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NASAが設立した市民科学プロジェクト

Posted by moonrainbow on 05.2023 科学   0 comments   0 trackback
赤い閃光の正体は? NASAが設立した市民科学プロジェクトが謎多き現象の解明に乗り出す

赤い閃光の正体は?
2021年12月4日にギリシャ・アテネ郊外で撮影されたスプライト

新星・超新星や彗星といった突発的に出現する天体や現象の捜索・発見ではプロだけでなくアマチュア天文家も活躍しており、論文誌に掲載されたりニュースで取り上げられたりしています。こうした一般市民による科学活動は市民科学(シチズンサイエンス)と呼ばれ、天文学を含めた科学の発展に貢献することがあります

このような市民科学のプロジェクトを、アメリカ航空宇宙局(NASA)が新たに立ち上げました。プロジェクトの名は「スプライタキュラ(Spritacular)」です。スプライタキュラとは、「閃光」を意味する「Sprite」と、「~っぽい」を意味する「-tacular」を組み合わせて作られた造語。同プロジェクトは、落雷の際に高度約80km(約50マイル)で発生する「スプライト(レッドスプライト)」と呼ばれる「超高層雷放電(Transient Luminous Event: TLE)」の観測データを集めることが目的だといいます。

過去20年間で、高品質なカメラの価格はますます手頃になり、大気中で発生する迫力のある現象を記録するツールが、より多くの一般人にとって身近なものになったといいます。こうした背景をもとに、すでにスプライトを積極的に追い求めているコミュニティだけでなく、これから同現象についてより多くのことを学びたいと考えている人や、大気中や宇宙空間における電気現象の研究者といった人々の架け橋になるべく、同プロジェクトが設立された模様です。

テレビカメラのテスト中に偶然撮影された「スプライト」
スプライトは、落雷後に発生する赤色の閃光として発生する発光現象です。さまざまな形状を取るために、「散乱した羽毛」や「らせん状の巻きひげ」などと形容されるようです。同現象の最初の報告は19世紀後半まで遡り、1989年には米国ミネソタ大学の研究者が低光量テレビカメラのテスト中に偶然スプライトを撮影しました。それ以来研究が進められていますが、スプライトの発生頻度や発生条件、どうしてさまざまな形状をとりうるのかなど、多くの疑問が解決していない状況にあるといいます。

スプライタキュラ・プロジェクトの当面の目的は、撮影されたスプライトのデータベースを作成することです。もし、あなたがスプライトを撮影し、研究に協力したいと考えているのであれば、スプライタキュラのプロジェクトページでアカウントを作成して、撮影した写真を提出しましょう。写真は科学者によるレビューや提出者との協議を経た後に、提出者を共同著者として論文に掲載されるとのことです


2022年11月11日
soraeより

キロノバの発見

Posted by moonrainbow on 03.2022 科学   0 comments   0 trackback
キロノバの発見には「ローマン宇宙望遠鏡」が最適かも。その理由とは?

爆発現象「キロノバ」
【▲中性子星どうしが合体して爆発現象「キロノバ」を起こす様子の想像図(Credit: NASA, ESA, J. Olmsted (STScI))】

アメリカ・ロスアラモス国立研究所のEve Chase氏が率いる研究グループは、開発中の宇宙望遠鏡「ナンシー・グレース・ローマン」(以下、ローマン望遠鏡)が「キロノバ」の発見に最適であるとした論文を発表しました。ローマン望遠鏡は、アメリカ航空宇宙局(NASA)が2027年5月に打ち上げる予定の宇宙望遠鏡です

既存の望遠鏡では発見困難なキロノバ

キロノバとは、超新星爆発に至った大質量星が残した「中性子星」どうしが衝突することで発生する爆発現象のことです。太陽に近い質量であるにもかかわらず、直径が10km(約6マイル)ほどしかないとされる高密度の中性子星どうしが合体すると、金・白金・ストロンチウムといった重元素が生成されます。キロノバで生成された重元素は、将来的に地球のような岩石惑星の地殻を形成すると考えられています。

理論上の現象だったキロノバが初めて観測されたのは、2017年8月17日のことでした。アメリカの重力波望遠鏡「LIGO」と欧州の重力波望遠鏡「Virgo」が、約1億3000万光年彼方から届いた重力波「GW170817」を検出したのに続いて、約1.7秒後にはガンマ線宇宙望遠鏡「フェルミ」が高エネルギー電磁波の放出現象「ガンマ線バースト」を検出。さらに、アメリカ航空宇宙局(NASA)の「ハッブル」宇宙望遠鏡などで追跡観測を行った結果、爆発後に拡散する破片の消えゆく輝きが捉えられました。

しかし、より遠くの宇宙ではより多くのキロノバが発生していると考えられており、1億3000万光年先という天文学的には近所とも言える場所で発生したGW170817は、必ずしもキロノバの代表例ではないかもしれません。イギリス・ダラム大学のDaniel Scolnic氏は、「キロノバがどのくらいの頻度で、そしてどのような銀河で発生するのかや、我々が検出したキロノバは典型的なものなのか、爆発の明るさの程度などについては不明なままだ」と述べています。

Chase氏の研究グループは、既存の望遠鏡だけでなく今後建設・打ち上げ予定の望遠鏡に搭載されるものも含む計13の広視野観測装置について、キロノバが検出できるのかどうかを検討しまし

研究グループは、キロノバの候補となりうる中性子星どうし、もしくは中性子星とブラックホールの合体現象が、まずはLIGO、Virgo、日本の重力波望遠鏡「KAGRA」で重力波として検出されるケースを想定し、重力波の検出後に広視野の観測装置で追跡観測が行われると仮定してシミュレーションを行いました。その結果、ローマン望遠鏡が高い確率でキロノバを検出すると結論づけられました


Visualization Showing How Roman Will Detect Kilonovae


【▲ ローマン宇宙望遠鏡でキロノバを検出するイメージ(Credit: Space Telescope Science Institute)】

ローマン望遠鏡がキロノバ発見の強力なツールとなる根拠として、宇宙の膨張があげられるといいます。数十億年前に存在した天体から放射される光(可視光線)は、膨張する宇宙を進むうちに波長が長くなるため、地球では赤外線として観測されます(宇宙論的赤方偏移)。ローマン望遠鏡は近赤外線の検出に特化した望遠鏡であり、約70億光年彼方から放射されたキロノバを検出できるだろうといいます。

また、ローマン望遠鏡が観測に特化している近赤外線には、もうひとつの利点があるようです。キロノバはさまざまな波長の電磁波を放出しますが、ガンマ線は2秒未満しか持続しない「ショートガンマ線バースト」として放出されますし、紫外線や可視光線は1~2日程度で検出できなくなってしまいますが、近赤外線は中性子星どうしが合体した後も1週間以上観測できるといいます。研究グループによると、ローマン望遠鏡は中性子星の合体後2週間以上ものあいだ観測できるとみられています。

ローマン望遠鏡の観測が始まれば、キロノバがどこで、どのくらいの頻度で発生するのかといった統計的な情報が多く得られると予想されています。Scolnic氏はローマン望遠鏡について「(キロノバなどの)爆発現象に関する物理学の分野で、膨大な新しい分析とともに(キロノバの発生頻度など)統計的な研究が進展し始めるだろう」と期待を寄せています


Image Credit: NASA, ESA, J. Olmsted (STScI)

2022-11-27
Soraeより

渦巻き銀河のニュートリノを検出

Posted by moonrainbow on 11.2022 科学   0 comments   0 trackback
4700万光年離れた渦巻銀河からニュートリノを検出。南極の氷の下から観測

ニュートリノ

渦巻き銀河のニュートリノを検出
 
美しい渦巻きで天文ファンから愛されている「M77銀河(NGC 1068)」では、高エネルギーの「ニュートリノ」が作り出されていることが判明したそうだ。

 ここは私たちが暮らす天の川を除けば、一番研究されている銀河の1つだが、いまだにサプライズを届けてくれるようだ。

 サプライズはほかにもある。それはこの発見が、宇宙望遠鏡や山頂の天文台ではなく、南極の氷の2.5キロ下にある「アイスキューブ・ニュートリノ観測所」からもたらされたことだ。

 今回の発見は、宇宙を満たしている膨大な量の「宇宙ニュートリノ」を説明する手がかりになるだろうとのことだ。

宇宙を満たすニュートリノ
 「ニュートリノ」の存在が最初に予測されたのは1930年のことだ。

 オーストリアの物理学者ヴォルフガング・パウリは、核反応によって生成された物体のエネルギーと運動量が、もともとの量より少ないことに気づいた。

 これではエネルギー保存の法則に反することになる。そこでパウリは、未発見の粒子によってエネルギーが持ち去られているに違いないと推測した。

 だが、未知の粒子の捜索は困難をきわめ、実際にニュートリノが発見されたのは、それから20年以上が経った1953年のことだ。

 ニュートリノの研究はその後も進み、現在では宇宙が「宇宙ニュートリノ」(宇宙線や天体が起源のニュートリノ)で満たされていることがわかっている。それは、毎秒数十億個が私たちを通り抜けていくほどの膨大な量だ。

 それでもなお、ニュートリノは検出が非常に難しいことから、一体どこでこれほど大量に作られたのか今も不明なままだ


ニュートリノ1
photo by iStock

ニュートリノを生成する渦巻銀河
 
ところが今回の研究では、くじら座にある渦巻銀河「M77銀河」で、大量のニュートリノが生成されていることを明らかにしている。

 この銀河は、こうしたニュートリノ生成銀河の代表的なものだろうと考えられるという。

 この発見のおかげで、既知の発生源からのものより高いエネルギーを持つニュートリノが存在する理由を説明できるかもしれない


ニュートリノ2
渦巻銀河「M77銀河」 / image credit:NASA/JPL-Caltech/Roma Tre Univ.)
 
ここ数百年で発生したのものとしては地球に一番近い超新星「SN 1987A」では、大量のニュートリノの放出が確認されている。このことは、宇宙ニュートリノの主要な供給源は爆発する星であろうことを示唆している。

 だが同じくニュートリノを作り出していることが判明したM77銀河に超新星があるのなら、すでに見つかっているはずだ。

 4700万光年離れたM77銀河は、SN 1987Aよりずっと遠くにあるかもしれないが、それでも毎年検出されているほとんどの超新星よりも近くにあるのだ。
南極の氷の下にあるアイスキューブ・ニュートリノ観測所で検出
  ちなみにM77銀河のニュートリノを検出した「アイスキューブ・ニュートリノ観測所」は、南極のアムンゼン・スコット基地の地下の分厚い氷の中に設置されており、ここで、高エネルギー・ニュートリノの発生源が初めて見つかったのは2018年のことだ。
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宇宙人の基地を彷彿とさせるアイスキューブ・ニュートリノ観測所 / Image credit: Martin Wolf, IceCube/NSF
 それはM77銀河より100倍も遠くにある「ブレーザー」(銀河中心にある大質量ブラックホールのエネルギーで輝く天体)で、「TXS 0506+056」と呼ばれている。

 幸運なことに、そのブラックホールから噴出される光速に匹敵する激しいジェットは地球に向いている。そのおかげで、ジェットから発生するガンマ線とニュートリノを同時に観測することができたのだ。

 だがM77銀河とTXS 0506+056にそれほど共通点はないようだ。

 M77銀河には、局所宇宙としては珍しく活動的な超大質量ブラックホールが存在するが、ジェットは検出されておらず、いわゆる「電波を出さない活動銀河核」に分類される


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ニュートリノが水の分子に衝突して生成されるミュー粒子によって放たれた光のイメージ / Image credit: Nicolle R. Fuller, IceCube/NSF

宇宙ニュートリノが大量にある謎
 
米ペンシルベニア州立大学の村瀬孔大博士は、「電波を出さない活動銀河核は、ブレーザーや電波を出す活動銀河核よりもたくさんあります。ここから、これまで観測されてきた宇宙ニュートリノの量を説明できるかもしれません」と述べている。

 研究チームの1人、アデレード大学のゲイリー・ヒル博士は、「2018年のTXS 0506+056からのニュートリノ発見に続き、ニュートリノの安定した流れを作り出す発生源をまたもアイスキューブで発見できたことにいっそう興奮しています」とプレスリリースで述べている。

 同じく研究チームの1人である米ウィスコンシン大学マディソン校のフランシス・ハルツェン教授によると、発生源を特定するだけなら、たった1つのニュートリノを検出できればいいのだという。

 しかし「宇宙でもっとも高エネルギーな天体の隠された核を明らかにするには、複数のニュートリノを用いて観測する」しかないのだそうだ


ニュートリノ4

 「アイスキューブ・ニュートリノ観測所は、M77銀河からテラエレクトロンボルトのエネルギーを持つニュートリノを80個ほど検出しました。それでもまだすべての疑問に答えるには足りませんが、ニュートリノ天文学の実現に向けた、次の大きな一歩であることは間違いありません」

 ニュートリノは電荷を持たず、普通の物質とはあまり作用しないため、その発生源が宇宙をただよう塵によって隠されてしまうようなことはない。だが、物質とほとんど相互作用しないために直接検出することも難しい。

 そこでアイスキューブ・ニュートリノ観測所では、ニュートリノの存在を間接的に検出する。

 物質とほとんど作用しないニュートリノだが、まれに氷に含まれる水分子に衝突して、ミュー粒子(素粒子の1つ。ミューオンとも)をはじめとする粒子を作り出すことがある。

 このとき条件が整うとチェレンコフ光という円錐状に広がる光が発生する。アイスキューブはこれを検出するのだ


ニュートリノ5
アイスキューブ・ニュートリノ観測所は、ストリングと呼ばれる86本の縦穴でニュートリノによって発生した閃光を検出する / Image credit: University of Adelaide
 
もっと大きく深い検出器ならば、さらに多くのニュートリノを比較できるようになるだけでなく、より速くより高エネルギーを帯びたニュートリノの検出も可能になる。

そのための第2世代アイスキューブが計画されている。これがあれば、M77銀河についてさらに詳しく調査できるようになるだけでなく、もっと遠くにある似たような銀河との比較も可能になるだろう。

 この論文は、村瀬博士のPerspectiveとあわせて『Science』(2022年11年3日付)に掲載された


2022年11月06日
カラパイアより

電波ジェットが作られる仕組み

Posted by moonrainbow on 14.2022 科学   0 comments   0 trackback
巨大ブラックホールのフレアが電波ジェットを作り出す

M87銀河のジェット
M87のジェット
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したM87銀河のジェット(提供:NASA and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA))

活動銀河核に見られる電波ジェットが作られる仕組みを説明する新モデルが提唱された。太陽フレアと同じ現象が巨大ブラックホールでも起こり、ジェットの源になるという

私たちの天の川銀河を含め、ほぼ全ての銀河の中心部には、太陽質量の数百万倍から数十億倍という超大質量ブラックホールが存在する。とくに活動的な巨大ブラックホール(活動銀河核)では、細く絞られたプラズマ流がほぼ光速で噴出するジェットがしばしば見られ、強い電波を放射することから「電波ジェット」と呼ばれる。電波ジェットを持つ活動銀河核の例としては、史上初めてブラックホールシャドウが撮影されたおとめ座の銀河M87などが有名だ。

しかし、こうした電波ジェットの生成メカニズムは謎のままだ。とくに、ジェットが加速されるエネルギー源が何なのか、ジェットの材料になるプラズマがどこから供給されるのかがよくわかっていない。エネルギー源の大もとはおそらくブラックホールの回転エネルギーだろうとされているが、ジェットにプラズマが供給される仕組みについては有力な理論がない。

ブラックホールの周囲には、ブラックホールに向かって落ち込む物質がプラズマの円盤(降着円盤)となって大量に存在しているが、ブラックホールのごく近くには強い磁場があって一種の「障壁」となっているため、降着円盤のプラズマを電波ジェットに直接運ぶことはできない。降着円盤から出る強いガンマ線がプラズマをジェットへと運ぶという説もあるが、この仕組みで運べるプラズマの量は、ジェットを作り出すのに必要な量の1/100~1/10000にしかならない。

今回、東北大学の木村成生さんたちの研究チームは、ブラックホールのごく近くで発生する「フレア現象」によって電波ジェットにプラズマが運ばれるのではないかと考え、その理論モデルを構築することに初めて成功した。

鍵となるのは「磁気リコネクション」という現象だ。この現象は太陽のフレアを引き起こしている原因と原理的には同じで、磁力線がつなぎ変わることで磁場のエネルギーが突発的に解放され、プラズマ粒子が加熱される。ただし巨大ブラックホールで起こる磁気リコネクションでは、プラズマ粒子1個に与えられるエネルギーが太陽フレアより約10億倍も大きい。また、X線やガンマ線などの高エネルギー光子が太陽フレアよりもたくさん放射される


銀河中心のブラックホール
電波ジェットへのプラズマの供給機構
(左)銀河中心のブラックホールの周りには、落ち込む物質がプラズマの円盤(降着円盤)となって取り巻いていて、ブラックホールの両極方向には電波ジェットが噴き出している。(右)今回提唱された、ブラックホールからジェットへとプラズマが供給される仕組み。ブラックホールの表面付近では、磁気リコネクションによって大きなエネルギーが解放され、このエネルギーを得て加速された電子がガンマ線を放射する。放射されたガンマ線光子同士が衝突すると電子と陽電子のペアが生み出され、これが電波ジェットへと運ばれる(提供:當真賢二)

木村さんたちの新しいモデルでは、これまでのモデルに比べて約10万倍も多いプラズマを電波ジェットへと運ぶことができる。また、このモデルでは、ジェットに供給されるプラズマの量は中心ブラックホールの質量やブラックホールに落ち込む物質の量によって決まり、これが銀河ごとの電波ジェットの明るさの違いを生み出すはずだという。

実際の銀河でも、たとえばM87では非常に明るい電波ジェットが見られる一方、より質量が小さい天の川銀河の中心ブラックホール「いて座A*」は静穏で、電波ジェットも観測できないほど弱い。木村さんたちのモデルならこうした違いを自然に説明できる。

今回提案されたモデルでは、中心ブラックホール付近で継続時間が数分という短いX線フレアが発生することを示しているが、これまでのX線観測衛星では、こうした短時間のX線フレアは見逃されてきた。現在、JAXA宇宙科学研究所で計画されている次世代のX線観測衛星「FORCE」や「HiZ-GUNDAM」を使えば、このような短いX線フレアも観測が可能となり、今回のモデルを検証できるようになるかもしれない


2022年10月7日
AstroArtsより

ハッブル&ウェッブ宇宙望遠鏡の映像の比較

Posted by moonrainbow on 03.2022 科学   0 comments   0 trackback
ハッブル&ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影した渦巻銀河「IC 5332」

渦巻銀河「IC 5332」
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」で撮影された渦巻銀河「IC 5332」(Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, J. Lee and the PHANGS-JWST and PHANGS-HST Teams)】

こちらは「ちょうこくしつ座」にある約2900万光年先の渦巻銀河「IC 5332」です。欧州宇宙機関(ESA)によると、IC 5332は直径約6万6000光年で、天の川銀河の3分の2くらい。地球に対して正面を向けた位置関係にある、いわゆるフェイスオン銀河のひとつであるため、らせん状に中心から広がっていく渦巻腕(渦状腕)の様子をよく観察することができます。星々が集まった中心部分の赤みを帯びた銀河バルジと、その周りを取り囲む青く彩られた渦巻腕のコントラストが鮮やかです

この画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」を使って取得された画像(波長275~814nm、5種類のフィルターを使用)をもとに作成されました。人の目には捉えられない紫外線や近赤外線の波長も含まれるため、画像の色は使用されたフィルターに応じて着色されています。ハッブル宇宙望遠鏡が捉える波長のうち、紫外線や可視光線は塵に吸収されやすく、塵が豊富な部分は渦巻腕を分けるような暗い領域として写っています

渦巻銀河「IC 5332」1
【▲ ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の「中間赤外線装置(MIRI)」で撮影された渦巻銀河「IC 5332」(Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, J. Lee and the PHANGS-JWST and PHANGS-HST Teams)】

いっぽう、こちらは「ジェイムズ・ウェッブ」宇宙望遠鏡の「中間赤外線装置(MIRI)」を使って取得された画像(波長7.7~21μm、4種類のフィルターを使用)をもとに作成された、IC 5332の姿です。中間赤外線は人の目には捉えられないので、ハッブル宇宙望遠鏡の場合と同様に、画像の色は使用されたフィルターに応じて着色されています。

ESAによると、ウェッブ宇宙望遠鏡のMIRIは、さまざまな温度で赤外線を放出するガスや塵を捉えています。生物の骨格にも似た複雑な構造が、渦巻腕のらせん構造を反映しつつ銀河全体に広がっていることがわかります。

また、どの波長の光で明るく輝くのかは星によって異なるため、ハッブル宇宙望遠鏡の画像とウェッブ宇宙望遠鏡の画像では星々の見え方も異なっています。可視光線を中心に紫外線や近赤外線を捉えるハッブル宇宙望遠鏡と、赤外線での観測に特化したウェッブ宇宙望遠鏡は、同じ天体を異なる波長で観測することで、互いに補完し合う関係にあるのです。

IC 5332の画像はウェッブ宇宙望遠鏡の今月の一枚として、ESAから2022年9月27日付で公開されています


Image Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, J. Lee and the PHANGS-JWST and PHANGS-HST Teams

2022-09-29
Soraeより
 

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