フォーマルハウト(Fomalhaut)

Posted by moonrainbow on 29.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
彗星同士の衝突で作られたフォーマルハウトの環

フォーマルハウトを取り巻く環
アルマ望遠鏡(オレンジ)とハッブル宇宙望遠鏡(青)で撮影した、フォーマルハウトを取り巻く環。ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた可視光線での写真は、星の周りを鮮明に写し出すために「コロナグラフ」を使って星の光を隠している(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), M. MacGregor; NASA/ESA Hubble, P. Kalas; B. Saxton (NRAO/AUI/NSF))

みなみのうお座の1等星フォーマルハウト(Fomalhaut)を取り巻く環の全体像がアルマ望遠鏡によって観測されました。環は彗星同士の衝突で作られたものと考えられています

アルマ望遠鏡による観測で、25光年彼方に位置するみなみのうお座の1等星フォーマルハウトを取り巻く環の全体像が描き出されました。アルマ望遠鏡は2012年にもフォーマルハウトを撮影していましたが、そのときには環の半分しか観測されていなかったのです。今回の完全な環の画像は、単に美しいだけでなく、化学的な特徴が太陽系の彗星と似ていることも示唆しています

フォーマルハウトの年齢は4億歳ほどで、太陽よりはずっと若いものの、やや進化が進んだ星です。こうした大人の星を取り巻く塵の環(デブリ円盤)は、これから惑星ができていく現場ではなく、ある程度出来上がった惑星系の外縁部で彗星や小天体が互いに衝突したあとの塵でできていると考えられています

今回の観測とコンピュータモデルの解析から、この環がフォーマルハウトから約200億kmの距離にあり、幅は約20億kmであることがわかりました。また、詳細な環の形状や、細い環が惑星の重力の影響下で作られたことが確認されたのです

さらに、環の中でも星から遠い位置が明るく輝くという理論的に予測されていた現象が初めて確認されました。天体の周囲を楕円軌道で回る物体は、星から最も遠い場所ではゆっくりと動くが、フォーマルハウトの環の場合も、星から遠い場所では塵の公転速度が落ちるため、塵が渋滞し、密度が高くなることで強い電波を出しているのです

「環の様子を驚くほど鮮明に写し出すことができました。形がより良く見えたことで、環に影響を及ぼす惑星系について多くのことを知ることができるのです」(米・ハーバード・スミソニアン天体物理学センター Meredith MacGregorさん)

一方で、分子ガスが放つ電波に注目すると、一酸化炭素ガスが塵の環と同じ場所に分布していることもわかりました。「新しいデータによって、フォーマルハウトの一酸化炭素と二酸化炭素を合わせたガスの相対存在量が、太陽系の彗星における値と似ていることがわかりました。フォーマルハウト惑星系の外縁部と太陽系で、彗星の形成条件が似ていた可能性を示すものです」(英・ケンブリッジ大学 Luca Matràさん)

ガスの起源については、たくさんの彗星の衝突が断続的に起こったことによって供給された、あるいはヘール・ボップ彗星の何百倍も大きな巨大彗星の衝突が一度だけ起こったことによって供給された、という2つの可能性が考えられています

太陽系ではおよそ40億年前の「後期重爆撃期」に、太陽系形成時に作られてその時期まで残っていた大量の小惑星や彗星が、すでに形作られていた地球やほかの惑星に雨のように降り注いだと考えられています。フォーマルハウトの周りにこれほどはっきりとした環があり、その組成が太陽系と似ているということは、後期重爆撃期と同じような現象がフォーマルハウトの周りで起こっているのかもしれないのです

2017年5月22日
Astro Artsより

宇宙と加速膨張

Posted by moonrainbow on 28.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
量子力学的スケールで絶えず変動する宇宙と加速膨張との関係性

うみへび座の銀河NGC 3081
宇宙が加速膨張していることは、遠方の銀河までの距離と後退速度の観測からわかった。画像はうみへび座の銀河NGC 3081(この銀河までの距離は8600万光年と「ごく近い」)(提供:ESA/Hubble & NASA, Acknowledgement: R. Buta (University of Alabama))

量子力学的スケールで見ると宇宙は絶えず変動する時空から成り立っており、総合すると宇宙の加速膨張を引き起こしているという研究成果が発表されました

1998年、宇宙が加速膨張していることが発見されました。その原因として、宇宙は膨張を加速させるようなダークエネルギーで満たされているという説が考えられています。ダークエネルギーの正体は不明ですが、最も自然と考えられるダークエネルギーの候補は真空エネルギーです

量子力学の理論を真空エネルギーに適用すると、驚くほど高密度のエネルギーが存在すると予測され、その量は宇宙に存在する粒子の全エネルギーよりもはるかに大きいといいます。もしそれが本当なら、一般相対性理論と合わせて考えると真空エネルギーによって宇宙は爆発してしまうことになります

幸いにして爆発は起こっておらず、宇宙はとてもゆっくりと膨張しています。とはいえ、量子力学と一般相対性理論の間にある非互換性問題は解決しておくべきです

従来は問題解決のために量子力学や一般相対性理論を修正するというアプローチがなされてきましたが、カナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学のQingdi Wangさんたちはこれまでの計算に欠けていた真空エネルギーに関する重要な情報を見つけ、別の説を提案しました

その説によれば、量子力学的なスケールで見ると宇宙は絶えず膨張と収縮の間で揺れ動き、激しく変動しているというのです。両者の効果はほぼ打ち消し合うが、膨張するほうがわずかに大きいために宇宙はゆっくりと加速膨張するというのです。

時空が変動していることを私たちが知覚できないのはなぜだろうか。「その変動が、電子の大きさの数十億分1の数十億分の1くらいの、とても小さなスケールで起こっているからです」(Wangさん)。

2017年5月18日
Astro Artsより

原始星「HH 212」

Posted by moonrainbow on 03.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
塵のハンバーガーで育つ赤ちゃん星

原始星「HH 212」
(a)アルマ望遠鏡とヨーロッパ南天天文台のVLTで観測されたHH 212のジェット。異なる分子が放つ電波で観測したジェットをそれぞれ異なる色で表現(青:水素、緑:一酸化ケイ素、赤:一酸化炭素)。中心星近くのオレンジ色が、アルマ望遠鏡を使った過去の観測で得られた塵の集合体。(b)今回のアルマ望遠鏡による観測で得られた、塵の円盤のクローズアップ画像。*は原始星の位置を表す。右下は太陽系の海王星軌道の大きさを表示。(c)観測結果と一致するように作られた、円盤のシミュレーションモデル。色は温度に対応(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/Lee et al.)

生まれたての星を取り囲む、ハンバーガーのように見える大量の塵の円盤が真横から撮影されました。非常に若い段階の星に塵の円盤ができていることが確認され、円盤の厚み方向の構造が初めて明らかになりました

台湾中央研究院天文及天文物理研究所のChin-Fei Leeさんたちの研究チームはアルマ望遠鏡を使って、オリオン座の方向約1300光年の距離に位置する原始星「HH 212」を観測しました。HH 212の年齢はわずか4万歳と考えられており、誕生から46億年が経過した太陽と比べるとほんの10万分の1の年齢しかない赤ちゃん星です

HH 212からは強力なガスの流れ(ジェット)が放出されており、ガスがさかんに星に降り積もっている証拠と考えられています。これまでの観測で、原始星の周りに平らな構造がありそうだということがわかっていて、円盤の存在を示すものではないかと解釈されていました。今回の観測ではその円盤を発見しただけでなく、構造までも明らかすることができました。これは、1300光年先の8天文単位(100km先の1cm)を見分けられるという高解像度を達成したことによるものです

「生まれたばかりの星の周りにある塵の円盤をこんなにはっきり撮影できるとは驚きです。円盤の構造を明らかにしたり、円盤形成の仕組みを理解したり、星への物質供給がどのように起こっているのかを理解するため、天文学者は長い間、生まれたばかりの星の周りの円盤を探してきました。アルマ望遠鏡の高い解像度を活かして、そうした円盤を見つけられただけでなく、その構造をとても詳細に描き出すことができたのです」(Leeさん)。

発見された塵の円盤は、地球からはほぼ真横から見る位置関係にあり、円盤の半径は約60天文単位(90億km)と見積もられています。面白いことに、観測結果の画像では円盤の中心面(赤道面)に暗い筋が見られ、その両側を明るい部分が挟むような形状がとらえられています

これは、円盤の赤道面に塵が大量に存在し、しかも温度が比較的低いことを示しています。こうした「ハンバーガー型」の構造はハッブル宇宙望遠鏡などの可視光線・赤外線の観測でとらえられたことはあったが、サブミリ波観測では初めてのことです。この形から、理論的な予測どおり、円盤の外側はめくれ上がるように膨らんでいることがわかります

一方で予想外のこともあります。「理論的には、星が生まれてすぐの段階で周囲に円盤を作ることは困難と考えられてきました。磁場の力によって回転が妨げられ、円盤になりにくいと考えられているからです。しかし今回の観測成果を見ると、磁場が円盤形成を妨げるという効果は、実際には私たちが想像していたほど重要ではないのかもしれません」(米・バージニア大学 Zhi-Yun Liさん)。

今回の観測は、高い解像度を誇るアルマ望遠鏡によって、生まれたばかりの星の周りの小さな塵円盤を詳しく描き出せるということを示す好例です。円盤形成理論の発展に大きく貢献するだけでなく、惑星形成の最初の一歩となる塵の成長を理解するうえでも重要な役割を果たすことも期待されます

2017年4月24日
Astro Artsより

原始星「IRAS 05413-0104」

Posted by moonrainbow on 01.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
赤ちゃん星の「塵の円盤」をアルマ望遠鏡が撮影

塵の円盤

星の成長にはそれを取り巻くガスと塵の存在が不可欠。そして今回チリのアタカマ砂漠にあるアルマ望遠鏡が捉えたのは、赤ちゃん星(原始星)「IRAS 05413-0104」の周囲で観測されたハンバーガーのような構造です。この研究はサイエンス・アドバンシスに掲載されています
 
この回転する円盤部分は鉄やケイ酸のような星間物質からできており、中心の原始星を成長させています。台湾の中央研究院天文及天文物理研究所の研究者のChin-Fei Lee氏によると、中心の黒いラインは温度が低い領域で、星によって加熱されている上下の物質に挟まれているそうです
 
このIRAS 05413-0104の質量は太陽の3〜5倍ほどもありますが、その年齢はたったの4万歳。太陽の約45億年と比べると、まさに昨日生まれたような星です。そしてこのような原始星でハンバーガーのような円盤構造がサブミリ波観測で捉えられたのは、今回が初めてとなるのです
 
Image Credit: Yin-Chih Tsai/ASIAA

2017/04/21
Soraeより

星の周りに炭素原子ガスの存在

Posted by moonrainbow on 24.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
若い惑星系に残るガスは塵から供給されました

デブリ円盤上でガスが供給される様子のイメージ図
デブリ円盤上でガスが供給される様子のイメージ図。円盤内に分布する塵や岩石が衝突して、内部に閉じ込められていたガスがまき散らされている(提供:理化学研究所)

星の周りに広がる塵の円盤の電波観測から、炭素原子ガスの存在が明らかにされました。炭素原子ガスは一酸化炭素分子ガスの量の数十倍もあり、主に塵同士の衝突などで円盤に新たにガス成分が供給されているようです

星と惑星系は、星間空間に漂う水素分子を主成分としたガスや塵からなる分子雲が自らの重力で収縮することにより誕生します。生まれたばかりの原始星の周りには多くのガスが存在し、星に向かって落下しています。同時に、原始星の周りでは惑星系の元となるガスと塵からなる円盤(原始惑星系円盤)が成長していきます。円盤内では塵の合体成長や微惑星形成が起こり、円盤のガス成分は惑星系の形成が完了すると消失すると考えられています

形成されたばかりの惑星系では、惑星などができる際に残った塵や、岩石同士の衝突でまき散らされた塵が円盤状に漂っています。これは「デブリ円盤」と呼ばれ、惑星系形成の最終段階に当たるが、その内部にはガス成分は存在しないと考えられてきました。ところが近年、一酸化炭素分子(CO)、炭素原子イオン(C+)、酸素原子(O)がガスとして存在していることが明らかになり、その起源について二つの考え方が提示されました

一つは、惑星系の元になったガス成分が残存しているという「残存説」、もう一つは、一度原始惑星系円盤のガスが消失した後、残存した塵や微惑星からガス成分が新たに供給されているという「供給説」だ。水素ガスの存在量で判別できると考えられているが決着はついていないのです

理化学研究所の樋口あやさんたちの研究グループはデブリ円盤のガス成分を明らかにするため、チリのアカタマ砂漠に建設されたアステ望遠鏡(ASTE)を用いた電波観測を行った。観測対象となったのは、くじら座の方向200光年の距離にある6等星「くじら座49番星」と、がか座の方向63光年の距離にある4等星「がか座β星」です

観測の結果、両方のデブリ円盤で炭素原子(C)のサブミリ波輝線が検出された。この炭素原子ガスと、アステ望遠鏡で別に観測した一酸化炭素分子ガスの運動の様子が似ていることから、デブリ円盤内で炭素原子ガスと一酸化炭素分子ガスが共存していることがわかりました。アルマ望遠鏡で観測された一酸化炭素分子ガスのスペクトルとの比較で、これらがデブリ円盤に付随するガスであると確かめられています

ガスの放射強度からガスの総質量を見積もると、炭素原子ガスの量は一酸化炭素分子ガスの量の数十倍と求められた。これはデブリ円盤に水素分子ガスが少ないこと、すなわち主に塵・岩石同士の衝突などで新たにガス成分が供給されているという「供給説」を支持する結果といえます

星間空間の炭素原子は一酸化炭素分子が紫外線にさらされ壊されて生成されるが、そこに水素分子があると、炭素原子から一酸化炭素分子に戻る逆の化学反応も同時に進む。たとえば、周囲からの紫外線にさらされている希薄な分子雲では、炭素原子ガスの量と一酸化炭素分子ガスの量は同程度であることが知られています。つまり、炭素原子ガスが大量に存在するという結果は、デブリ円盤中で炭素原子から一酸化炭素分子に戻る化学反応が進行していないことを示しており、水素分子ガスが少ないという結論となります

今後、多くのデブリ円盤に対して観測を行うと、デブリ円盤のガスがどのくらいの期間存在するのかを知ることができます。それにより、ガスが散逸して現在の太陽系のような惑星系が完成されるまでの時間や、惑星形成最終期に起こると考えられる原始惑星間の衝突について、理解が進むと期待されます

2017年4月12日
Astro Artsより
 

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