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天王星の衛星の起源に新説

Posted by moonrainbow on 15.2020 衛星   0 comments   0 trackback
地球とも木星とも異なる形成モデル

天王星の自転軸
天王星の自転軸(黄色)は天王星の軌道面に対して寝ており、衛星の回転も横倒しになっている(提供:京都大学)

天王星の衛星は総質量が天王星に比べてとても小さく、遠く離れた位置で天王星と同じく大きく傾いた軌道を回っている。こうした特徴は、地球のような岩石惑星とも木星のようなガス惑星とも異なる、氷惑星である天王星ならではのモデルで説明できるかもしれない

太陽系の惑星の多くは、太陽の周りを回る軌道面に対しておおむね直立して自転しているが、天王星の自転軸は直立方向から98度とほぼ横倒しになっている。そして天王星の主要な衛星5つ(アリエル、ウンブリエル、タイタニア、オベロン、ミランダ)も天王星の自転に沿って、横倒しの軌道を回っている。

天王星は元々、他の惑星のようにまっすぐ(直立して)回りながら誕生したが、後に地球の1~3倍の質量の天体が衝突して自転軸が傾いたという説が有力だ。その際に飛び散った破片が集まって衛星になったのだとすれば、衛星の軌道面も横倒しになっていることが説明できる。しかし、現実の衛星は全て合わせても質量が天王星の0.01%しかないのに対して、理論上は衝突の破片から誕生した衛星の質量は惑星の1%程度にならなければいけない。巨大衝突で生まれたことが有力視される地球の月はこの質量比に当てはまっている。

また、衝突の破片は惑星のすぐそばで集積するはずだ。月も元々地球に近かったが、45億年におよぶ地球との重力相互作用でだんだん遠ざかったと考えられている。天王星の衛星はどれも軽すぎてこのような作用は働かないが、それにもかかわらず天王星最大級の衛星は天王星半径の15~25倍という離れた位置にある。

衛星が誕生するシナリオとしては、巨大衝突説の他に円盤説が考えられる。誕生直後の惑星が周囲のガスを取り込む際に円盤を形成し、その中から衛星が生まれるというものだ。これなら衛星の総質量は惑星の0.01%となり、この説で誕生したと考えられる木星のガリレオ衛星は条件に当てはまっている。しかし、天王星は最初から横倒しで誕生したわけではないはずなので、衛星の軌道が横倒しであることは円盤説では説明できない


天王星
天王星(提供:Lawrence Sromovsky、University of Wisconsin-Madison/W.W. Keck Observatory/NASA)

天王星は氷を主成分とする惑星であり、地球のような岩石惑星とも木星のようなガス惑星とも異なる。そのため、巨大衝突では固体の破片が飛び散るのではなく、水が完全に蒸発して水蒸気の円盤が形成されるはずだ。東京工業大学の井田茂さんたちの研究チームはこの点に注目し、この水蒸気円盤から衛星が形成される過程をコンピューターでシミュレーションした。

衝突により天王星の質量の1%が蒸発して円盤になったとすると、そのままでは水蒸気に熱がこもって固まることができない。水蒸気の99%が天王星に再吸収され、残りの円盤が天王星半径の10倍以上に広がったときにようやく氷が凝縮するという。1%の1%、つまり0.01%という数字は天王星の衛星の総質量と一致し、衛星の軌道が天王星から離れていることもこれで説明できる


天王星の衛星の質量と軌道半径について
天王星の衛星の質量と軌道半径について、実際の値とシミュレーション結果とを比較したグラフ(提供:京都大学)

天体の衝突で衛星が生まれるというシナリオは、一見すると地球の月が形成された過程と似ているが、岩石を主成分とする地球では飛び散った破片はすぐに凝縮するので、どのような巨大衝突が起こるのかが月の作られ方を左右する。一方、天王星のような氷天体で衛星が誕生するときには、最初の衝突だけではなく、円盤が冷えたり広がったりする過程も重要だということが今回の結果から示された。

このように、地球型惑星とも木星型惑星とも全く異なる衛星形成の理論モデルは、天王星と同じような氷惑星に一般的に適用できる標準モデルとなり得るという。太陽系の海王星だけでなく、地球の数倍の質量を持ち岩石や氷からなると予想される「スーパーアース」に分類される太陽系外の惑星についても、同様の推論が成り立つだろう


2020年4月10日
AstroArtsより

土星の衛星「エンケラドゥス」に生命存在の可能性高まる

Posted by moonrainbow on 15.2019 衛星   0 comments   0 trackback
噴出した水溶性の有機化合物を発見

衛星「エンケラドゥス」の疑似カラー画像

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カッシーニが撮影した土星の衛星「エンケラドゥス」の疑似カラー画像(Credit: NASA/JPL/Space Science Institute)

土星の衛星「エンケラドゥス」から宇宙空間へ噴出した氷粒に、これまで未確認だった有機化合物が含まれていたことがわかりました。NASAのジェット推進研究所(JPL)欧州宇宙機関(ESA)から2019年10月2日付で発表されています

■アミノ酸につながる有機化合物の存在を確認

見つかったのは、窒素を含むアミンや、酸素を含むカルボニル基を持った有機化合物です。これらの化合物は、地球ではアミノ酸の生成にも関与することが知られています。

今回見つかった有機化合物は、Nozair Khawaja氏らの研究チームによって、2017年にミッションを終えた土星探査機「カッシーニ」による土星の「E環」と呼ばれる環の観測データを解析することで発見されました。

E環は土星の環のなかでも外側にあり、淡くて幅が広いという特徴があります。この環はエンケラドゥスから噴出した氷粒でできているため、E環を調べることでエンケラドゥスに存在する物質などを間接的に知ることができるのです


一番外側で淡く青白い光を放っているのがE環
カッシーニが土星の影に入ったときに撮影した環。一番外側で淡く青白い光を放っているのがE環(Credit: NASA/JPL-Caltech/SSI)

エンケラドゥスの分厚い氷の下には液体の水(海)がたたえられているとされており、その海底には熱水を噴き出す噴出孔があると考えられています。研究に参加したFrank Postberg氏は、今回の発見が熱水噴出孔のもたらすエネルギーによってアミノ酸が生成されている可能性を示唆しており、エンケラドゥスの環境が生命の存在に適している可能性をさらに高めるものだとしています

■研究チームはより複雑な有機化合物も発見

Khawaja氏らの研究チームは昨年にも、エンケラドゥスを由来とする有機化合物の高分子が見つかったことを発表しています。当時の研究によると、高分子はエンケラドゥスの氷の地殻にできた割れ目にしみ込んだ海水の表面に膜を作っていて、海底から噴出したガスの泡が海面で弾けたときに宇宙空間へ放出されたものが検出されたと考えられています。

いっぽう、今回発見されたのは水溶性の有機化合物でした。海水に溶け込んでいた有機化合物が海面から蒸発して氷粒に凝縮し、その後に宇宙空間へと放出されてE環を形成した結果、カッシーニの観測データから検出されたものとみられています


エンケラドゥスの南極付近の模式図
今回の研究にもとづくエンケラドゥスの南極付近の模式図。地下の海(ocean)に溶け込んだ有機化合物(organics)が、氷の地殻(crust)の割れ目にある氷粒(ice grains)に凝縮し、ジェットとともに宇宙空間へ放出される(Credit: NASA/JPL-Caltech)

Image: NASA/JPL/Space Science Institute

2019/10/3
Soraeより

土星の衛星「タイタン」の湖の謎

Posted by moonrainbow on 28.2019 衛星   0 comments   0 trackback
衛星タイタンの盛り上がった縁の湖は過去の気候変動を物語っている?

土星の手前に浮かぶ衛星タイタンの姿
土星探査機カッシーニが撮影した、土星の手前に浮かぶ衛星タイタンの姿(Credit: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute)

NASAのジェット推進研究所(JPL)は2019年9月9日、土星の衛星「タイタン」の湖を巡る謎に迫ったGiuseppe Mitri氏らの研究成果を発表しました。研究内容は論文にまとめられ、同日付でNature Geoscienceに掲載されています

■成因不明の切り立つ湖岸は窒素の爆発的噴出で形成された可能性

2019年4月、タイタンの湖には地球のカルスト地形に似た特徴が見られるという研究内容を紹介しました。このような湖は、液体のメタンがタイタンの地殻(水の氷や有機化合物から成る)を侵食することで形成された窪地がもとになっていると考えられています。

しかし、土星探査機「カッシーニ」がもたらしたタイタンの地表観測データには、縁が盛り上がって湖岸が切り立った崖のようになっているとみられる比較的小さな湖も幾つか確認されていました。これらの湖は、地殻のへこみにメタンが貯まってできた湖とはまるで逆の特徴を持っており、どのように形成されたのかはわかっていませんでした。

今回Mitri氏らの研究チームによって示された新たな理論モデルは、侵食ではうまく説明できない盛り上がった縁を持つ湖の形成過程を説明しています。その内容は、長い時間をかけて進行するイメージの浸食作用とは異なり、一瞬にして地形を作り変えてしまうような激しい出来事があったことを示唆しています。

研究によると、過去のタイタンでは、大気の主成分と同じ窒素が液体の状態で地下の一部に貯留される時期があったとしています。この液体窒素が何らかの要因で加熱されて気体となり、地表を吹き飛ばすほどの爆発的噴出を起こしたことで、盛り上がった急峻な縁を持つ窪地が誕生します。ここに液体のメタンが貯まった結果、現在見られるような盛り上がった縁を持つ湖になったというのです


■過去のタイタンには窒素が循環する寒冷期があった?

盛り上がった縁を持つタイタンの湖の想像図
盛り上がった縁を持つタイタンの湖の想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)

現在、タイタンの地表の温度は摂氏マイナス180度ほどとされています。窒素の沸点はおよそ摂氏マイナス196度ですから、液体の窒素が貯まるには今よりもっと温度が低くなければなりません。

研究チームは、タイタンの気候はここ5億年から10億年ほどの間はメタンの温室効果によって比較的温暖に保たれているものの、それ以前には寒冷な時期があり、窒素が雨となって地表に降り注ぐことで大気との間を循環していたとしており、この時期に液体窒素が地下に貯まったとしています。

その後、メタンの温室効果によって温暖な気候へと移り変わる過程で温度が上昇。地下の窒素が温められて気化し、地表に噴き出したあとの窪地に湖が形成されました。つまり、侵食作用では説明できない盛り上がった縁を持つ湖の存在は、かつてタイタンに寒冷な時期があったことの証でもあるというわけです。

カッシーニが残した観測データは、ミッション終了から2年を経た現在でも、土星やその衛星に関する新たな知見をもたらし続けています。JPLのLinda Spilker氏は「今後数十年に渡り、土星とその衛星に関する理解が深まり続けるでしょう」と語っています


Credit: NASA/JPL-Caltech

2019/9/18
Soraeより

土星の衛星タイタン(Titan)をドローン型探査機で探査

Posted by moonrainbow on 06.2019 衛星   0 comments   0 trackback
NASAはドローン型探査機で土星の衛星タイタン(Titan)へ

ドローン型探査機で土星の衛星タイタン(Titan)へ
米航空宇宙局が公開した、土星の衛星タイタンの地表に接近する探査機「ドラゴンフライ」の想像図(2019年6月27日提供)。

New Dragonfly Mission Flying Landing Sequence Animation



米航空宇宙局(NASA)は2019年6月27日、ドローンに似た回転翼で飛行する新型の探査機「ドラゴンフライ(Dragonfly)」を土星の最大の衛星タイタン(Titan)に送り、生命の起源を探る計画を発表しました。2026年に打ち上げ、2034年にタイタン着陸を目指します

 トンボの名を冠した新探査機は8基の回転翼を備えており、ドローンのように飛行と着陸を繰り返してタイタン上の十数地点を探査する予定です

 タイタンは氷で覆われた天体ですが、厚い大気が存在し、太陽系で地球以外に唯一、液体状の川や湖、海があることが分かっています。これらの液体はメタンやエタンで、大気の主成分は窒素ですが、科学者らは原始の地球と酷似していると指摘しています

 NASAの計画では、ドラゴンフライは2年7か月かけて総距離175キロ以上を飛行。有機物でできた砂丘から、生命誕生の鍵とされる液体状の水や複合有機物がかつて同時に存在した可能性のある衝突クレーターの底まで、広範囲を調査してタイタンにおける前生物的化学進化を探ります

 また、大気や地表の成分、地下海や地下湖も調査。生命が存在した証拠や、今も存在している証拠となる化学物質を探します

2019年6月28日
AFPより

木星の衛星エウロパ

Posted by moonrainbow on 19.2019 衛星   0 comments   0 trackback
木星の衛星エウロパの黄色い模様は「塩」だった

ガリレオが撮影したエウロパ
ガリレオが撮影したエウロパ(左:自然な色合い、右:色合いを強調)

画像は、NASAの木星探査機「ガリレオ」に搭載されていた光学観測装置「SSI」を使って撮影された、木星の衛星「エウロパ」の姿。左は自然な色合いを再現したもので、右は表面の特徴がわかりやすくなるように色合いを強調したものとなります

エウロパに向かって右側には、赤茶色をした何本もの線条が走っています。反対の左側に線条はあまり見られず、かわりに「Tara Regio(タラ地域)」と呼ばれる黄色っぽいエリアが広がっています

カリフォルニア工科大学の大学院生Samantha Trumbo氏らによってまとめられ、2019年6月12日に公開された論文によると、エウロパのタラ地域には塩化ナトリウムが豊富に存在していることが判明しました

「NaCl」の化学式で示される塩化ナトリウムは、私たちが日頃摂取している食塩の主成分であり、地球の海水にも豊富に含まれています。それと同じものが、エウロパの表面からも大量に見つかったというわけです

こちらは、NASAのジェット推進研究所(JPL)において、エウロパ表面の環境を再現する実験装置に投入されたあとの食塩を撮影したものです。写真の中央にある四角い皿状の容器には、変色して黄色みを帯びた食塩が載っているのが見えます。この実験結果から、タラ地域に特有の黄色っぽい色は、変色した塩化ナトリウムによるものと推測することができます

エウロパ表面の環境を再現する実験装置と、実験で変色した食塩
エウロパ表面の環境を再現する実験装置と、実験で変色した食塩(Credit: NASA/JPL-Caltech)

遠く木星を周回する衛星とはいえ、エウロパの表面に塩化ナトリウムが広がっていることにこれまで誰も気が付かなかったというのも意外に思えますが、塩化ナトリウムの存在を光学的に観測するには可視光線(人間の目で見える波長の光)を分析する必要があるため、ガリレオに搭載されていた近赤外線作図分光器「NIMS」ではその存在をキャッチできませんでした

Trumbo氏らの研究チームが宇宙望遠鏡「ハッブル」を使ってエウロパの表面を分析したところ、前述の実験によって変色した塩化ナトリウムと同じ特徴が見つかりました。「この20年間、ハッブルを使って分析しようとは誰も思いませんでした」とTrumbo氏が語るように、可視光線による分析は盲点だったようです

エウロパの氷でできた大地の下には液体の海が存在しており、そこにはエウロパで誕生した生命が息づいているかもしれないと考えられています。現在NASAでは2020年代の打ち上げを目指し、エウロパの海をはじめとした環境を詳しく調べるための探査機「エウロパ・クリッパー」の開発を進めています

エウロパに接近した「エウロパ・クリッパー」の想像図
エウロパに接近した「エウロパ・クリッパー」の想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)

生命が存在する可能性を検討する上で、塩の存在は重要です。地球で生命が誕生した舞台と考えられている海水と同じような成分が存在するのであれば、地球の生命に似た仕組みを持つ生命体が、エウロパでも誕生しているかもしれません

また、エウロパの海は存在していても厚い氷の下にあるため、太陽の光が差し込むことはありません。そのため、エウロパの生命体は地球の深海に見られる熱水噴出孔のような場所からエネルギーを得ているだろうと予想されています

Trumbo氏によれば、塩化ナトリウムの存在は、エウロパの海底における熱水活動を示唆している可能性があるといいます。つまり、エウロパの海底には熱水噴出孔のように海水を加熱させる何らかの仕組みが存在する(または存在した)ことを、塩化ナトリウムは間接的に示しているかもしれないのです

熱水噴出孔
極限環境に適応したバクテリアによって生態系が支えられている地球の熱水噴出孔。このような場所がエウロパにも存在するかもしれないと考えられています(Credit: Courtesy Chris German, WHOI/NSF, NASA/ROV Jason © 2012 WHOI)

今回の観測結果がただちに海の存在に結びつくわけではありませんが、地球のように「しょっぱい海」が存在している可能性が高まったエウロパの地下、そこにはどのような世界が広がっているのか、そして生命は誕生しているのでしょうか

Image credit: NASA/JPL/University of Arizona

2019/6/13
Soraeより
 

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