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4次元空間

Posted by moonrainbow on 24.2018 時空   1 comments   0 trackback
4次元空間で起きる物理現象が2つの実験により観察

4次元

「次元」は、空間の広がりをあらわす一つの指標であり、我々は3次元と空間を生きています。空間が縦・横・高さの3つ座標で表せるのは、この世界が3次元であるからです

 2次元というと平面的な彼氏や彼女を連想してしまいがちで、4次元というとドラえもんのポケットくらいしか思いつかないですが、3次元空間にさらに1つの座標軸が加わったのが4次元です

 最新の研究によると、2つの物理学者チームが、別々に行った実験で第4の空間次元の存在を見出したそうです
 
2つの実験で4次元に量子ホール効果が起きていることを確認

 この4次元は、そこに迷い込んで行方不明者が出るような類のものではないし、便利な道具がでてくるわけでもないのです

 今回この実験を行ったのは、アメリカ・ペンシルベニア州立大学のマイケル・レヒツマン教授の研究チームと、ドイツ・ルートヴィヒ・マクシミリアン大学、マイケル・ローゼ教授率いるヨーロッパの研究チームです

 2つの研究チームが行ったのは、超冷却原子を使った実験と光粒子を使った実験です。それらの結果は異なるものですが、補完的であり、4次元において「量子ホール効果」と呼ばれる現象が起きていることを確認できました
 
 物理的には我々は4次元空間系を持てないが、高次元系が構造の複雑性の中にコード化されているために、低次元系を用いて4次元量子ホール効果を得られるといのです

4次元1
image credit: レヒツマン研究所 Rechtsman laboratory, Penn State University

4次元空間を物理的に現実化できるのか?

 3次元空間は、すなわち人がその他すべてのことを一定に保ちながら移動できる方向です。直線に沿って前後に移動すれば、それが1つ目の次元。その線から直角に動けば、それが2つ目の次元で、平面が出来上がる。さらに上下に動けば立方体が出現します

 4つ目の次元が存在するとすれば、ここにさらに別の直角を加えて、一種の超立方体を作ることができます。第4の空間次元は数学的に記述可能ですが、物理的に現実化することはないのです

正八胞体(四次元超立方体)



 しかし、3次元の人物は2次元の影を残すと考えてみます。この影を観察すれば、3次元の物体について何らかの情報を得ることができます

 ひょっとしたら、現実世界の物理系を観察することで、低次元に残された影から4次元の性質を垣間見ることができるかもしれません

2つの研究チームが特殊な方法を用いて量子ホール効果を確認

 両実験の核となっているのは量子ホール効果です。電子がまるで紙の表面(グラフェンや半導体の特定の層など)にくっ付いてしまったかのように2次元に閉じ込められた時、磁場がそこを垂直に通過すると、系の電気特性の一部がある数値の倍数に制限されるようになりました

 数学的には、この量子ホール効果のその他の結果は4空間次元系で計測可能であるはずです。しかし、繰り返しますが、我々はこの物理を確かめる4空間次元を持ちません

 両チームは、この難関を特別に編み出した手法でそれを克服しました

 ヨーロッパのチームは、ルビジウムの原子を2次元のレーザーで捕獲しました。境界をレーザーで仕切られた格子の中に原子が入っているような場面を想像して欲しい

 これによって2次元量子の電荷ポンプを作り、電荷の輸送(原子は電荷を帯びない)をシミュレートできます。これらの原子の内部挙動に基づく追加パラメーターを各次元に沿ってコード化し、残り2空間次元を表現します。この系を用いることで、4次元における効果の存在を示す第2チャーン数(second Chern number)が測定されました

 一方、レヒツマン教授のチームは、一連の導波(光波の形状を制御可能な特別製のガラス)を通過する光を用いました

 こちらは、スパゲッティの箱に収められた光ファイバーケーブルの束のようなものです。ケーブルは連結されており、光は先端の間を移動できます

 このスパゲッティをくねくね動かすことで電荷粒子の電場の効果(光子で表される)をシミュレートし、その影響を電光掲示板のような感じで観察できます

 研究チームは、光が装置の逆側の端と隅に飛んだことを確認。これも4次元の量子ホール効果に関連すると考えられます

4次元3
image credit:Zilberberg Group / ETH Zurich

4つ目の次元が存在したとすれば生じるであろう効果を実証

 両実験の結果は互いに補完し合っています。ごく簡単に言うと、前者の実験は物理系の大部分における4次元効果を観察し、後者の実験は同じ系の縁におけるそれを観察するものです

 無論、実際の4次元系で観察したわけでないことは大きな限界ですが、どちらも精巧に作成された系であり、4つ目の次元が存在したとすれば生じるであろう効果を実証しています

 だが研究された系において原子と光子は相互作用しないのです。それらが作用する系における効果も今後調査したいところでしょう

 この系は、さらに突飛な量子重力やワイル半金属の研究をも後押しするかもしれません。また高次元系を活かした光子機器の開発も期待されます

nature より
 
2018年01月17日
カラパイアより

時空が「量子もつれ」から生まれる

Posted by moonrainbow on 01.2015 時空   0 comments   0 trackback
一般相対性理論から導き出される時空は「量子もつれ」が生成

ホログラフィー原理の模式図
【図1】ホログラフィー原理の模式図: 一般相対性理論では、ある時空に含まれる情報は、その内部ではなく表面に蓄えられるとする原理。この原理を用いると、重力の量子化という難問を、空間の表面に住んでいる、重力を含まない別の理論としてより簡単に定式化することができる。 (credit: 大栗博司)

量子もつれと一般相対性理論の間の対応関係
【図2】量子もつれと一般相対性理論の間の対応関係: 赤い点は一般相対性理論の時空における局所データを表す。本研究では青い半球で表される量子もつれによってこれを計算する方程式を導いた。 (credit: Jennifer Lin et al.)

 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構の大栗博司主任研究員は2015年5月27日、米カリフォルニア工科大学と共同で、一般相対性理論から導き出される重力の基礎となる時空が、「量子もつれ」から生まれる仕組みを具体的な計算によって明らかにしたと発表しました

物理学者と数学者の連携で得られた成果です。一般相対性理論と量子力学の理論を統一する“究極の統一理論”構築への貢献が期待されます

 大栗主任研究員らは、量子効果から時空が生じる仕組みの鍵は、量子もつれであることを見いだしたのです。特に、エネルギー密度のような時空の中の局所データが、量子もつれを用いて計算できることを示しました

 量子もつれは、異なる場所にある粒子のスピンなどの量子状態が独立に記述できないという現象で、アインシュタインは「奇怪な遠隔作用」と呼びました。今回、この量子もつれが重力現象の基礎となる時空を生成することを初めて示したのです

米物理学会誌フィジカル・レビュー・レターズの注目論文に選ばれました

日刊工業新聞
2015年05月28日

リサ・ランドールの五次元の世界

Posted by moonrainbow on 01.2012 時空   0 comments   0 trackback
・・・・・久しぶりの次元の話です・・・・・

リサ・ランドールの五次元の世界【Lisa Randall 】part1



リサ・ランドールの五次元の世界【Lisa Randall 】part2


タイムトラベルは可能か不可能か?

Posted by moonrainbow on 13.2011 時空   9 comments   0 trackback
実験により、タイムトラベルは不可能?


タイムトラベル
 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』でタイムマシン「デロリアン」に乗り込んだエメット“ドク”ブラウン博士を演じるクリストファー・ロイド。

 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のブラウン博士に心酔して「次元転移装置」の開発を考えているなら、やめておいた方が良さそうです。最新の研究によると、実験室で生成した極小サイズの“ビッグバン”を分析した結果、タイムトラベル(時間旅行)がまったく不可能であることが示されました

 光の曲がり方が通常とは異なる先進素材を使って宇宙誕生をシミュレーションしました。実験の結果、「前進する“時間の矢”を後ろ向きに曲げ、既成事実を元に戻す」という現象は実現不可能と示されました

 「タイムトラベルは現実世界で一度も成功していません。今回の新素材により、それが永遠に不可能だと判明した」との事です。

 新しいビッグバン・シミュレーション装置は非常に小さく、幅はわずか20マイクロメートル(0.02ミリメートル)しかないのです。装置を構成する新素材は、金とプラスチックの薄片を交互に組み合わせた人工物質で、いわゆる「メタマテリアル」の一種です。メタマテリアルで光を操れば、“透明マント”の研究や、ブラックホールに閉じこめられた光の再現などさまざまな実験に利用できます

 研究で用いたメタマテリアルは、約137億年前のビッグバン時代の原始宇宙をモデル化するにあたって、十分妥当な素材でした

 メタマテリアルで作られたシミュレーション装置は、独特の光の曲げ方により、理論上の時空間モデル「ミンコフスキー空間」に近づき、3次元の空間に時間の次元を組み合わせた4次元宇宙のモデルとして機能します。メタマテリアルの平面での水平運動はおおむね空間の3次元に相当し、垂直運動は時間経過に応じた動きを示します

 緑色レーザービームを使い、メタマテリアル内でビッグバンに似た現象を発生させる実験を行いました。レーザー光が金原子に当たると、自由電子の振動によって擬似的な粒子「プラズモン」が生成されます

 プラズモンはレーザーがぶつかった点から放射状に外へ広がっていきました。これは、「ビッグバン後、ある一点から物質粒子が放射状に広がった」という宇宙科学の想定に適合します

 観察を続けていくと、放射状に広がるプラズモンが外側に移動するにつれて、経路が“ブレて”いくことがわかったのです。この現象は、「介入がなければ、システムは時間の経過とともに無秩序になる」という「熱力学第二法則」、いわゆる「エントロピー増大の法則」に合致します

 このシミュレーションモデルにおいてタイムトラベルは、「プラズモンが以前に移動した経路とまったく同一の経路に沿って移動し、“輪”を完成させる」現象として表現されます。ところが、エントロピーの影響などにより、プラズモンが経路を一度外れると、輪を描くことはもはや不可能だったのです

 結果として、「宇宙に存在する粒子も時間を逆行できない」という結論が導き出されました

 ただし、今回の研究が完璧には程遠いのです。現実世界にどの程度当てはまるのか、現時点では判断できません。ほかの研究者からは疑問の声が上がっています

 今回の研究成果は、物理学研究のWebサイト「arXiv.org」で2011年4月に公開されています。

Photograph by Bruce Dale, National Geographic

National Geographic Newsより
April 28, 2011

ワームホール

Posted by moonrainbow on 25.2009 時空   3 comments   0 trackback
ワームホール (wormhole) は

時空構造の位相幾何学として考えうる構造の一つで、時空のある一点から別の離れた一点へと直結する空間領域でトンネルのような抜け道である
ワームホール
湾曲した二次元宇宙におけるワームホールの相似

もし、ワームホールが通過可能な構造であれば、そこを通ると光よりも速く時空を移動できることになる。ワームホールという名前は、リンゴの虫喰い穴に由来する。リンゴの表面のある一点から裏側に行くには円周の半分を移動する必要があるが、虫が中を掘り進むと短い距離の移動で済む、というものである。

ジョン・アーチボルト・ホイーラーが1957年に命名した。

ワームホールは、アインシュタイン-ローゼンブリッジとも呼ばれるが、現在のところ、数学的な可能性の1つに過ぎない。シュヴァルツシルトの解で表されるブラックホール解は、周りの物質を何でも呑み込む領域を表すが、数学的にはその状況を反転したホワイトホールも存在する。ブラックホールとホワイトホールを単純に結んでワームホールと考えてもよいが、この場合は通過不可能である電荷を加えたブラックホールでは、通過可能になり得るが、元の場所へは戻ってこられない。また、観測的には、ホワイトホールのような領域の存在を示唆する事実は全くない。

しかし、通過可能なワームホールを考えることは研究上の遊びでもあり、キップ・ソーン(Kip Thorne)らの1988年の論文を端緒に市民権を得ている。小説「コンタクト Contact」を執筆中だったカール・セーガン(Carl Sagan)が、地球外生命との接触が可能になるようなシナリオをなんとか科学的に作れないか、とソーンに話を持ちかけたのがきっかけだったという。ソーンらは「通過可能であるワームホール(traversible wormhole)」を物理的に定義し、アインシュタイン方程式の解としてそれが可能かどうかを調べた。そして、「もし負のエネルギーをもつ物質が存在するならば、通過可能なワームホールはアインシュタイン方程式の解として存在しうる」と結論し、さらに、時空間のワープやタイムトラベルをも可能にすることを示した。ただし、ここでの研究は、現在の技術では制御が難しい高密度の負のエネルギーの存在を前提としており、また、どうやってワームホールを通過するのか、あるいは出口がどこなのかは全くの未知の問題として棚上げされた上での研究である。後に、ソーンの考えたワームホール解は不安定解であることも、数値計算から報告されている。
 

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