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非常に軽い白色矮星を発見

Posted by moonrainbow on 20.2019 白色矮星   0 comments   0 trackback
謎めいた「軽すぎる」白色矮星をケプラーの観測データから発見

白色矮星の想像図
主星の手前を横切る際に重力レンズ効果をもたらしている白色矮星の想像図

アメリカ天文学会は2019年8月7日、「ケプラー」宇宙望遠鏡の観測データから非常に軽い白色矮星を発見したとするプリンストン大学の増田賢人氏らによる研究成果を紹介しました。研究内容は論文にまとめられ、8月5日付でThe Astrophysical Journalに掲載されています

■まだあるはずがない「軽すぎる白色矮星」の謎

太陽の8倍よりも軽い恒星は、水素を燃やし尽くす過程で赤色巨星となり、残った水素などの物質を周囲に放出しきって白色矮星へと進化します。

白色矮星は核融合で輝くことはないため、恒星としては死を迎えた姿と言えます。その質量はおおむね太陽の0.6倍ほどで、上限は太陽の約1.4倍。恒星だった頃の質量が白色矮星の質量も左右すると見られています。

ところが、白色矮星のなかには太陽の0.15~0.3倍という軽いものが存在します。軽い白色矮星になるには恒星も軽くなければなりませんが、軽い恒星ほど寿命が長くなります。そのような恒星は水素を燃やし尽くすのに現在の宇宙の年齢以上の時間がかかるため、ここまで軽い白色矮星はまだ存在するはずがないのです。

(※チャンドラセカール限界質量。連星系でペアを組む恒星から奪ったガスなどによりこの質量を超えると、Ia型の超新星爆発が生じる)


■連星を組む相手にガスを奪われれば存在もあり得る

そこで提案されたのが、連星系における相互作用です。恒星どうしがかなり近付く連星系において、片方の恒星がもう片方からガスを奪い取ってしまうことで、現在の宇宙の年齢でも軽い白色矮星が誕生する可能性が示されたのです。

今回増田氏らの研究チームが発見した連星系「KIC 8145411」の白色矮星も、こうして誕生したと見られています。その質量は太陽の0.2倍で、ペアを組む恒星をおよそ450日周期で公転しています。

研究に利用されたのはケプラーの観測データです。数多くの系外惑星を発見したことで知られるケプラーは、系外惑星が主星(恒星)の手前を横切る(トランジット)ときに生じるわずかな減光をキャッチするために開発されました。

ところが、KIC 8145411では惑星ではなく高密度の白色矮星が周回しているため、トランジット時には白色矮星の重力レンズ効果によって光が集められ、系外惑星のトランジットとは逆に主星が増光します。このような連星系は5つしか知られていません


重力レンズ効果を示した図

連星系における白色矮星の重力レンズ効果を示した図(KOI-3278での例)。トランジット時には重力レンズ効果で増光し(画像下)、白色矮星が主星に隠れると減光する(画像上)。ただし、KIC 8145411の白色矮星はもともと暗すぎて、主星に隠れたときの減光は起きなかった

■「主星から遠すぎる」という新たな謎も

ただし、KIC 8145411は新たな謎をもたらしました。白色矮星は主星に対しておよそ1.3天文単位の距離(軌道長半径。1天文単位は太陽と地球の平均間隔が由来)を周回していますが、これは「連星系の相互作用によって軽い白色矮星が誕生する」という理論で想定されていた軌道より10倍も離れていたのです。

研究チームは、今回の発見は氷山の一角であると指摘しており、さらなる発見によって新たに浮上した謎の解明につなげていきたいとしています


Image Credit: NASA/JPL-Caltech

2019/8/12
Soraeより

高速で公転する白色矮星の連星系「ZTF J1539 + 5027」

Posted by moonrainbow on 05.2019 白色矮星   0 comments   0 trackback
公転周期は7分。明滅する連星系を“5億画素”の観測装置が発見

連星系ZTF J1539 _ 5027を描いた想像図
白色矮星どうしの連星系ZTF J1539 + 5027を描いた想像図

カリフォルニア工科大学は2019年7月24日、同大学の光学観測装置「ZTF(Zwicky Transient Facility)」を使って「高速で公転する白色矮星の連星系」を発見した大学院生Kevin Burdge氏らの研究内容を発表しました

ZTFは16個の大型CCDセンサー群で構成された、巨大なデジタルカメラのような観測装置です。CCDセンサー1つあたりの画素数はおよそ3600万、16個合計で5億7600万画素を誇ります。なお、複数の光学センサーを組み合わせた観測装置としては、東京大学木曽観測所の105cmシュミット望遠鏡に取り付けられている「Tomo-e Gozen(トモエゴセン)」も同様の仕組みです

■連星系「ZTF J1539 + 5027」を発見

パロマー天文台にある48インチ(約122cm)のサミュエル・オスキン望遠鏡に取り付けられたZTFは、天の川の大半を毎晩観測しつつ、3夜ごとに夜空全体を観測します。今回発見された「ZTF J1539 + 5027」は、うしかい座の方向およそ8000光年先にある連星系です

連星を成しているのは、どちらも地球と同じくらいの大きさをした白色矮星。比較すると片方は小さくて明るく、もう片方は大きくて暗いことがわかっています。サイズは小さいものの、2つの白色矮星を足し合わせた重さは太陽と同じくらいあります

白色矮星とは、もともと太陽のように自ら輝く恒星だったものが年令を重ねて赤色巨星となり、やがてガスを放出しきって核融合を止めてしまった天体のこと。恒星としては死を迎えた姿と言え、プレスリリースでも「Dead Stars(死んだ星々)」と表現されています

■公転周期はわずか「7分」

白色矮星どうしの間隔は、地球から月までの距離の5分の1程度しかありません。連星系そのものが土星の中にすっぽりおさまってしまうくらいコンパクトで、公転周期はわずか7分。地球からは大きくて暗いほうの白色矮星が小さくて明るいほうの手前を横切るトランジットが観測できるため、「ZTFの観測データを見ると7分間隔の明滅パターンが見つかります」(Burdge氏)

今後10万年程度明滅し続けるというZTF J1539 + 5027。研究チームは、100cm以上の望遠鏡があればアマチュアの観測者でもその様子を見ることができるとしています

Image Credit: Caltech/IPAC/R. Hurt

2019年7月30日
Soraeより

恒星「こぐま座T星」

Posted by moonrainbow on 02.2019 白色矮星   0 comments   0 trackback
太陽に似た恒星の最期を予感させる観測結

赤色巨星「きりん座U星」
ガスを放出して一生を終えつつある赤色巨星「きりん座U星」。太陽もこのような最期を迎えると予想されている

オーストラリア国立大学は2019年7月26日、“死”に向かいつつある恒星「こぐま座T星」を分析したMeridith Joyce氏らの研究結果を紹介しました。研究内容は論文にまとめられ、7月5日付でThe Astrophysical Journalに掲載されています

こぐま座T星は地球からおよそ3000光年先にある赤色巨星で、質量は太陽のおよそ2倍、誕生からは約12億年が経っていると分析されています。明るさが周期的に変化する変光星であることが知られており、20世紀前半から今日まで100年以上に渡って明るさの変化が記録され続けています

Joyce氏によると、こぐま座T星に関するこの30年間の記録を分析してみると、その大きさ、明るさ、温度のいずれもが徐々に減ってきていることがわかるといいます

太陽の8倍よりも軽い恒星は、核融合を支えてきた水素が恒星の中心部からなくなってしまうと、より外側にある水素で核融合を続けながら巨大化して、赤色巨星に進化します。やがて赤色巨星は燃え残った水素などを周囲に放出し、燃え殻の中心核だけが残された白色矮星となります

白色矮星は核融合をせず、徐々に冷えていってしまいます。つまり白色矮星は、死を迎えた恒星の姿とも言い表せます。私たちの太陽もおよそ50億年後には白色矮星となって、恒星としての一生を終えることになります

今回Joyce氏は、長年に渡る観測結果と最新のシミュレーション技術を組み合わせて、こぐま座T星の変光周期やサイズの変化を調査しました。その結果、こぐま座T星は赤色巨星の末期においてヘリウムが激しく燃焼する「ヘリウム殻フラッシュ」を起こす段階にあり、ここ最近のサイズ、明るさ、温度の減少は、次のヘリウム殻フラッシュが今まさに始まりつつあることを示していると分析しています

「熱パルス」と呼ばれることもあるヘリウム殻フラッシュは断続的に繰り返されるため、明るさやサイズが変化する様子をグラフに描くと、まるで心拍のようにも見えます。Joyce氏が「最後のパルスのひとつ」と表現しているように、白色矮星という最期に向かってこぐま座T星が繰り返す脈拍の1つが始まる瞬間を、人類は目の当たりにしているのです

「恒星が年老いていく様子を人間のタイムスケールで観測できる貴重な機会です」とJoyce氏は語ります。数万年、数億年という規模で語られる宇宙のさまざまな出来事に比べれば、恒星の最期はきわめて短時間のうちに進行する現象なのです

Image Credit: ESA/Hubble, NASA and H. Olofsson (Onsala Space Observatory)

2019/7/26
Soraeより

白色矮星「LSPM J0207+3331」(J0207)

Posted by moonrainbow on 06.2019 白色矮星   0 comments   0 trackback
塵の環に囲まれた30億歳の白色矮星

白色矮星「LSPM J0207_3331」
白色矮星「LSPM J0207+3331」。右は拡大図(提供:Backyard Worlds: Planet 9/NASA’s Goddard Space Flight Center、以下同)

市民参加型プロジェクトにより、周囲に塵の環が広がっている白色矮星が発見されました。年齢は30億歳と見積もられており、従来の理論では環が消失しているはずの高齢です

NASAの赤外線天文衛星「WISE」のデータから新天体を捜索する市民参加型プロジェクト「Backyard Worlds: Planet 9」により、さんかく座の方向約145光年彼方に位置する、赤外線で明るく輝く天体「LSPM J0207+3331」(以後J0207)が発見されました

米・ハワイのW.M.ケック天文台での追加観測でこの天体の性質を詳しく調べたところ、J0207の正体は白色矮星であり、周囲を取り囲む塵の環から赤外線が放射されているらしいことが明らかになったのです

太陽のような軽い恒星は一生の終期に膨張して物質を放出し、中心部が白色矮星として残されます。白色矮星は時間の経過とともに冷えていくので、表面温度を調べると年齢を推定することができます。J0207の表面温度は摂氏約5800度で、年齢は約30億歳とみられています。これは、塵に取り囲まれた白色矮星としては、現在知られているもののなかで最も低温で最も古い(高齢の)天体です。これまでに見つかっていた、塵に取り囲まれた白色矮星で最も古い天体は、年齢が約10億歳のものでした

塵の元になったのは、星の周りにあった惑星や小惑星などだと考えられています。星が膨らんでいくと、星の近くにある惑星は飲み込まれてしまうが(地球も50億年後には膨らんだ太陽に飲み込まれるかもしれない)、外側にあった惑星は、さらに外側へと移動して生き残ります。軌道が外に広がるのは、星が質量を失って軽くなり、重力が小さくなるためです

こうして生き残った外側の小惑星や彗星が、同様に生き残った惑星の重力の影響を受けて軌道を乱し白色矮星のほうへと落ちていくと、白色矮星の潮汐力によって破壊され、その残骸が星の周りに環状に広がるようになります

LSPM J0207_3331の想像イラスト
LSPM J0207+3331の想像イラスト。白色矮星の周囲に塵の環が形成されている。左下は破壊された小惑星の残骸

こうした塵は最終的にはすべて白色矮星の表面に落ちてしまうため、長い年月が経つと環は消えてなくなってしまうはずです。つまり、30億歳の白色矮星J0207の周りに塵の環が残っているのは奇妙であり、理論やモデルを考え直す必要があるかもしれません。「塵の環に物質を供給するプロセスがどのようなものであれ、J0207ではそのプロセスが数十億年といタイムスケールで起こっていることになります。一方で、これまでに考えられてきた白色矮星を取り巻く環を説明するモデルのタイムスケールは1億年ほどしかありません。J0207は、惑星系の進化に関する仮説に対して大きな問題を突き付けているのです」(米・宇宙望遠鏡科学研究所 John Debesさん)

J0207には環が複数存在している可能性も考えられており、今後の観測研究でさらに詳しいことがわかると期待されています

2019年2月27日
AstroArtsより

白色矮星「Stein 2051 B」の質量

Posted by moonrainbow on 20.2017 白色矮星   2 comments   0 trackback
重力レンズ現象で計測された白色矮星の質量( HubbleSite

重力レンズ効果の説明図
重力レンズ効果の説明図。重力レンズ効果により、星は本当の位置(Real star position)ではなく見かけの位置(Observed star position)にあるように見える(提供:NASA, ESA, and A. Feild (STScI))

重力マイクロレンズ現象の観測を利用して、17光年彼方にある白色矮星の質量が計測されました

1915年にアインシュタインが提唱した一般相対性理論によれば、天体の重力によって周囲の空間が歪み、天体より遠いところからその空間を通って届く光は曲げられて観測されます。この「重力レンズ効果」は4年後の1919年、エディントンが皆既日食の際に、重力レンズ効果がなければ見えるはずのない太陽の背後にある星の光を観測して実証されました。しかし、太陽系外の星がレンズ源となる場合にはこの効果による光の曲がり方がごく小さくなるため、これまでに観測されたことはなかったのです

米・宇宙望遠鏡科学研究所のKailash Sahuさんたちの研究チームはハッブル宇宙望遠鏡を用いて、2年にわたって白色矮星「Stein 2051 B」を観測し、この星が遠い星の手前を通り過ぎることで起こる重力レンズ現象をとらえました

Stein 2051 Bは、きりん座の方向にある、誕生してから27億年の白色矮星です。地球から17光年離れており、白色矮星としては太陽系から5番目に近い天体です。この近さのおかげで地球からの見かけの動きも大きくなるので、天球上を動いていくうちに、より遠方の星の手前を通過して重力レンズ効果を起こすチャンスも増えます

白色矮星Stein 2051 B(上の明るい天体)と背景の星
白色矮星Stein 2051 B(上の明るい天体)と背景の星(提供:NASA, ESA, and K. Sahu (STScI))

Sahuさんたちの観測では2年間で7回、Stein 2051 Bが5000光年彼方の星の手前を通過する様子がとらえられました。その際、白色矮星の重力レンズ効果により、背景の星の位置が2ミリ秒角(1度の3600分の1の、さらに1000分の2)だけずれていることが確認されました。これは1000km先の光の位置が約1cm動いたのと同程度のずれで、1919年に太陽で観測された効果による変化量の1000分の1しかないのです。「白色矮星のほうが400倍も明るいことも、観測を困難にした一因でした」(宇宙望遠鏡科学研究所 Jay Andersonさん)

位置のずれの大きさからレンズ源となったStein 2051 Bの質量を計算すると、太陽のおよそ68%になった。これは恒星進化の理論から予測される白色矮星の質量と一致しています。「マイクロレンズ効果を使った星の質量の計測は、他の理論によらない独立した直接的な方法です。光の位置のずれを観測するのは、体重計に星を乗せてその針の動きを見るようなものです」(Sahuさん)

研究チームでは同様の研究を、太陽系に最も近い恒星プロキシマケンタウリでも行う予定です

2017年6月14日
AstroArtsより
 

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