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約120億年光年彼方の原始銀河団

Posted by moonrainbow on 05.2020 銀河団   0 comments   0 trackback
予想以上に強い原始銀河団からの赤外線放射

画像解析手法の模式図
画像解析手法の模式図。すばる望遠鏡のHSCによる観測で原始銀河団を探し、その領域について赤外線宇宙望遠鏡で得られた画像を重ね合わせることで赤外線放射の全体像をとらえることに成功した(提供:国立天文台、以下同)

すばる望遠鏡と5機の赤外線天文衛星の観測データから、約120億年光年彼方の原始銀河団に見られる赤外線放射が予想よりも強いことが明らかになりました。原始銀河団に激しく星形成を行う銀河や成長中の超大質量ブラックホールが潜んでいる可能性を示唆する結果です

宇宙には様々な銀河が存在しているが、銀河がたくさん集まった場所である銀河団では大質量楕円銀河が、銀河がほとんどない場所では渦巻銀河が多数を占めているなど、銀河の特徴はその周辺の環境によって異なっている。したがって、現在の銀河がどのように形作られたかを解明するには、昔の宇宙における銀河と環境との関係が重要なヒントとなる。

この関係を調べるには、銀河団の祖先とされる原始銀河団の性質の全体像をつかむ必要があり、多くの原始銀河団の観測が重要となる。とくに、宇宙で最も銀河が多く生まれたとされる約100~120億年前の原始銀河団はさかんに研究されているが、原始銀河団は天球上でまばらにしか存在しないために見つけるのが非常に難しく、100億光年を超える遠方の原始銀河団はほんのわずかしか見つかっていない。

すばる望遠鏡に搭載の超広視野主焦点カメラHyper Suprime-Cam(HSC)を用いた超高域深宇宙探査(HSC-SSP)は、この困難を克服する強力な研究だ。HSC-SSPの初期に行われた観測から、約120億年前の宇宙にある原始銀河団が探査され、約180領域もの大規模な原始銀河団カタログが得られた(参照:「宇宙は原始銀河団であふれている」)。

しかし、これだけでは不十分だ。HSCは可視光線での観測だが、銀河の中で何が起こっているのかを解き明かすには様々な波長の観測が必要となる。とくに活発な星形成銀河では、星から放たれた光の大部分が塵に吸収されてしまうため、星形成率を正確に見積もり、塵を温めている天体の正体を明らかにするには、温められた塵が発する赤外線や電波を幅広い波長域で観測しなければならない。

国立天文台の久保真理子さんたちの研究チームは原始銀河団が放つ赤外線放射について調べるため、HSCによる広域可視光線観測に加え、赤外線天文衛星「プランク」、「IRAS」、「WISE」、「ハーシェル」、「あかり」が過去に観測したデータを利用した研究を行った。

それぞれの衛星では中間赤外線から遠赤外線までの超広域画像が得られているが、遠くの天体を個々に検出するには解像度や感度が低い。そこで久保さんたちは、HSCで見つかった原始銀河団について赤外線天文衛星のデータを重ね合わせるという手法を用いた。これにより、約120億光年彼方の原始銀河団が放つ平均的な赤外線放射の全体像が初めてとらえられた。とくに波長30~200μm帯はこれまで普通の遠方銀河でさえ全く様子がわからなかった波長帯であり、極めて画期的な成果といえる。

今回検出した赤外線放射は予想以上にとても強く、HSCで見つかった星形成銀河だけでは説明できない。研究チームが赤外線放射の波長分布を詳しく調べたところ、典型的な星形成銀河よりも温かい塵が存在することが明らかになった。原因として、成長中の超大質量ブラックホール(活動銀河核)や若く熱い星形成銀河が原始銀河団に潜んでいて、塵をより高温にしていることが考えられる


赤外線放射の全体像
原始銀河団が放つ赤外線放射の全体像
約120億光年彼方の原始銀河団が放つ平均的な赤外線放射の全体像。原始銀河団の全ての銀河による放射強度の総和(赤丸)、HSCで検出した銀河1つあたりの放射強度(黒点・黒点線)、HSCの可視光線から予想される原始銀河団からの赤外線放射(灰色曲線)を示す。赤外線宇宙望遠鏡の観測から求めた放射強度と比較すると、足りない部分(濃灰色の領域)がある

原始銀河団に潜んだ活動性をさらに詳しく調べるには、個々の銀河に分解して検証する必要がある。「欧州と日本が計画している将来の赤外線宇宙望遠鏡『SPICA』を使えば、個別の銀河で何が起こっているかをより詳細に研究できるでしょう。一方でSPICAは、100平方度を超えるような超広域観測は得意ではありません。今回の研究成果はSPICAによる将来の研究を補完するものにもなるでしょう」(久保さん)。

2020年2月27日
Soraeより

銀河団「Abell 1758」

Posted by moonrainbow on 13.2020 銀河団   0 comments   0 trackback
合体していく4つの銀河団「Abell 1758」

4つの銀河団が合体

X線観測衛星「チャンドラ」などの望遠鏡により、4つの銀河団が合体しようとしている様子が捉えられました。それぞれの銀河団は太陽の1兆倍ほどの質量を持っており、合体すると宇宙で最大級の天体になると考えられています

銀河団は数百から数千個の銀河、高温ガス、そしてダークマターが重力によって集まっている天体で、重力によりひとまとまりで構成された天体としては宇宙で最大のものです。時には2つ、またはそれ以上の数の銀河団が衝突・合体することもあります。

画像は「Abell 1758」と呼ばれる天体で、地球から約30億光年離れた位置に存在しています。Abell 1758は2つの銀河団のペアがお互いに近づく方向に動いており、 2004年にチャンドラと欧州宇宙機関が運用するX線観測衛星「XMM-Newton」により計4つの銀河団の集まりであることが初めて認識されました。それぞれのペアは銀河団を2つずつ含み、それらも合体しつつあります。北(画像上部)のペアは既に約3~4億年前に衝突したと考えられています。「衝突」といっても銀河団の中心部がすれ違うようなイメージで、いったん離れていった後に再度もと来た方向に戻ってくるような動きをすると予想されています。いっぽう南(画像下部)のペアも互いに近づいており、最初の衝突の時を迎えようとしています。

この画像の元となった論文では銀河団の衝突に伴う衝撃波などの現象を調べており、北側のペアについてはその痕跡から衝突の速度をおよそ秒速2100キロメートルと見積もっています


Image Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO/G.Schellenberger et al.; Optical:SDSS

2020-02-04
Soraeより

銀河群「EGS77」

Posted by moonrainbow on 21.2020 銀河団   0 comments   0 trackback
ビッグバンから7億年後の観測史上最遠の銀河群

銀河群「EGS77」のイラスト
電離した水素の泡に囲まれる銀河群「EGS77」のイラスト
(右)電離した水素の泡に囲まれる銀河群「EGS77」のイラスト、(背景)ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた、EGS77に含まれる銀河(緑色の円)とその周辺(提供:NASA, ESA and V. Tilvi (ASU))

ケック天文台などの観測により、ビッグバンから6億8000万年後の初期宇宙に3個の銀河を含む銀河群が発見されました。銀河群としては史上最遠の天体となります

米・アリゾナ大学のVithal Tilviさんたちの研究チームは「Cosmic Deep And Wide Narrowband(Cosmic DAWN)」と呼ばれるサーベイ観測の一環で、うしかい座方向の小さな領域を撮像しました。

さらに研究チームは米・ハワイのケックI望遠鏡で分光観測を行い、この領域に存在する3つの銀河からなるグループ「EGS77」がビッグバンから6億8000万後の宇宙に存在していることを明らかにした。単独の銀河ではこれより遠い(初期宇宙に存在する)ものも発見されているが、銀河群としてはEGS77は観測史上最も遠い天体となる。

この発見は、EGS77の銀河が「宇宙の再電離」を引き起こした天体であることを示すものである。宇宙の再電離とは「宇宙の夜明け」とも呼ばれ、宇宙で最初期に誕生した星や銀河からの紫外線によって、当時の宇宙を満たしていた中性水素ガスが電離される現象のことだ。「銀河からの強い光が周囲の水素ガスを電離させ、電離水素ガスの泡が形成されると、星からの紫外線が自由に飛び回れるようになります。EGS77も大きな泡を形成し、銀河からの光はほとんど衰えることなく地球へ届きます。このような泡が個々の銀河の周囲に広がり、至るところに光が届くようになったのです」(Tilviさん)。

「EGS77は宇宙の再電離を引き起こしたことが特定された初の銀河群です。将来の観測でより詳しいことがわかり、EGS77に属する他の銀河が見つかるかもしれません」(NASAゴダード宇宙飛行センター Sangeeta Malhotraさん)


2020年1月14日
AstroArtsより

最遠(30億光年先)の原始銀河団発見

Posted by moonrainbow on 08.2019 銀河団   0 comments   0 trackback
すばる望遠鏡で最遠(30億光年先)の原始銀河団発見

最遠(30億光年先)の原始銀河団発見

観測史上最遠となる130億光年先の原始銀河団(青色の部分)。拡大図の中にある赤い点が原始銀河団を構成する12個の銀河(国立天文台提供)

 国立天文台と東京大などの国際共同研究チームは27日、すばる望遠鏡(米ハワイ島)による観測で、これまでで最も遠い130億光年先にある原始銀河団を発見したと発表しました。銀河が数百~数千個集まった銀河団は、宇宙の大規模構造を形作る「屋台骨」とも言われ、研究チームは「宇宙の構造がいつ、どのようにできたかを知る重要な発見だ」としている。論文は2019年9月30日付の米天文学誌アストロフィジカル・ジャーナルに掲載されました

 国立天文台の播金優一研究員らは、すばる望遠鏡に130億光年先にある水素が放つ光を捉えるフィルターを付け、くじら座の方角を観測。12個の銀河が他の領域より密集した原始銀河団を見つけました。別の望遠鏡による精密な距離測定で、いずれの銀河も130億光年先にあることが分かり、2012年にすばる望遠鏡が見つけた129億光年を更新しました。 

 130億光年先の観測は、130億年前の姿を見ていることになり、宇宙の誕生(138億年前)からわずか8億年後に原始銀河団が存在したことになります


2019年9月27日
時事通信より

約64億光年彼方の銀河団のガス

Posted by moonrainbow on 08.2019 銀河団   0 comments   0 trackback
理論予測より少なかった、64億光年彼方の銀河団の冷えたガス

ブラックホールが存在する銀河団コアの想像図
ブラックホールが存在する銀河団コアの想像図。冷却された低温ガスが観測で確認されていない理由の1つとして、ブラックホールが加熱源となって銀河団コアの冷却を妨げている可能性が考えられている(提供:JAXA)

惑星分光観測衛星「ひさき」による約64億光年彼方の銀河団の観測から、中程度の温度のガスが理論予測よりも少ないことが明らかになりました。銀河団中心部のガスが数千万度以上の高温をどのように維持しているのかを知る手がかりとなるいます

100以上の銀河の集まりである「銀河団」は宇宙最大の天体です。その中心部(銀河団コア)には大量のダークマターの重力で集まった数千万度以上の高温ガスが存在し、非常に強いX線を発しています。理論的にはこうしたガスは強い放射によりエネルギーを失って急速に冷えるはずですが、冷却された低温ガスはこれまで観測されていない。つまり、銀河団コアで高温が維持されていることになります。

高温維持の理由を明らかにするには、様々な温度のガスを観測して温度分布を明らかにする必要があります。また、観測結果を整合的に説明できる仮説をたて、観測的に検証することも必要です。

米・ケンタッキー大学の蘇媛媛さんたちの国際研究チームは、銀河団コアのガスのうちあまり研究例がなかった「中温ガス」(数万度~数十万度という中程度の温度のガス)を調べました。中温ガスの量を測定すれば、高温ガスがどのくらい冷却されているのかが明らかになり、高温維持のメカニズムを知る手がかりが得られます。

研究では、中温ガスを観測するための最良の方法として中性のヘリウムが発する波長58.4nmの輝線に着目した。銀河団から発せられた58.4nmの光は、宇宙膨張によるドップラー効果で波長が約99.3nmにまで引き伸ばされ、中性水素ガスに妨げられずに観測することができる。ただし、極端紫外線と呼ばれるこの波長域の光は地球大気に吸収されるので、宇宙からでないと観測できないのです。

研究チームは、惑星分光観測衛星「ひさき」の極端紫外線観測装置を利用して約64億光年彼方の銀河団「RCS2 J232727.6-020437」の中性ヘリウムが発する輝線を探索したが、検出されなかった。以前のX線観測から、この銀河団コアの高温ガスが放射冷却すると1年あたり太陽数百個分の質量の低温ガスが生成されると見積もられていたが、それに見合う量が存在しなかったのです。

この結果は、高温ガスの冷却効率が理論予測よりも悪いか、冷却を妨げるメカニズムが働いている、あるいは何らかの加熱源によってガスが暖められていることを示唆しています。

今後、銀河団中心部のガスの状態やふるまいに関する研究をさらに進め、銀河団コアの高温状態を生み出すメカニズムを明らかにすることが期待されます


2019年9月4日
AstroArtsより
 

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