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連星系形成のメカニズム

Posted by moonrainbow on 19.2019 ニュース   0 comments   0 trackback
双子原始星からの不揃いな分子流を検出、連星系形成の謎に迫る

分子流と円盤の想像図
アメリカの電波干渉計「JVLA」による観測結果。左側に見えるのが双子原始星「VLA 1623A」。右(VLA 1623B)の正体はわかっていない(提供:Kawabe et al. 2018を改変)

ペアの原始星それぞれから噴き出す不揃いな分子流が、アルマ望遠鏡による観測で検出されました。原始星円盤の回転軸も大きく傾いていることが示唆され、連星系形成のメカニズムを解明する手掛かりの一つとなります

星の多くは連星として誕生するが、その連星がどのように誕生するのかは、実はまだよくわかっていないのです。

たとえば「乱流分裂モデル」では、星の材料である分子雲が乱流によって複数の分子雲コア(星のたまご)に分裂し、分子雲コア同士が互いに回りあう中で星が生まれ、最終的に連星系ができると考えられています。また「円盤分裂モデル」では、ある原始星を取り巻くガス円盤(原始星円盤)が分裂してもう一つの星を生み出し連星ができると考えられています。これらのモデルの複合的な要因で最終的な連星系ができるという考え方もあります。

連星形成のメカニズムに迫るためには、数多くの若い連星系を観測して、特徴を統計的に考察することが重要だ。その際に注目すべき特徴の一つは、原始星の周りにできる「円盤の向き」です。

NEC/東京大学の原千穂美さん、国立天文台の川邊良平さんたちの研究チームは、へびつかい座の方向に存在する双子原始星「VLA 1623A」をアルマ望遠鏡で観測しました。この原始星のペアは非常に若く、間隔が数十天文単位と非常に狭いという特徴があります


その結果、双子原始星のそれぞれから噴き出す、これまで知られていなかった不揃いな分子流が検出されました。間隔の狭い連星系で、不揃いな分子流が見つかった例は初めてです。一般的に分子流は原始星円盤の回転軸方向に飛び出すので、分子流が不揃いということは、それぞれの原始星円盤の回転軸も大きく傾いていることを示していると考えられます

VLA 1623Aから噴き出す分子流の分布
アルマ望遠鏡がとらえた、VLA 1623Aから噴き出す分子流の分布。高速で近づくガス(青)、低速で近づくガス(水色)、低速で遠ざかるガス(橙)、高速で遠ざかるガス(赤)を表す(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Kawabe et al.)

さらに今回の観測では、分子流の中心部を流れるジェットの構造から、双子原始星の軌道運動に起因すると思われるジェットの波打ち現象もとらえられました。1周期の間隔は約300年で、双子原始星の軌道周期である400~500年とほぼ一致しています

VLA 1623Aからの高速度分子流
VLA 1623Aからの高速度分子流(赤は遠ざかる成分、青は近づく成分)。大量に存在する高密度ガス(緑)を分子流がかき分けて外側に広がっている様子がわかる。遠ざかるジェット状の成分の拡大図(上)では、波打つ構造が3周期分はっきりと確認できる(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Kawabe et al.)

従来、間隔の狭い連星系の多くは円盤分裂によって形成され、円盤の向きは揃っているはずだと考えられてきました。しかし、磁場や乱流など現実的な様々な効果を取り入れた近年の円盤分裂モデルでは、円盤の向きが揃わない可能性も指摘されています。今回のVLA 1623Aの観測結果はこの考え方と合致しているが、乱流分裂モデルの可能性を否定するものでもないのです。

今後このような観測を増やすことで、連星系形成のモデルの検証が進むと期待される。回転軸が不揃いな円盤からは不揃いな惑星系が生まれてくる可能性もあり、連星系形成の研究から多様な系外惑星系の誕生の謎にも迫ることができるかもしれません


電波干渉計「JVLA」による観測結果
双子原始星からの不揃いな分子流と円盤の想像図(提供:国立天文台)

2019年9月11日
AstroArtsより

プロジェクト「カタリナ・スカイサーベイ(CSS)」

Posted by moonrainbow on 27.2019 ニュース   0 comments   0 trackback
年間1000個の地球接近天体を捉える「小惑星ハンター」次の任務は重力波源観測

合体間近な中性子星の想像図
合体間近な中性子星の想像図

アメリカのアリゾナ大学は2019年8月14日付で、地球接近天体(NEO:Near Earth Object)の検出を目的に運用されている同大学の観測プロジェクト「カタリナ・スカイサーベイ(CSS)」の新たな取り組みを紹介しています

■1年で1000個の地球接近天体を発見する「小惑星ハンター」

NASAからの資金提供を受けて運営されているカタリナ・スカイサーベイは、毎年数多くの地球接近天体を発見しています。2018年に発見した天体のサイズは推定2mから1200mまで多岐に渡り、その総数は合計1056個に達します。

100m以上のサイズを持つ小惑星は「シティ・キラー」とも呼ばれており、万が一にも地球の人口密集地に落下すれば大きな被害が予想されることから、その存在をいち早く発見するのは重要な任務です。カタリナ・スカイサーベイは、そんな潜在的に危険な天体を見つけ出す小惑星ハンターとでも言うべきプロジェクトなのです。

観測に使用される望遠鏡のひとつが、海抜2800mの高所にあるレモン山天文台の1.5m望遠鏡。この望遠鏡には、実に1億1100万画素(1万560ピクセル四方)という高画素のCCDセンサーが主焦点に取り付けられています


レモン山の遠鏡
レモン山の1.5m望遠鏡(Credit: Catalina Sky Survey)

■カタリナ・スカイサーベイの新たな任務は「重力波源」の観測

小惑星ハンターとして成果を上げ続けているカタリナ・スカイサーベイですが、今年からは新たに「重力波源」の観測任務が追加されました。

現在、アメリカの「LIGO」や欧州の「Virgo」といった重力波検出器によって、ブラックホールや中性子星の合体によるとみられる重力波が幾つも観測されています。特に、2017年に観測された中性子星どうしの合体は貴重な重元素を生み出す「キロノバ」と呼ばれる爆発現象を伴うため、重力波だけでなく可視光を含むさまざまな波長の電磁波でも観測されました。

今回、カタリナ・スカイサーベイではこうした重力波の発生源を可視光で迅速に捜索するために、LIGOが重力波を検出したときのアラートを受け取るためのアップデートが施されました。「Searches after Gravitational Waves Using ARizona Observatories」略して「SAGUARO」(サボテンの一種、和名:弁慶柱)と名付けられたこの取り組みでは、アラートを受信次第、重力波源が存在すると予想される領域にカタリナ・スカイサーベイの望遠鏡が向けられます


SAGUAROのロゴマーク
SAGUAROのロゴマーク(Credit: Michael Lundquist)

2019年4月に始まったSAGUAROですが、早くも4月9日、4月25日、4月26日に合計3回のアラートを受信し、迅速に観測できる体制にあることが確認されました。このうち9日はブラックホールどうし、25日は中性子星どうし、26日はブラックホールと中性子星の合体による重力波だったとみられています。

ただ、機械学習も併用することで5つの重力波源候補を絞り込むことはできたものの、4月の重力波に関しては重力波源とみられる天体を突き止めるまでには至っていません。今後はレモン山のお隣ビゲロー山に設置されている広視野の0.7m望遠鏡も観測に加えつつ、引き続き重力波源の追跡観測が実施される予定です


Image Credit: NASA

2019/8/21
Soraeより

ブレイクスルー・イニシアチブ(Breakthrough Initiatives)」プロジェクト

Posted by moonrainbow on 28.2019 ニュース   0 comments   0 trackback
地球外文明に関する調査報告が公開。1327個の星々から痕跡は見つかったのか?

「ブレイクスルー・イニシアチブ」プロジェクト

ロシア生まれの資産家ユーリ・ミルナー氏の出資によってスタートした「ブレイクスルー・イニシアチブ(Breakthrough Initiatives)」プロジェクトは2019年6月18日、同プロジェクトの一部である「ブレイクスルー・リッスン(Breakthrough Listen)」のもと、地球外の知的生命体による活動の痕跡がないかを観測した結果を発表しました

観測結果は研究チームを率いたカリフォルニア大学バークレー校のDanny Price氏らによって論文にまとめられ、6月17日付で発表されています

観測の対象となったのは、地球から160光年以内にある1327個の恒星です。研究チームはアメリカのウェストバージニア州にある「グリーンバンク天文台」の直径100mの電波望遠鏡と、オーストラリアのニューサウスウェールズ州にある「パークス天文台」の直径64mの電波望遠鏡を使い、文明活動によって生じた痕跡(通信による電波など)を2015年から探し続けています

「ロバート・バード・グリーンバンク望遠鏡」
グリーンバンク天文台にある巨大な「ロバート・バード・グリーンバンク望遠鏡」(Credit: NRAO/GBO)

自然現象によって生じた電波を除外するために、研究チームは観測される電波の周波数を数十億のチャンネルに分けて分析。観測所の近く(つまり地球上)で生じた電波や、空の一点から届いたものではない電波などを慎重に除外する作業を繰り返しました

結論を言えば、1327個の恒星から文明活動の痕跡は見つかっていません。しかし、Price氏が「知的生命体がそこにいないという意味ではない」と語るように、現在の観測装置や分析手法では見つけられなかっただけ、という可能性もあります

パークス天文台の64m電波望遠鏡
パークス天文台の64m電波望遠鏡(Credit: S.Amy, CSIRO)

論文で発表されたのは電波による観測結果ですが、ブレイクスルー・リッスンではさまざまな痕跡をキャッチするべく、可視光線(人の目に見える光)を使った観測も実施しています。また、今後は64基の電波望遠鏡群から構成される南アフリカの観測施設「MeerKAT(ミーアキャット)」を加えて、観測対象を数千倍に拡大することも計画されています

さらに、ブレイクスルー・イニシアチブでは、超小型・超軽量の探査機に薄い膜でできた帆を取り付け、レーザー光によって光速の20パーセントまで加速させることで恒星のフライバイ探査を実現する「ブレイクスルー・スターショット」の研究も進められています

探査目標の「アルファ・ケンタウリ」星系までの距離は4.22光年離れていますが、ブレイクスルー・スターショットの探査機なら20年ほどで到達します。これはもしかすると文明があるかも……そんな痕跡が見つかったとき、地球からの距離によっては恒星系に向けて直接探査機を送り込む、そんな未来が意外とすぐそこまで来ているのかもしれません

Image Credit: J.Smith, CSIRO

2019/6/21
Soraeより

現在活動中の宇宙探査機のマップ「Where We Are」

Posted by moonrainbow on 23.2019 ニュース   0 comments   0 trackback
活動中の探査機がひと目で分かる太陽系マップ

Where We Are
「Where We Are」2019年7月1日版

カリフォルニア州パサデナにある
惑星協会(The Planetary Society)のEmily Lakdawalla氏は2019年6月11日、現在活動中の宇宙探査機の場所を示したマップ「Where We Are」の2019年7月1日版を公開しました。

もともと惑星協会の会員向けコンテンツとして作成されている「Where We Are」では、太陽系内の惑星や小惑星の公転軌道上における位置だけでなく、今まさに観測を行っている探査機の最新情報が3か月に一度更新されています

キャプションはすべて英語で書かれていますが、幅広い会員に向けたものであるためか、難解な専門用語は極力用いられていません。天体と探査機の名称を読み取ることができれば、日本人でも楽しめるコンテンツとなっています

この画像が最新版の「Where We Are」。小惑星帯よりも内側にある水星/金星/地球/火星が描かれた中段をメインに、月と火星はそれぞれ上と左に詳細が描かれています。NASAが2024年の有人探査再開を目指している月(Moon)や、その先に有人探査が予定されている火星(Mars)では、数多くの探査機が活動していることがわかります

気になる日本の探査機も3つ描かれています。小惑星「リュウグウ(Ryugu)」で2回目の試料採取に挑もうとしている小惑星探査機「はやぶさ2(Hayabusa2)」は太陽(Sun)の上方に、金星(Venus)を周回観測中の金星探査機「あかつき(Akatsuki)」は太陽の左側にその姿を確認できます

また、太陽の右に見える地球(Earth)のすぐ近くには、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と欧州宇宙機関(ESA)が共同開発し、日本の水星磁気圏探査機「みお」を載せた「ベピ・コロンボ(BepiColombo)」の姿が。現在ベピ・コロンボは地球の比較的近くで太陽を周回しており、地球と金星の重力を利用して軌道を変更するスイングバイを来年に控えています

いっぽう下段には、小惑星帯よりも外側の木星/土星/天王星/海王星と太陽系の外縁が描かれています。活動する探査機の数は小惑星帯から内側よりも圧倒的に少なく、惑星を周回しているのは木星(Jupiter)で活動を続けるNASAの木星探査機「ジュノー(Juno)」ただ1機のみとなります

すでに太陽圏を脱出したと見られている「ボイジャー(Voyager)1号」「同2号」や、太陽系外縁天体「ウルティマ・トゥーレ」をフライバイ観測した「ニュー・ホライズンズ(New Horizons)」を含めても、下段にはわずか4機しか描かれていません

なお、「Where We Are」では地球を離れて活動を行っている探査機が描かれているため、地球を周回している「ハッブル」宇宙望遠鏡や「国際宇宙ステーション(ISS)」のように、よく知られていても描かれていない探査機や構造物もあります

人跡未踏の深宇宙で人間に代わり科学観測を実施している無人探査機たち。各国の火星探査機打ち上げが予定されている来年以降のにぎわいぶりが今から楽しみです

Image credit: The Planetary Society

2019/6/17
Soraeより

「宇宙人の星」を見つけ出せ

Posted by moonrainbow on 20.2019 ニュース   0 comments   0 trackback
NHKスペシャル『スペース・スペクタクル』放送へ

オウムアムア

NHKは、NHKスペシャルの新シリーズ「シリーズ スペース・スペクタクル」の放送を発表しました

2019年6月23日に放送される第1集のテーマは『「宇宙人の星」を見つけ出せ』。2017年、太陽系外から飛来した恒星間天体「オウムアムア」は、自然には起こりえない加速をしつつ接近し、不自然な動きで太陽系を離れていった。この長さ400mの謎の葉巻形の物体は、一部の研究者からは宇宙人が作った「宇宙船」であると唱えているという。実際に宇宙人はいるのか、宇宙人の星は見つかるのか、などの謎に迫ります

また、7月放送の第2集のテーマは『「宇宙の黒幕」ブラックホールを見よ』、9月以降に放送予定の第3集のテーマは『「地球生命のルーツ」を追え』となります

番組ナビゲーターに嵐 櫻井翔が起用されています。
詳細はNHKの特設サイト(https://www.nhk.or.jp/special/space/)を参照してください


Image Credit:ESO/M. Kornmesser

2019/5/24
Soraeより
 

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