fc2ブログ

宇宙に存在する物質とエネルギーの総量

Posted by moonrainbow on 28.2023 ダークエネルギー   0 comments   0 trackback
銀河団のメンバー銀河を用いた宇宙物質量の新測定法

39390_distribution.jpg
物質総量などパラメーターを変化させた6モデルに基づく銀河団の分布
宇宙における物質の総量などのパラメーターを変化させた6モデルに基づく銀河団の分布。それぞれの円は銀河団を表す。質量が大きいものほどサイズが大きく黄色く描かれていて、銀河団の質量や銀河団の数も大きく異なることがわかる(提供:千葉大学リリース)

銀河団を構成するメンバー銀河を用いて、銀河団の質量と銀河団の数の関係が高精度に推定された。宇宙に存在する物質とエネルギーの総量のうち物質が31%を占め、残りは暗黒エネルギーとなる

宇宙において各物質の成分がどれくらいの割合で存在するかは、天文学における最も重要な問題の一つだ。これを推定する方法として、銀河団の質量と数の関係を用いるものがある。

銀河団の質量と数の関係は宇宙論的条件に依存し、とくに物質の総量に非常に敏感だ。全物質の割合が高ければ高いほど、より多くの銀河団が形成されると予想される。しかし、銀河団に含まれる物質のほとんどは望遠鏡で光学的に直接観測できない暗黒物質のため、銀河団の質量と数の関係を正確に直接測定することは困難だった。

エジプト国立天文・地球物理学研究所のMohamed Abdullahsさんたちの研究チームは、質量の大きい銀河団ほどより多くの銀河で構成されているという事実に着目した。銀河は光り輝く星で構成されているため、各銀河団に含まれる銀河の数を計測すれば、その銀河団の質量を間接的に測定する方法として利用できる。

Abdullahsさんたちは、大規模天体撮像分光サーベイ「スローン・デジタル・スカイ・サーベイ(SDSS)」の観測データを解析し、各銀河団を構成する銀河の数を計測した。その数から得られた銀河団の質量と、銀河団自身の数の関係を高精度に推定して、パラメーターの異なる複数の数値シミュレーションによる予測と比較した。

その結果、観測とシミュレーションが最もよく一致したのは、宇宙に存在する物質とエネルギーの総量のうち物質が31%を占め、残りが暗黒エネルギーという宇宙モデルだった。この値は、ヨーロッパ宇宙機関の宇宙背景放射観測衛星「プランク」による宇宙マイクロ波背景放射の観測に基づく推定値とも非常によく一致している。

今回の研究の成功の鍵は、SDSSの分光観測のデータから、各銀河団までの距離と、どの銀河が重力的に結合した真の銀河団構成メンバーなのかを世界で初めて正確に決定できたことにある。これまでも銀河団を構成する銀河の数を利用しようという試みはあったが、少数の異なる波長における撮像データを用いていたため、あまり高い精度が得られていなかった。

今回の手法が、従来の手法と完全に異なっていて、物質の総量などの宇宙論パラメーターを制約するための競争力のある手法であると証明されたことの意義は大きい。アップデート計画「すばる2」により機能強化が図られるすばる望遠鏡をはじめ、今年7月に打ち上げられた宇宙望遠鏡「ユークリッド」やジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などによって得られる新しい観測データに対しても、今回の手法が応用可能であることから、今後宇宙の起源などの理解が深まると期待される


2023年9月22日
AstroArtsより

ダークエネルギーの源が「ブラックホール」?

Posted by moonrainbow on 23.2023 ダークエネルギー   0 comments   0 trackback
ダークエネルギーの源が「ブラックホール」である可能性を示す最初の糸口が見つかる

ダークエネルギー

宇宙空間に存在するとされる「ダークエネルギー」については、星や銀河の観測から存在が推測されているものの、それが何であり、どこから来るのかは分かっていません。新たな研究により、宇宙の大部分を構成する謎のエネルギーは「ブラックホール」が説明してくれる可能性があることが分かりました

人間の身近な世界を構成している物質(マター)は宇宙に存在するすべてのもののわずか5%にすぎません。残りの約27%はダークマターで、光を放出したり反射したり吸収したりしない、通常の物質の影のような存在で、宇宙の大部分を占める約68%はダークエネルギーであると考えられています。

ミシガン大学の物理学教授であるグレゴリー・タルレ氏らが中心となって進めた研究では、ブラックホールの成長が宇宙の膨張と関連しており、ブラックホールにダークエネルギーの一種である「真空のエネルギー」が含まれているかもしれないという考えが示されました。

海外メディアのThe Conversationによると、この考えは特に新しいものではなく、1960年代から積極的に議論されていたとのこと。しかし、今回の研究においては、宇宙が膨張するにつれて真空のエネルギーが時間とともに増加すると仮定され、ダークエネルギーがこれにどれだけ起因しているのかが計算されたため、ブラックホールとダークエネルギーを関連付ける初めての調査結果が報告されたとして注目されています


ダークエネルギー1

タルレ氏らは銀河の中心にある超巨大ブラックホールに着目し、観測結果を過去と現在で比較しました。ブラックホールの質量が過去90億年にわたって変化し続けていることは先行研究で明らかになっていましたが、タルレ氏らが変化の過程を調べたことにより、現在のブラックホールは90億年前に比べて7~20倍へと質量を増していたことが判明します。

しかし、比較対象となったブラックホールは周囲の物質を吸収し尽くした後であったため、通常のプロセスでは質量の増加を説明できません。そこでタルレ氏らは、これらのブラックホールに真空のエネルギーが含まれており、宇宙の膨張と「結合」しているため、宇宙が膨張するに従って質量も増加したのではないかとの説を提唱しました。

タルレ氏は「もし結合が確認されれば、ブラックホールは決して我々の宇宙から完全に切り離されることはなく、遠い未来まで宇宙の進化に大きな影響を及ぼし続けることを意味します」と述べました


2023年02月16日
Gigazineより

ダークエネルギーを検出か?

Posted by moonrainbow on 25.2021 ダークエネルギー   0 comments   0 trackback
ダークマター検出器「XENON1T」の研究成果

未知のエネルギーの抽象的なイメージ
【▲ 未知のエネルギーの抽象的なイメージ(Credit: shufilm)】

ケンブリッジ大学のSunny Vagnozziさんをはじめとした研究グループは、ダークマター(暗黒物質)の検出を目的としてイタリアのグランサッソ研究所で2016年から2018年にかけて実施された「XENON1T」実験において、ダークマターではなくダークエネルギー(暗黒エネルギー)が検出されていた可能性を示した研究成果を発表しました

今回の成果はダークマターの検出を目的とした実験がダークエネルギーの検出にも利用できることを示唆しており、研究グループは今後計画されている実験でダークエネルギーが直接検出される可能性を指摘しています

■ダークマター検出器「XENON1T」で捉えられた超過事象

ダークエネルギー
宇宙でのダークエネルギー

宇宙に存在する物質とエネルギーのうち、約27パーセントはダークマター、約68パーセントはダークエネルギーが占めると考えられています。私たちの身体をはじめ、生物や惑星、太陽などの恒星、恒星が集まってできた銀河といった存在を作り上げている通常の物質(バリオン)は、わずか5パーセント程度を占めるにすぎないと言われています。

ダークマターと通常の物質は重力を介してのみ相互作用するため、光(電磁波)を使って直接検出することはできず、ダークマターの正体は今も謎のままです。そのため、銀河や銀河団といった大きなスケールでは銀河の回転速度や重力レンズ効果(光源となる天体を発した光の進む向きが別の天体やダークマターの重力によって曲がる現象)の観測を通して、間接的にダークマターの存在や分布が推定されています。

冒頭で触れたXENON1Tは、銀河よりもはるかに小さなスケールである地上の実験施設においてダークマターの候補となる素粒子の直接検出を目指し、日米欧を中心とした国際共同実験グループ「XENONコラボレーション」によって実施された実験です。検出器には摂氏約マイナス100度に冷却された液体キセノンが3.2トン使用され、その一部がダークマター検出に利用されました。キセノン原子はダークマターと相互作用する際に非常に弱い光や電子の信号を発するといい、この信号を捉えることでダークマターの検出を試みたのです。

実際にはダークマターとキセノンの相互作用が起こることは稀で、検出される事象の大半は検出器に含まれる放射性物質に由来する背景事象だといいます。ところが2020年6月、XENON1Tで予想外の過剰な電子散乱事象が観測されていたことが発表されました。実験に参加した東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU)によると、予想された背景事象は232個だったのに対し、実験で得られたデータにはこれを53個上回る超過事象が含まれていたといいます


ダークマター検出器「XENON1T」
【▲ 水チェレンコフ型検出器の内部に据え付けられたダークマター検出器「XENON1T」(中央)。水チェレンコフ型検出器は宇宙線ミュオンによるノイズを取り除くために用いられている(Credit: XENON Collaboration)】

この超過事象を説明できる原因のひとつとして、「太陽アクシオン」が検出された可能性があげられています。アクシオンは理論上存在が予測されている未知の素粒子のひとつで、太陽アクシオンは太陽で生成されたアクシオンのことを指します。アクシオンはダークマターの候補でもあるため、もしも事実であれば、XENON1T実験はその目的だったダークマターの検出に成功したことになります

■超過事象の原因はダークマター候補のアクシオンではなくダークエネルギーだった?

しかし、Vagnozziさんたちの研究グループは、XENON1Tの観測データを太陽アクシオンで説明することは難しいと指摘します。研究グループによると、検出された超過事象を説明するのに必要なアクシオンの量は、太陽よりもはるかに重い星の進化においてアクシオンの放出にともなうエネルギーの損失が大きな影響を及ぼすことを示しており、従来の観測結果と矛盾するのだといいます。

そこで研究グループは、XENON1Tで検出された超過事象の原因がダークマターではなく、ダークエネルギーである可能性を検証しました。ダークエネルギーは負の圧力を持ち、宇宙の加速膨張を説明できるとされる未知のエネルギーです。

研究グループによると、ダークエネルギーはすでに知られている素粒子間の相互作用(ゲージ粒子が媒介する強い力、弱い力、電磁気力、重力の4つ。重力を媒介するとされる重力子(グラビトン)は未発見)とは別に存在することが予想される「第5の力」と関連付けられることがあるといいます。この第5の力が現れるのは宇宙の加速膨張を論じるような物質密度の低い大きなスケールの場合であり、アインシュタインの重力理論が検証されている局所宇宙(天の川銀河やその周辺)のように物質密度の高い小さなスケールでは「隠される」ことが予想されていて、ダークエネルギーに関する多くの理論では第5の力を隠す仕組み(screening mechanisms)が備わっているといいます。

Vagnozziさんたちは、この仕組みの一種(chameleon screening)を用いた物理モデルを作成。太陽の中心核のように高密度の領域ではダークエネルギー粒子が生成されないものの、中心核よりも外側にある速度勾配層(タコクライン、太陽の対流層の底にあたる)では強い磁場のもとでダークエネルギー粒子が生成されている可能性があり、XENON1Tの超過事象を説明できることを示しました


太陽の構造を示した図
【▲ 太陽の構造を示した図(Credit: JAXA)】

今回の研究はあくまでもダークエネルギーが検出された可能性を示すものであり、Vagnozziさん自身「まずはこれが単なる偶然ではないことを知る必要があります」と語っています。過剰事象が実際にダークエネルギーに由来するものであれば、今後予定されているXENON1Tのアップグレード後の実験などによって、10年以内にダークエネルギーが直接検出できる可能性があると研究グループは予測しています。

なお、2020年10月には東北大学と東京大学の研究者からなるグループによって、XENON1T実験の超過事象はアクシオンに由来するものであり、白色矮星の冷える速度が予想よりも速い問題(白色矮星の冷却異常)も説明できるとする研究成果が発表されています。XENON1Tで検出されたのはダークマター候補のアクシオンか、ダークエネルギーか、それとも別の原因があるのか、いずれにしてもさらなる観測で検証する必要があります。将来の実験結果が楽しみです


ダークエネルギーの観測に史上初めて成功した可能性!?



Image Credit: XENON Collaboration

一部「CREATORS」より

2021-09-20
Soraeより

暗黒エネルギーカメラ

Posted by moonrainbow on 03.2012 ダークエネルギー   4 comments   0 trackback
暗黒エネルギーカメラ始動

棒渦巻銀河「NGC 1365」

 世界で最も高感度な、570メガピクセル(5億7000万画素)のデジタルカメラ「ダークエネルギーカメラ」が、深宇宙に向けた探索を開始しました。画像はファーストライトの1枚で棒渦巻銀河「NGC 1365」(9月18日公開)です。ろ座銀河団に属し、地球からの距離は約6000万光年です

暗黒エネルギーカメラ

 ダークエネルギーカメラの製作は、アメリカのイリノイ州にあるエネルギー省フェルミ国立加速器研究所が担当しています。はるか80億光年先から届くかすかな光をとらえるため、南米チリの山頂に設置されました

 このファーストライト画像でもその威力は十分に伝わりますが、本格的な観測開始は12月の予定です。史上最大の銀河探索プロジェクトで、天文学最大の謎を解明する手掛かりが得られると期待されています

暗黒エネルギーカメラ1

 ダークエネルギーカメラの試作機を組み立てる科学者ら(撮影日不明)です。チリ、セロ・トロロ汎米天文台にある、口径4メートルのビクター・M・ブランコ望遠鏡に搭載されています。暗黒エネルギーの謎を突き止めるため9月12日にファーストライトを得た新型カメラは、最大で80億光年先、10万個の銀河をとらえることが可能です

 暗黒エネルギーは、重力に逆らって宇宙膨張を加速させている未知の力で、宇宙の全質量の約75%を占めるとされます。1990年代に初めてその存在が提唱されましたが、いまなお直接観測が未達成で、正体が明らかになっていませんが、宇宙膨張に及ぼす影響の観測結果から、既知の物質の重力とは反対に作用する、いわば「逆重力」という奇妙な性質を持っている可能性が高いという事です

The Dark Energy Survey

Image courtesy Dark Energy Survey Collaboration

National Geographic Newsより
September 19, 2012

暗黒エネルギーの存在

Posted by moonrainbow on 15.2011 ダークエネルギー   7 comments   0 trackback
若く明るい銀河を観測して暗黒エネルギーの存在を検証

暗黒エネルギーは宇宙膨張を加速させている力として、その存在が予測されています。NASAの探査機とアングロ・オーストラリアン望遠鏡の共同観測により、若く明るい銀河を用いて暗黒エネルギーの存在が検証されました

重力場と暗黒エネルギー場のイメージ図
重力場と暗黒エネルギー場のイメージ図。下の緑の格子が重力場、上の紫の格子が暗黒エネルギー場のイメージ。重力場は重力のある天体がある場所で大きな変化があるが、暗黒エネルギーは重力のある天体とは無関係に一様である様子を表してます。(提供:NASA/JPL-Caltech )

宇宙を構成するもののうち、原子や電子など「バリオン」と呼ばれる普通の物質はおよそ4%にしか過ぎず、正体不明だが重力的な影響を与える暗黒物質と呼ばれるものが22%、宇宙の膨張に関係していると考えられる暗黒エネルギー(ダークエネルギー)が74%を占めると考えられています。暗黒エネルギーの正体はほとんどわかっていませんが、宇宙全体に一様に作用し、宇宙膨張を加速させているものです

豪スウィンバーン工科大学のChris Blake氏らは、暗黒エネルギーがどのような性質を持っているのかを見るために、NASAの銀河進化探査衛星GALEXとアングロ・オーストラリアン望遠鏡を用いて遠方にある銀河の距離のパターンについて観測を行いました。

すでに超新星爆発を利用した宇宙の加速膨張については調べられていますが、この結果を確かめる意味も含め、超新星爆発の代わりに非常に明るく若い銀河を用いて観測を行いました。まずGALEXで宇宙の3次元銀河マップを作成し、その中から若く明るい銀河を探し出しました。次にアングロ・オーストラリアン望遠鏡を用いてこの銀河の観測を行い、銀河そのものの情報を集めるとともに、銀河同士の距離のパターンについて調べました

誕生から間もない初期の宇宙は超高温・超高密度で、電子や光、クォークといった素粒子が存在するスープ状態だったと考えられています。そのスープ中に存在していた音波は、宇宙の膨張に伴ってその波の間隔を広げていき、それが銀河の形成される間隔に影響を与えていると考えられています。これを利用して様々な距離(つまり様々な年代)にある銀河同士の距離がどのように変化しているのかを調べることで、暗黒エネルギーの影響が時間によってどのように変化しているのかをさぐりました

その結果、超新星爆発での検証と同じように、宇宙の膨張速度は徐々に速くなっていることがわかったのです。銀河団がどのように形成されてきたのかを様々な時間で調べれば、暗黒エネルギーの斥力の強さを測ることもできます

これまで行われてこなかった方法で宇宙膨張の性質を調べることで、謎に包まれている暗黒エネルギーの存在が確かなものとなるかもしれません

2011年5月26日
Astro Artsより
 

プロフィール

moonrainbow

Author:moonrainbow
昔、"地球の旅人"の頃




服と鞄と雑貨の販売をしています

カテゴリ

カレンダー

11 | 2023/12 | 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード