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暗黒星雲「CB 130-3」

Posted by moonrainbow on 18.2022 星雲   0 comments   0 trackback
星を生み出す幻想的な分子雲コア暗黒星雲「CB 130-3」をハッブルが撮影

暗黒星雲「CB 130-3」
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した暗黒星雲「CB 130-3」(Credit: ESA/Hubble, NASA & STScI, C. Britt, T. Huard, A. Pagan)】

こちらは「へび座」の方向にある暗黒星雲「CB 130-3」です。CB 130-3はガスや塵が集まっている低温の分子雲のなかでも特に高密度な部分である分子雲コアとして知られています。オレンジの分子雲コアを背景の青白い雲や輝く星々が取り囲む様子からは幻想的な印象を受けます

分子雲コアでは高密度のガスや塵が自らの重力で収縮し、星の赤ちゃんと言える原始星が誕生すると考えられています。やがて成長した原始星の中心では水素の核融合反応が起こるようになり、恒星としての生涯が始まります。画像を公開した欧州宇宙機関(ESA)によると、CB 130-3の奥深くにも恒星に成長しつつある小さな星が潜んでいるといいます。

背景の星々は密度が低い周辺部分では雲を透かして見えていますが、物質が高い密度で集まっている部分へ向かうにつれて隠されていき、濃い赤に見えるCB 130-3の中央付近ではすっかり見えなくなっています。ESAによれば、分子雲は星を暗く見せるだけでなく色も赤っぽく変化させています。天文学者はこの色の変化を利用して分子雲の密度を分析し、分子雲の内部構造に関する知見を得ることができるといいます。

冒頭の画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」を使って取得された画像(814nm、1.25μm、1.6μmのフィルターを使用)をもとに作成されたもので、ハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚としてESAから2022年11月14日付で公開されています


Clouded Vision



Image Credit: ESA/Hubble, NASA & STScI, C. Britt, T. Huard, A. Pagan
ESA/Hubble - Clouded Vision

2022-11-15
Soraeより

反射星雲「NGC 1999」

Posted by moonrainbow on 01.2022 星雲   0 comments   0 trackback
鍵穴のような形の暗い空洞、ハッブルが撮影した反射星雲「NGC 1999」

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オリオン座の反射星雲「NGC 1999」

こちらは、約1350光年先にある「オリオン座」の反射星雲「NGC 1999」です。反射星雲とは、ガスや塵の集まりである分子雲が恒星の光を反射することで輝いて見える星雲のこと。電離したガスの光で輝く輝線星雲とは異なるタイプの星雲です

NGC 1999の場合は、中央付近に写っている若い星「オリオン座V380星(V380 Orionis)」からの光が反射されています。欧州宇宙機関(ESA)によると、NGC 1999を構成するガスや塵は、オリオン座V380星の形成時に余った物質だといいます。

注目は、NGC 1999の中央付近に見える暗い部分です。ESAはその形から「Cosmic Keyhole(宇宙の鍵穴)」と表現しています。

2000年に「ハッブル」宇宙望遠鏡によって撮影されたNGC 1999の画像が公開された当時、この部分は「ボック・グロビュール(Bok globule)」だと考えられていました。ボック・グロビュールはHII領域に見られる暗黒星雲で、ガスや塵などが高い密度で集まった比較的小さな分子雲です。塵を含む高密度の分子雲が可視光線を遮ったことで、このように暗く見えているのではないかと思われたのです。

ところがその後、ESAが運用していた「ハーシェル」宇宙望遠鏡を使って赤外線の波長でNGC 1999を観測したところ、この部分は見た目通りの空洞であることが2010年に明らかになりました。NGC 1999の空洞は、この領域で誕生した若い星からのジェットや放射によって形成された可能性があるようです。

冒頭の画像はかつてハッブル宇宙望遠鏡に搭載されていた「広域惑星カメラ2(WFPC2)」と、ヨーロッパ南天天文台(ESO)が運営するパラナル天文台(チリ)の「VLTサーベイ望遠鏡(VST)」に搭載されている広角カメラ「OmegaCAM」を使って取得された画像(可視光線のフィルター合計6種類を使用)をもとに作成されたもので、ESAからハッブル宇宙望遠鏡の今週の一枚として2022年10月24日付で公開されています


Image Credit: ESA/Hubble & NASA, K. Noll

2022年10月27日
sorae より

輝線星雲「NGC 248」

Posted by moonrainbow on 25.2022 星雲   0 comments   0 trackback
華やかに輝く小マゼラン雲の“星のゆりかご” ハッブル宇宙望遠鏡の画像を振り返る

華やかに輝く小マゼラン雲
小マゼラン雲の輝線星雲「NGC 248」

こちらは南天の「きょしちょう座(巨嘴鳥座)」の方向約20万光年先にある輝線星雲「NGC 248」です。輝線星雲とは、若く高温な大質量星から放射された紫外線によって電離した水素ガスが赤い光を放っている領域で、HII(エイチツー)領域とも呼ばれています。HII領域はガスと塵を材料に星が形成される星形成領域でもあり、新たな星が誕生する現場であることから「星のゆりかご」と呼ばれることもあります

NGC 248は天の川銀河の伴銀河(衛星銀河)のひとつ「小マゼラン雲」(小マゼラン銀河とも)にあり、イギリスの天文学者ジョン・ハーシェルによって1834年に発見されました。画像を公開したアメリカの宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)によると、NGC 248の長さは約60光年で、幅は約20光年。実際には2つの星雲ですが、地球からは1つに見える位置関係にあるといいます。

この画像は「SMIDGE」(Small Magellanic Cloud Investigation of Dust and Gas Evolution)と呼ばれる観測プロジェクトの一環として、「ハッブル」宇宙望遠鏡を使って取得されたものです。カリフォルニア大学サンディエゴ校の天文学者Karin Sandstromさん率いるSMIDGEサーベイは、塵のもとになる重元素(ここでは水素やヘリウムよりも重い元素のこと)の供給が大幅に少ない銀河における、塵の違いを理解するために実施されました。初期の宇宙では現在よりも重元素の占める割合が低かったため、重元素が少ない小マゼラン雲のような銀河を観測することで、初期宇宙の塵についての理解を深めることができるのだといいます。「天の川銀河の歴史を理解するためにも重要なことです」(Sandstromさん)

冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡に搭載されている「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」を使って取得された画像(4種類のフィルターを使用)をもとに作成され、2016年12月20日に公開されていたもので、アメリカ航空宇宙局(NASA)のハッブル宇宙望遠鏡Twitter公式アカウントが2022年8月9日付で改めて紹介しています


Image Credit: NASA, ESA, STScI, K. Sandstrom (University of California, San Diego), and the SMIDGE team.
STScI - Festive Nebulas Light Up Milky Way Galaxy Satellite
ESA/Hubble - Festive nebulae light up Milky Way Galaxy satellite
@NASAHubble (Twitter)

2022年8月21日
sorae より

超新星残骸「W50」、別名「マナティ星雲

Posted by moonrainbow on 10.2022 星雲   0 comments   0 trackback
高エネルギー粒子が飛び出す“宇宙のマナティ” 欧米のX線望遠鏡などが観測

超新星残骸「W50」
【▲ X線・電波・可視光線で観測された超新星残骸「W50」、別名「マナティ星雲」(Credit: S. Safi-Harb et al (2022))】

こちらは「わし座」の方向約1万8000光年先にある超新星残骸「W50」です。その姿がマナティを連想させるとして、W50は「マナティ星雲(Manatee Nebula)」の別名でも呼ばれています。色は黄色・マゼンタ・シアンがX線(黄色は低エネルギー、マゼンタは中間のエネルギー、シアンは高エネルギーのX線を示す)、赤色が電波、緑色が可視光線に対応して着色されています

超新星残骸とは、重い恒星などによる超新星爆発が起きた後に観測される天体のこと。超新星爆発にともなって発生した衝撃波が周囲へ広がることでガスが加熱され、可視光線やX線といった電磁波が放射されていると考えられています。画像を公開した欧州宇宙機関(ESA)によると、現在観測されているマナティ星雲は、形成されてから約3万年が経っているとされています。冒頭の画像だけではわかりにくいのですが、地球から見たマナティ星雲の見かけの長さは満月4個分に相当します。

マナティ星雲の「お腹」のあたりを見ると、中心に1つの天体が写っているのがわかります。これはジェットをともなう降着円盤を持つ「マイクロクエーサー」(※)という種類の天体で、マナティ星雲にあるマイクロクエーサーは「SS 433」と呼ばれています。

※…遠方銀河の活動銀河核「クエーサー」に似ていることから、その小型版として「マイクロクエーサー」と呼ばれている

SS 433の正体はブラックホール連星(ブラックホールを含む連星)だと考えられていて、殻状に広がったガスを突き抜ける粒子のジェットが降着円盤から双方向に噴出することで、両側に突出したマナティ星雲の構造を形成しているとみられています。SS 433のジェットの速度は光速の約4分の1に達するようです。

ESAによれば2018年、メキシコの高高度水チェレンコフガンマ線天文台(HAWC)が非常に高いエネルギーの粒子(数百TeV)を観測したことで、マナティ星雲は研究者の注目を集めたといいます。

高エネルギー粒子がマナティ星雲のどこで発生しているのかはわかっていませんでしたが、マニトバ大学のSamar Safi-Harbさんを筆頭とする研究チームは、マナティ星雲の東側(画像では左側)にある領域でその証拠が得られたと考えています。SS 433の左側に見えるシアンやマゼンタの明るい部分がその領域で、SS 433から100光年ほど離れた場所から始まり、約300光年にわたって広がっているといいます。Safi-Harbさんたちは、おそらくガス雲内部の衝撃波と磁場によって、東側に流れ込んだジェットの粒子が再加速されていると推測しています。

冒頭の画像は2022年7月4日付でESAから公開されました。天の川銀河内外の天体による物質の流出に関連した天体物理現象の「実験室」として、マナティ星雲は今後も観測が続けられるとのことです


マナティ星雲
【▲ 電波で観測されたマナティ星雲(上)と、休息するマナティ(下)(Credit: NRAO/AUI/NSF, K. Golap, M. Goss; NASAu2019s Wide Field Survey Explorer (WISE). Bottom: Image used with permission from Tracy Colson.)】

Image Credit: S. Safi-Harb et al (2022)

2022-07-07
Soraeより

オリオン座大星雲内の星団に属する個々の星の運動

Posted by moonrainbow on 19.2022 星雲   0 comments   0 trackback
星団から弾かれた星が星雲を広げる

オリオン座大星雲
オリオン座大星雲。θ1 Ori Cはオリオン座大星雲で最も大質量で明るい恒星で、星団の中心部に存在する。NU Oriとθ2 Ori Aも大質量星で、重力相互作用によって星団中心から弾き出された星と考えられる。赤~ピンクの部分は高温の電離水素で満たされた電離領域、星団の左上の黒っぽい部分は低温の水素分子ガスが集まる領域(分子雲)。分子雲の中では、新しい星が生まれつつある(提供:NASA, ESA, M. Robberto (Space Telescope Science Institute/ESA) and the Hubble Space Telescope Orion Treasury Project Teamを改変)

オリオン座大星雲内の星団に属する個々の星の運動がシミュレーションで正確に再現され、星団から弾き出された大質量星によって分子雲に穴が開いて、星団を中心としない電離領域が形成された可能性が示された

星の材料となるガスが大量に集まった巨大分子雲では、多数の星が集まった星団や、太陽の約8倍以上の質量を持つような大質量星が形成される。大質量星の強烈な輝きは分子雲のガスを電離したり吹き飛ばしたりして、星の形成がそれ以上進むのを止めてしまう。オリオン座大星雲M42はこのような領域の一つで、電離した水素が発する赤やピンクの光は、その場所で星形成が終わってしまったことを意味する。

オリオン座大星雲では、星形成の中心となった星団の外側にも電離領域が広がっている。東京大学の藤井通子さんたちの研究チームは分子雲での星団形成をシミュレーションし、星団で生まれた大質量星が外側へ弾き出されることで電離領域を押し広げていることを明らかにした。

多数の恒星が互いに重力で影響を及ぼし合う星団のシミュレーションは、膨大な計算量を必要とする。そのため、従来の星団形成シミュレーションでは、近接遭遇した星の間に働く重力を実際より弱めて計算することでコストを抑えていた。だが、これでは星同士が大きく近づいたときの作用で星団から弾き出される効果が再現できない。

藤井さんたちは新しいシミュレーションコード「ASURA+BRIDGE」を開発し、星同士の重力は正確に計算しつつ、星間ガスと星との間の相互作用に一定の近似を加えることで高速化を実現した。計算は国立天文台が運用する天文学専用スーパーコンピューター「アテルイII」で実行した


形成途中の星団
シミュレーションによって描き出された形成途中の星団。(青白い点)恒星、(赤)低温のガス、(緑)高温のガス(提供:藤井通子、武田隆顕、国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト)

星団から星が弾き出される効果を加味したシミュレーション結果と観測結果を比較したところ、オリオン座大星雲に見られる大質量星の速度分布がシミュレーションで弾き出された星のものと同じであることがわかった。これは、大質量星が星の材料となる低温・高密度の分子ガスが多く存在する星団の中心部で生まれ、星同士の重力相互作用によって中心部から弾き出されていることを示している

大質量星の速度分布
オリオン座大星雲にある大質量星の速度分布(提供:東京大学大学院理学系研究科・理学部リリース)

星団から大質量星が外側の分子雲へと弾き出されると、星は星団外縁部の分子ガスを電離し、その星を中心とした泡状の電離領域を形成する。オリオン座大星雲の場合、こちらから見て手前側に電離領域が広がっている一方、奥側にはまだ分子雲が存在し、星形成を続けている。

シミュレーションで再現された星団の中心部の断面図とオリオン座大星雲の中心領域の断面の模式図


星団の中心部の断面図
(上)シミュレーションで再現された星団の中心部の断面図、(下)オリオン座大星雲の中心領域の断面の模式図。右側が観測者側でa→b→cの順に時間が進む。星印は大質量星、矢印(上:白、下:黒)は星の進行方向を示す。星団中心から観測者側に大質量星が飛び出す時に、星団中心付近を覆っていた分子雲に穴が空き、電離領域が広がる(提供:東京大学大学院理学系研究科・理学部リリース)

オリオン座大星雲の星団は中規模であり、より多くの星を含む大規模な星団の形成過程はまだシミュレーションで再現されていない。研究チームは今後、大きな星団や銀河の形成過程と、それらの中で大質量星が果たす役割を明らかにしていきたいとしている

新しい高精度シミュレーションが明らかにした星団形成の現場


「ASURA+BRIDGE」を用いた星団形成シミュレーションの動画(提供:国立天文台天文シミュレーションプロジェクト)

2022年6月13日
AstroArtsより
 

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