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惑星状星雲「アカエイ星雲」

Posted by moonrainbow on 12.2020 星雲   0 comments   0 trackback
わずか20年で形が変わり暗くなった「アカエイ星雲」 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影

惑星状星雲「アカエイ星雲」
1996年にハッブル宇宙望遠鏡が撮影した惑星状星雲「アカエイ星雲」(Credit: NASA, ESA, B. Balick (University of Washington), M. Guerrero (Instituto de Astrofísica de Andalucía), and G. Ramos-Larios (Universidad de Guadalajara))

こちらは南天の「さいだん座」(祭壇座)の方向およそ1万8000光年先にある惑星状星雲「アカエイ星雲」(Stingray Nebula、Hen 3-1357)です。1996年に「ハッブル」宇宙望遠鏡によって撮影されました。色は元素に対応していて、青色は酸素、緑色は水素、赤色は窒素の分布を示しています。

惑星状星雲は、超新星爆発を起こさない太陽のような比較的軽い恒星(質量が太陽の8倍以下)が、赤色巨星になった頃に周囲へ放出したガスによって形作られる天体とされています。赤色巨星を経て白色矮星に進化していく熱い中心星が放射する紫外線によってガスが電離し、光を放出することで輝いていると考えられています。

いっぽう、冒頭の画像を撮影してから20年後の2016年にハッブル宇宙望遠鏡が再び撮影したアカエイ星雲は暗くなり、形も変化していました。特に酸素が放出する光は1000分の1まで低下したとされています。アカエイ星雲の変化を研究したグループを率いるワシントン大学のBruce Balick氏は「通常、星雲は大きくなっていくものですが、アカエイ星雲では前例のないタイムスケールで根本的に形が変わり、暗くなっています」と語ります


惑星状星雲「アカエイ星雲」1
2016年にハッブル宇宙望遠鏡が撮影したアカエイ星雲。1996年と比べて形が変わり、暗くなっている(Credit: NASA, ESA, B. Balick (University of Washington), M. Guerrero (Instituto de Astrofísica de Andalucía), and G. Ramos-Larios (Universidad de Guadalajara))

ビッグバンから約138億年が経ったとされる宇宙は変わり続けていますが、人間の一生と比べればとてもゆっくりとした変化であるため、彗星や超新星などの一部を除いて、私たちがその変化を認識する機会は多くありません。

しかし、アカエイ星雲では1人の人間が生きているうちに認識できるほどの急速な変化がこれまでにも観測されています。1971年~2002年にかけての観測においてアカエイ星雲の中心星「SAO 244567」の温度が摂氏約4万度も上昇し、太陽の表面温度のほぼ10倍に達したとする研究成果が2016年に発表されています。温度が急上昇したのは、中心星の核(コア)を取り囲むヘリウムの核融合(ヘリウム殻フラッシュ)が原因と考えられています。

アカエイ星雲の形が変わり暗くなった原因を推測した研究グループは、星雲の構造と明るさに影響を及ぼす中心星の性質を調べることが重要だと言及しています。画像はいずれも2020年12月3日付で公開されています


惑星状星雲「アカエイ星雲」2
1996年(左)と2016年(右)に撮影されたアカエイ星雲の画像を並べたもの(Credit: NASA, ESA, B. Balick (University of Washington), M. Guerrero (Instituto de Astrofísica de Andalucía), and G. Ramos-Larios (Universidad de Guadalajara))

Image Credit: NASA, ESA, B. Balick (University of Washington), M. Guerrero (Instituto de Astrofísica de Andalucía), and G. Ramos-Larios (Universidad de Guadalajara)

2020-12-06
Soraeより

ブルーリング星雲(Blue Ring Nebula)

Posted by moonrainbow on 21.2020 星雲   0 comments   0 trackback
合体する恒星 16年間謎だった天体の正体がついに解明される

ブルーリング星雲の画像
ブルーリング星雲の画像。(Image Credit: NASA/JPL-Caltech/M. Seibert (Carnegie Institution for Science)/K. Hoadley (Caltech)/GALEX Team)

みなさんはこの天体の正体はなんだと思いますか?実はこのブルーリング星雲と呼ばれる天体は16年間にも渡って正体が解らず、研究者達の頭を悩ませ続けてきました

しかし、ついに、NASAの銀河進化探査機(GALEX)の研究チームが2020年11月18日、この天体の正体は2つの恒星が合体してできた1つの恒星であると考えられると発表しました。その周りに見えている青色のリング状のものは合体の際に発生した残骸というわけです。

最初、研究チームはブルーリング星雲の正体を超新星爆発の残骸や惑星状星雲ではないかと考えました。

私達の太陽ほどの質量の恒星が最期を迎えると、膨れ上がり、ガスを放出します。中心星が放つ紫外線を浴びて、ガスが輝いてみえるのが惑星状星雲です。

しかし、観測の結果、この2つの可能性は否定されました。

研究チームは、4つの宇宙望遠鏡と4つの地上の望遠鏡などのデータを使って、発見以来10年以上にも渡って、研究を続けましたが、結局、ブルーリング星雲の正体を突き止めることはできませんでした。

そこで、研究チームは発想を転換しました。さまざまな天体が衝突した場合の理論的なコンピューターモデルをつくり、天体が衝突した場合に、どのように見え、何が起こるのか、を詳しく調べました。

すると、ついに、ブルーリング星雲は、私達の太陽ほどの大きさの恒星が、その1/10ほどの大きさの恒星を、引き裂き、呑み込むことによって形成されたことが解りました。

実は、このような恒星の合体は特に珍しいことではありません。私達の天の川銀河のなかだけでも、10年に1度ほどの割合で、このような恒星の合体が起こっていると考えられています。もしかしたら私達が目にする多くの恒星達は元々は2つの恒星だったのかもしれませんね


Geometry of the Blue Ring Nebula (Animation)



Image Credit: NASA/JPL-Caltech/M. Seibert (Carnegie Institution for Science)/K. Hoadley (Caltech)/GALEX Team

2020-11-20
Soraeより

楕円銀河M105の周囲の惑星状星雲

Posted by moonrainbow on 22.2020 星雲   0 comments   0 trackback
銀河の歴史を語る、周縁部の惑星状星雲たち

M105と周辺の銀河
M105と周辺の銀河(撮影:m2さん)。画像外の右下(南西)にあるM95、96などと共に銀河群を構成している。画像クリックで天体写真ギャラリーのページへ

楕円銀河M105の周囲に散らばる惑星状星雲の観測により、銀河の外側に古い世代の恒星が分布していることが示された。これらは銀河や銀河群の成長の軌跡とも言える

現在の宇宙には銀河が集まった銀河群、さらに大きな銀河団といった階層構造があり、銀河が孤立して存在することはまれである。銀河を引き合わせ構造を維持する役割を果たしていると考えられているのが、電磁波では観測できないダークマターだ。このダークマターの存在を想定した宇宙の標準モデルによれば、まず小規模な構造が形成され、それらが合体を繰り返すことで大きな銀河や銀河群、銀河団へと成長したと考えられる。

成長の過程で銀河は変形しながら移動し、星や星の材料がちぎれ落ちて一部が銀河間空間に取り残されるはずだ。そこで、銀河と銀河の間に散らばった星々を探して、それらがいつ誕生したのかを調べることは、銀河や銀河の集団が成長する過程を研究する上で重要である。

ヨーロッパ南天天文台のJohanna Hartkeさんたちの研究チームは、約3300万光年の距離に位置するしし座の銀河群(M96銀河群、Leo I group)に注目し、銀河群の隙間に散らばる星々を調べた。楕円銀河・渦巻銀河・矮小銀河と全てのタイプの銀河を含む銀河群としては、M96銀河群は私たちに最も近いもので、その中心には楕円銀河M105が存在する


銀河間に散らばる星の目印として、Hartkeさんたちは惑星状星雲を利用した。惑星状星雲は太陽のような星が寿命を迎えたときの姿だ。核融合を終えて収縮した中心部(白色矮星)は余熱で紫外線などを放ち、それが拡散した外層のガスにエネルギーを与えて輝かせている。特に目立つのが酸素原子から出る青緑の輝線(波長500.7nm)で、研究チームはこれを用いてM105の周囲を調べた。

米・ハワイのすばる望遠鏡などによる観測の結果、M105の中心から16万光年離れたところにまで惑星状星雲が分布していることがわかった。M105における恒星の分布を調べた過去の研究によると、古い恒星の分布は今回検出された惑星状星雲と同じ傾向を見せており、今回の結果は古い恒星が惑星状星雲と同様に銀河の周辺にまで広く分布していることを示すものといえる。楕円銀河外縁部における惑星状星雲の分布と古い世代の恒星の関連を初めて明らかにした成果
だ。

観測された惑星状星雲の分布
(左)観測された惑星状星雲の分布。青の丸と赤のクロスは、それぞれすばる望遠鏡とウィリアム・ハーシェル望遠鏡を使って観測された惑星状星雲を示す。背景はDSSの画像。(右)Suprime-Camの画像のうち、観測領域の一部を示したもの(提供:J. Hartke (ESO))

これらの星が多い周縁部の光は、M105全体の明るさのたった4%だが、その広がりは銀河間空間と呼べる領域に達しており、ダークマターの作用を検証する上で格好の材料と言える。研究チームは、今後広範囲に分布する惑星状星雲の運動を測定して、ダークマターの分布に応じて重力がどのように変化するかを計算することで、たとえば、ダークマターが1つの大きな塊としてか、あるいは複数の小さな塊として存在するのかということまで区別できるだろうと期待している

2020年10月14日
AstroArtsより

惑星状星雲「Shapley 1」

Posted by moonrainbow on 30.2020 星雲   0 comments   0 trackback
見事なリングの形をした惑星状星雲、その正体は?

ファインリング星雲
「Fine Ring Nebula(ファインリング星雲)」こと惑星状星雲「Shapley 1」(Credit: ESO)

太陽に似た恒星はその晩年、赤色巨星から白色矮星へと進化する過程で周囲にガスを放出するとされています。放出されたガスは白色矮星へと変化していく中心星が放射する強い紫外線によって電離して淡い輝きを放ち、私たちには惑星状星雲として観測されます

南天の「じょうぎ(定規)座」の方向およそ4900光年先にある「Shapley 1」は、ほぼ円形をしているだけでなく、中心部分が空いたリングのように見える惑星状星雲です。その姿から「Fine Ring Nebula(ファインリング星雲)」とも呼ばれています。

惑星状星雲はいろいろな形をしていますが、その多くは円形や楕円形か、もしくは広げた鳥の翼や砂時計に似た形の双極性星雲として観測されており、Shapley 1のように整ったリングの形に見えるものはめずらしいといいます。

そんなShapley 1の正体について、一部の研究者は双極性の構造を持つ星雲ではないかと考えています。整ったリングの形からは想像できませんが、砂時計を上から覗き込むと円形に見えるように、地球から見たShapley 1は双極性星雲を端から覗き込んだ姿なのではないかというわけです


Shapley 1(左上)とモデル星雲の比較
Shapley 1(左上)とモデル星雲の比較。右上に示されているような構造を持つ星雲を端から覗き込むように見ているのではないかと考えられている(Credit: D. Jones et al.)

双極性星雲の形成には接近して周回する連星が関わっていて、赤色巨星のガスが連星の相互作用によって双極方向に噴出することで鳥の翼や砂時計に似た姿になると考えられています。Shapley 1の中心付近にも約2.9日周期で公転する連星が見つかっていますが、観測の結果から、地球からは2つの星が互いに周回しあう様子がほぼ真上(または真下)から見えていると考えられています。Shapley 1では星雲の対称軸と中心にある連星の公転軸がほとんど揃っている可能性が指摘されていて、双極性星雲の形成に連星が関与していることを示す証拠として注目されています。

この画像はヨーロッパ南天天文台(ESO)の「新技術望遠鏡(NTT:New Technology Telescope)」によって撮影され、2011年8月1日に公開されたものです


Image Credit: ESO

2020-05-22
Soraeより

タランチュラ星雲

Posted by moonrainbow on 24.2020 星雲   0 comments   0 trackback
赤外線で探る。タランチュラ星雲に漂う臭い

超新星SN 1006の残骸

画像はNASAの「スピッツァー宇宙望遠鏡」が撮影した「タランチュラ星雲」という天体です。スピッツァーは赤外線を観測するため、画像ではその強さに応じて擬似カラーで着色してあります

赤紫のような色(マゼンタ)の部分には「ダスト」と呼ばれるちりのような微粒子が存在し、そこから赤外線が放射されています。このダストの中に、「多環芳香族炭化水素」 (Polycyclic Aromatic Hydrocarbons = PAHs)と呼ばれる分子が存在していることが知られています。難しい名前ですが、地球では石炭や木、油の燃えかすなどに存在する物質です。マゼンタの部分は赤と青を組み合わせて表現されており、赤は波長8マイクロメートルの赤外線、青は波長3.6マイクロメートルの赤外線を表しています。これらの赤外線の観測により、タランチュラ星雲に存在する物質を推定するのです。

一方、画像全体に点々と散らばる光は星で、その多くは青と緑(4.5マイクロメートルの赤外線で、高温ガスが発しています)の組み合わせになっています。白っぽいところはこれら3つの波長がすべて含まれている領域です。

多環芳香族炭化水素は複数の分子の総称で、「ベンゼン環」という六角形のような分子構造が複数つながった形をしています。性質としてはあまり良い臭いのしないもの、焼いた食品の臭いとして感じられるものなど様々です。宇宙空間は真空で何もないようなイメージがありますが、こうした複雑な分子が存在することが20年以上前から確認・研究されてきました。日本では赤外線観測衛星「あかり」が2006年から2011年にかけて活躍しています。

スピッツァーは2020年1月30日に運用を終了したところですが、タランチュラ星雲はスピッツァー打ち上げ当初から何度も観測が行われ、赤外線で見える新しい姿が明らかにされてきています


Image: NASA/JPL-Caltech

2020-02-19
Soraeより
 

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