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ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が褐色矮星を発見

Posted by moonrainbow on 14.2022 褐色矮星   0 comments   0 trackback
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、砂の雲で覆われた異世界広がる褐色矮星の観測に成功

褐色矮星の観測
image credit:NASA/JPL-Caltech

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が褐色矮星を発見

 ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、砂のような「ケイ酸塩の粒の雲」でおおわれた奇妙な天体を観測した。
 それは、地球から72光年離れた褐色矮星「VHS 1256 b」で、木星より20倍ほど大きく、赤みを帯びて見える。このタイプの天体が確認されたのは今回が初とのことだ。

赤い輝きを放つ奇妙な褐色矮星「VHS 1256 b」
 「褐色矮星(かっしょくわいせい)」とは、恒星として輝くには小さすぎるが、惑星としては大きすぎる超低質量天体のことだ。質量が足りないので軽水素が核融合することはないが、重水素(陽子1つ、中性子1つで構成される水素の同位体)が燃えて光や熱を放つ。

 褐色矮星「VHS 1256 b」は2016年、からす座の方角に地球から72光年離れたところで発見された。2つの赤色矮星のまわりを周っており、奇妙なことに赤い輝きを放っていた。

 赤みを帯びている原因は、以前から大気のせいではないかと推測されていたが、今回ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によってその仮説の正しさが確認された。

 VHS 1256 bのまわりには「ケイ酸塩」の砂粒でできた分厚い雲があったのだ


褐色矮星の観測1
image credit:NASA/JPL-Caltech

大気が荒々しく吹き乱れている天体
 
その大気からはケイ酸塩のほかにも、水・メタン・一酸化炭素・二酸化炭素・ナトリウム・カリウムも検出されている。

 興味深いことに、大気に含まれるそうした気体の割合は、場所によって違う。これは大気が荒々しく吹き乱れているだろうことを意味している。

 ちなみに、研究グループのサーシャ・ヒンクリー氏(エクセター大学)の説明によると、これまでに発見された太陽系外惑星には、大気の割合に偏りがあるものが多いのだそうだ。

 そうした惑星では、大気の下にある二酸化炭素がすくい上げられて、上部のメタンと混ざっていると考えられている。

 VHS 1256 bは褐色矮星としては小さく、おそらくは若い天体であるという。2つの親星から360AU(1AU = 太陽と地球の平均距離)離れた楕円形の軌道を、1万7000年かけて1周している


2022年09月10日
カラパイアより

褐色矮星「GLASS-JWST-BD1」

Posted by moonrainbow on 03.2022 褐色矮星   0 comments   0 trackback
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が観測史上最遠の褐色矮星「GLASS-JWST-BD1」を発見!

褐色矮星「GLASS-JWST-BD1」
【▲ 図1: ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が6つの波長で捉えた褐色矮星「GLASS-JWST-BD1」の画像。長い波長になるほど明るくなる傾向にあり、最も短い波長 (F090W) では写っていないことが分かります(Credit: Nonino, et.al.)】

太陽のような恒星は、中心部で発生する核融合反応によって自ら光を放出しています。恒星の質量は大きければ大きいほど重い元素の核融合反応が発生しますが、最も軽い元素である水素の核融合反応が起こるためには、ある程度の質量が必要です。恒星の下限となる質量は太陽の0.08倍、すなわち木星の80倍であると考えられています

しかしながら、実際にはこの値を下回っても、天体は自ら光を放出している場合があります。これは、水素の中には核融合反応を起こしやすい重水素 (※) という同位体がわずかながら含まれているためです。重水素の核融合が起こらなくなる下限質量はよく分かっていませんが、現在では木星の質量の13倍であると考えられています。

※…水素の原子核は陽子1つで構成されているが、重水素の原子核は陽子1つと中性子1つで構成されている。

水素と重水素の核融合が起こる下限質量の中間、つまり木星の質量の13倍から80倍の質量を持つ天体は、恒星とガス惑星の中間的な性質を持つと考えられており、「褐色矮星」と呼ばれています。

恒星の数は質量が小さいほど多いという傾向から考えると、褐色矮星は宇宙に相当な数が存在し、恒星の総数より多く存在する可能性すらあります。このため、褐色矮星を研究することは、宇宙の多数派を通じて天体そのものの性質を研究することにも繋がります。

また、褐色矮星の大気からは、水のような生命に欠かせない物質や、一水素化クロムのような珍しい物質が見つかっています。褐色矮星の形成は恒星のように単独でできる場合もあれば、惑星のように他の恒星の周りにできる場合もあると考えられているため、恒星や惑星の組成を探る指標としても注目されます


T型褐色矮星の想像図
【▲ 図2: 今回発見された褐色矮星「GLASS-JWST-BD1」と同じタイプであるT型褐色矮星の想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

しかしながら、褐色矮星は恒星よりもはるかに暗い天体であることから、極めて観測が難しい天体でもあります。加えて、褐色矮星から最も多く放出される電磁波の波長は赤外線です。赤外線の波長の一部は地球の大気に吸収されてしまうため、地上からの観測では限界があります。

現在までに褐色矮星は数百個以上発見されていますが、その多くは数十光年以内にあります。100光年以上離れている褐色矮星のほとんどは、普通の恒星の周りを公転しており、太陽系外惑星の探索で発見されたものです。近くに恒星があることから、これらの褐色矮星の性質はほとんど知られていません。

トリエステ天文台のMario Nonino氏などの研究チームは、「ジェイムズ・ウェッブ」宇宙望遠鏡のデータを解析中に、ウェッブ宇宙望遠鏡では初となる新しい褐色矮星を発見しました。ウェッブ宇宙望遠鏡は赤外線望遠鏡であり、褐色矮星の発見は期待される成果の1つではありましたが、予想以上に早い発見となりました。

発見されたのはパンドラ銀河団とも呼ばれる「エイベル 2744」を中心とした「ちょうこくしつ座」の星域です。「GLASS-JWST-BD1」と名付けられたこの褐色矮星(図1)は、最も明るく写った波長4.44µmでも25.84等級という極めて暗い天体です。

観測波長ごとの明るさから、遠方の銀河やクエーサーである可能性を排除でき、表面温度が約330℃ (600K) のT型褐色矮星とよく一致する結果が得られました。T型褐色矮星は極めて温度の低い褐色矮星であるため、発見自体が貴重です。GLASS-JWST-BD1の質量は太陽の0.03倍、木星の30倍であり、誕生から50億年経っていると推定されています。

そして何より、地球からGLASS-JWST-BD1までの距離は1900光年から2400光年 (570パーセクから720パーセク) と推定される点が驚異的です。恒星の伴星となっているものを除き、単独で存在している既知の褐色矮星で今まで一番遠かった「OTS 44」までの距離が530光年であることを考えると、いかに遠いかがわかるでしょう


ウェッブ宇宙望遠鏡は天文学史上最も遠い天体である「CEERS-93316」を発見するなど、極めて遠い宇宙の観測に注目が集まっています。その一方で、はるかに近い宇宙にも、まだまだ未観測の興味深い天体が数多く残されていると考えられています。

JWSTの活躍によってGLASS-JWST-BD1のような未発見の褐色矮星が次々と見つかれば、謎の多い天体である褐色矮星の理解が進むことになるでしょう


M.Nonino, et.al. “Early results from GLASS-JWST. XIII. A faint, distant, and cold brown dwarf”. (arXiv)
V. Joergens, et.al. “OTS 44: Disk and accretion at the planetary border”. (Astronomy & Astrophysics Letters)
C. T. Donnan, et.al. “The evolution of the galaxy UV luminosity function at redshifts z ~ 8-15 from deep JWST and ground-based near-infrared imaging”. (arXiv)

2022-08-27
Soraeより

褐色矮星「WISEA J153429.75-104303.3」の特徴

Posted by moonrainbow on 15.2021 褐色矮星   0 comments   0 trackback
「奇妙な特徴を持つ褐色矮星」の正体が判明

褐色矮星(brown dwarf)のイラスト図
【▲ 褐色矮星(brown dwarf)のイラスト図(Credit: IPAC/Caltech)】

NASAは8月31日、アメリカ、カリフォルニア州カルテックの天体物理学者デイビー・カークパトリックさん率いる研究チームが、奇妙な特徴を持つ褐色矮星「WISEA J153429.75-104303.3」こと「アクシデント(The Accident)」の奇妙な特徴の理由を解明したと発表しました

褐色矮星を解りやすく解説したイラスト
【▲ 褐色矮星を解りやすく解説したイラスト。左から、木星などの巨大ガス惑星、褐色矮星、恒星になります(Credit: NASA/JPL-Caltecかh)】

褐色矮星(brown dwarf)は木星などの巨大ガス惑星と恒星との中間的な質量を持つ天体です。その質量は木星の質量の13倍から80倍ほどになります。質量が足りないために、水素の核融合反応は起こらず、時間が経つにしたがって、冷えて暗くなっていきます。

このような褐色矮星、アクシデントは市民科学者ダン・カゼルデンさんによってその名の通りに偶然に発見されました。

ダンさんは、独自に開発したオンラインプログラム(an online program)を使って、褐色矮星を探すために、NASAの地球近傍天体広域赤外線探査衛星NEOWISE(Near-Earth Object Wide-Field Infrared Survey Explorer)のデータを解析していました。このとき、ダンさんは、褐色矮星の候補の1つを見ていたのですが、ノーマークだったさらに暗い天体がササッとスクリーンを横切っていったのに偶然にも気がつきました。この天体がアクシデントでした。

では、なぜ、アクシデントはノーマークだったのでしょうか?

実はアクシデントはこれまで天の川銀河内で見つかっている2000個を超える褐色矮星の特徴とは異なる奇妙な特徴を持っていたためでした。そのため普通の褐色矮星の特徴を前提に開発されたダンさんのプログラムの目を見事にかいくぐっていたというわけです。

その奇妙な特徴とは、褐色矮星は歳を取ると冷えて暗くなっていくのですが、アクシデントは、ある波長で観測すると明るく若く見えるのに、他の波長で観測すると暗く老いて見えるのです。

最初、研究チームは、アクシデントがこのように暗く見えるのは、アクシデントが地球から予測されているよりも遠くにあるためではないかと考え、ハッブル宇宙望遠鏡やスピッツァー宇宙望遠鏡の観測データを使って、アクシデントまでの距離を正確に測定しましたが、この可能性は否定されました。しかし、その過程で、研究チームはアクシデントがなんと時速約80万kmという恐るべきスピードで移動していることに気がつきました。

研究チームによれば、アクシデントは、重い天体に出会う度に、その重力によって加速されながら、長い間、天の川銀河のなかを移動し続けているのだろうといいます。

結局、ケック天文台による追加的な観測などさまざまな証拠から、アクシデントは、歳より暗く見えているのではなく、歳よりも明るく見えていることが解りました。

炭素は、恒星の内部でつくられ、超新星爆発によって銀河全体に拡散されます。そのため、銀河が誕生したときには、銀河には炭素はほとんど存在していませんでした。つまり、天の川銀河が誕生してからまだ炭素がほとんど存在していない時期に誕生したアクシデントには炭素と水素からなるメタンがほとんど含まれておらず、メタンによって吸収されるはずの波長の光が歳不相応に明るく観測されていたというわけです。ちなみに褐色矮星には広くメタンが含まれています。

研究チームの推定によれば、アクシデントはおそらく100億歳から130億歳ほどになるといいます。これはこれまで知られている褐色矮星の一般的な年齢の少なくても2倍ほどにもなります。このように古い褐色矮星は非常に珍しいそうです


Image Credit: IPAC/Caltech/NASA/JPL-Caltech

2021-09-10
Soraeより

約1時間で1回自転する褐色矮星が確認される

Posted by moonrainbow on 14.2021 褐色矮星   0 comments   0 trackback
限界に近い自転速度か

褐色矮星を描いた想像図
【▲ 高速で自転する褐色矮星を描いた想像図。自転速度が速くなるほど色の異なる帯の幅が狭くなると考えられている(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

こちらは「褐色矮星」を描いた想像図です。恒星と惑星の中間にあたる褐色矮星は、天の川銀河だけでも数十億個存在すると考えられている天体です

恒星はその中心部で起きる水素の核融合をエネルギー源として輝きますが、褐色矮星では水素の核融合が起きないため、恒星のように自ら明るく輝くことはありません。恒星と褐色矮星の境目となる質量は木星の約75倍(太陽の約7パーセント)、惑星との境目となる質量は木星の約13倍とされています。

ウェスタン大学のMegan Tannock氏らの研究グループは、これまで知られていたものよりも短い周期で自転する褐色矮星が3つ確認されたとする研究成果を発表しました。研究グループは、これらの褐色矮星が自転速度の限界についての理解を深めることにつながると考えています。

■地球の1日あたり20~24回自転、褐色矮星としての自転速度の限界に近い可能性

今回報告された3つの褐色矮星「2MASS J0348-6022」「2MASS J1219+3128」「2MASS J0407+1546」は、質量がそれぞれ木星の約43倍、約49倍、約67倍で、直径はいずれも木星とほぼ同じとみられています。

自転周期はそれぞれ約1.08時間、約1.14時間、約1.23時間で、これは約10時間周期で自転する木星の10分の1程度という短さ。地球で1日が経つあいだに、これらの褐色矮星は20~24回ほど自転していることになります。また、3つの褐色矮星の赤道における回転速度は時速約36万km(秒速約100km)以上と算出されていて、木星や土星のように赤道付近が膨らんだ形をしていると予想されています


Animation Comparing Rotation Rates of Jupiter, Saturn, and Brown Dwarf 2MASS J0348-6022


▲自転速度を比較した動画。左から:褐色矮星「2MASS J0348-6022」、木星、土星▲
(Credit: NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (IPAC))

発表によると、褐色矮星には誕生から時間が経つにつれて自転周期が短くなる傾向があるものの、3つの褐色矮星の年齢はそれぞれ異なるとみられています。それにもかかわらず自転周期が同程度なのは偶然の一致ではなく、褐色矮星としての自転速度の限界に近いことを示しているのではないかと研究グループでは考えています。Tannock氏は「これよりも自転が速いと褐色矮星自身が引き裂かれる可能性があります」と語ります。

いっぽう、褐色矮星に関する現在の理論モデルに基づくと、今回の研究で示された1時間の自転周期よりもさらに約50~80パーセント短くなることが考えられるといいます。研究に参加したウェスタン大学のStanimir Metchev氏は、褐色矮星の高圧な内部の状態は最先端の研究施設でも再現することが困難だとした上で、理論が褐色矮星の全体像を把握しきれていない可能性に言及。さらなる観測と理論の洗練により、褐色矮星が自ら崩壊することを防ぐ何らかの仕組みが明らかになることが期待されています。

なお、今回の研究では2020年1月に運用を終えたアメリカ航空宇宙局(NASA)の赤外線宇宙望遠鏡「スピッツァー」をはじめ、ハワイのマウナケア山頂にあるジェミニ天文台の「ジェミニ北望遠鏡」、チリのラスカンパナス天文台にある「マゼラン望遠鏡」の観測データが用いられています


Image Credit: NASA/JPL-Caltech

2021-04-10
Soraeより

褐色矮星「HD 33632 Ab」

Posted by moonrainbow on 16.2020 褐色矮星   0 comments   0 trackback
すばる望遠鏡が褐色矮星を直接観測、新装置&新発想の組み合わせによる初成果

褐色矮星「HD 33632 Ab」
すばる望遠鏡に設置されたSCExAO/CHARISによって検出された褐色矮星「HD 33632 Ab」(中央右)。中央に位置する主星からの光は遮られている(Credit: T. Currie, NAOJ/NASA-Ames)

NASAエイムズ研究センター/国立天文台ハワイ観測所のセイン・キュリー氏らは、ハワイ観測所の「すばる望遠鏡」の新しい観測装置と新たなアイディアを組み合わせた手法を用いることで、恒星を周回する天体を従来よりも効率的に発見できるようになったとする研究成果を発表しました。研究グループはこの手法により「ぎょしゃ座」の方向およそ86光年先にある褐色矮星「HD 33632 Ab」を発見しています

太陽以外の恒星を周回する太陽系外惑星は直接観測することが難しく、その多くは「トランジット法」や「視線速度法」といった手法を用いて間接的に発見されてきました。トランジット法は、系外惑星が主星(恒星)の手前を横切る「トランジット」を起こした際に生じる主星のわずかな明るさの変化をもとに系外惑星を検出する手法。もう一つの視線速度法は、系外惑星の公転にともない主星が揺れ動く様子を主星の色のわずかな変化をもとに捉え、系外惑星を検出する手法です。

いっぽう、系外惑星の直接観測による探査を目指すキュリー氏らの研究グループは、2013年に打ち上げられた欧州宇宙機関(ESA)の宇宙望遠鏡「ガイア」の観測データに注目しました。ガイアは天体の位置や運動について調べるアストロメトリ(位置天文学)に特化した宇宙望遠鏡で、18億以上の星々の位置と明るさに関する情報が含まれている最新の観測データ「EDR3(Early Data Release 3)」が先日公開されたばかりです。

関連:観測された星の数は18億以上。宇宙望遠鏡「ガイア」の最新データが公開される

ガイアの観測データを利用すると、恒星のふらつき(動き)を天球上の位置の変化として捉えることができます。研究グループは、ガイアの観測データから大きな軌道を描く系外惑星や褐色矮星が公転しているとみられる恒星をピックアップして観測を実施。その結果、前述の褐色矮星HD 33632 Abを直接観測によって発見することに成功しました。

天球上で検出されたふらつきに着目した新たなアイディアをもとに褐色矮星が見つかったのは今回が初めてのことだといい、研究に参加したカリフォルニア大学サンタバーバラ校のティモシー・ブラント氏は「これまでの褐色矮星探しは運試しのようなものでしたが、今回は勝算の高い探査が可能になりました」と語ります。

研究グループの新たなアイディアによる観測を支えたのが、すばる望遠鏡に設置された2つの最新装置「SCExAO(スケックスエーオー)」と「CHARIS(カリス)」です。SCExAOはあたかも宇宙から観測しているようなシャープな像を生み出す補償光学(AO:Adaptive Optics)システム。CHARISは明るい恒星を周回する系外惑星や褐色矮星といった暗い天体を見分け、表面の状態や温度、大気の様子などを調べることができる分光観測装置です。



公開された冒頭の画像を見ると、太陽によく似た主星から約20天文単位(※)離れたところを周回するHD 33632 Abからの光が捉えられていることがわかります。研究を率いたキュリー氏は「新装置によって得られた非常にシャープな画像のおかげで、HD 33632 Abが発見されただけでなく、天球上での正確な位置や天体の大気の性質を解明するためのスペクトル(波長ごとの光の強さ)まで得られました」とコメントしています。

※…1天文単位=約1億5000万km。太陽から地球までの平均距離に由来する

発表によると、従来の直接観測による系外惑星や褐色矮星の探査は検出率が数パーセントと非常に低かったといいます。新手法による探査を行っている今回の研究グループはさらに複数の候補を見つけているといい、直接観測でも過去の探査より高い頻度で系外惑星や褐色矮星の発見につながることが期待されています


今回の観測で得られたHD 33632 Abのスペクトル
左:今回の観測で得られたHD 33632 Abのスペクトル。大気中に水蒸気や一酸化炭素が存在するとみられる。右:天体の動きからHD 33632 Abの軌道を調べるためのモデル。分析結果からHD 33632 Abの質量は木星の約46倍と推定されている(Credit: T. Currie, NAOJ/NASA-Ames, T. Brandt, UCSB)

Image Credit: T. Currie, NAOJ/NASA-Ames

2020-12-11
Soraeより
 

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