惑星帯にある彗星で、連星として観測された初めての天体です

小天体2006 VW139は2006年11月に米・スペースウォッチ・プロジェクトで発見された天体で、火星と木星の間にある小惑星帯に存在し5.3年周期で公転しています。発見当初は小惑星と考えられていたが、その後に米・パンスターズ望遠鏡による観測から彗星として活動していることがわかり、288Pの符号が付けられました(名称はまだ決まっていない)

独・マックス・プランク研究所のJessica Agarwalさんたちの研究グループが、この彗星が近日点を通過する2か月前の2016年9月にハッブル宇宙望遠鏡で観測を行ったところ、ほぼ同じ質量と大きさを持つ2つの小惑星が約100km間隔で彗星の核の部分に存在し、お互いに周回していることがわかりました。小惑星帯にある彗星(メインベルト彗星)が連星として観測されたのは初めてです

研究グループではこの彗星の成り立ちについて、およそ5000年前に高速回転によって2つに分裂し、それ以来連星として存在していると推測しています。「小惑星帯にある他の連星小惑星の特徴とも異なっており、どうやって小惑星帯に存在しているのかという謎も残っています。今後、似たような天体のさらなる研究や観測が必要です」(Agarwalさん)

このような天体の起源や進化を理解することは、太陽系全体の形成と進化を理解する上で重要な要素であり、どうやって地球に水がもたらされたのかを解明する鍵ともなり得るのです

2017年9月27日
AstroArtsより

彗星の水の謎

Posted by moonrainbow on 08.2017 彗星   0 comments   0 trackback
超小型探査機「プロキオン」が彗星の水の謎を解明(国立天文台

プロキオン」とチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星のコンセプト画像
「プロキオン」とチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星のコンセプト画像(提供:NAOJ/ESA/Go Miyazaki)

2014年に探査機「はやぶさ2」と一緒に打ち上げられた、世界最小クラスの超小型深宇宙探査機「プロキオン」がチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の水素ガスを観測し、彗星核からの水分子放出率の絶対量を明らかにしました。超小型深宇宙探査機による世界初の理学成果です

チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P/Churyumov-Gerasimenko)は、ヨーロッパ宇宙機関の探査機「ロゼッタ」が2年以上にわたって観測を行った天体です。ロゼッタは彗星を周回しながら彗星核の近傍から精密な観測を行い、彗星が太陽に近づき遠ざかるにつれて活動が変化する様子や、表面の地形などを調べました

ロゼッタは、彗星氷として最も豊富に含まれる分子である水分子の観測も行いました。水分子は彗星の活動度だけでなく、太陽系初期に形成され彗星に取り込まれた分子の形成過程に関する理解においても重要なものです。しかし、彗星コマ(彗星核の周囲のボンヤリした部分)中に位置したロゼッタからは、コマの特定の領域しか観測できていません

この観測結果からコマ全体の構造や彗星核の別の場所から放出される水分子の量を推定するためには、彗星コマ・彗星核モデルが必要となりますが、水分子生成率の推定値はモデルによって10倍程度も異なります。モデルの妥当性を検証するためには、コマ全体の観測から求めた水分子生成率の絶対値と比較する必要があります

そこで、探査機「プロキオン」による彗星観測が行われました。「プロキオン」は2014年12月に探査機「はやぶさ2」の相乗り衛星として打ち上げられた探査機です。質量約65kg、一辺約60cmと、深宇宙探査機としては世界最小サイズである。当初は「プロキオン」による彗星観測は計画されていなかったものの、立教大学を中心に開発された水素ガスを観測できる望遠鏡「ライカ」を用いて、2015年9月に観測が実施されました

彗星コマ中の水素ガスの大部分は、彗星核から放出した水分子が太陽紫外線で壊されること(光解離)で生成されます。そのため、水素ガスの観測により、核からの水分子放出量が推定可能となります。「プロキオン」による水素ガスの観測から、彗星活動が最も激しい近日点(太陽最接近)付近での水分子生成率の絶対量が決定され、彗星のコマ・核モデルが検証されました。この結果とロゼッタによって決定された成分比などを元に、近日点前後を含む期間の彗星の活動度が非常に正確に推定できました

水素原子の生成過程の模式図
水素原子の生成過程の模式図(提供:国立天文台)

今回の成果は、超小型深宇宙探査機による探査としては世界初の理学的な成果だ。さらに、ロゼッタのような大型の探査計画でも実施できない重要な部分を、低コストかつ短期間で開発された「プロキオン」がサポートしたという点でも重要な意義があり、今後の大型計画における小型探査機のモデルケースとなると期待されます

2017年1月24日
Astro Artsより
 

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