土星状星雲「NGC 7009」

Posted by moonrainbow on 10.2017 星雲   0 comments   0 trackback
土星状星雲の不思議な構造

土星状星雲NGC 7009
土星状星雲NGC 7009。内部シェル構造、外部シェル構造、中心星などが見える(提供:ESO/J. Walsh)

ヨーロッパ南天天文台のVLTが観測した、みずがめ座の「土星状星雲」の画像が公開されました。塵の分布が詳細にとらえられており、内外のシェル構造や波のような構造などが浮かび上がりました

「土星状星雲」NGC 7009は、みずがめ座の方向約5000光年の距離に位置する惑星状星雲です。この愛称は、NGC 7009の不思議な形が真横から見た「土星」に似ていることに由来しています。惑星状星雲という名前は、この種の天体が初めて発見された当時は星雲の形が惑星のようなほぼ円形に見えたことから付けられたもので、惑星状星雲と惑星との間には見かけの形以上の関連はないのです

土星状星雲のような天体を作り出したのは、小質量の恒星です。このような星が一生の終わりを迎えると、膨張して赤色巨星となり、外層を放出し始めます。放出された物質が強力な恒星風によって吹き飛ばされ、あとに残った高温の星から放射される紫外線のエネルギーを得て輝いているのが、惑星状星雲です

ヨーロッパ南天天文台のJeremy Walshさんたちの研究チームは、チリのヨーロッパ南天天文台パラナル観測所の超大型望遠鏡VLTで土星状星雲を観測し、星雲全体に広がるガスや塵の詳細な分布図を作成しました。その結果、土星状星雲には、外部のシェル構造に加えて、内部にも楕円形のシェル構造や惑星状星雲を取り囲むハローなど、多くの複雑な構造が存在していることが明らかになりました

特に興味深いのは、塵の中に見つかった波のような構造です。塵は星雲のいたるところに広がっていますが、その量が内側のシェル構造の縁では大幅に減少しています。そこでは塵がどんどん破壊されているのかもしれないのです

破壊を説明できるメカニズムは、いくつかあります。内部のシェル構造は本質的には膨張する衝撃波であり、その波が塵にぶつかって破壊を引き起こしているのかもしれないのです。あるいは、通常とは異なる特殊な加熱効果が起こって塵が蒸発しているのかもしれません

惑星状星雲内の塵の構造やガスの分布を明らかにすることは、小質量星の一生や死におけるガスや塵の役割を理解することに役立ちます。また、惑星状星雲がどのようにして複雑かつ不思議な形になるのかについての理解にもつながります

2017年10月3日
Astro Artsより

オリオン座大星雲の若い星々

Posted by moonrainbow on 15.2017 星雲   0 comments   0 trackback
3つの年代に分かれるオリオン座大星雲の若い星々

VSTがとらえたオリオン座大星雲と若い星団
VSTがとらえたオリオン座大星雲と若い星団(提供:ESO/G. Beccari、以下同)

ヨーロッパ南天天文台のVLTサーベイ望遠鏡による観測から、オリオン座大星雲の若い星々の年齢が異なる3グループに分かれることが明らかになりました。これまで考えられていたよりはるかに速い時間スケールで爆発的な星生成が進んでいるようです

ヨーロッパ南天天文台のVLTサーベイ望遠鏡(VST)に搭載された広視野可視光線カメラ「OmegaCAM」が撮影した、壮大で美しいオリオン座大星雲とそこに存在する若い星団の画像が公開されました。オリオン座大星雲は約1350光年の距離にある、私たちから最も近い星のゆりかごの一つで、小質量星から大質量星まで様々な星が誕生している星生成領域です

VSTは美しい星雲をとらえただけではなく、観測により星の明るさと色の正確なデータを取得しました。データをもとにヨーロッパ南天天文台のGiacomo Beccariさんたちの研究チームが星の質量と年齢を調べたところ、それぞれ年齢が異なると思われる星々が3つの系列に属していることが明らかになりました。「データを初めて見た瞬間に、天文に携わる研究者人生で1度か2度しかないと思うほどの驚きを感じました。OmegaCAMによる素晴らしく質の高い画像から、間違いなくオリオン座大星雲の中心に、明らかに異なる3つの年代の星々が存在していることがわかったのです」(Beccariさん)

世代ごとに色分けされた星
世代ごとに色分けされた星。(青)最年長の星、(赤)最年少の星、(緑)中間の年齢の星

「これは重要な成果です。星団の若い星々が一斉に作られたのではないという事実を目の当たりにしているのです。星団の星生成に関する理解に修正を加える必要があるのかもしれません」(ヨーロッパ南天天文台 Monika Petr-Gotzensさん)

星の自転速度やスペクトルの観測結果からも、星の年齢に違いがあることが示されています。過去300万年の間に起こった3回の爆発的な星生成でそれぞれのグループの星が誕生したものと思われ、オリオン座大星雲における星形成が、これまで考えられてきたよりもはるかに速いペースで爆発的に進んでいることを強く示唆しています

2017年8月4日
AstroArtsより

天の川の3つの星雲をとらえた画像

Posted by moonrainbow on 05.2017 星雲   0 comments   0 trackback
天の川の中に集まって見える3星雲

3星雲
Sh2-54(右)、わし星雲(中央)、オメガ星雲(左)。(提供:ESO)

チリ・パラナル天文台のVLTサーベイ望遠鏡に搭載された大型カメラ「オメガカメラ」が撮影した、美しい3つの星雲をとらえた画像が公開されました

<a href="http://www.eso.org/public/news/eso1719/" target="_blank" title="チリ・パラナル天文台のVLTサーベイ望遠鏡(VST)">チリ・パラナル天文台のVLTサーベイ望遠鏡(VST)で、わし星雲、オメガ星雲など星雲が密集している領域をとらえた画像が公開されました。VSTに搭載されている大型の「オメガカメラ」を使って撮影された画像を組み合わせて一つの大きな画像にしたもので、フルサイズでは3.3ギガピクセル(横93031×縦35412ピクセル)もの画素数があります

一番右のSh2-54と中央のわし星雲はへび座、左端のオメガ星雲はいて座にあり、いずれも地球からはおよそ7000光年彼方にあります。3つの星雲は天の川が最も濃く幅広いあたりに位置していますが、この領域には新しい星の材料となるガスや塵が大量に存在しています。誕生したばかりの恒星からの強烈な光によって周囲の水素ガスがエネルギーを得て、ピンク色に光って見えるのです

Sh2-54とわし星雲は、星団が発見されたあとに、ガスの雲が星団を取り巻いているのがわかったという共通点があります

まず、Sh2-54は1950年代にアメリカのスチュワート・シャープレスが発見したものだが、その約170年前にイギリスのウィリアム・ハーシェルが星団NGC 6604(画像右のSh2-54の、中央下のやや明るい白い部分)を見つけていたのです

わし星雲については、スイスのジャン=フィリップ・ロワ・ド・シェゾーが18世紀の中ごろに明るい星団NGC 6611(画像中央の明るく白い部分)を発見しました。その数十年後にフランスのシャルル・メシエが周囲の星雲状の部分も記録し、彼が編纂したメシエカタログの16番目に収録したのです

わし星雲に次いでメシエカタログの17番目に収録されているオメガ星雲は、やはりシェゾーが先に発見し星雲として記録しています。しかし、その記録は広く知られていなかったために、メシエによって1764年に再発見されたのです。

2017年6月22日
AstroArtsより

ブーメラン星雲の謎

Posted by moonrainbow on 26.2017 星雲   0 comments   0 trackback
宇宙で最も低温の天体の原始惑星状星雲「ブーメラン星雲」

ブーメラン星雲
ブーメラン星雲。ハッブル宇宙望遠鏡で観測した星雲の広がり(紫色)と、アルマ望遠鏡で観測した一酸化炭素ガスの広がり(オレンジ)がとらえられている。極低温のガス流はこの画像の範囲の外にも大きく広がっている(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO); NASA/ESA Hubble; NRAO/AUI/NSF)

宇宙で最も低温の天体とされるブーメラン星雲の謎が、アルマ望遠鏡の観測によって解き明かされました。

ケンタウルス座の方向5000光年彼方の原始惑星状星雲「ブーメラン星雲」は、太陽の数倍重い赤色巨星が一生を終えた後に周囲に作られた天体です。星を作っていたガスが宇宙空間に広がり、そのガスが中心に残された高温の白色矮星に照らされて光るのが惑星状星雲ですが、ブーメラン星雲はその過程の最初期にあたります

ブーメラン星雲は宇宙で最も低温の天体であることが知られています。星雲が1995年に初めて観測された際、絶対温度2.7度で宇宙を満たしている宇宙マイクロ波背景放射の電波を星雲が吸収していることがわかりました。この電波を吸収できるということは、ブーメラン星雲の温度がこれより低いということを意味しています。しかし、なぜこれほど冷たい天体でいられるのかは長年の謎でした

NASAジェット推進研究所のRaghvendra Sahaiさんたちの研究チームはアルマ望遠鏡を使ってブーメラン星雲を観測し、ブーメラン星雲の中心部の様子をはっきりと描き出しました。そして、星雲のガス流の広がりや年齢、質量、運動エネルギーを正確に見積もるための手がかりを得ました

アルマ望遠鏡の新しいデータは、重い赤色巨星の外層のほとんどが猛烈なスピードで宇宙空間に飛び出したことを示しています。中心星の両極方向に伸びたガスの広がりは、差し渡し3兆km(太陽から海王星の700倍程度)以上にも伸びている。また、極低温の星雲は両極方向に伸びたガスよりもさらに10倍以上外側の範囲まで広がっています

こうした複雑な構造は、星雲を作った元の星が連星系を成していたことに関係があるとみられ、研究チームでは次のような形成シナリオを推測しています。まず、年老いて膨らんだ連星の主星に伴星が飛び込み、主星のガスが一気に放出されて高速で広がる星雲を作り出します。主星の外層の中を進む伴星は周囲から摩擦を受けるため、どんどん主星の中心に近づいていき、やがて主星の中心部と合体します。この時に、連星系を取り巻くガスの円盤が作られ、両極方向に細く伸びるガス流が噴き出したと考えられます

アルマ望遠鏡で見えた細長いガス流は、この最後の過程をとらえたものでしょう。低温のガス流は単独の星が放出できるものよりも10倍も速い速度で膨らんでおり、絶対温度0.5度以下という極低温が実現したと考えられます。「たくさんの物質をこれほどの速度で噴き出させるためには、1つの星のエネルギーでは足りず、2つの星の重力エネルギーを使うしかありません。このように考えれば、謎に満ちた極低温ガス流の成因を説明できるのです」(Sahaiさん)

こうしたメカニズムで宇宙最低温の天体となったブーメラン星雲ですが、その温度はゆっくりと上昇しています。極低温天体は宇宙にはありふれているのかもしれないが、冷たい温度でいられる期間はごくわずかのようです。

2017年6月12日
AstroArtsより

かに星雲の詳細な画像が公開

Posted by moonrainbow on 27.2017 星雲   0 comments   0 trackback
電波+赤外線+可視光線+紫外線+X線で観測された、かに星雲(NASA)

かに星雲
5つの異なる波長からのデータを重ね合わせたかに星雲。赤:電波/黄:赤外線/緑:可視光線/青:紫外線/紫:X線と色を割り当てた擬似色画像(提供:NASA, ESA, NRAO/AUI/NSF and G. Dubner (University of Buenos Aires))

5つの望遠鏡を用いて多波長で撮影されたデータから作成された、かに星雲の詳細な画像が公開されました

おうし座の方向約6500光年彼方に位置する「かに星雲」は1054年に観測された、星の最期の大爆発である超新星爆発の残骸です。見た目がカニの姿を思わせることからその名が付けられていますが、この複雑で繊細な構造は、星雲の中心に存在するパルサー(高速で自転する中性子星)やパルサーからの高速粒子の流れ、超新星爆発の際に放出された物質、爆発前の星から吹き出していた物質が組み合わさり、約1000年かけて作られたものです

アマチュア天文ファンにも観望や撮影対象として人気の高い天体ですが、比較的近距離にあり明るいことから研究対象としても非常に重要な天体であり、これまでにも多数の観測が行われています

今回公開されたのは、4機の天文衛星を含む5つの天体望遠鏡が、それぞれ別々の波長域で観測したデータから作成された画像です。カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群(VLA)が電波、衛星「スピッツァー」が赤外線、ハッブル宇宙望遠鏡が可視光線、衛星「XMM-Newton」が紫外線、衛星「チャンドラ」がX線で、かに星雲を観測し、それぞれのデータごとに擬似的に色を割り当てています

「(それぞれの波長で見える物質や物理過程が異なるので)波長ごとの観測データを比較すると、かに星雲についての新たな情報が得られます。長年にわたって研究されているかに星雲ですが、まだまだ調べるべきことはたくさんあります」(アルゼンチン・ブエノスアイレス大学 Gloria Dubnarさん)

Composite View of the Crab Nebula


合成前の5つの波長別データを示すアニメーション。波長ごとに見え方が大きく異なることがわかる(提供:NASA, ESA, J. DePasquale (STScI))

2017年5月12日
Astro Artsより
 

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