土星の衛星「タイタン」の新しい地図

Posted by moonrainbow on 21.2018 太陽系   0 comments   0 trackback
タイタンの新しい地図から見えた地形の特徴

盆地の一例
タイタンにある盆地の一つ
鋭利な縁のくぼみが集まって形成されたとみられる盆地の一例。中央にある暗い部分は標高が高くなっている(提供:A. G. Hayes et al. 2017より)

探査機「カッシーニ」による観測データから土星最大の衛星である「タイタン」の新しい地図が作成され、タイタンの地形は地球の地形と似たような特徴を持っていることが明らかにされました

2017年9月に土星に突入し、その役目を終えた探査機「カッシーニ」ですが、13年にわたる観測による研究成果が続々と出始めています

米・コーネル大学のPaul Corliesさんたちは、カッシーニの観測データから土星最大の衛星である「タイタン」の新しい地図を作成しました。カッシーニの観測ではタイタンの地形の約9%しか高解像度で観測されておらず、25~30%は低解像度だったため、残りの地形はアルゴリズムなどを用いて補間されています

今回作成された地図から、タイタンには700m以下の山が存在することが新たに確認されました。また、赤道領域の2つの地点にあるくぼみは乾燥した海か氷火山流の跡かもしれないことが確認され、タイタンはこれまでに知られていたよりも少し平らなことも明らかとなったのです

一方、同大学のAlex Hayesさんたちは同じ地図からタイタンに地球と似たような地形があることを発見しました。タイタンには3つの海がありますが、地球の海のように海面の高さは同じだという事です。また、満ちている湖と乾燥している湖の海抜を測定したところ、湖は海面より数百m高いところにあり、乾燥している湖は満ちている湖よりも高い位置にあることがわかりました。これらのことから、タイタンの湖は地下を通ってそれぞれつながっていると考えられます

しかし、新たな謎も生まれました。タイタンの湖の大部分には鋭利なくぼみがあり、数百mも高く隆起した縁で囲まれています。タイタンの湖には液体が流出入する経路はなく、地球にあるカルストのようにも見えますが、地球のカルストには鋭く隆起した縁はないのです

「私たちは太陽から15億km離れたタイタンの海や湖の表面の海抜を、約40cmという驚異的な精度で測定しています。タイタンの海は地球の海と同じように、重力と自転の影響のみを受けた海面の形状をしています。そして、湖は地下でつながっており、液体炭化水素が貯まっているとみられます。新たな謎となった湖の縁がどのように形成されたのかを理解することは、タイタンの極にある盆地の進化を理解する鍵となるでしょう」(Hayesさん)

2018年1月12日
AstroArtsより

木星の赤道ジェット

Posted by moonrainbow on 28.2017 太陽系   2 comments   0 trackback
木星の赤道ジェットの逆転現象

jupiterqqo_previewimage.jpg

NASAの研究チームによる観測から、木星の赤道域で起こる周期的な風向きの変化のしくみが明らかになりました。こうした東西交互のジェットは地球や土星でも見られるもので、太陽系内外の惑星大気の理解につながる成果です

1883年、インドネシアのジャワ島とスマトラ島の中間に位置するクラカタウ火山が噴火し、その噴出物が成層圏内に吹く西向きの風によって運ばれているようすが観測されました。さらにその後の気球観測から、風の流れる方向が周期的に逆転していることも判明しました。約28か月の周期で起こるこうした風向きの変化は「準2年周期振動(Quasi-Biennial Oscillation:QBO)」と呼ばれ、成層圏下部からその下の対流圏(大気の最下層)との境界部まで発生します。QBOは、オゾンや水蒸気、大気汚染物質の移動に影響を及ぼすだけでなく、ハリケーンの発生とも関連しています

こうした東西交互に吹く風は、地球だけではなく土星や木星でも確認されており、木星の場合、地球上の約4年毎に変動するため「準4年周期振動(Quasi-Quadrennial Oscillation:QQO)」と呼ばれます

NASAゴダード宇宙飛行センターのRick Cosentinoさんたちは、木星大気中に発生するさまざまな種類の波が振動の活発化にどれほどの影響力を持つのかなどについて調べました。木星のQQOは従来、成層圏の気温の測定をもとにした風速と風向きの推定から特定されていましたが、今回はNASAの赤外線望遠鏡「IRTF」に搭載された高解像度分光器を用いて、北緯約40度から南緯約40度という垂直方向に広い範囲をカバーしたQQOの1周期全体の観測を初めて行いました

「計測では、木星の大気を垂直に薄くスライスして調べることができました。過去のデータは低解像度でしたから、基本的に大気の大部分が不鮮明なものでした」(NASAゴダード宇宙飛行センター Amy Simonさん)

観測の結果、赤道ジェットが木星の成層圏のかなり高いところまで広がっていること、またQQOを引き起こしている主要因は(流体力学的な)重力波であることがわかりました。低層大気中の対流によって生成された重力波が成層圏まで上昇していくことで気流の向きが変わるというしくみは、シミュレーションでも確かめられました

地球のジェット気流の東西逆転についても、単独の要因ではないにせよ重力波が主に関わっていると考えられています。

A New Model for Understanding Jupiter's Climate


木星の気象の理解を目指した新しいモデルを利用した研究の紹介動画(提供:NASA’s Goddard Space Flight Center/Scientific Visualization Studio/Dan Gallagher)

「今回の研究を通じて、低層大気と高層大気をつなぐ物理的なメカニズムへの理解が深まり、大気全体に対する理解が進みました。地球と木星には多くの違いがあるにも関わらず、両惑星における低層大気と高層大気の間を結ぶメカニズムは似ていて、同様の効果を生み出しています。わたしたちのモデルは、太陽系内の他の惑星や太陽系外の惑星にも応用できるかもしれません」(米・ニューメキシコ工科大学 Raul Morales-Juberiasさん)

2017年12月22日
AstroArtsより

木星の大赤斑

Posted by moonrainbow on 25.2017 太陽系   0 comments   0 trackback
深さ300kmにも達する木星の大赤斑

探査機「ジュノー」が撮影した大赤斑をモザイク合成して作られた画像
2017年7月10日に探査機「ジュノー」が撮影した大赤斑をモザイク合成して作られた画像。風の動きに関するモデルを適用して作られた「大赤斑の雲の動き」を再現したアニメーション動画より切り出し(提供:NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Gerald Eichstadt/Justin Cowart)

探査機「ジュノー」の観測により、大赤斑の根元が雲頂から約300kmもの深さにまで達していることが示されました。また、木星にはこれまで知られていなかった2つの放射線帯が存在していることが明らかになりました

大赤斑は木星の南半球に存在する巨大な楕円形の嵐です。半時計周りに回っており、その風速は地球上のどんな嵐よりも強い。1830年代から継続的に観測されてきた巨大な嵐は、おそらく350年以上前から存在してきたと考えられています

NASAの探査機「ボイジャー」1号と2号が木星をフライバイした1979年には、大赤斑の大きさは地球の2倍もありました。それ以降はどうやら縮小し続けているようで、2017年4月の観測ではその幅が約1万6000km(地球直径の1.3倍)になっています

その大赤斑の深さについて、探査機「ジュノー」による観測データから、根元が雲頂から約300kmまで大気の中に入り込んでいることが示されました。「地球の海に比べて大赤斑の根元が50~100倍も深くまで達し、根元の温度が雲頂に比べて高いことを発見しました。大赤斑の根元が暖かいということは、雲頂で猛烈な風が吹いていることを表しています」(米・カリフォルニア工科学 Andy Ingersollさん)

Fly into the Great Red Spot of Jupiter with NASA’s Juno Mission


木星の大気へ突入し、大赤斑の位置にある上層大気から抜け出すまでの飛行シミュレーション動画。ジュノーが撮影した画像から作成(提供:NASA)

ジュノーはさらに、新しい放射線帯を赤道付近にある大気の真上に検出しました。放射線帯には、光速に近い速度で移動する高エネルギーの水素イオン、酸素イオン、硫黄イオンが含まれています。この放射線帯を構成している粒子は、木星の衛星「イオ」と「エウロパ」の周りのガスの中で生成された高エネルギーの中性原子に由来するものとみられており、木星の上層大気との作用で電子が引き剥がされイオンになると考えられています

「木星は、接近すればするほど謎めいてきます。惑星に近いところに放射線帯を発見するとは思いもしませんでした」(ジュノーの放射線モニタリング調査リーダー Heidi Beckerさん)

また、木星の相対論的電子によって構成されている放射線帯の内側の縁に高エネルギーの重イオンが集まっている兆候も見つかりました。この領域は光速に近い速度で移動する電子が占めている領域です。高エネルギー重イオンの起源や種類は、まだはっきりとはわかっていません

2017年12月15日
AstroArtsより

土星への別れ(A Farewell to Saturn)

Posted by moonrainbow on 08.2017 太陽系   0 comments   0 trackback
カッシーニが探査終了2日前に撮影した「土星への別れ」

土星への別れ
「土星への別れ」。(提供:NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute)

2017年9月に13年間の探査を終了したNASAの探査機「カッシーニ」 が、土星大気への突入の2日前にとらえた画像が公開されました

2017年9月15日、土星探査機「カッシーニ」は土星の大気に突入し、周回開始から13年に及んだ探査を終了して土星の一部となりました

その2日前にカッシーニが土星から約110万km離れたところから3色のフィルターを使って撮影した42枚の画像を合成し作られた、土星の美しい画像が公開されました。「土星への別れ(A Farewell to Saturn)」と題されたこの画像には土星本体を中心にメインの環の端から端までがとらえられているほか、「プロメテウス」「パンドラ」「ヤヌス」「エピメテウス」「ミマス」「エンケラドス」といった衛星も写っています

この特別な画像の撮影は、カッシーニ撮像チームが何年にもわたって計画してきたものです。ミッション終了にあたり思い起こされることや称賛に値する功績は数多く、カッシーニによる土星系の探査が深く広範囲で歴史的なものであったことをあらためて感じさせてくれます。「カッシーニがもたらした科学的な成果は、実に素晴らしいものでした。最新の膨大なデータは、環を構成する細かい粒子から、衛星タイタンの景色、土星の内部にまで至り、新たな見識と驚きにつながりました」(カッシーニ撮像チーム副リーダー Robert Westさん)

「日常的に土星系から届く新しい画像を受け取り、新しい眺めを目にし物事が変化する様子を見ることに、あまりに簡単に慣れてしまいました。別れは辛いことでしたが、カッシーニを通じてそのすべてを目にすることができた私たちは、大変な幸運に恵まれたと思っています」(米・ジョンズ・ホプキンス大学応用物理研究所 Elizabeth Turtleさん)

「37年前にボイジャー1号が最後にとらえた土星の姿は、これまでの太陽系探査で撮影された画像の中で最も私の心に訴えかけるものでした。同様に、『土星への別れ』の画像は、太陽系内で最も象徴的と言える土星系の詳しい探査に人類が費やした素晴らしい時間のドラマチックな締めくくりを永遠に思い出させてくれることでしょう」(元ボイジャー撮像チームメンバー、カッシーニ撮像チームリーダー Carolyn Porcoさん)

530万kmの距離から撮影した土星
1980年11月16日にボイジャー1号が530万kmの距離から撮影した土星(提供:NASA/JPL/USGS)

2017年11月29日
AstroArtsより

木星の嵐

Posted by moonrainbow on 24.2017 太陽系   2 comments   0 trackback
木星のおどろおどろしい嵐を探査機「ジュノー」が撮影

荒れ狂う嵐のまるで油絵のような写真

現在、NASAの探査機ジュノーが観測を続けている、太陽系最大の惑星「木星」。こちらで、荒れ狂う嵐のまるで油絵のような写真が撮影されました
 
この嵐は、木星の北半球で撮影されました。画像は色を調整したものですが、惑星を覆う分厚い雲とその活発な活動が見事に捉えられています。反時計回りに回転する嵐はさまざまな高さの雲から構成され、黒い部分は高度が低く、白い部分は高度が高くなっています
 
画像の撮影日は2017年10月24日で、木星の上空約1万1000kmから撮影されました。撮影の最中、ジュノーは9回目の接近フライバイを行っていたそうです
 
なお2016年7月に木星に投入されたジュノーは、2018年7月には早くも観測を終える予定です
 
Image Credit: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Gerald Eichstädt/ Seán Doran

2017/11/20
Soraeより
 

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