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2つの白色矮星の合体

Posted by moonrainbow on 10.2020 白色矮星   0 comments   0 trackback
白色矮星どうしの合体で誕生した「重い白色矮星」150光年先に確認

白色矮星どうしの合体を描いた想像図
白色矮星どうしの合体を描いた想像図(Credit: University of Warwick/Mark Garlick)

太陽のような恒星はやがて巨大な赤色巨星になってガスを放出し、自ら核融合はしない白色矮星に進化すると考えられています。今回、平均的な質量の2倍近い重さを持つ白色矮星が、2つの白色矮星の合体によって誕生したとする研究成果が発表されました

■合体はおよそ13億年前と推定、地球の3分の2サイズで太陽よりも重い

Mark Hollands氏(ウォーリック大学、イギリス)らの研究チームが観測したのは、「ぎょしゃ座」の方向およそ150光年先にある白色矮星「WDJ0551+4135」です。白色矮星の平均的な質量は太陽の約0.6倍ですが、WDJ0551+4135の質量は平均のほぼ2倍となる太陽の約1.14倍。太陽よりも重いのに、直径は地球の3分の2ほどしかありません。観測データを分析した結果、この重い白色矮星はおよそ13億年前に2つの白色矮星が合体したことで誕生したとみられています。

研究チームは、カナリア諸島にある天体望遠鏡「ウィリアム・ハーシェル望遠鏡」と、欧州宇宙機関(ESA)の宇宙望遠鏡「ガイア」による観測データを分析に使用しました。ウィリアム・ハーシェル望遠鏡による観測では、WDJ0551+4135が水素に炭素が混じった大気を持っていることが判明しています。進化が通常通りに進んだ白色矮星では、水素とヘリウム、あるいはヘリウムに炭素が混じった大気が観測されることはあるものの、白色矮星の内部に存在していてヘリウムの層に覆われているはずの炭素と、表層にある水素の組み合わせを見つけることになるとはまず予想しないとHollands氏は語ります。

いっぽう、ガイアの観測データからは、WDJ0551+4135がその温度から推定される年齢にしては高速で天の川銀河を周回していることもわかりました。若い星よりも古い星のほうがより高速で銀河を周回していることから、WDJ0551+4135の運動速度は見た目(温度)と実年齢が食い違っていることを示唆しており、過去に温度が上昇するような現象を経験した可能性があるとみられています。「WDJ0551+4135が白色矮星どうしの合体によって誕生した」とする結論は、こうした観測結果をもとに導き出されました


■白色矮星どうしの合体でできた白色矮星はめずらしい


ウォーリック大学の発表によると、白色矮星どうしの合体は予想の範囲内ではあるものの、めずらしい現象のようです。たとえば、合体してWDJ0551+4135になる前の星はどちらも同じくらいの質量だったと考えられていますが、合体の多くは異なる質量の天体のあいだで起きる現象とされています。質量が違えば進化後の姿や進化の速度がそれぞれ異なるため、ペアの重さが異なる連星では白色矮星どうしが合体するとは限りません。

また、白色矮星には「太陽の約1.4倍」という限界の質量(チャンドラセカール限界質量)があり、合体後の質量がこの値を超える場合は超新星爆発に至るとされています。限界に近い質量のWDJ0551+4135は、白色矮星の質量の上限を示す一例と言えそうです


Image Credit: University of Warwick/Mark Garlick

2020-03-03
Soraeより

白色矮星「WDJ0914+1914」

Posted by moonrainbow on 12.2019 白色矮星   0 comments   0 trackback
白色矮星に炙られ蒸発しながら公転する太陽系外惑星の存在

白色矮星(左)の近くを蒸発しながら公転
円盤をともなう白色矮星(左)の近くを蒸発しながら公転する系外惑星(右)の想像図(Credit: ESO/M. Kornmesser)

核融合を起こさず冷えていくだけの白色矮星は、太陽のような恒星が「死」を迎えた姿と言えます。そんな白色矮星の周囲に太陽系外惑星が存在する証拠を見つけたとする研究成果が発表されました

■系外惑星から蒸発した物質でできたとみられる円盤が存在

白色矮星は、太陽の8倍よりも軽い恒星が水素を核融合し尽くす過程でふくれ上がって赤色巨星となり、周囲にガスを放出したあとに残される天体です。もはや核融合で輝くことはなく、時間が経つにつれてその温度は冷えていきます。太陽も例外ではなく、数十億年後には赤色巨星となり、地球は飲み込まれてしまうと考えられています。

Boris Gänsicke氏(ウォーリック大学、イギリス)らの研究チームは、全天の4分の1をカバーするサーベイ観測プロジェクト「スローン・デジタル・スカイサーベイ(SDSS)」によって観測された約7000個の白色矮星を分析しました。

すると、かに座の方向およそ1500光年先にある白色矮星「WDJ0914+1914」が持つ円盤が、水素、酸素、硫黄といった元素を豊富に含んだ、白色矮星としてはめずらしい特徴を持っていることがわかりました。

WDJ0914+1914について詳しい情報を得るべく、研究チームがヨーロッパ南天天文台(ESO)の超大型望遠鏡「VLT」による観測を実施したところ、この白色矮星の円盤は、海王星ほどの大きさを持った系外惑星から流失した物質によって形成されている可能性が浮上しました。

太陽系の惑星である海王星や天王星の大気には、水(H2O)や硫化水素(H2S)が存在します。研究チームでは、WDJ0914+1914にも海王星のような組成を持った系外惑星が存在していて、この惑星から流れ出た物質によって円盤が形成されることで、水素や酸素、それに硫黄を含んだ円盤が形成されたのではないかと考えています


■まだ熱い白色矮星に至近距離からあぶられる

超大型望遠鏡「VLT」
詳細な観測を実施したESO・パラナル天文台の超大型望遠鏡「VLT」(Credit: ESO/H.H.Heyer)

WDJ0914+1914は太陽の半分程度の質量を持っており、冷えていくだけとはいえ、現在観測されている表面温度は摂氏約2万8000度もあります

研究によると、海王星サイズの系外惑星は、この白色矮星からおよそ1000万km(太陽の直径の7.5倍ほど)離れた軌道を10日程度で1周しているとみられています。表面が太陽の5倍ほども熱い白色矮星に対してこの距離はあまりにも近く、強烈な紫外線の放射によってこの系外惑星の大気は蒸発し続けており、そのうちの一部(毎秒3000トンほど)が円盤に流れ込んでいると考えられています。

また、最初からこの軌道に系外惑星が存在していたとは考えられないことから、研究チームは、この系外惑星が別の系外惑星と重力で相互作用した結果、白色矮星にごく近い軌道まで移動してきたはずだとしています。WDJ0914+1914の周囲には、主星が赤色巨星から白色矮星へと進化する激動の期間を生き延びた2つ以上の系外惑星が存在しているのかもしれません


Image Credit: ESO/M. Kornmesser

2019-12-06
Soraeより

非常に軽い白色矮星を発見

Posted by moonrainbow on 20.2019 白色矮星   0 comments   0 trackback
謎めいた「軽すぎる」白色矮星をケプラーの観測データから発見

白色矮星の想像図
主星の手前を横切る際に重力レンズ効果をもたらしている白色矮星の想像図

アメリカ天文学会は2019年8月7日、「ケプラー」宇宙望遠鏡の観測データから非常に軽い白色矮星を発見したとするプリンストン大学の増田賢人氏らによる研究成果を紹介しました。研究内容は論文にまとめられ、8月5日付でThe Astrophysical Journalに掲載されています

■まだあるはずがない「軽すぎる白色矮星」の謎

太陽の8倍よりも軽い恒星は、水素を燃やし尽くす過程で赤色巨星となり、残った水素などの物質を周囲に放出しきって白色矮星へと進化します。

白色矮星は核融合で輝くことはないため、恒星としては死を迎えた姿と言えます。その質量はおおむね太陽の0.6倍ほどで、上限は太陽の約1.4倍。恒星だった頃の質量が白色矮星の質量も左右すると見られています。

ところが、白色矮星のなかには太陽の0.15~0.3倍という軽いものが存在します。軽い白色矮星になるには恒星も軽くなければなりませんが、軽い恒星ほど寿命が長くなります。そのような恒星は水素を燃やし尽くすのに現在の宇宙の年齢以上の時間がかかるため、ここまで軽い白色矮星はまだ存在するはずがないのです。

(※チャンドラセカール限界質量。連星系でペアを組む恒星から奪ったガスなどによりこの質量を超えると、Ia型の超新星爆発が生じる)


■連星を組む相手にガスを奪われれば存在もあり得る

そこで提案されたのが、連星系における相互作用です。恒星どうしがかなり近付く連星系において、片方の恒星がもう片方からガスを奪い取ってしまうことで、現在の宇宙の年齢でも軽い白色矮星が誕生する可能性が示されたのです。

今回増田氏らの研究チームが発見した連星系「KIC 8145411」の白色矮星も、こうして誕生したと見られています。その質量は太陽の0.2倍で、ペアを組む恒星をおよそ450日周期で公転しています。

研究に利用されたのはケプラーの観測データです。数多くの系外惑星を発見したことで知られるケプラーは、系外惑星が主星(恒星)の手前を横切る(トランジット)ときに生じるわずかな減光をキャッチするために開発されました。

ところが、KIC 8145411では惑星ではなく高密度の白色矮星が周回しているため、トランジット時には白色矮星の重力レンズ効果によって光が集められ、系外惑星のトランジットとは逆に主星が増光します。このような連星系は5つしか知られていません


重力レンズ効果を示した図

連星系における白色矮星の重力レンズ効果を示した図(KOI-3278での例)。トランジット時には重力レンズ効果で増光し(画像下)、白色矮星が主星に隠れると減光する(画像上)。ただし、KIC 8145411の白色矮星はもともと暗すぎて、主星に隠れたときの減光は起きなかった

■「主星から遠すぎる」という新たな謎も

ただし、KIC 8145411は新たな謎をもたらしました。白色矮星は主星に対しておよそ1.3天文単位の距離(軌道長半径。1天文単位は太陽と地球の平均間隔が由来)を周回していますが、これは「連星系の相互作用によって軽い白色矮星が誕生する」という理論で想定されていた軌道より10倍も離れていたのです。

研究チームは、今回の発見は氷山の一角であると指摘しており、さらなる発見によって新たに浮上した謎の解明につなげていきたいとしています


Image Credit: NASA/JPL-Caltech

2019/8/12
Soraeより

高速で公転する白色矮星の連星系「ZTF J1539 + 5027」

Posted by moonrainbow on 05.2019 白色矮星   0 comments   0 trackback
公転周期は7分。明滅する連星系を“5億画素”の観測装置が発見

連星系ZTF J1539 _ 5027を描いた想像図
白色矮星どうしの連星系ZTF J1539 + 5027を描いた想像図

カリフォルニア工科大学は2019年7月24日、同大学の光学観測装置「ZTF(Zwicky Transient Facility)」を使って「高速で公転する白色矮星の連星系」を発見した大学院生Kevin Burdge氏らの研究内容を発表しました

ZTFは16個の大型CCDセンサー群で構成された、巨大なデジタルカメラのような観測装置です。CCDセンサー1つあたりの画素数はおよそ3600万、16個合計で5億7600万画素を誇ります。なお、複数の光学センサーを組み合わせた観測装置としては、東京大学木曽観測所の105cmシュミット望遠鏡に取り付けられている「Tomo-e Gozen(トモエゴセン)」も同様の仕組みです

■連星系「ZTF J1539 + 5027」を発見

パロマー天文台にある48インチ(約122cm)のサミュエル・オスキン望遠鏡に取り付けられたZTFは、天の川の大半を毎晩観測しつつ、3夜ごとに夜空全体を観測します。今回発見された「ZTF J1539 + 5027」は、うしかい座の方向およそ8000光年先にある連星系です

連星を成しているのは、どちらも地球と同じくらいの大きさをした白色矮星。比較すると片方は小さくて明るく、もう片方は大きくて暗いことがわかっています。サイズは小さいものの、2つの白色矮星を足し合わせた重さは太陽と同じくらいあります

白色矮星とは、もともと太陽のように自ら輝く恒星だったものが年令を重ねて赤色巨星となり、やがてガスを放出しきって核融合を止めてしまった天体のこと。恒星としては死を迎えた姿と言え、プレスリリースでも「Dead Stars(死んだ星々)」と表現されています

■公転周期はわずか「7分」

白色矮星どうしの間隔は、地球から月までの距離の5分の1程度しかありません。連星系そのものが土星の中にすっぽりおさまってしまうくらいコンパクトで、公転周期はわずか7分。地球からは大きくて暗いほうの白色矮星が小さくて明るいほうの手前を横切るトランジットが観測できるため、「ZTFの観測データを見ると7分間隔の明滅パターンが見つかります」(Burdge氏)

今後10万年程度明滅し続けるというZTF J1539 + 5027。研究チームは、100cm以上の望遠鏡があればアマチュアの観測者でもその様子を見ることができるとしています

Image Credit: Caltech/IPAC/R. Hurt

2019年7月30日
Soraeより

恒星「こぐま座T星」

Posted by moonrainbow on 02.2019 白色矮星   0 comments   0 trackback
太陽に似た恒星の最期を予感させる観測結

赤色巨星「きりん座U星」
ガスを放出して一生を終えつつある赤色巨星「きりん座U星」。太陽もこのような最期を迎えると予想されている

オーストラリア国立大学は2019年7月26日、“死”に向かいつつある恒星「こぐま座T星」を分析したMeridith Joyce氏らの研究結果を紹介しました。研究内容は論文にまとめられ、7月5日付でThe Astrophysical Journalに掲載されています

こぐま座T星は地球からおよそ3000光年先にある赤色巨星で、質量は太陽のおよそ2倍、誕生からは約12億年が経っていると分析されています。明るさが周期的に変化する変光星であることが知られており、20世紀前半から今日まで100年以上に渡って明るさの変化が記録され続けています

Joyce氏によると、こぐま座T星に関するこの30年間の記録を分析してみると、その大きさ、明るさ、温度のいずれもが徐々に減ってきていることがわかるといいます

太陽の8倍よりも軽い恒星は、核融合を支えてきた水素が恒星の中心部からなくなってしまうと、より外側にある水素で核融合を続けながら巨大化して、赤色巨星に進化します。やがて赤色巨星は燃え残った水素などを周囲に放出し、燃え殻の中心核だけが残された白色矮星となります

白色矮星は核融合をせず、徐々に冷えていってしまいます。つまり白色矮星は、死を迎えた恒星の姿とも言い表せます。私たちの太陽もおよそ50億年後には白色矮星となって、恒星としての一生を終えることになります

今回Joyce氏は、長年に渡る観測結果と最新のシミュレーション技術を組み合わせて、こぐま座T星の変光周期やサイズの変化を調査しました。その結果、こぐま座T星は赤色巨星の末期においてヘリウムが激しく燃焼する「ヘリウム殻フラッシュ」を起こす段階にあり、ここ最近のサイズ、明るさ、温度の減少は、次のヘリウム殻フラッシュが今まさに始まりつつあることを示していると分析しています

「熱パルス」と呼ばれることもあるヘリウム殻フラッシュは断続的に繰り返されるため、明るさやサイズが変化する様子をグラフに描くと、まるで心拍のようにも見えます。Joyce氏が「最後のパルスのひとつ」と表現しているように、白色矮星という最期に向かってこぐま座T星が繰り返す脈拍の1つが始まる瞬間を、人類は目の当たりにしているのです

「恒星が年老いていく様子を人間のタイムスケールで観測できる貴重な機会です」とJoyce氏は語ります。数万年、数億年という規模で語られる宇宙のさまざまな出来事に比べれば、恒星の最期はきわめて短時間のうちに進行する現象なのです

Image Credit: ESA/Hubble, NASA and H. Olofsson (Onsala Space Observatory)

2019/7/26
Soraeより
 

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