ペルセウス座銀河団の高温ガス

Posted by moonrainbow on 13.2017 銀河団   0 comments   0 trackback
ペルセウス座銀河団に銀河団同士の接近で形成した高温ガスの巨大な波

Perseus Galaxy Cluster
ペルセウス座銀河団に分布する高温ガスのX線観測画像。巨大な波(白い円内。白線は長さ25万光年)はかつて小さな銀河団が近くをかすめたために起きたという(NASA提供)

 地球から約2億4000万光年離れた銀河の集団「ペルセウス座銀河団(Perseus Cluster)」にある高温ガスの巨大な波は、かつて小さな銀河団が近くをかすめたために生じた可能性が高いと、米航空宇宙局(NASA)の研究チームが2017年5月3日までに発表しました
 
 巨大な波は幅が約20万光年あり、地球がある天の川銀河の直径の約2倍です。論文は英王立天文学会の専門誌に掲載されました

 ペルセウス座銀河団の中心には超巨大ブラックホールがあり、猛烈な重力で引き寄せられた物質の一部が磁場の作用などで外側に向かって噴出しています。周辺の高温ガスも噴出の影響を受けて広がっているが、巨大な波で乱されている所がチャンドラX線天文衛星による観測で見つかりました

 波ができた原因をコンピューター・シミュレーションで解析した結果、数十億年前に別の小さな銀河団が近くをかすめた際、大量のガスが流れ込んだために起きたと推定されます。 

時事通信より
2017年5月3日

スニヤエフ・ゼルドビッチ効果(SZ効果)

Posted by moonrainbow on 29.2017 銀河団   0 comments   0 trackback
アルマ望遠鏡で「銀河団を覆う高温ガス」起こす現象を史上最高の解像度で観測 

スニヤエフ・ゼルドビッチ効果(SZ効果)

2017年3月17日、銀河団を覆う高温ガスが原因で起こる「スニヤエフ・ゼルドビッチ効果(SZ効果)」を史上最高の解像度で観測したことが発表されました。東邦大学の北山哲教授らの研究チームによる、アルマ望遠鏡の観測結果です。高温ガスを詳しく調べられるようになったことで、銀河を引き寄せる「暗黒物質(ダークマター)」の分布を知る手がかりにもなります

SZ効果とはどのような現象なのでしょうか。宇宙では、ビッグバンの名残と考えられている「宇宙マイクロ波背景放射(CMB)」が全方向に飛び交っています。CMBの電波が銀河団を覆う高温ガスを通り抜けるとき、高温ガスに含まれる電子との衝突が起きます。その様子を地球から観測すると、高温ガスが存在する方向では、他の方向に比べてCMBの電波が弱くなるのです。この現象をSZ効果と呼びます。アルマ望遠鏡では高温ガスを直接観測できませんが、SZ効果を観測することで高温ガスの様子を知ることができます

銀河団の周りには、大量の高温ガスの存在が明らかになっています。今回観測されたのは、地球から48億光年の距離にある銀河団「RX J1347.5-1145」。その高温ガスの分布を詳しく知るためには、高い解像度での観測が必要になります。しかし、アルマ望遠鏡のように多数の電波望遠鏡を並べて一つの巨大な望遠鏡として用いる「電波干渉計」は解像度が高すぎるため、広範囲の高温ガスを観測することが難しいのです

そこで、アルマ望遠鏡計画において日本が担当したシステム「アタカマ・コンパクト・アレイ(モリタアレイ)」が用いられました。「いざよい」と名付けられた16台の小さい口径のアンテナを密集させて設置することによって、高い解像度のまま広い視野で高温ガスを観測することができます。研究チームは、従来の2倍(実質的には10倍)高い解像度でSZ効果を観測することに成功しました。その結果、この銀河団が激しい衝突を起こしていることが確認されました

今回の観測が成功したことにより、銀河団を覆う高温ガスを観測する新たな手法が確立されました。北山教授は「スニヤエフ・ゼルドビッチ効果の存在が初めて提唱されてから50年近く経ちますが、非常に微弱な現象であるため、高解像度の観測を実現するのはまさに至難の業でした。今回、アルマ望遠鏡によってその壁がついに破られ、宇宙の進化を探るための新たな道が切り拓かれたことを大変嬉しく思います」とコメントしました

Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Kitayama et al., NASA/ESA Hubble Space Telescope

2017/03/20
Soraeより

パンドラ銀河団(Abell 2744)

Posted by moonrainbow on 03.2016 銀河団   0 comments   0 trackback
美しく儚げな「パンドラ銀河団」をスピッツァー宇宙望遠鏡が観測

パンドラ銀河団(Abell 2744)

上の夜空に星屑を撒き散らしたような画像は、「パンドラ銀河団(Abell 2744)」をスピッツァー宇宙望遠鏡が撮影したものです。複数の銀河が集まってできたこの銀河団は、この先私たちに深宇宙の謎のヒントを与えてくれるかもしれません

宇宙空間を進む光は、大質量を持つ天体によって捻じ曲げられることがあります。このような現象を「重力レンズ効果」とよび、このパンドラ銀河団の重力によっても同様の効果が生じています。またこの現象により銀河団の後ろの天体が観測できたりと、奇妙な光学的現象が発生するのです

今回撮影された画像の少しぼやけたしみは巨大な銀河で、科学者たちは光のしまを注意深く観察することでその背後の銀河から発せられた光を分析しようとしています。スピッツァーが今回利用したのは、赤外線を観測するための観測装置「IRAC」。3.6 µmや4.5 µmの波長の赤外線が、このような美しい模様を描き出しました

さらに、この銀河団はハッブル宇宙望遠鏡やチャンドラX線観測衛星と共同で「Frontier Fields」プロジェクトとして観測がすすめられています。計画では3年間に6つのターゲットを観測することにより、「宇宙深部のより深い理解」を得ようとしているのです

Image Credit: NASA

2016/09/29
Soraeより

銀河団「CL J1001+0220」

Posted by moonrainbow on 09.2016 銀河団   0 comments   0 trackback
112億年彼方にX線が検出された最遠の銀河団

銀河団「CL J1001_0220」
銀河団「CL J1001+0220」(提供:X-ray: NASA/CXC/CEA/T. Wang et al; Infrared: ESO/UltraVISTA; Radio: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO))

ハッブル宇宙望遠鏡で発見された銀河の集まりが銀河団であることが、アルマ望遠鏡やX線天文衛星などの観測から明らかになりました。この天体までの距離は112億光年で、X線が検出された銀河団としては最遠のものです

ろくぶんぎ座方向にある銀河の集団「CL J1001+0220」は、ハッブル宇宙望遠鏡による発見当初は見かけだけの集まりなのか、それとも実際に重力で結びついた「銀河団」なのかがはっきりしていなかったのです

Tao Wangさん(フランス原子力・ 代替エネルギー庁)たちの研究チームは、アルマ望遠鏡など各国の大型望遠鏡の観測から、CL J1001+0220に含まれる銀河がほぼ同じ距離にあり、見かけのうえだけではない銀河団であることを確認しました

さらにNASAの「チャンドラ」とヨーロッパの「XMM-Newton」という2つの天文衛星の観測から、これらの銀河を取り囲む巨大なX線放射源を検出しました。これは、銀河団内に満ちた高温のプラズマガスによる放射とみられます

CL J1001+0220の赤方偏移はz=2.506で、最新の宇宙論パラメータを用いて計算すると銀河団までの距離が112億光年と求められています。これはX線が検出された銀河団としては最遠のものです

今回の発見により、これまで考えられていたよりも7億年ほど昔から宇宙に銀河団が存在していたことが明らかになりました。これまで見ることのできなかった誕生直後の銀河団として、今後も注目を浴びそうです

2016年9月1日
Astro Artsより

銀河団内部構造と周辺のダークマターに深い関係

Posted by moonrainbow on 03.2016 銀河団   0 comments   0 trackback
銀河団9000個を解析っして解った、銀河団内部構造と周辺のダークマターに深い関係

天球上における銀河団の分布の地図
天球上における銀河団の分布の地図。銀河が中心に集中している銀河団の周辺は、ダークマターの分布総量が少なく銀河団分布密度の凸凹も少ない。銀河が広がって分布している銀河団の周辺は、 ダークマターの分布総量が多く銀河団分布密度の凸凹も大きい。(提供:Sloan Digital Sky Survey, Kavli IPMU) .

約1000万個もの銀河カタログから得られた銀河団のサンプル約9000個を解析することで、銀河団の内部構造と周辺のダークマター分布の間に関係があることが世界で初めて明らかにされました

東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)のSurhud Moreさん、高田昌広さん、NASAジェット推進研究所/カリフォルニア工科大学の宮武広直さんらから成る研究グループは、光では直接見ることができない銀河団内および周辺のダークマターの分布を調べるために、重力レンズ効果の測定結果を用いた研究を行いました

宮武さんたちは、全天の約4分の1の天域にわたるスローン・デジタル・スカイ・サーベイ(SDSS)で観測された約1000万個もの銀河カタログから約9000個の銀河団サンプルを選び、銀河団内の構造に着目して銀河団を2つのサンプルに分けました。銀河団に属する銀河が、各々の銀河団内で中心に集中して分布しているか、あるいは広がって分布しているかという指標に基づく分類です

そのうえでまず、銀河団が背後の銀河に及ぼす重力レンズ効果の測定から、どちらのサンプルの銀河団も同じ質量を持っていることを示しました

一方、銀河団周辺の重力レンズ効果と銀河団の空間分布の両方から、両サンプルの周辺の約1億光年にわたるダークマター分布の総量を調べてみると、銀河が中心に集中している銀河団ではダークマターが少なく、銀河が広がって分布している銀河団では多いことがわかりました。その量は2つのサンプル間で約1.5倍も異なります

この結果は、銀河団の質量が同じでも、約100万光年程度のスケールである銀河団の内部構造の特性によって約1億光年のスケールに及ぶダークマターの分布に違いが生じていることを示しています。従来、銀河団の個数密度や空間分布などの特性は、銀河団の質量によってだけ決まると考えられていましたが、138億年の宇宙の構造進化の歴史における銀河団の形成史と、銀河団周辺のダークマターの分布といった周辺の大規模な環境の影響を受けていることが、今回の研究で明らかにされたのです

「宇宙論の研究者は長い間、銀河団の特性がその質量だけで決まっているという、単純な理論にとらわれていましたが、今回の結果はこの理論を覆すものです。銀河団の周辺の環境も、銀河団の特性の決定に重要な役割を果たしているという結果を得たのです。天文学者はこの複雑な状況の証拠を長年探し続けてきましたが、今回の結果は世界初の決定的な発見になりました」(プリンストン大学/カブリIPMU David Spergelさん)。

2016年1月26日
Astro Artsより
 

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