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超新星残骸「3C 397」

Posted by moonrainbow on 08.2021 超新星   0 comments   0 trackback
最も高密度な白色矮星によるIa型超新星の痕跡

超新星残骸「3C 397」
【▲ 超新星残骸「3C 397」(Credit: ISAS/JAXA, Ohshiro et al.)】

立教大学の佐藤寿紀助教をリーダーとする国際共同研究チームは、後述する「Ia型」の超新星爆発を起こして「3C 397」と呼ばれる超新星残骸を残した白色矮星について、爆発の直前における中心密度を推定することに成功したとする研究成果を発表しました。今回の成果は、銀河までの距離を測定する際に用いられている「宇宙のものさし」の精度を高めることにつながると期待されています

今回、研究チームは欧州宇宙機関(ESA)のX線観測衛星「XMM-Newton」を使って3C 397を観測しました。超新星爆発が起きると様々な元素が放出されますが、観測の結果、3C 397の一部で鉄やニッケルに対するチタンやクロムの比率(質量比)が異常に高い領域が見つかりました。研究チームによると、Ia型超新星やその超新星残骸からチタンが検出されたのは初めてのことだといいます

超新星残骸3C 397のX線画像【▲ 超新星残骸3C 397のX線画像。それぞれ赤色が鉄、緑がシリコンの空間分布を示しており、青色は鉄に対するクロムの空間分布を表す。残骸の南部にクロムが多い(青色が濃い)領域が確認できる(Credit: ISAS/JAXA, Ohshiro et al.)】

研究チームは、チタン50(50Ti)やクロム54(54Cr)といった中性子が過剰な(原子核に存在する陽子よりも中性子のほうが多い)チタンやクロムの同位体に着目しました。これらの同位体は、超新星爆発を起こす前の白色矮星の中心密度が高いほど生成されやすくなるといいます

X線スペクトル
【▲ 左図の白の円内から抽出したX線スペクトル。Ia型超新星の主要生成元素である鉄に加えて、チタン、クロム、マンガン、ニッケルが検出された(Credit: ISAS/JAXA, Ohshiro et al.)】

この特性を用いて、3C397を生み出した白色矮星の中心密度を研究チームが割り出したところ、一般的なIa型超新星爆発を起こす白色矮星の中心密度と比べて約3倍も高かったのです。これは、宇宙のものさしとして用いられるIa型超新星がバラエティに富んでいることを示唆しています。

白色矮星は質量が太陽の8倍以下で超新星爆発を起こさない恒星が進化した姿であり、地球くらいのサイズで太陽ほどの質量を持つ高密度な天体だと考えられています。その質量にはチャンドラセカール限界質量(白色矮星の限界質量、太陽の約1.4倍)と呼ばれる上限があることが知られていて、この上限を超えた白色矮星は炭素の暴走的な熱核反応を起こし、爆発して星全体がバラバラになってしまうと考えられています。

白色矮星の質量が限界を超えた時に起こす爆発は「Ia型超新星」と呼ばれていて、連星系を成している白色矮星に伴星からガスが降り積もることで起きると考えられています。なお、質量が太陽の8倍以上ある恒星が起こす超新星爆発は「II型超新星」と呼ばれています。

Ia型超新星は最大光度(絶対等級)が他の天体に比べて比較的均一とされていることから、宇宙論研究の道具として重宝されています。なぜかというと、絶対的な明るさがわかっている天体を観測した場合、観測される見かけの明るさをもとに、その天体までの距離を割り出すことができるからです。このような天体は「標準光源」と呼ばれています。Ia型超新星は非常に明るく、遠くの銀河までの距離を測る標準光源として利用することが可能であるため、古くから宇宙膨張の速度を表す「ハッブル定数」の測定に用いられてきました。

しかし、このように重要な天体でありながら、Ia型超新星の最大光度が均一になる理由は未だ謎のままです。また、最近では質量や中心密度が異なる様々な白色矮星がIa型超新星を起こす可能性が指摘されており、宇宙の距離を測定するための基準となる「ものさし」としてのIa型超新星の信頼性を再検証する必要性に迫られていたといいます。

研究チームは今後、3C 397以外のIa型超新星についても今回と同様の観測を行うことで、標準光源として確実に利用できるIa型超新星の特徴を明らかにしていく予定です


Image Credit: ISAS/JAXA, Ohshiro et al.

2021-07-02
Soraeより

超新星「SN1987A」

Posted by moonrainbow on 18.2018 超新星   0 comments   0 trackback
大マゼラン雲で発生した超新星爆発

超新星「SN1987A

大マゼラン雲の中で発見された超新星「SN1987A」は、多くの輝点のリングが特徴の天体です

1987年の最初に観測された「超新星(SuperNova)」ということで「SN1987A」の名前が付いています。また、超新星爆発時に日本の観測装置「カミオカンデ」により太陽系外では初のニュートリノ放射を検出し、ニュートリノ天文学の成果を上げたとして、2002年に小柴昌俊氏がノーベル物理学賞を受賞しています

この画像は2010年にハッブル宇宙望遠鏡の画像分光器「STIS」の光学G750L・紫外G140L、掃天用高性能カメラ「ACS」の光学HαN(II)/R/V/Bによって撮影されたもので、実に超新星爆発から23年後の姿を捉えたものです

「SN1987A」のリングは、超新星爆発時の残骸や過去に中心星から放出されたガスや塵が衝撃波によって熱されたことで発光しています

Image Credit:NASA, ESA, K. France (University of Colordo, Boulder, USA), and P. Challis and R. Kirshner (Harvard-Smithsonian Center for Astrophysics, USA)

2018/11/8
Soraeより

超新星「タイコ(Tycho)」

Posted by moonrainbow on 23.2016 超新星   0 comments   0 trackback
超新星「タイコ(Tycho)」爆発の膨張をNASAが動画公開

超新星「タイコ」

宇宙ではさまざまな天体現象が観測できますが、その中でも大きな恒星が爆発する「超新星爆発」は最もダイナミックな現象の一つです。そして今回、NASAが15年にわたって観察し続けた超新星「タイコ(SN1572)」の爆発による残骸(超新星残骸)の膨張の様子が動画で公開されました
 
この超新星爆発を起こしたのは、「タイコ(SN 1572)」と呼ばれる超新星です。カシオペヤ座に位置するこのタイコの発見は1572年とかなり古く、またその超新星爆発の明るさは金星と同等の「-4等級」にも達しました。現時点ではこの超新星を肉眼で確認することはできませんが、チャンドラX線観測衛星が1万光年離れたその残骸を捉えることに成功しています



今回撮影された動画は、2000年から2015年までに撮影した画像を合成したものです。超新星爆発の後、タイコは衝撃波とともに超高温の雲と星間物質を撒き散らしました。その衝撃波は19億km/hにも達したと計算されています。また、タイコはもとは白色矮性と恒星からなる「近接連星系」で、お互いが融合したことにより超新星爆発が起きたと予想されています
 
このような超高エネルギーの現象にはX線での観測が適しており、その観測には運用を断念したX線天文衛星「ひとみ」が大いに活躍するものと期待されていました
 
Image Credit: NASA

Tycho



2016/05/16
Soraeより

超新星2012ap

Posted by moonrainbow on 13.2015 超新星   0 comments   0 trackback
ガンマ線バーストが起きそうで起きない超新星

超新星2012ap
超新星2012apと母銀河NGC 1729。(左)超新星出現前の銀河NGC 1729(右)印の箇所に出現した超新星2012ap。米・MDM天文台2.4mヒルトナー望遠鏡で撮影(提供:D. Milisavljevic et al.)

超新星爆発には、宇宙最大規模の爆発現象であるガンマ線バーストが発生するものとしないものがあります。両者の中間にあたる天体は長い間推測されてきたものの未発見のままでしたが、2012年に見つかった超新星がこの天体に相当するのかもしれません

2012年2月にオリオン座の銀河NGC 1729に出現した超新星2012ap(SN 2012ap)は、重力崩壊型(核崩壊型)超新星の一種である「Ic型超新星」だ。SN 2012apはガンマ線バースト(GRB)の発生につながると思われる多くの特徴を持っていたのですが、これまでそのようなバーストを起こしていないのです。どうやら、GRBが発生するものとそうでないものとの間のギャップを埋める天体のようです

重力崩壊型の超新星爆発では、中心核は中性子星やブラックホールとなり、それ以外の物質は宇宙空間にばらまかれます。一般的な場合、ばらまかれる物質はほぼ球対称に広がりますが、その速度は遅く、GRBは見られません

しかし低確率ながら、中性子星やブラックホールを取り巻く降着円盤に物質が落ち込むことがあり、この場合には降着円盤の両極から超高速のジェットが放出されます。GRBが発生する超新星爆発ではこの超高速ジェットと思われるガスの運動が見られることや、ガスの速度が日数の経過に伴って減速していくという特徴が知られていました

GRB生成の概念図
GRB生成の概念図。(左)普通の重力崩壊型超新星、(中)SN 2012apのような中間型超新星、(右)降着円盤と光速に近い両極ジェットにより、GRBが生成される(提供:Bill Saxton, NRAO/AUI/NSF)

SN 2012apの場合も超高速ジェットが見られ、しかも日が経つにつれてジェットが減速していくという特徴もとらえられました。にもかかわらず、SN 2012apからはGRBが見られていないのです。超新星の多様性を示す結果で、研究グループでは、ジェット中の粒子の重さがGRB発生の有無を分ける要因の一つである可能性を指摘しています

2015年5月8日
Astro Artsより

超新星はティベリウス(Tiberius)、ディディウス(Didius)、カラカラ(Caracalla)

Posted by moonrainbow on 17.2014 超新星   0 comments   0 trackback
重力レンズで明るさを増した3超新星(Supernova)

Abell 383
ティベリウス(Tiberius)

RXJ1532.9 3021
ディディウス(Didius)

超新星
カラカラ(Caracalla)

 ハッブル宇宙望遠鏡によって、重力の作用で大きく明るさを増した超新星爆発が3つ観測されました

 2014年5月1日に発表されたNASAの報告によると、爆発自体の大きさは通常の超新星と同程度かそれ以下の規模だったが、超新星と地球の間にある超大質量の銀河団によって生じる重力レンズ効果で、明るさが大幅に増幅されていたそうです

 3つの超新星はティベリウス(Tiberius)、ディディウス(Didius)、カラカラ(Caracalla)と名付けられ、それぞれAbell 383RXJ1532.9+3021MACS J1720.2+3536の各銀河団がレンズ役を果たしていたそうです

 重力レンズ効果は、アルベルト・アインシュタインが1936年に一般相対性理論から導かれる現象としてその存在を予言していたが、実際の観測で確かめられたのは1979年に見つかった「ツインクエーサー」によってでした

PHOTOGRAPH BY NASA/ESA HUBBLE

National Geographic Newsより
May 8, 2014
 

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