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反物質も重力で「落下」する

Posted by moonrainbow on 05.2023 科学   2 comments   0 trackback
反物質も重力で「落下」する 国際研究チームが発見

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反物質も重力で「落下」する 国際研究チームが発見

宇宙が始まったときに豊富に存在した謎の物質「反物質」が、物質と同じように重力に反応することが、国際研究チームによる最新研究で明らかになった

反物質は、惑星などを形成する物質とは反対の性質を持つ。

宇宙の始まりであるビッグバンでは、物質と反物質は同じ量が生成された。物質はあるゆるところに存在する一方、反物質は現在では見つけるのが難しい。

物理学者らは長年、宇宙がどのように発生したかを説明するため、物質と反物質の相違点と類似点を発見しようと躍起になってきた


もし反物質が重力への反応として、落下ではなく上昇するとなれば、我々が物理学について知っていることは吹き飛んでしまっていただろう。

しかし、科学誌「ネイチャー」に掲載された今回の研究で初めて、反物質の原子が沈むことが明らかになった。これは科学的な行き詰まりどころか、新たな実験や理論への扉を開くことになる。たとえば、反物質は同じ速度で落下するのだろうか? 

ビッグバンの際、物質と反物質は結合して相殺され、光だけが残るはずだった。なぜそうならなかったのかは物理学の大きな謎の一つであり、両者の違いを明らかにすることが解決の鍵だ。

物質はどういうわけか、この宇宙創造の初期段階に反物質を抑えた。今回の研究のメンバーの一人、スイスの欧州原子核研究機構(CERN)所属のダニエル・ホッジキンソン博士は、反物質の重力への反応が鍵を握っているかもしれないと指摘した。

「我々は、どのように宇宙が物質にあふれる形になったかを知らない。これが実験の動機となった」と、ホッジキンソン博士は述べた。

ほとんどの反物質は宇宙ではほんの一瞬、数秒しか存在しない。そのため、実験では反物質を安定して長持ちする形にする必要があった。

ジェフリー・ハングスト教授は30年をかけ、亜原子粒子から何千もの反物質の原子を丹念に作り、それを閉じ込めてから投下する施設を築いた。

「反物質は考えうる限り最もクールで謎に満ちた物質だ」と、ハングスト教授は語った。

「現在分かっている限りでは、私たちの宇宙と同じような、反物質だけでできた宇宙を作ることができる」

「まさに感動的なことだ。この物質が何であり、どのように振る舞うかについて、最も基本的な未解決の疑問の一つだ」


■反物質とは? 

まずは物質の説明から始めよう。この世界のあらゆるものは、原子と呼ばれる小さな粒子でできている。

最も簡単な形の原子は水素だ。太陽の大部分は水素でできている。水素原子では、プラスの電気を帯びた陽子が真ん中にあり、その周りをマイナスの電気を帯びた電子が回っている。

反物質では、これが逆になる。

CERNでの実験では、水素の反物質である「反水素」が使われた。マイナスの電気を帯びた反陽子が真ん中にあり、その周りをプラスの電気を帯びた陽電子が回っているものだ。

反陽子は、CERNの加速器で物質を衝突させて作られた。その後、光に近い速さでパイプを通り、反物質の研究室に送られる。だがこの時点では、速すぎて研究者には扱えない。

研究の第一段階は、反陽子を遅くすることだ。反陽子を円環に送ってエネルギーを消費させると、制御しやすい速さになる。

その後、反陽子と陽電子は巨大な磁石の中に入れられ、何千もの反水素を形成するように混ぜられる。

この磁石は磁場を作って反水素を閉じ込める。反物質は我々の世界と接触できないため、容器の壁に当たると壊れてしまうからだ。

この磁場を弱めると、反水素が解放される。その際、反水素が落下するのか上昇するのかをセンサーで検知した。

一部の理論家は、反物質が上方に落下する可能性を予測していた。しかしほとんどの理論家、特に100年以上前のアルバート・アインシュタイン氏の『一般相対性理論』では、反物質は物質と同じように振る舞い、下方に落下するはずだと述べていた。

CERNの研究者たちは今回、アインシュタイン氏が正しかったことを、前例がないほどの確かさで確認した。

しかし、反物質が上に落ちないからといって、物質とまったく同じ速度で下に落ちるわけではない。

研究の次の段階では、実験の精度を上げることで反物質の落下速度にわずかな違いがあるかどうかを見極めるという。

もし落下速度が変わるなら、宇宙がどのようにして誕生したのかという最大の疑問の一つに答えられるかもしれない


2023年9月28日
BBC Newsより

暗黒エネルギー解明への「ユークリッド宇宙望遠鏡」

Posted by moonrainbow on 09.2023 科学   0 comments   0 trackback
暗黒エネルギー解明へ出発 ユークリッド宇宙望遠鏡

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1日、ユークリッド宇宙望遠鏡を搭載し米フロリダ州から打ち上げられるスペースXのファルコン9ロケット(ESAの中継から・共同)

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ユークリッド宇宙望遠鏡のイメージ(ESA提供・共同)

 欧州宇宙機関(ESA)は1日、新開発の宇宙望遠鏡「ユークリッド」を米フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げた。100億光年先まで広がる最大20億個の銀河の地図を作り、物理学の最大の謎といわれる「暗黒エネルギー」の性質に迫るのが目的だ

 宇宙は138億年前の誕生から膨張を続けてきた。その勢いは物が引き合う重力の影響で次第に緩やかになるはずだが、なぜか数十億年前から加速している。その原因は、重力とは逆に物を反発させ合う暗黒エネルギー。このエネルギーは宇宙の70%を構成する。他の25%は光を吸収も反射もしない正体不明の暗黒物質、星々を構成する原子など通常の物質は5%だけだ。

 ユークリッドは高さ4.7メートル、幅3.7メートルで重さ2トン。銀河の位置や形を見る可視光カメラと、距離を知るための赤外線観測装置を搭載する。暗黒物質があると重力によって背後の銀河がゆがんで見える現象を観測し、銀河だけでなく暗黒物質の分布も調べる。こうして精密な立体地図ができれば、宇宙の構造ができる過程に暗黒エネルギーがどう関与したかが分かってくる可能性がある


2023年7月2日
共同通信より

水素-ホウ素核融合発電

Posted by moonrainbow on 08.2023 科学   0 comments   0 trackback
日米の研究チームが「放射性物質を使わない革新的な核融合技術」のテストに成功

核融合技術

水素やヘリウムといった軽い核種が融合してより重い核種になることを核融合反応と呼び、この反応によって取り出される核融合エネルギーを利用した核融合発電は、従来の発電方式に代わるクリーンで効率的な発電方式になると期待されています。新たに、アメリカの核融合発電技術開発企業であるTAE Technologiesと日本の核融合科学研究所(NIFS)が、水素とホウ素を使った革新的な核融合技術のテストに成功したと報告しました

核融合反応はエネルギー生成時に核廃棄物や温室効果ガスをほとんど生成しないという特徴を持っていることから、新たなクリーンエネルギー源として期待されています。核融合発電がどのような発電方式なのかは、以下の記事を読むとよくわかります。

「核融合」は一体どんな反応なのか?次世代のクリーンエネルギーとして期待される理由とは - GIGAZINE


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記事作成時点では世界各国で数十以上のチームが核融合発電の実用化を目指して競い合っており、主流となっているのは水素と三重水素(トリチウム)を利用した核融合です。しかし、トリチウムは放射能を持つ放射性同位体である上に、非常に希少かつ高価という欠点があります。

そこで、TAE Technologiesは水素-トリチウム核融合発電に代わる方式として、地球上に豊富に存在していてより安全なホウ素を使用した水素-ホウ素核融合発電の開発に取り組んでいます。2021年にはNIFSと提携し、NIFSの大型ヘリカル装置(LHD)を使用して水素-ホウ素核融合反応の実験を行うことを発表しました。

今回研究チームは、プラズマを閉じ込めるために磁場を用いる磁場閉じ込め方式を使用し、史上初の水素-ホウ素核融合反応のテストを完了したと報告しています。水素-ホウ素核融合反応では、副産物としてアルファ粒子とも呼ばれるヘリウムの原子核が放出されます。研究チームはこれを利用し、カスタム設計した検出器を用いて核融合反応に伴うアルファ粒子の放出を確認したとのことです。

研究チームは論文の中で、「以下に述べる研究は、日本の核融合科学研究所(NIFS)とTAEとの官民パートナーシップの成果であり、核融合エネルギー研究における日米の長い協力の歴史に基づくものです」と記しています。TAE TechnologiesのCEOを務めるMichl Binderbauer氏は、「この実験は私たちに豊富なデータを提供すると共に、水素-ホウ素が実用規模の核融合発電に適していることを示すものです。私たちは近いうちに物理的な課題を解決し、この非放射性で豊富な燃料(ホウ素)による、革新的で新しい形のカーボンフリーエネルギーを世界に提供できると確信しています」とコメントしました


多くの核融合発電企業はプラズマを閉じ込めるためにトカマク型を採用していますが、TAE Technologiesは逆転磁場配位型(FRC)という方式を採用しています。一般的なトカマク型では、使用する燃料が水素-トリチウムに限定されてしまいますが、TAE Technologiesが採用するFRCは汎用(はんよう)性が高く、水素-トリチウムだけでなく水素-ホウ素やトリチウム-ヘリウムといった組み合わせにも対応できるとのこと。また、FRCはトカマク型と比較して設置面積が少なくて済み、最大100倍の電力を生成できる可能性があるそうです。

TAE Technologiesは今回の研究結果により、2030年代に最初の水素-ホウ素核融合発電炉を使用して電力を供給するという最終目標に向けて、それまでに技術ライセンスの供与が可能になるよう取り組んでいくとしています。NIFSの広報担当者は、「水素-ホウ素の組み合わせは、よりクリーンな核融合炉の概念を可能にします。今回の成果は、先進的な核融合燃料を用いた核融合炉の実現に向けた大きな一歩となります」とコメントしました


2023年03月03日
Gigazineより

NASAが設立した市民科学プロジェクト

Posted by moonrainbow on 05.2023 科学   0 comments   0 trackback
赤い閃光の正体は? NASAが設立した市民科学プロジェクトが謎多き現象の解明に乗り出す

赤い閃光の正体は?
2021年12月4日にギリシャ・アテネ郊外で撮影されたスプライト

新星・超新星や彗星といった突発的に出現する天体や現象の捜索・発見ではプロだけでなくアマチュア天文家も活躍しており、論文誌に掲載されたりニュースで取り上げられたりしています。こうした一般市民による科学活動は市民科学(シチズンサイエンス)と呼ばれ、天文学を含めた科学の発展に貢献することがあります

このような市民科学のプロジェクトを、アメリカ航空宇宙局(NASA)が新たに立ち上げました。プロジェクトの名は「スプライタキュラ(Spritacular)」です。スプライタキュラとは、「閃光」を意味する「Sprite」と、「~っぽい」を意味する「-tacular」を組み合わせて作られた造語。同プロジェクトは、落雷の際に高度約80km(約50マイル)で発生する「スプライト(レッドスプライト)」と呼ばれる「超高層雷放電(Transient Luminous Event: TLE)」の観測データを集めることが目的だといいます。

過去20年間で、高品質なカメラの価格はますます手頃になり、大気中で発生する迫力のある現象を記録するツールが、より多くの一般人にとって身近なものになったといいます。こうした背景をもとに、すでにスプライトを積極的に追い求めているコミュニティだけでなく、これから同現象についてより多くのことを学びたいと考えている人や、大気中や宇宙空間における電気現象の研究者といった人々の架け橋になるべく、同プロジェクトが設立された模様です。

テレビカメラのテスト中に偶然撮影された「スプライト」
スプライトは、落雷後に発生する赤色の閃光として発生する発光現象です。さまざまな形状を取るために、「散乱した羽毛」や「らせん状の巻きひげ」などと形容されるようです。同現象の最初の報告は19世紀後半まで遡り、1989年には米国ミネソタ大学の研究者が低光量テレビカメラのテスト中に偶然スプライトを撮影しました。それ以来研究が進められていますが、スプライトの発生頻度や発生条件、どうしてさまざまな形状をとりうるのかなど、多くの疑問が解決していない状況にあるといいます。

スプライタキュラ・プロジェクトの当面の目的は、撮影されたスプライトのデータベースを作成することです。もし、あなたがスプライトを撮影し、研究に協力したいと考えているのであれば、スプライタキュラのプロジェクトページでアカウントを作成して、撮影した写真を提出しましょう。写真は科学者によるレビューや提出者との協議を経た後に、提出者を共同著者として論文に掲載されるとのことです


2022年11月11日
soraeより

キロノバの発見

Posted by moonrainbow on 03.2022 科学   0 comments   0 trackback
キロノバの発見には「ローマン宇宙望遠鏡」が最適かも。その理由とは?

爆発現象「キロノバ」
【▲中性子星どうしが合体して爆発現象「キロノバ」を起こす様子の想像図(Credit: NASA, ESA, J. Olmsted (STScI))】

アメリカ・ロスアラモス国立研究所のEve Chase氏が率いる研究グループは、開発中の宇宙望遠鏡「ナンシー・グレース・ローマン」(以下、ローマン望遠鏡)が「キロノバ」の発見に最適であるとした論文を発表しました。ローマン望遠鏡は、アメリカ航空宇宙局(NASA)が2027年5月に打ち上げる予定の宇宙望遠鏡です

既存の望遠鏡では発見困難なキロノバ

キロノバとは、超新星爆発に至った大質量星が残した「中性子星」どうしが衝突することで発生する爆発現象のことです。太陽に近い質量であるにもかかわらず、直径が10km(約6マイル)ほどしかないとされる高密度の中性子星どうしが合体すると、金・白金・ストロンチウムといった重元素が生成されます。キロノバで生成された重元素は、将来的に地球のような岩石惑星の地殻を形成すると考えられています。

理論上の現象だったキロノバが初めて観測されたのは、2017年8月17日のことでした。アメリカの重力波望遠鏡「LIGO」と欧州の重力波望遠鏡「Virgo」が、約1億3000万光年彼方から届いた重力波「GW170817」を検出したのに続いて、約1.7秒後にはガンマ線宇宙望遠鏡「フェルミ」が高エネルギー電磁波の放出現象「ガンマ線バースト」を検出。さらに、アメリカ航空宇宙局(NASA)の「ハッブル」宇宙望遠鏡などで追跡観測を行った結果、爆発後に拡散する破片の消えゆく輝きが捉えられました。

しかし、より遠くの宇宙ではより多くのキロノバが発生していると考えられており、1億3000万光年先という天文学的には近所とも言える場所で発生したGW170817は、必ずしもキロノバの代表例ではないかもしれません。イギリス・ダラム大学のDaniel Scolnic氏は、「キロノバがどのくらいの頻度で、そしてどのような銀河で発生するのかや、我々が検出したキロノバは典型的なものなのか、爆発の明るさの程度などについては不明なままだ」と述べています。

Chase氏の研究グループは、既存の望遠鏡だけでなく今後建設・打ち上げ予定の望遠鏡に搭載されるものも含む計13の広視野観測装置について、キロノバが検出できるのかどうかを検討しまし

研究グループは、キロノバの候補となりうる中性子星どうし、もしくは中性子星とブラックホールの合体現象が、まずはLIGO、Virgo、日本の重力波望遠鏡「KAGRA」で重力波として検出されるケースを想定し、重力波の検出後に広視野の観測装置で追跡観測が行われると仮定してシミュレーションを行いました。その結果、ローマン望遠鏡が高い確率でキロノバを検出すると結論づけられました


Visualization Showing How Roman Will Detect Kilonovae


【▲ ローマン宇宙望遠鏡でキロノバを検出するイメージ(Credit: Space Telescope Science Institute)】

ローマン望遠鏡がキロノバ発見の強力なツールとなる根拠として、宇宙の膨張があげられるといいます。数十億年前に存在した天体から放射される光(可視光線)は、膨張する宇宙を進むうちに波長が長くなるため、地球では赤外線として観測されます(宇宙論的赤方偏移)。ローマン望遠鏡は近赤外線の検出に特化した望遠鏡であり、約70億光年彼方から放射されたキロノバを検出できるだろうといいます。

また、ローマン望遠鏡が観測に特化している近赤外線には、もうひとつの利点があるようです。キロノバはさまざまな波長の電磁波を放出しますが、ガンマ線は2秒未満しか持続しない「ショートガンマ線バースト」として放出されますし、紫外線や可視光線は1~2日程度で検出できなくなってしまいますが、近赤外線は中性子星どうしが合体した後も1週間以上観測できるといいます。研究グループによると、ローマン望遠鏡は中性子星の合体後2週間以上ものあいだ観測できるとみられています。

ローマン望遠鏡の観測が始まれば、キロノバがどこで、どのくらいの頻度で発生するのかといった統計的な情報が多く得られると予想されています。Scolnic氏はローマン望遠鏡について「(キロノバなどの)爆発現象に関する物理学の分野で、膨大な新しい分析とともに(キロノバの発生頻度など)統計的な研究が進展し始めるだろう」と期待を寄せています


Image Credit: NASA, ESA, J. Olmsted (STScI)

2022-11-27
Soraeより
 

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