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外太陽系氷天体の謎

Posted by moonrainbow on 27.2020 太陽系   0 comments   0 trackback
極寒でのみ存在する赤色が解き明かす外太陽系氷天体の謎

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探査機「ニューホライズンズ」がとらえた冥王星。右側の白っぽい「トンボー領域」と対照的に、左側には「エリオット・クレーター(Elliot crater)や「ヴァージル地溝帯(Virgil Fossae)」などの地形が存在する赤い領域が広がっている(提供:NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Southwest Research Institute)

外太陽系のような極低温環境を模した実験により、氷天体に見られる赤色に似た様子が再現された。温度が上昇すると色が薄くなって消える現象も見られ、氷天体の色分布の謎を解明する手がかりになると期待される

火星と木星の間に広がる小惑星帯より外側の領域には、摂氏マイナス100度からマイナス230度という極寒の世界が広がっている。この領域は「外太陽系」と呼ばれ、数多くの氷天体が存在している。

氷天体のうち、海王星より外側に存在する太陽系外縁天体やケンタウルス族天体(木星と海王星の間に公転軌道を持つ氷天体)では、赤色を呈するものが見られる。しかし、より太陽に近づいた距離に存在する木星族の彗星では、赤色を呈するものは観測されていない


ケンタウルス族と木星族の起源は共に太陽系外縁天体と考えられているが、このように色分布が異なっている。その理由の一つとして、赤色を呈する物質が太陽系の内側に行くにつれて昇華したり壊れたりすることが可能性として挙げられる。しかし、宇宙環境を模擬したこれまでの実験では、氷天体が色分布を持つ理由は謎のままだった。

東京大学大学院新領域創成科学研究科の榊原教貴さんたちの研究グループは、極低温環境で生成可能なプラズマである「クライオプラズマ」を独自に開発してきた。このクライオプラズマを、メタノールおよび水からなる氷の表面に摂氏マイナス190度で照射し、外太陽系環境を模擬した実験を行ったところ、クライオプラズマ照射箇所だけが外太陽系に存在する氷天体と類似した赤色を呈することが明らかになった。

さらに、この赤色は温度が上昇して摂氏マイナス150度を超えると徐々に薄くなり、マイナス120度で消失するという現象も見られた。このような極低温環境での温度依存性が示されたのは初めてのことだ。

赤色が消失していく様子
極低温環境での昇温により赤色が消失していく様子(提供:リリースより)

赤色が消失した温度は、外太陽系において赤色の氷天体が見られなくなる距離(木星と土星の間付近)で想定される天体の表面温度とも良い一致を示している。このことから、赤色の氷天体は太陽系の外側から内側へと旅をする間に、温度変化に伴って赤色を失い得るという可能性が示唆された。

外太陽系の氷天体に見られる赤色は、単に現在の天体の状況を物語っているだけでなく、天体移動の歴史や、地球外におけるアミノ酸など生体物質生成の可能性とも密接に関わっていると考えられている。今回発見された極寒でしか存在できない赤色は、外太陽系氷天体の色分布の謎を解き明かす新たな手がかりであると同時に、太陽系の形成および進化のメカニズム解明や生命の起源の探索にも貢献するかもしれないと期待される
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2020年3月23日
AstroArtsより

「水星」にも生命が?

Posted by moonrainbow on 22.2020 太陽系   0 comments   0 trackback
水星の地殻から揮発性物質が失われた形跡、生命体探査にも関わる発見

水星
水星探査機「メッセンジャー」が撮影した水星(表面の物性によって色を強調したもの)。問題の地域は画像中央付近に明るく写るカイパー・クレーターに向かって下~右下にかけて広がっている(Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington)

「太陽系で地球以外に生命が存在する、あるいは存在したことが期待できる天体は?」と聞かれれば、火星、エウロパ、エンケラドゥスといった惑星や衛星の名前をあげる人が多いでしょう。今回、そのリストに「水星」が加わることになるかもしれない研究成果が発表されています

■カロリス盆地の裏側にある地形、衝突のずっと後まで形成活動が続いていた

太陽系の惑星のなかでも太陽に一番近く、昼の表面温度は摂氏400度まで上がり、夜は摂氏マイナス160度まで下がる水星。Alexis Rodriguez氏(米国惑星科学研究所)らは今回の研究において、水星の地殻にもかつては水をはじめさまざまな種類の揮発性物質が存在しており、場合によっては原始的な生命体が誕生する条件が整っていた可能性もあるとしています。

研究チームは、水星最大の衝突地形であるカロリス盆地(直径1300km)のちょうど裏側にある、山と谷が入り乱れた複雑な地形に注目しました。1974年に水星探査機「マリナー10号」によって撮影されて以来、この地域はカロリス盆地を生じさせた衝突の衝撃と、衝突で舞い上がった噴出物が降り積もったことで形成されたものと考えられてきました。

しかし、水星探査機「メッセンジャー」によって得られた新しい観測データをもとに研究チームが分析したところ、この地域では今からおよそ18億年前まで活動が続いていたことが明らかになったといいます。この地域の地形に変化をもたらした活動がいつ頃から始まったのかは明らかになっていませんが、カロリス盆地は今から38億~39億年前に形成されたとみられており、同じ衝突によってこの地域の地形が形成されたとは考えにくいといいます。

研究チームによると、この地域において地殻に含まれていた揮発性の物質がガスとなり大量に失われた形跡が確認されました。その範囲は50万平方kmに渡り、揮発性物質が失われたことで標高がkm単位で低くなったようです。同様の地形的な特徴は水星の赤道から高緯度まで広範囲に分布しており、揮発性物質はおそらく水星の全域に渡って分布していたとみられるようです。揮発性物質が失われた原因として、水星の火山活動や太陽熱が挙げられています


■ハビタブルゾーンの内側が拡張されるかもしれない

水星では北極や南極にある永久影(地形にさえぎられて常に太陽光が当たらない場所)に水の氷が存在するとされています。研究チームでは、このような永久影以外の場所でもかつては地下に水の氷が存在し、条件次第では生命が誕生できたかもしれないと考えています。こうした揮発性物質は初期の地球と同じように小天体の衝突によって地殻にもたらされたか、あるいは水星内部に起源をもつとみられています。

研究チームは、水星では場所によって今も揮発性物質が失われている可能性がある点にも言及。その場所に探査機を送り込むことで、揮発性物質が地形に与えた影響や、かつて誕生したかもしれない生命の痕跡を実際に調査できるかもしれないとしています。

さらに、研究チームは論文のなかで、水星のような惑星の地殻内部において生命が誕生し得る環境が整うとすれば、ハビタブルゾーンの内側の境界線をさらに恒星の近くまで拡大できるかもしれないとしています。他の恒星を周回する太陽系外惑星にも同じことが言えるとしており、今後の系外惑星探査にも関わってくる研究成果となるかもしれません


Image Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington

2020-03-19
Soraeより

横倒しの天王星の謎

Posted by moonrainbow on 20.2020 太陽系   0 comments   0 trackback
横倒しの天王星、巨大衝突なしでも”ある程度”傾いていた可能性

天王星(左)と海王星(右)
無人探査機「ボイジャー2号」が撮影した天王星(左)と海王星(右)(Credit: left: NASA/JPL-Caltech, right: NASA)

海王星に次いで太陽から遠いところを周回する天王星。その最大の特徴は「横倒し」になっていることで、天王星の自転軸は公転軌道に対して約98度も傾いています。これまでその理由は巨大衝突によるものと考えられてきましたが、条件が整えば衝突がなくてもある程度までは傾くとする研究成果が発表されました

■天王星はある程度重い周惑星円盤があったために自転軸がふらつきやすかった

どうして天王星が約98度も傾いて自転するようになったのか、その理由はまだはっきりとはわかっていません。今回、Zeeve Rogoszinski氏とDouglas Hamilton氏は、誕生したばかりの天王星や海王星(自転軸の傾きは約28度)を取り囲んでいたと考えられるガスや塵の円盤(周惑星円盤)を考慮し、円盤が消滅するまでの100万年間の様子を複数の条件に従ってシミュレーションで再現しました。

その結果、「周惑星円盤から物質が失われて質量が減るいっぽうで、周惑星円盤を構成していた物質を取り込んだ惑星の質量は増える」という現実的な条件において、天王星の自転軸が最大約70度まで傾き、周惑星円盤が消え去った時点でも60度ほどの傾きを保つ可能性が示されました。

今回の研究では、自転軸がここまで大きく傾く理由として「自転-軌道共鳴(Spin-Orbit Resonance)」に注目しています。自転-軌道共鳴とは、「コマのように自転軸の向きが変わっていく歳差運動の周期」と「他の惑星の影響で公転軌道の傾きが変わる周期」が一致する現象のこと。この状態になると、惑星の自転軸の傾きが大きく変わりやすくなるといいます。

Rogoszinski氏とHamilton氏は、十分な質量の周惑星円盤が存在していた場合、誕生して間もない頃の天王星や海王星の歳差運動の周期は今よりも短く、自転-軌道共鳴の状態になりやすかったとみています。両氏は論文において、「周惑星円盤の質量が円盤から形成された衛星全部を合わせた質量の3~10倍」で「公転軌道の傾きが5度以上」あった場合、自転-軌道共鳴によって天王星の自転軸は最大70度、海王星でも30度まで傾くことがわかったとしています


■巨大衝突は天王星を横倒しにする最後のひと押しだった?

ただ、実際の天王星の自転軸はさらに30度近くも傾いており、自転-軌道共鳴による傾きだけでは足りません。両氏は、約98度まで傾くことになった最後のひと押しこそが、天王星への巨大衝突だったのではないかと考えています。

両氏は、場合によっては天王星に複数回の巨大衝突があったとする説の問題点を論文のなかで指摘しています。たとえば、自転軸の傾きが70度ほど違う天王星と海王星では衝突の影響も違っていたはずですが、衝突によって加速されたり減速されたりしてもおかしくない自転周期は、天王星(17.2時間)と海王星(16.1時間)では6パーセントしか差がありません。

いっぽう、周惑星円盤が存在していた頃の自転-軌道共鳴によって自転軸が大きく傾くとすれば、巨大衝突の確率が低くても現在の傾きに至るといいます。天王星の場合は地球の半分ほどの質量の原始惑星が1つ衝突するだけでよく、海王星については巨大衝突を一切考慮することなく、自転-軌道共鳴のみで現在の傾きに達した可能性があるとしています


Image Credit: NASA/JPL-Caltech

2020-03-16
Soraeより

土星探査機カッシーニが捉えた写真

Posted by moonrainbow on 02.2020 太陽系   0 comments   0 trackback
土星探査機カッシーニが捉えた「重なった衛星」や14億km先の「地球と月」

カッシーニが撮影した土星
土星探査機カッシーニが撮影した土星(Credit: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute)

大気のゆらぎによる影響を打ち消して天体望遠鏡の観測をサポートする「補償光学」のように、地球やその近くの宇宙空間から天体を観測・撮影する技術は目覚ましい進歩を遂げてきましたが、やはり現地に行ってみなければ見えない景色もあります

■土星のシルエットを囲む美しいリング、はるか彼方の地球も

陰のなかから撮影した土星と環
カッシーニが陰のなかから撮影した土星と環(Credit: NASA/JPL-Caltech/SSI)

こちらは、土星探査機「カッシーニ」によって2013年7月19日に撮影された土星の姿。カッシーニが土星の陰に入ったときに広角カメラを使って撮影した141枚の画像を合成したもので、画像の横幅は約65万kmに相当します。

太陽光が土星に遮られているため、昼の側からは観測しづらいものも含めて、幾重もの環が捉えられています。土星のシルエットに近いところで目立っているのは、環のなかでもおなじみの「メインリング」と呼ばれる部分。一番外側に見える淡くて幅が広いものは「E環」と呼ばれる環で、生命の存在が期待される衛星エンケラドゥスから噴出した水の氷でできていると考えられています


カッシーニの狭角カメラで撮影された14億km先の地球(左)と月(右)
カッシーニの狭角カメラで撮影された14億km先の地球(左)と月(右)(Credit: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute)

実はこの画像にはいくつかの衛星をはじめ、金星、地球、火星も写り込んでいます。3つの惑星はどれもノイズのような点として写っていますが、狭角カメラを使って同時に撮影されたこちらの画像では、およそ14億km離れた地球と月が小さいながらもしっかりと捉えられています

■まるで雪だるま! 絶妙なタイミングで撮影された作品

土星の衛星ディオネ(上)とレア(下)
カッシーニが撮影した土星の衛星ディオネ(上)とレア(下)(Credit: NASA/JPL/Space Science Institute)

いっぽうこちらは、2010年7月27日にカッシーニの狭角カメラで撮影された衛星の姿。2つの球体がくっついた雪だるまのような形をしていますが、実際にはディオネ(上)とレア(下)の2つの衛星が同時に撮影された画像です。

ディオネは直径1123km、レアは直径1528kmとサイズが異なりますが、ディオネのほうが手前に位置するタイミングだったため、ほぼ同じ大きさの球体が重なっているように見えています。奥に位置するレアはタイタンに次いで土星では2番目に大きな衛星で、直径は地球の月(直径3474km)の4割強ほどです


■荒野のようなタイタンの地表、2034年に再び見られるかも

タイタンの地表
着陸機ホイヘンスが撮影したタイタンの地表(Credit: ESA/NASA/JPL/University of Arizona)

最後はカッシーニが搭載していた着陸機「ホイヘンス」によって撮影された、タイタンの地表の様子。カッシーニに搭載されて土星へと到着したホイヘンスは、2005年1月14日にタイタンの大気圏へと突入し、無事着陸を果たしました。手前の地表には数cmから十数cmサイズの小石もしくは氷が転がっているのがわかります。

なお、現在NASAではジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所が主導するタイタンの探査ミッション「ドラゴンフライ」の準備を進めています。ドラゴンフライではタイタンにドローンを送り込み、空を飛んで移動することで複数の地点でサンプルを採取・分析することが計画されています。打ち上げは2026年、タイタン到着は2034年が予定されており、早ければ14年後には再びタイタンの景色を目にすることができそうです


Image Credit: NASA/ESA

2020-02-23
Soraeより

木星の赤道付近における大気中の水蒸気量

Posted by moonrainbow on 25.2020 太陽系   0 comments   0 trackback
木星大気中の水蒸気量をジュノーが測定、過去の予想を裏付ける結果

木星の赤道付近
木星探査機ジュノーが接近時に撮影した木星の赤道付近(Credit: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Kevin M. Gill)

太陽系最大の惑星である木星の周回観測を継続しているNASAの木星探査機「ジュノー」。今回、ジュノーによる軌道上からの観測によって、木星の赤道付近における大気中の水蒸気量が判明したとする研究成果が発表されました

■赤道付近の水蒸気量を軌道上から測定

今回、Cheng Li氏(カリフォルニア大学バークレー校)らの研究チームは、ジュノーに搭載されている観測装置のひとつ「マイクロ波放射計(MWR)」で得られた観測データを利用して、木星の赤道付近(赤道から北緯4度までの範囲)の深さ150kmにおける水の量を分析。その結果、木星の赤道付近における水分子の量は、大気を構成する分子全体のおよそ0.25%(誤差を考慮すると0.09~0.47%)であることが判明しました。これは、初期の太陽における水素と酸素の比率から予想される水の存在比の2.7倍(誤差を考慮すると1.0~5.1倍)に相当します。

今回の研究に先立つことおよそ四半世紀前の1995年12月、NASAの木星探査機「ガリレオ」に搭載されていたカプセルが木星の大気に突入。57分後に通信が途絶えるまでのあいだに、大気の最上層から数えて深さ120kmまでの風速、気圧、組成といった生の情報を初めて測定することに成功しました。このとき、少なくともガリレオのカプセルが突入した付近の大気は非常に乾燥しており、水蒸気の量は研究者の予想を大幅に下回っていたことがわかっています。

しかし、カプセルによって得られた水蒸気の測定値が通信途絶までのあいだに増え続けていたことや、大気が乾燥している場所にたまたまカプセルが突入した可能性が後に示されたこと、木星の大気で検出される雷は通常なら水が関与して発生する現象であることなどから、実際の水蒸気量はガリレオのカプセルの測定値よりももっと多いのではないかと予想されていました。今回の研究結果は、この予想を裏付けるものとなります。

木星に存在する水の量を知ることは、木星がどのようにして形成されたのか、木星の内部がどうなっているのかを正しく理解する上で欠かせない情報です。ただし、今回の観測データは赤道付近の限られた領域からしか得られていないため、木星の大気全体の水の量を把握するにはデータが不足しているようです。研究を率いたLi氏は、今後のジュノーによる観測結果も分析し、「今回の結果を他の地域における観測結果と比較しなければならない」とコメントしています


木星探査機ジュノーの想像図
木星探査機ジュノーの想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Kevin M. Gill

2020-02-20
Soraeより
 

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