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AIが宇宙の電波に隠された奇妙なシグナルを検出

Posted by moonrainbow on 11.2023 ニュース   0 comments   0 trackback
AIが宇宙の電波に隠された奇妙なシグナルを検出。地球外生命体が関与か?

未知なる電波

地球外文明の捜索は、地球外知的生命探査「SETI」の優秀な研究者によって行われているが、今のところその成果はほとんどあがっていない。 カナダのSETI研究者らは、人間では埒が明かないので、もうAI(人工知能)にやらせちゃおうと考えた

 彼らが開発したAIに、480時間を超える観測データを分析させたところ、これまでのアルゴリズムが見落としていた興味深い8つのシグナルが発見されたと、『Nature Astronomy』(2023年1月30日付)で報告されている

未知なる電波を探し出すにはAIが必要
 
宇宙から地球へとどく電波には、さまざまな情報が含まれている。だが気をつけないと、本当は地球で放たれた電波なのに、宇宙からのものと勘違いしてしまうこともある。

 SETI(地球外知的生命探査)の研究者が探しているのは、宇宙からやってくる「狭帯域ドップラードリフティング信号」だ。つまり、動いていて、特定の周波数の範囲におさまっているシグナルである。

 困ったことに、こうしたシグナルが時間や距離によってどう変化するのか、あまりよくわかっていない。

 よくわからないものを、地球の電波という雑音の中から見分けねばならないのだ。それは森の中の未知の木を探すようなもので、人間にはとにかく骨が折れる作業だ。

 そこでカナダ、トロント大学のピーター・マー氏らは、それをAIにやらせることにした。専用のニューラルネットワークを作り、SETIが集めたデータから、一番重要と思われる特徴を探させることにしたのだ


未知なる電波1
photo by iStock

AIが奇妙な8つのシグナルを検出
 
宇宙からのシグナル検出にアルゴリズムが使用されることならある。だが、新しいAIはそうしたものに比べ2倍も速いだけでなく、ある重要な特徴がある。

 それは、アルゴリズムが人間の命令通りにしか働かないのに対して、AIなら常識にとらわれない思考ができることだ。

 この特徴は地球外文明の電波を探すのなら特に重要だ。というのも、地球外文明の電波がどのようなものかはっきりとはわからないからだ。

 そしてAIを導入した成果はすでにあがっている。

 2016年以降、820の星を480時間にわたって観測した望遠鏡のデータでAIに機械学習させたところ、従来のアルゴリズムが見逃していた8つの注目すべきシグナルが特定されたのだ


未知なる電波2

はたしてそのシグナルは地球外文明からのメッセージか?
 
はたして8つのシグナルは、本当に地球外文明からとどいた電波なのだろうか? それらの検証はまだこれからだ。

 そして仮に、それが地球外のものである確証が得られたとしても、その発生源がどのような技術なのかすぐにわかるわけではない。

 SETI関係者の理想としては、そうしたシグナルに技術的な情報が隠されていたり、地球外文明のテクノシグネチャー(地球外文明の証拠)だったりすることだろう。

 だが当事者であるマー氏は「それを期待しているわけではありません」と、あくまで慎重な姿勢を見せている


2023年02月03日
カラパイアより

国立天文台の動画『宇宙へのとびら』

Posted by moonrainbow on 09.2023 ニュース   0 comments   0 trackback
宇宙への扉を開け!-新作動画を公開

天の川のかたち【シリーズ 宇宙へのとびら エピソード1】



国立天文台は、天文学のトピックを取り上げた動画『宇宙へのとびら』シリーズ3本を制作しました。どれも10分ほどの動画で、天文学の中でもわりと新しく、わかりやすい話題を取り上げてみました。今回その第1弾、エピソード1『天の川のかたち』を公開しました。制作にあたり、作品に込めた思いをお伝えしたいと思います

天文学はエキサイティング

天文学というと、完成された古臭い学問と感じる方もいらっしゃるようですが、現代の天文学は、宇宙という奥行きが138億光年もある、とんでもなく広い空間と、そこに散らばる天体を研究対象にしています。観測技術の向上に伴い、ブラックホールシャドウの撮影に成功したり、アストロバイオロジー(直訳すると宇宙生物学)という新しい研究分野ができたりと、天文学はいま大きな進展を見せています。ぜひ多くの方、とくに中学生や高校生に見ていただいて、天文学がじつはとてもエキサイティングな分野であることを知ってもらえればと思います

オープニング映像
オープニング映像のワンカット(クレジット:国立天文台)

誰にでも楽しんでもらえるよう

私は、以前から科学コンテンツをエンターテインメント性のあるものにできないかと考えていました。教科書を映像にしたようなものではなく、ストーリー性とエモーショナルな感じを加えた、映画のような、かっこよくて、より視聴しやすいものにです。とくにこのシリーズでは、とにかくエキサイティングな天文学を知ってもらいたかったので、現代の天文学の話題を、すこし砕けた感じのナレーションでテンポよく進めて行くスタイルにしようと思いました。と同時に、これまでに解明されたことだけでなく、これからもまだ研究の余地が残されていることにも触れ、将来の研究者へのバトンタッチで終わる形にしてみました

映画の雰囲気を目指して

今回のシリーズの構想は、当初かなり迷走していまして、どんなテイストにしようか悩んでいました。エンターテインメント性のある作品のテイストを考えるのは、たいへん骨が折れます。テイストさえ決まれば、半分はできたといってもいいかもしれません。七転八倒した挙句、思い出したのが某外国映画でした。その映画の主人公は、高飛車だし、ふざけた態度だけど、ホントは隠れた実力の持ち主。そんな人が案内役になる作品があったらおもしろいかなぁ、と以前から空想していたのです。その主人公の日本語吹き替えが、今回ナレーションをお願いした、声優の平田広明(ひらた ひろあき)さんでした。

しかし平田さんに「あの役でお願いします」というわけにもいきません。某外国映画のメインテーマ曲が12分の8拍子であることに気づき、映画のリズム、雰囲気に近いものをBGMバンクから苦労して選曲しました。ナレーション収録の時、それらの曲をバックに流し、それとなく平田さんに訴えてみたのですが……いかがでしょうか?


スタジオでの作業
スタジオでの作業の様子(クレジット:国立天文台)

おわりに

今回、エピソード1『天の川のかたち』を公開しました。視聴する際は、できればパソコン画面いっぱいに映像を広げてご覧ください。美しく、迫力あるシーンが楽しめると思います。さらにこの動画シリーズで、多くの方に天文学に興味を持っていただけたらと思います。あなたの頭の上、空のすぐ向こうに謎とその答えはあるのです! そしてさらにさらに、この動画がキッカケとなって研究者に……それはちょっと欲張りすぎでしょうか? まずは肩の力を抜いて、映像を楽しんでいただけたらと思います。

エピソード2と3は、3月と5月の公開を予定しています。ご期待ください!

文:塩谷保久(国立天文台 天文情報センター)


2023年2月 2日
国立天文台より

星の周りで有機物に取り込まれる窒素と重水素

Posted by moonrainbow on 15.2023 ニュース   0 comments   0 trackback
星の周りで有機物に取り込まれる窒素と重水素

いて座方向に位置するAFGL 2006
いて座方向に位置するAFGL 2006。赤外線(3.6-5.8μm)の擬似カラー画像。水色の長方形が赤外線衛星「あかり」でスペクトルを取得した領域(提供:東京大学リリース、以下同)

若い大質量星の周りで、窒素が複雑な有機分子に取り込まれる過程の第一歩であるシアネートイオンが確認された。また、重水素が有機物に取り込まれる形で潜んでいることもわかった

窒素は生命の材料となるアミノ酸に欠かせない元素だ。小惑星探査機「はやぶさ2」の探査結果などから、アミノ酸は太陽系外縁部の低温環境下で生成されたと考えられている。だが窒素がどのような過程で有機分子に取り込まれてアミノ酸へ成長するかは、まだ十分に理解されていない。

また、重水素はビッグバン直後に生成された後、恒星内部の核融合反応で徐々に減少したと考えられていて、宇宙における物質進化の重要な指標とされている。ところが宇宙空間で実際に観測される重水素の量は理論よりも少なく、どこに潜んでいるかは不明のままだった。

これら2種類の元素について調べるため、明星大学の尾中敬さんたちの研究チームは、日本の赤外線天文衛星「あかり」が観測した若い大質量星「AFGL 2006」周辺の近赤外線分光スペクトルを詳細に解析した。AFGL 2006の周辺には物質が比較的高密度に集まった低温の領域があり、星が発する強い紫外線を受けた化学反応が進んでいると考えられる。

解析の結果、AFGL 2006周辺から、窒素を含む低温の有機化合物であるシアネートイオン(OCN-)による吸収スペクトルが検出された。シアネートイオンは窒素が複雑な有機分子に成長する初期段階と考えられていて、その生成には紫外線が関与しているという説がある。今回の解析結果では、紫外線強度が高い領域ほどシアネートイオンの存在量も多いという傾向が見られ、窒素の取り込みに紫外線が重要な役割を果たしていることが裏付けられた。

さらに、有機物の一種である芳香族炭化水素で、炭素に結合しているのが通常の水素ではなく重水素だった場合に発する赤外線も検出された。生命の材料としても注目される多環芳香族炭化水素(PAH)からの赤外線も同じ領域で観測されているため、低温環境下で重水素がPAHに取り込まれている可能性を示す結果だ


「あかり」が取得したAFGL 2006
AFGL 2006の近赤外線スペクトル
(a)「あかり」が取得したAFGL 2006の近赤外線スペクトルの例(黒線)。低温の領域によく観測される水の氷、二酸化炭素の氷の吸収が3μm、4.26μmに見られる。加えて、3.3μmには多環芳香族炭化水素の炭素と水素の結合の特徴を表す輝線バンド、4.05μmには水素原子の遷移輝線が見られ、さらに4.65μmには複雑な構造を持つ吸収線が見られる。(b)4.65μmの吸収線を吸収の深さに変換し、それぞれの成分に分けた図。緑は予想される水素の輝線を示すし、紫、灰色、橙の線はそれぞれ、シアネートイオン、一酸化炭素の氷およびガスの吸収を示す。赤線は全体を組み合わせて観測にフィットしたモデルスペクトルを表す。(c)4.4μmに見られる多環芳香族炭化水素の炭素と重水素の結合に起因する超過成分を取り出した拡大図

今回、若い大質量星の周辺における窒素と重水素それぞれの足取りをたどる重要な手がかりが得られた。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の赤外線観測により、さらに詳しいことが明らかになるだろう

AFGL 2006の想像図
AFGL 2006の想像図。中心にあるAFGL 2006が紫外線を放射し、周りのガスを電離している。その周りを中性ガスがとりまき、観測者との間にはシアネートイオンを含む氷の層がある。4.4μmの重水素―炭素結合による超過は氷の層と中性ガスの境界近くで放射されていると考えられる

2023年1月10日
AstroArtsより

天文学史上最も明るいガンマ線バースト

Posted by moonrainbow on 22.2022 ニュース   0 comments   0 trackback
天文学史上最も明るいガンマ線バースト 観測に成功

天文学史上最も明るいガンマ線バースト 観測
ガンマ線バースト「GRB 221009A」の最初の検出から約1時間後の残光。明るい輪ができるのは、バーストの方向にある天の川銀河内のダスト(塵、ちり)の層でX線が散乱されるため。米航空宇宙局のガンマ線観測衛星スウィフト搭載のX線望遠鏡で撮影(2022年10月14日提供)。

天文学史上最も明るい閃光(せんこう)現象が今月、観測された。地球から24億光年の距離で、ブラックホールの形成によって発生した可能性が高い

 最も高エネルギーの電磁波であるガンマ線の閃光現象「ガンマ線バースト」が最初に観測されたのは、今月9日。その後も世界中で残光が観測された。

 天体物理学者のブレンダン・オコナー(Brendan O'Connor)氏は、今回観測されたような数百秒間持続するガンマ線バーストは、太陽の30倍以上の大質量星が最期を迎える際に起きると考えられるとAFPに話した。

 大質量星が超新星爆発し、崩壊してブラックホールになると、引き寄せられた物質の円盤が周囲に形成される。物質が内側に落下すると、光速の99.99%の速度でエネルギーのジェットとして噴出される。

 今回観測された閃光で放出された光子のエネルギーは、過去最高の18テラ電子ボルト(18の後に0が12個並ぶ値)で、地球の電離層における長波無線通信に影響を及ぼした。

「地球に到達している光子の量とエネルギーの両方で記録更新だ」とオコナー氏は指摘する。

 同氏は14日早朝、南米チリにあるジェミニ南望遠鏡(Gemini South Telescope)に搭載の赤外線装置を使って新たな観測データを取得した。「これほど明るく、これほど近いものは、まさに100年に一度の事象だ」と興奮気味に語った


2022年10月22日
AFPより

宇宙飛行士の血液の突然変異

Posted by moonrainbow on 27.2022 ニュース   3 comments   0 trackback
調査したすべての宇宙飛行士の血液に特定の突然変異を発見

突然変異

宇宙飛行士の血液の突然変異
 
宇宙飛行を行ったNASAの宇宙飛行士14人の血液を調べたところ、全員のDNAに突然変異が起きていたことがわかったそうだ。

 突然変異が見つかったのは「造血幹細胞」のDNAで、「体細胞変異」と呼ばれる変異だ。

 すぐに病気になるような深刻なものではないと考えられているが、宇宙線などの宇宙環境が関係すると考えられるため、引退後も含め、宇宙飛行士のキャリアを通じた健康診断の重要性を浮き彫りにしている。

 この結果は、『Nature Communications Biology』(2022年8月17日付)で報告された


調査した全員の宇宙飛行士の血液に突然変異

 「体細胞変異」とは、遺伝的なDNAの変異とは異なり,分化や生育の過程で、一部の細胞が獲得したDNAの変異のことだ。

 今回確認された体細胞変異は「クローン性造血」と呼ばれるもので、単一の血液細胞から生じたクローンの割合が高くなるのが特徴だ。

 クローン性造血は、過度な紫外線を浴びたり、化学療法や放射線治療などのストレスを受けたりすることで発症する。

 そのため、今回調査した全員の宇宙飛行士で見られた突然変異は、宇宙線を浴びたことが原因と考えられている。

 米マウントサイナイ医科大学のデビッド・グーカシアン教授は、
宇宙飛行士は、宇宙線をはじめとする、体細胞に突然変異を起こす要因がいくつもある極限環境で作業します。

そのため、そうした突然変異がクローン性造血につながるリスクが高まります
 と、プレスリリースで説明する


突然変異1
photo by Unsplash
 
調査対象となったのは、1998年から2001年にかけて宇宙に行ったNASAの宇宙飛行士14人。比較的短期間のミッション(中央値12日)で、6人は初めてのミッションだった。

 驚くべきは、比較的若かった(中央値42歳)にもかかわらず、彼らに見られた突然変異が高齢者のものに似ていたことだ。

 「観察されたクローン性造血は比較的軽微なものでしたが、比較的若く、健康な宇宙飛行士であることを考えれば驚きです」と、グーカシアン教授は話す


突然変異2
photo by Unsplash

キャリアを通じた健康診断が大切
 
クローン性造血は、血液がんの前段階の状態で、心臓や血管の病気とも関係する。だからといって、必ずしも宇宙飛行士がそうした重い病気にかかるわけではないという。

 それでも、長期間宇宙の極限環境にさらされれば、そうなるリスクは高まる。

 今後人類は月や火星を目指し、より長期的なミッションに挑むことになる。そうした中、今回の研究は、引退後も含め、宇宙飛行士のキャリアを通じた健康診断の大切さを伝えてくれている。

 なお宇宙飛行士の健康はちょうどタイムリーな話題かもしれない。昨年、NASAは宇宙飛行士が浴びてもいい放射線の基準を変更しようと提案したばかりだ。

 それによれば、若い宇宙飛行士ほど基準が引き上げられ、また男女の違いもなくす方向で検討しているそうだ


2022年09月19日
カラパイアより
 

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