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「HH 111」の円盤構造

Posted by moonrainbow on 19.2019 宇宙   0 comments   0 trackback
まるで宇宙の家紋。原始星を取り巻く塵の円盤構造が明らかに

HH 111にある原始星の1つ
アルマ望遠鏡によって撮影された、HH 111にある原始星の1つ(Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/Lee et al.)

差し渡し12光年という長大なジェットを生み出す若い恒星の周囲には、ぐるぐると渦を巻く塵の円盤が存在していました。南米・チリの電波望遠鏡「アルマ望遠鏡」を使った観測で、今まで見えなかったその構造が明らかになっています

■高解像度を誇るアルマ望遠鏡が撮影した50万歳の若き星

観測されたのは、地球からおよそ1300光年先、「オリオン座」の方向にある「HH 111」と呼ばれる天体です。HH 111には誕生したばかりの原始星が3つあり、そのうちの1つから長さ12光年に渡るジェットが噴出しています。

今回、このジェットを噴き出す原始星を取り巻く塵の円盤が、アルマ望遠鏡によって撮影されました。原始星の周囲では流れ込む塵やガスによって円盤が形成されていることが過去の観測ですでに判明していましたが、従来は観測できなかった内部構造が高い解像度を誇るアルマ望遠鏡によって明らかにされたのです


円盤の構造を強調した画像
円盤の構造を強調した画像。*印で位置が示された原始星を中心に、二筋の塵が渦を描いている。処理過程を示した画像(後述)から一部をトリミング加工(Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/Lee et al.)

観測結果を処理した画像には、50万歳という(宇宙のスケールでは)若い原始星に向かって流れ込む二筋の塵が、ぐるぐると渦を巻く様子が写し出されていました。その様子は、まるで家紋の「二つ巴」のようにも見えます

■斜めに見える円盤の画像を処理して正面から見たイメージを作成

地球からは原始星周囲の円盤が斜めに傾いて見えますが、研究チームはアルマ望遠鏡の観測データをもとに、まずは正面から見た場合のイメージを作成しました。ここから回転する円盤の平均的な明るさを差し引くことで、塵の渦を浮かび上がらせることに成功しています。

なお、HH 111に3つある原始星のうち、今回撮影されたものともう1つの原始星は2つで連星を組んでいますが、残る1つの原始星はジェットが噴き出していく方向へずっと離れた場所にいることがわかっています。かつて3つの原始星はもっと接近したところで誕生したものの、重力で影響を及ぼしあった結果、1つが遠くへ飛ばされてしまったものと考えられています


画像の処理過程を示した図
画像の処理過程を示した図。アルマ望遠鏡の観測結果(下段左)を正面から見たイメージに変換し(下段中央)、平均的な明るさを差し引いたところ渦巻き構造が現れた(下段右)。上段はハッブル宇宙望遠鏡が撮影したHH 111の全体像、右に向かって噴き出しているのがジェット(Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/Lee et al.)

2019/10/15
Soraeより

連星「[BHB2007] 11」と周囲を取り囲むループ構造

Posted by moonrainbow on 16.2019 宇宙   0 comments   0 trackback
誕生したばかりの星々を取り巻く木星80個分の「プレッツェル」

連星「[BHB2007] 11」
アルマ望遠鏡が捉えた連星「[BHB2007] 11」と、周囲を取り囲む「プレッツェル」のような形のループ構造(Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Alves et al.)

太陽系内の惑星から超大質量ブラックホールまでさまざまな天体を観測してきた南米・チリの電波望遠鏡「アルマ望遠鏡」によって、新たな天体がキャッチされました。その姿は、まるでお菓子の「プレッツェル」そっくりです

■生まれたばかりの恒星を取り巻く、複雑な形のループ構造

今回撮影されたのは、「へびつかい座」の方向およそ600光年先の暗黒星雲「Barnard 59」にある、生まれてからまだ10万~20万年という若い連星「[BHB2007] 11」です。Barnard 59は、その姿が喫煙具のパイプに似ていることから名付けられた「Pipe nebula(パイプ星雲)」と呼ばれる暗黒星雲の一部でもあります。
プレッツェルのような姿をした不思議な構造は、中央で縦に並んで見えている連星を取り巻く塵などから成る巨大なループです。ループ全体の質量は木星およそ80個分とみられています。

ループ構造のなかにある2つの若い星は、どちらもガスと塵からなる円盤(星周円盤)に囲まれています。円盤の直径は太陽系の火星と木星の間にある小惑星帯と同じくらいの4~6天文単位(※)程度で、それぞれ木星ほどの質量を持つとされています。

また、連星を成す2つの星は28天文単位離れています。太陽から海王星までの距離がおよそ30天文単位ですから、ここに写る「プレッツェル」は太陽と太陽系の8つの惑星をまるごと取り囲んでしまうくらいに広がっていることになります。

なお、アルマ望遠鏡は電波(ミリ波)で天体を観測するため、画像の色は見やすいように着色されたものとなります。

(※…1天文単位は地球と太陽の間の距離に由来)


■将来、ここで地球のような惑星が誕生するかも?

「Pipe nebula(パイプ星雲)」の全体像
複数の暗黒星雲から構成される「Pipe nebula(パイプ星雲)」の全体像。Barnard 59があるのは画像の右下、パイプのマウスピース先端にあたる部分(Credit: ESO/Y. Beletsky)

宇宙のスケールからすれば、[BHB2007] 11はまだ誕生したばかり。プレッツェル状のループ構造からは、2つの若い星をそれぞれ取り囲む円盤に向かって物質が流れ込み続けています。

2019年10月4日付で「サイエンス」に掲載された論文では、ループ構造に含まれる大量の塵がそれぞれの星の周囲にある円盤に流れ込むことで、将来地球のような岩石質の系外惑星が形成される可能性があると推測しています


Image Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Alves et al.

2019/10/7
Soraeより

恒星「KIC 8462852」(Tabby’s star(タビーの星))の謎

Posted by moonrainbow on 29.2019 宇宙   0 comments   0 trackback
「タビーの星」の謎の減光に新説、放り出された太陽系外衛星が原因?

「タビーの星」ことKIC 8462852を取り巻く円盤の想像図
「タビーの星」ことKIC 8462852を取り巻く円盤の想像図

アメリカのコロンビア大学は2019年9月16日、不規則な明るさの変化が議論を呼んだ恒星「KIC 8462852」の謎に迫ったBrian Metzger氏らの研究成果を発表しました。研究内容は論文にまとめられ、王立天文学会月報に掲載されています

■巨大建造物説まで登場した謎の減光現象

KIC 8462852は「はくちょう座」の方向、地球からおよそ1400光年先にある恒星です。明るさが不規則に変化することで知られており、その様子を論文で報告したTabetha Boyajian氏にちなんで「Tabby’s star(タビーの星)」や「Boyajian’s star(ボヤジアンの星)」とも呼ばれています。

タビーの星はNASAの「ケプラー」宇宙望遠鏡が系外惑星を求めて観測を実施したエリアに存在していたのですが、ケプラーによる4年間の観測期間を通して、その明るさは暗くなり続けました。それも、3年間は一定のペースで1パーセント暗くなっていったのに、最後の1年間では一気に2パーセント暗くなるという、不可解な減光を示したのです。

系外惑星が主星の手前を横切る「トランジット」現象を起こすと、主星の明るさはわずかに減りますが、系外惑星が通り過ぎてしまえば明るさはもとに戻ります。暗くなるタイミングは周期的ですし、その度合いは毎回同じくらい。トランジットを何度か観測することで系外惑星の存在を知ることができるだけでなく、そのサイズや大気の組成といった情報を得ることもできます。

しかし、タビーの星の減光はこのパターンを示しませんでした。それどころか、過去の観測データを精査したところ、タビーの星が暗くなる度合いは0.5から22パーセントの間で変動していたことがわかったのです。

主星の明るさを5分の1も暗くさせる系外惑星というのは考えにくいことから、この不可思議な減光を説明するために、「塵の雲」や「多数の彗星」などさまざまな仮説が立てられてきました。そのなかには、恒星全体を人工的に覆い隠し、放射されるエネルギーを余さず利用する巨大建造物「ダイソン球」が存在するのではないかとするものまでありました


■放り出された系外衛星とその破片が原因か?

今回Metzger氏らの研究チームは、タビーの星が減光する原因を「系外衛星」に求めました。それによると、かつてタビーの星には少なくとも1つの系外惑星が存在していたものの、タビーの星との重力相互作用によって軌道が変化していき、やがて破壊され飲み込まれてしまったとされています。

このとき、系外惑星を巡っていた系外衛星が破壊を生き延び、新たな惑星となってタビーの星を公転し始めました。研究チームのシミュレーションによると、系外惑星の破壊に直面した系外衛星のうち10パーセントは、こうして一時的に生き延びるといいます。

ただ、惑星になった系外衛星の軌道は細長い楕円形を描くため、タビーの星に接近すると表面の物質が揮発して、まるで彗星のように塵とガスを放出します。細かな物質はタビーの星の放射によって散り散りになってしまいますが、ある程度大きめの物質は軌道に残り、徐々に広がって細長い円盤のようになっていくと予想されています。

つまり、タビーの星で観測される不可解な減光は、放り出された系外衛星に由来する楕円形の円盤が原因だというのです。研究チームは、「不規則な減光をもたらす天体があるとすれば、その軌道はかなりつぶれた楕円形をしているはずだ」とした過去の研究で示された結論とも矛盾しないとしています。

研究に参加したMartinez氏は、タビーの星のように異常な明るさの変化を示す恒星が他にも存在する可能性を示唆しています。Metzger氏は、今後は「系外惑星の崩壊を生き延びた系外衛星がまだ存在している恒星」をさらに発見するとともに、系外衛星そのものの研究を進めたいとしています


Image Credit: NASA/JPL-Caltech

2019/9/19
Soraeより

惑星の形成過程で生じる原始惑星どうしの巨大衝突

Posted by moonrainbow on 26.2019 宇宙   0 comments   0 trackback
巨大衝突直後の原始惑星はドーナツ状の天体「シネスティア」になった?

原始惑星の巨大衝突で生じたシネスティア(左)の想像図
原始惑星の巨大衝突で生じたシネスティア(左)の想像図

カリフォルニア工科大学は2019年9月4日、惑星の形成過程で生じる原始惑星どうしの巨大衝突に迫ったSimon Lock氏らの研究成果を発表しました。研究内容は論文にまとめられ、同日付でScience Advancesに掲載されています

■巨大衝突で原始惑星はドーナツ状の「シネスティア」に

初期の太陽系では、原始惑星どうしの巨大衝突が何度か生じていたと考えられています。初期の地球に火星クラスの原始惑星が衝突して月ができたとする「ジャイアント・インパクト」説もその一つですし、先日は「原始惑星の正面衝突によって木星の高密度なコアが破壊され、現在の低密度で大きなコアを生み出すきっかけになった」とする説も登場しました。

Lock氏らは2019年発表した研究において、巨大衝突直後の原始惑星は衝突エネルギーによってその一部が気化し、構成していた物質が高速で回転するドーナツ状の天体「synestia(シネスティア)」を形成すると提唱しました。

イラストは、巨大衝突によってシネスティアになった原始惑星の想像図です。シネスティアは原始惑星の一時的な姿で、徐々に冷えるにつれて単一(または複数)の原始惑星が再構成されることで消滅すると考えられています。

2018年発表された研究では、初期の地球で発生した巨大衝突によるシネスティアのなかから月が誕生したとされており、月の組成が地球によく似ていることの理由を説明できるとされていました


■ジャイアント・インパクト説の矛盾が解消されるか

今回の研究においてLock氏らのチームは、巨大衝突によってシネスティアを形成するに至った原始惑星の内部における圧力の変化をシミュレートしました。

その結果、原始惑星を構成する物質の一部が気化したり、衝突エネルギーによって加速された物質に遠心力が働いたりしたことで、原始惑星内部の圧力は従来の予想よりも低く、現在の地球の半分以下まで下がったとみられています。

発表では、この結果がジャイアント・インパクト説の抱える矛盾を解消するかもしれないと指摘しています。

地球内部の化学組成は地球が形成された頃の圧力から影響を受けているため、化学組成を調べれば地球が形成された当時の内部圧力を推測することができます。発表によると、マントルの化学組成から推定される地球形成当時の内部圧力は、現在のマントルの中間付近における圧力と同程度だったとみられています。

ところが、従来の研究で示されたジャイアント・インパクト説のシミュレーション結果はこれよりも高い圧力(マントルの深部)になったことを示しており、実際の地球とシミュレーションとの間に矛盾が生じていました。

しかし、シネスティアを考慮した今回の研究結果はジャイアント・インパクト後の内部圧力が予想より低くなった可能性を示しており、現実とシミュレーションの間にあった矛盾を解消するかもしれないのです。

今後、Lock氏らの研究チームは、巨大衝突後の圧力の変化が惑星内部の化学組成にもたらす影響や、シネスティアから原始惑星が再構成される過程でマントルや地殻がどのように形成されていったのかをより詳しく調べることを計画しています


Image Credit: Ron Miller/Scientific American

https://www.caltech.edu/about/news/planetary-collisions-can-drop-internal-pressures-planets

2019/9/6
Soraeより

パルサー「PSR J1023+0038」

Posted by moonrainbow on 24.2019 宇宙   0 comments   0 trackback
光とX線が同時に明滅する”ミリ秒パルサー”を初観測

X線で輝くパルサーの想像図
X線で輝くパルサーの想像図

欧州宇宙機関(ESA)は2019年9月13日、X線や電波だけでなく光でも明滅するミリ秒パルサーを初めて発見したとするAlessandro Papitto氏らの研究成果を発表しました

研究内容は論文にまとめられ、9月9日付でThe Astrophysical Journalに掲載されています

■1.69ミリ秒ごとに1回自転するパルサー「PSR J1023+0038」

パルサーとは、恒星の超新星爆発によって誕生した高密度の中性子星のうち、電波、光(赤外線や紫外線も含む)、X線といった電磁波がパルス状に観測されるものを指します。

このような中性子星では、自転軸に対して磁軸が傾いていると考えられています。地球から見ると、磁極の方向に放出された電磁波のビームが自転周期に合わせて点滅しているように観測されることから、パルサーと呼ばれるようになりました。

今回の観測対象となったパルサー「PSR J1023+0038」は、1秒間に600回近くも自転しています。その周期はおよそ1.69ミリ秒で、パルサーのなかでも自転周期が極めて短いミリ秒パルサーに分類されています。

また、このパルサーは太陽のおよそ5分の1の質量を持つ伴星を従えて連星を形成しており、伴星からパルサーに流れ込んだ物質によって周囲に円盤が形成されているとみられています。

過去の研究において、PSR J1023+0038ではX線または電波を放出する期間が交互に入れ替わることが確認されています。円盤からパルサーに物質が降着しているときにはX線が放出され、降着していないときには磁場からの電波が観測されているものと考えられてきました。

自転周期が短いミリ秒パルサーは、自転周期が長い(といっても秒単位なのですが)パルサーが伴星からの物質の降着を経て進化したものと考えられており、PSR J1023+0038のようにX線と電波を交互に放出するパルサーはその過渡期にあたる天体として注目されています


■X線と同期して明滅する光をミリ秒パルサーでは初めて観測

今回Papitto氏らの研究チームは、ESAのX線観測衛星「XMM-Newton」やカナリア諸島にあるイタリアの「ガリレオ国立望遠鏡(TNG)」などを使い、PSR J1023+0038をさまざまな波長で観測しました。その結果、ミリ秒パルサーとしては初めて、光(可視光線)の波長で明滅していることが判明したのです。

ただ、この事実は研究チームを悩ませることになります。観測データを詳しく分析したところ、光とX線が同時に明滅していることが明らかになりました。これは光とX線が同じ仕組みによって放出されていることを示唆しますが、X線を生じる原因とされてきた円盤からの物質の降着によって生み出されたにしては、観測された光は明るすぎたのです。

そこで研究チームは、光とX線が同時に観測された理由を説明するために、パルサーから放たれる「パルサー風」(電子とその反粒子である陽電子の流れ)に由来する新たな理論モデルを構築しました。

このモデルでは、パルサーから放出されたパルサー風が円盤に吹き付けられることで、強力な電磁波(シンクロトロン放射)が生じるとしています。この電磁波は光とX線の双方で観測できるため、今回の観測結果と矛盾しません。また、円盤の物質はパルサー風によって降着を妨げられ、表面から100km程度の距離にまでしか接近することができないとされています。

なお、今回の研究で提唱された理論モデルではX線よりも光のほうが数百マイクロ秒(十分の数ミリ秒)だけ遅れて観測されるはずだとしていますが、今回の観測においてこの遅れは確認されていません。Papitto氏は理論モデルを裏付けるために、今後はこの遅れを正確に検出する必要があるとコメントしています


Image Credit: ESA

2019/9/16
Soraeより
 

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