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コロナ質量放出が火星大気に与える影響

Posted by moonrainbow on 13.2023 火星   0 comments   0 trackback
コロナ質量放出が火星大気に与える影響を米中の火星探査機が観測 火星大気の進化に影響?

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MAVEN探査機によって捉えられた火星北半球の紫外線画像

米中2機の火星探査機による、太陽のコロナ質量放出(CME)が火星大気に与える影響を観測した成果が2023年8月8日付けで「The Astrophysical Journal」誌に掲載されました

CMEは太陽活動にともなって太陽コロナ中のプラズマが大量に放出される突発的な現象で、太陽風と相互作用しながら惑星間空間を伝播していくと惑星間コロナ質量放出(ICME)と呼ばれます。

ICMEが地球に到達すると地球を保護している磁場に乱れが生じます。その結果として鮮やかなオーロラが発生することがあり、私たちの目を楽しませてくれます。地球の大気は強力な磁場によって保護されているため、多くの場合ICMEが地球上の人間や社会活動に大きな影響を及ぼすことはありません


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SOHO探査機によって捉えられた2000年11月に発生した2つのコロナ質量放出

しかし、宇宙空間では状況が異なります。ICMEにより発生した高エネルギー粒子によって国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗している宇宙飛行士は被爆する危険性が高まり、人工衛星や搭載機器が損傷する可能性もあります。

一方、現在の火星には固有の磁場が存在せず、火星の大気は磁場によって保護されていません。そのため、将来の火星ミッションにとって、ICMEと火星への移動や火星の居住可能性との関連は重要な課題となります。さらに本研究は、火星大気の進化の理解にも役立ちます。

2021年12月4日に太陽で発生したCMEはICMEとなり、第1回水星スイングバイを行ったばかりの「ベピコロンボ」探査機(※1)を通過した後、12月10日に火星に到達しました。ICMEの到達を待ち構えていた「天問1号」(※2)は太陽に照らされた火星の昼側から、「MAVEN」(※3)は夜側から観測を実施しました。

※1:宇宙航空研究開発機構 (JAXA) と欧州宇宙機関 (ESA)が2018年に打ち上げた水星探査機
※2:中国が2020年に打ち上げた火星探査機
※3:アメリカ航空宇宙局(NASA)が2013年に打ち上げた火星探査機。火星の上層大気や太陽風との相互作用の調査が主な目的]


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ICMEが通過中の天問1号探査機とMAVEN探査機の軌道図。ベピコロンボ探査機は太陽に近い位置からICMEの通過を確認

ICMEが火星の昼側に到達すると、太陽風の動圧によって火星の電離層は圧縮され、プラズマ密度が急激に変化する「電離層界面」の高度が数日かけて徐々に低下していきました。また、MAVENは夜側に存在するイオンの大幅な減少を測定しました。

地球の通常の状態では、電離層のプラズマの一部が夜側に移動しますが、火星の場合はイオンがICMEによって下流に押し流され、大気から宇宙空間へ流出したことを示唆しています。

火星大気はごく一部しかイオン化していないため、ICMEによって散逸した大気はごく少量に留まります。しかし、数十億年にわたるタイムスパンを考慮すると ICMEによる複合効果はより大きくなる可能性があります。イオンの大気からの散逸は火星大気の進化を形作った可能性が高く、火星を温暖で住みやすい惑星から、今日のような乾燥した過酷な世界に変える役割を果たしたと考えられます。

近年、太陽活動に伴う「宇宙天気」が注目を集めていますが、本研究は、ICMEの強力な磁場と高い動圧がもたらす宇宙天気が火星大気に及ぼす影響を浮かび上がらせたと言えるでしょう


Source
Image Credit:NASA/LASP/CU Boulder、ESA/NASA/SOHO、Yu et al. 2023
AAS Nova - Solar Storm Versus Mars

2023年11月9日
sorae 宇宙へのポータルサイトより

火星の地震

Posted by moonrainbow on 06.2023 火星   0 comments   0 trackback
火星最大の地震「S1222a」は隕石衝突で発生したものではないと確認 火星地殻の活動を示す発見

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参考:欧州宇宙機関(ESA)の火星探査機「Mars Express(マーズ・エクスプレス)」で取得したデータをもとに作成された火星の画像

「火星」は地質学的に不活発な惑星ですが、時々地震が観測されています。その起源について、少なくとも8回は隕石衝突の衝撃であると判明しています

オックスフォード大学のBenjamin Fernando氏などの研究チームは、マグニチュード4.7を記録した観測史上最大の地震である「S1222a」について、火星の周回軌道にある全ての探査機の撮影データを調査し、隕石衝突の痕跡があるかどうかを調査しました。しかし隕石衝突の痕跡が見つからなかったことから、S1222aは火星の地殻で発生した地震活動である可能性が高いことが判明しました。地質学的に不活発な火星において、これほど大規模な地震が発生したことは興味深い発見です

■マグニチュード4.7の地震「S1222a」

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上からS1222a、S1094b、S1000aのそれぞれの地震記録。P波到達を0秒とし、点線がS波到達時間を示しています。S1222aはS1094bやS1000aより大規模であり、加速度のスケールが10倍違うグラフであることに注意

火星は “死んだ星” と形容されることがあります。表面が不毛な環境で生命の存在が期待できないという意味もありますが、火星の地質活動が不活発であることを指した言葉でもあります。直径が地球の半分ほどしかなく、表面から水が失われた火星は、内部の熱が地球よりも速く冷めてしまい、地殻を動かすプレートテクトニクスが早期に停止していると考えられているためです。このため、地震活動が活発な地球とは異なり、火星の地震は極めて頻度が低いと考えられています。

NASA (アメリカ航空宇宙局) の火星探査機「インサイト(InSight)」は、火星の地震活動を記録する目的で打ち上げられ、2018年から2022年までの4年間で1300回以上の振動を観測しました。その多くは隕石衝突によるものであると見られ、特に8回は隕石衝突によるものであると確認されています。最も規模が大きいものとしてはマグニチュード4.1±0.2の「S1000a」とマグニチュード4.0±0.2の「S1094b」が知られており、地震の解析に役立つ表面波が観測されています。S1000aとS1094bが隕石衝突によるものであるという証拠として、火星周回軌道上にある探査機が震源地 (震央) に直径約150mの新たなクレーターを撮影しています。

2022年5月4日、S1000aやS1094bよりもさらに大規模な地震である「S1222a」が観測されました。規模はマグニチュード4.7±0.2であり、火星では観測史上最大の地震です。S1222aは他の規模の大きな地震と性質が似ているものの、いくつか異なる点があることも分かりました。初期の分析結果は、S1222aは1点に衝撃が加わる隕石衝突のような現象が原因ではないことを示唆していましたが、隕石衝突をはっきりと否定できるほどではありませんでした


■S1222aは隕石衝突によるものではないと判明

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各オービターが観測した火星表面の範囲を示す地図。白い星印が推定震央で、黄色い四角が重点的にクレーターやその他表面の変化を捜索した場所を示しています

Fernando氏らの研究チームは、S1222aが隕石衝突であった場合に予測される火星表面の変化を見つけるため、オービター(火星周回軌道上にある探査機)のデータを探ることにしました。もしS1222aが隕石衝突によって発生した場合、直径300mほどのクレーターが発生すると予測されます。また、衝突の数時間後には舞い上がった塵による雲が見られるなど、他の変化も撮影できるはずです。このような規模の衝突は100年に1回程度の頻度で起こると推定されます。

オービターのカメラは高解像度なものであるほど視野が狭いため、震源地を撮影していても衝突現場を見逃している可能性があります。このためFernando氏らは、以下に挙げるオービター全ての画像データを利用しました。これはS1222a発生時に稼働していた全てのオービターを利用していることになり、オービター全ての協力を仰いだ研究は初めてであると研究チームは考えています。

・HOPE(アル・アマル) (ムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター)
・エクソマーズ・トレース・ガス・オービター (欧州宇宙機関)
・マンガルヤーン (インド宇宙研究機関)
・マーズ・エクスプレス (欧州宇宙機関)
・2001マーズ・オデッセイ (アメリカ航空宇宙局)
・マーズ・リコネッサンス・オービター (アメリカ航空宇宙局)
・MAVEN (アメリカ航空宇宙局)
・天問1号 (中国国家航天局)

徹底的な調査の結果、S1222aが発生したとみられる場所に、新たなクレーターや衝突による大気活動は見つかりませんでした。このことは、S1222aが隕石衝突によるものではなく、火星の地殻内部で発生した現象である可能性が高いことを裏付けています


■S1222aの解析は火星の理解を深める

S1222aの解析は初期段階にあり、まだ多くのことは分かっていません。しかし、地質活動が不活発であると考えられている火星で、これほど大規模な地震が発生するというのはとても興味深い発見です。

今のところ、S1222aの震源は深さ18~28kmの傾斜したすべり面を持つ断層であると考えられており、地殻内に蓄積した力 (応力) が解放されて生じたものであると考えられます。火星は数十億年かけて少しずつ冷えて収縮しており、S1222aは収縮によって蓄積した応力の解放によって発生したものであると考えられます。ただしそのためには、火星の地殻が場所によって収縮度合いが違うことが必要です。

S1222aのような地震は、火星の地殻や内部構造が場所によって異なることを反映した結果であると考えられます。さらなる分析は火星の理解を深めることに繋がるでしょう


Source
Benjamin Fernando, et al. “A Tectonic Origin for the Largest Marsquake Observed by InSight”. (Geophysical Research Letters

2023年11月1日
sorae 宇宙へのポータルサイトより

火星の「ダストデビル」を撮影

Posted by moonrainbow on 12.2023 火星   0 comments   0 trackback
NASAの探査機、火星の「ダストデビル」を撮影…高さ2000mで地球のものより強烈(海外

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パーサヴィアランスが撮影した火星の風景。

NASAの火星探査機「パーサヴィアランス」は、高さ約2000mの嵐の様子を撮影した

横幅が約60メートルの嵐は、時速20kmの速さで移動したという。

科学者によると、火星の嵐は地球のものよりずっと強力だ。

NASAの火星探査機「パーサヴィアランス」は、地球上の旋風よりずっと大きいという、高さ2000mにもなる火星の「ダストデビル」をカメラでとらえた。

NASAはプレスリリースで、火星にあるジェゼロ・クレーターに沿って移動する嵐の下の方を映した短い動画を公開したと述べた。

21枚の画像を20倍の速さにした動画では、嵐は高さ120mほどでしかないが、NASAによると、科学者はこの嵐は高さ2000mにもなると見ている。ニューヨークのワンワールドトレードセンターの3.5倍近い高さだ。

「嵐の上の部分は見えないが、影から高さを推測できる」と、パーサヴィアランスの科学チームメンバーであるマーク・レモン(Mark Lemmon)は、プレスリリースの中で述べた。

「これらはだいたい円柱形だ。もしこの嵐もそうなら、高さは2000mになるだろう」

約4km離れたところからとらえた火星の嵐は、幅は約60mで、時速20kmの速さで移動したという


火星の嵐は地球のものより強力

NASAによると、火星のダストデビルは地球の竜巻ほど強烈ではないものの、地球上のダストデビルよりもはるかに強力で大きいという。

アメリカ国立気象局(NWS)によると、地球のダストデビルの高さは平均300mで、火星のダストデビルのおよそ6分の1だという。

ダストデビルは火星の春と夏によく起こり、NASAがこの様子をカメラでとらえたのは今回が初めてではない。だが、いつ、どこでダストデビルが起きるか、科学者が予測することはできないという。

NASAのジェット推進研究所の動画によると、2012年に記録された前回のダストデビルは、高さ2万mまで伸びていた


2023年10月9日
BUSINESS INSIDER JAPANより

火星の大気から酸素を作る

Posted by moonrainbow on 21.2023 火星   0 comments   0 trackback
NASAの探査機が火星の大気から酸素を作る実験を完了。成人が3時間半呼吸する量の生成に成功

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NASAの探査車が火星で酸素生成実験に成功

 NASAの火星探査車「「パーサヴィアランス(パーセバランス)」には、火星の大気から酸素を生成する「MOXIE」という実験機器が取り付けられている。

 2021年4月21日に起動実験に成功し、その後酸素生成実験が開始されたが、2023年9月7日に16回目となる最後の実験が行われた。

 2年ほどの間に「MOXIE」によって作られた酸素の量は約122g。成人が3時間半呼吸ができるほどの量で、小さな1歩ではあるが、大きな前進でもある


 火星の大気に含まれる「二酸化炭素から酸素を合成する技術」は、いずれ人類が月や火星で長期的に暮らすためには欠かすことができないものだからだ

火星の大気から酸素を作る実験は予想以上の成果
 
地球よりもずっと薄いが、火星には大気がある。そのほとんどは地球では厄介者扱いされている「二酸化炭素」だが、MOXIEはこれを利用して「酸素」を作り出す。

 二酸化炭素を吸い込んだMOXIEは、これを加圧して800度に加熱する。

 次に電解槽に流し、触媒で二酸化炭素を酸素イオン(帯電した酸素原子)と一酸化炭素に分解する。

 最後の仕上げに、電気で酸素イオンを再結合すれば、私たちが呼吸することができる酸素の出来上がりだ


Crazy Engineering: Making Oxygen on Mars with MOXIE



 パーセバランスが2021年に実験を開始して以来、MOXIEは122gの酸素を作り出してきた。そして8月7日に行われた16回目となる最後の実験では、9.8グラムの酸素が作られた。

 今回の第一次実験では、MOXIEをフル稼働させると、純度98%以上の酸素を1時間で12g作れることが確認されている。これはNASAが期待していた性能の2倍にも匹敵するという。

 NASAによると、人が1日に必要な酸素はおよそ0.84kgだ。つまりMOXIEは火星での2年余りで、人が3時間半生きられるだけの酸素を生産したことになる


 人間の宇宙飛行士による火星探査の本番では、MOXIEは1時間あたり2~3kgの酸素を作れるようでなければならない。だが、コンセプトの証明としては大成功だという

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パーセバランスに搭載された酸素合成装置「MOXIE」 / image credit:NASA/JPL-Caltech

長期ミッションに欠かせない現地資源の利用技術
 
科学調査用にパーセバランスに搭載された「SHERLOC」などの機器とは違い、MOXIEの役割は将来的に火星に人が住めるかどうか試すことにある。

 NASAのパメラ・メルロイ副長官は、今回の実験成功の意義についてプレスリリースでこう説明する。
MOXIEの素晴らしい性能は、火星の大気から実際に酸素を抽出できることを証明しています。将来の宇宙飛行士たちが息をするための空気や、ロケット推進剤となってくる酸素です。

こうした火星や月にある資源利用を可能にする技術は、そこに人類が長期的に滞在し、力強い月経済を作り、火星で行われる最初の有人探査計画を支援するために不可欠なものです
 また今回のMOXIEの成功は、宇宙資源の利用技術の開発に携わる関係者にとっては勇気が出るようなニュースで、業界を後押しするだろうとのこと。

 MOXIEの開発チームによれば、次の目標は、作られた酸素を液体にして保存する本格的なシステムを開発することであるそうだ


2023年09月15日
カラパイアより

「2050年までに100万人の火星移住…」

Posted by moonrainbow on 03.2023 火星   6 comments   0 trackback
「2050年までに100万人の火星移住…」高速チューブ列車から機械につながる脳まで、“SFマニア”イーロン・マスクの挑戦とは?

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ウクライナ軍に機器が供与されたことでも話題になった「スターリンク」。日本ではKDDIがスペースX社と業務提携を行い、2022年12月からau基地局での利用を開始している。

SF的妄想で終わらせない、成果を出すための発想

現代において、最新テクノロジーを活用する天才といえば、事業家でありエンジニアのイーロン・マスクをおいて他にいないだろう。彼の思い描く世界と手がける事業から、我々人類の未来を予測する。

「『スペースX』について感心するのは開発のスピード感。ロケット打ち上げに失敗した場合、通常なら計画が数年止まってしまうところですが、スペースXは数カ月以内に次の打ち上げを予定する。資金面の問題ではなく、他が一発必中で臨むのに対して、スペースXは失敗を重ねてもどんどん前に進む。開発姿勢の違いです」と語るのは、民間主導の宇宙ビジネスを広める活動に取り組む“宇宙エバンジェリスト”青木英剛。青木さんはスペースXの開発拠点「スターベース」を訪れた際、いたるところに転がる巨大ロケットを見て衝撃を受けたという。

「ロケットの再使用についても、NASAやボーイング社など、業界のあらゆるところから『絶対にできるはずがない』と言われながら、成功するまでやり続けた。構造としては特に画期的なところはなく、既存の技術の組み合わせなのですが、粘り強く改良を重ねていくことで実現したのです」

オンライン金融サービス「PayPal」売却で約200億円を得たイーロン・マスクが最初に着手した事業、スペースX。ロケットの打ち上げも当初は失敗が続いたが、2008年に初めて軌道到達に成功すると、以後十数年の間に百数十回を超える打ち上げを成し遂げてきた。NASAとの業務提携のもと、国際宇宙ステーションへの貨物補給ミッションをこなす一方、衛星コンステレーション事業にも参入し、現在では「スペースXがなくなったら宇宙開発が停滞する」と青木さんが言うまでの存在となっている。

「低軌道に多数の人工衛星を投入することで、高速かつ低遅延のデータ通信を提供するという構想自体はかなり昔からあり、さまざまな企業が挑戦しては撤退してきました。それを本当に実現させてしまったというのは驚きでしたね」と語るのは、KDDIでそのスターリンクを担当するLX基盤推進部長の鶴田悟史。

スペースXが他に先んじて事業を軌道に乗せることができた要因のひとつは、自社開発の人工衛星を大量生産し、再使用可能なロケットを自前でもつことでコストを大きく圧縮できたことだ。

「宇宙開発における課題のひとつがロケットの打ち上げコストです。スペースXは過去の失敗を分析した上で、スターリンクを経済的に回るモデルにもっていった」と青木さんは語る。

このアプローチは「テスラ」にも共通する。テスラはEV(電気自動車)を生産するとともに、EVに欠かせない急速充電器「スーパーチャージャー」や充電施設を自社開発。充電コネクタ規格「NACS」はフォード、GM、ボルボに続きメルセデス・ベンツも標準採用することを発表しており、事実上北米での標準規格になることが決定的となっている。

またスペースXのユニークな点は、数々のプロジェクトの先に「人類の多惑星種化」を見据えていること。そのため50年までに100万人の火星移住を目指すとマスクは語っている。なぜなら彼は、なんらかの原因で地球が滅亡する可能性を本気で危惧しているから。その時に備えて、他の惑星で生き残ることができるようにしておくべきという考えだ。スペースXに限らず、テスラであれば電化によって二酸化炭素の排出を減らし、地球温暖化を止めるため、「ニューラリンク」は人間拡張によって、人間が急速に進化するAI(人工知能)の支配下に置かれないようにするため、といった具合に、事業を興す背景には、常にこうした危機感がある。

火星移住に高速チューブ列車、機械につながる脳、地球滅亡に人工知能の反乱……。SFマニアとして知られるイーロン・マスクが取り組む事業とその目的や動機はSFチックだ。しかし、ただ空想を語るだけではなく、それらに大真面目に取り組み、スペースXやテスラで成果をあげてきた。荒唐無稽な言動で世間を騒がせたかと思えば、時に強引に、時にしたたかに事業を推進するイーロン・マスク。彼が次に見る夢はどんなものだろうか


2023年8月1日
Pen Onlineより
 

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