原始星の誕生の仕組み

Posted by moonrainbow on 18.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
「原始惑星系円盤」を観測し原始星の誕生の仕組みをアルマ望遠鏡で観測

原始惑星系円盤

理化学研究所や東京大学はチリのアタカマ砂漠に設置されたアルマ望遠鏡(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計:ALMA)を利用して、「原始惑星系円盤」を観測し原始星の誕生の仕組みの一部を解明したと発表しました
 
この原始惑星系円盤ですが、星の誕生の際に分子雲が自己重力で集まることで誕生します。しかし分子雲は原始星に近づくと重力よりも遠心力のほうが大きくなるので、円盤が形成できないという謎があったのです
 
そこで今回はアルマ望遠鏡を利用しておうし座の太陽型原始星を観測。そしてアルマ望遠鏡の発表によれば、「円盤の端で原始星方向へ落下するエンベロープガスが滞留・衝突し、円盤と垂直方向に膨れ出している」ことを発見したのです。つまり、回転するガスと外側のガスの衝突によって衝撃波が発生し、回転の勢いを殺して内部へとガスが落下できる……というのが、今回の研究内容となっています

原始惑星系円盤1
 
このような重力よりも遠心力が大きく、惑星系円盤が安定して形成される理由がわからなかったことは「惑星系円盤誕生における角運動量問題」と呼ばれていました。また惑星系円盤ではガスが原始星に最大限近づける距離「遠心力バリア」の位置が特定されており、今回の観測はその付近の構造を明らかにするために行われたのです
 
今後、研究チームは惑星系円盤形成のシステムの解明が大幅に進むことを期待しています。このような研究が進めば一般的な惑星系誕生の仕組みだけでなく、太陽系の惑星の形成の仕組みも解明できるかもしれません
 
Image Credit: ALMA

2017/02/09
Soraeより

惑星系円盤誕生の謎

Posted by moonrainbow on 15.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
アルマで直接観測、惑星系円盤誕生における問題解決の糸口

原始惑星系円盤の周りのCCH分子の分布
原始惑星系円盤の周りのCCH分子の分布。おうし座L1527分子雲コアにおける、原始惑星系円盤の周りのCCH分子の分布。(赤・黄)CCH分子の存在量が高い領域。等高線は星間塵の分布でピーク位置(中心)に原始星がある。南北方向に伸びた原始惑星系円盤を真横から観測している。遠心力半径と遠心力バリアの間で、円盤の垂直方向(東西方向)の厚みが変化していることがわかる(提供:Sakai et al.(理化学研究所))

原始惑星系円盤の観測から、ガスが円盤に降着する際に角運動量の一部を円盤の垂直方向に放出していることが明らかになりました。惑星系円盤誕生の研究における大きな謎を解決するための、重要な糸口の発見です

星や惑星系は、星と星との間に漂うガスや塵からなる分子雲が自らの重力で収縮することで誕生します。生まれたばかりの原始星の周りには多くのガスが存在し、そのガスが原始星へと落下して、原始星の周りでは惑星系のもととなるガス円盤(原始惑星系円盤)が成長していきます

落下していくガス(エンベロープガス)は角運動量(回転の勢いを表す量)を持っているので、原始星の周りには回転する円盤構造が形成されるが、エンベロープガスが原始星にある程度まで近づくと原始星の重力よりも回転による遠心力が大きくなり、ガスが原始星から離れていってしまいます。ガスの角運動量の一部が外部に放出されなければ、安定して回転する原始惑星系円盤を形成できないのです

この角運動量を放出するメカニズムの問題は「惑星系円盤誕生における角運動量問題」と呼ばれ、円盤形成の研究における最大の謎です。理論的には研究されてきたが、実際に星が誕生する現場を詳しく観測することが求められていました

理化学研究所の坂井南美さん、東京大学の大屋瑶子さん、山本智さんたちの研究チームはアルマ望遠鏡を用いて、地球から450光年離れた、おうし座にある「L1527分子雲コア」を観測した。この分子雲コアの中心には、生まれたばかりの太陽型原始星がある

エンベロープガス中に含まれる炭素鎖分子の一種「CCH分子」の分布を詳細に調べたところ、ガスが遠心力バリア(ガスが原始星に最大限近づける距離、原始惑星系円盤の端に相当)の手前で厚く膨れていることがわかった。外側から原始星に落下してきたガスが遠心力バリア手前で滞留・衝突して衝撃波を生じ、その衝撃によって円盤と垂直方向にガスが膨れ出ていると考えられる

また、衝撃波でガス中に放出された一酸化硫黄分子の温度を調べたところ、エンベロープガスの温度よりも160度も高温になっていた。さらに、遠心力バリア付近でのガスの回転速度は、エンベロープガスの回転速度より明らかに低くなっていた

これらの結果は、衝突によって回転のエネルギーが消費されるとともに、円盤垂直方向への動きを得た一部のガスが角運動量を放出することで、残されたガスの角運動量が減少したことを示している。つまり、エンベロープガスが円盤に降着する際にガスが滞留・衝突し、衝撃波が発生することで、ガスが自ら角運動量の一部を円盤垂直方向に放出していることがわかったのである

観測で明らかになった惑星系円盤形成の様子
観測で明らかになった惑星系円盤形成の様子(模式図)。中心に原始星、周りに原始惑星系円盤(断面で表面がオレンジ色、内部が紫色)が形成されている。赤線のように、外側から落下してきたガス(低温)が遠心力バリア手前で滞留・衝突し、生じた衝撃波によって円盤と垂直方向にガスが膨れ出し、高温になっている(提供:理化学研究所)

本研究では、これまでほとんど観測されなかった円盤の「垂直方向の構造」に着目してその構造を明らかにし、角運動量問題解決への糸口を発見することができた。他の円盤形成領域でも同様の現象が確認できれば、角運動量問題の全容解明へとつながり、太陽系がどのように形成されたのかという問いへの答えにも結び付くと考えられる

2017年2月8日
Astro Artsより

宇宙の泡構造

Posted by moonrainbow on 09.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
遠方の星形成銀河で探る宇宙の泡構造

銀河団領域
銀河団領域。等高線は質量分布を表し、赤は星形成をやめた銀河、青は星形成中の銀河(提供:広島大学/国立天文台、以下同)

暗黒物質の分布と銀河の3次元分布を直接比較した観測研究から、暗黒物質の集積と銀河における星形成の歴史の関連が調べられ、宇宙では過去に遡るほど、物質分布と星形成銀河分布の関連が深くなることが明らかになりました

宇宙には、ほとんど何もないところや、反対に銀河が多く集まっているところがあります。こうした銀河分布のことを「銀河の泡構造」と呼び、とくに銀河が多く集中しているところは「銀河団」と呼ばれます。

泡構造の形成は、暗黒物質(ダークマター)同士の重力相互作用に支配されています。暗黒物質は電磁波では観測できないが、遠方の銀河の形状が銀河団の重力によってゆがめられる「重力レンズ効果」を観測することで分布の様子がわかります。その分布と、見える銀河の分布とを比べると、暗黒物質と銀河の星形成の関係を調べることができます

広島大学の内海洋輔さんたちの研究チームは、すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ(HSC)を使ってかに座方向の領域を観測し、暗黒物質の分布図を作成しました。そして、約1万2000個の銀河の距離(赤方偏移)を測ることで得られた大規模な3次元銀河分布と比較しました

まず、それぞれの構造がよく似ていること、つまり、銀河によって描き出された質量分布は暗黒物質の分布とよく一致しているということが確かめられました

さらに、銀河の3次元分布を異なる赤方偏移(=宇宙の異なる時代)に切り分け、時代ごとに銀河の分布が質量分布図とどれくらい似ているかを調べました

距離ごとに分けて銀河分布を調べるイメージ図
距離ごとに分けて銀河分布を調べるイメージ図。地球 (観測者) から観測された銀河の3次元分布を描いている。(赤)星形成をやめた銀河

すると、遠方銀河団(50億光年先)の周りの星形成銀河の分布が、近傍銀河団(30億光年先)の周りの星形成銀河の分布に比べて、より質量分布図と一致していることがわかったのです

30億光年先と50億光年先の銀河団領域の拡大図
(上)30億光年先と(下)50億光年先の銀河団領域の拡大図。(左)質量分布、(中)星形成をやめた銀河の分布、(右)星形成銀河の分布。30億光年先の銀河団では質量分布に対応する星形成銀河がほとんど見えないが、50億光年先では対応する銀河が増えている

これは、遠方にいくと、宇宙の泡構造に対する星形成銀河の寄与がより顕著になるという変化をとらえたことになります。星形成銀河が宇宙の物質分布をなぞる様子が、宇宙の歴史の中で変化してきたことが明らかにしたものです

「遠方の宇宙では、今まで無視されてきた星形成銀河が重要な役割を果たすことが新たにわかりました。HSCで得られた質量分布図の中には、さらに遠方の宇宙における情報も含まれていると考えられます。現在開発中のすばる望遠鏡次世代超広視野多天体分光装置「PFS」が完成すれば、より遠方の銀河を一度にたくさん分光することができます。HSCとPFSのデータを組み合わせることで、星形成活動が活発だった時代の暗黒物質と星形成銀河の様子の解明を目指します」(研究チーム)

2017年2月1日
Astro Artsより

超新星「SN 2014C」

Posted by moonrainbow on 05.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
風変わりなカメレオン超新星「SN 2014C」

渦巻銀河NGC 7331
[(中央)NGC 7331、(下左)爆発前のSN 2014C、(下右)爆発後のSN 2014C(提供:X線画像:NASA/CXC/CIERA/R.Margutti et al.、可視光線画像:SDSS)

2014年に発見された超新星「SN 2014C」は爆発から1年の間に劇的な変化を見せた、謎めいた天体です。爆発前に大量の物質を放出していたとみられています

「わたしたちの身体は、星屑でできている」とは、かの有名な天文学者カール・セーガンの言葉です。恒星内での核融合反応によって作られた物質は、重い星の一生の最期に起こる大爆発である超新星爆発などによって宇宙空間へと放出され、わたしたちの身体や惑星の材料となっています

ある超新星がどのようにして物質を宇宙空間へと運んだのか、研究者はモデル作りの困難に直面しています。その超新星とは、2014年にペガスス座の方向3600万~4600万光年彼方の渦巻銀河NGC 7331に出現した「SN 2014C」だ。SN 2014Cは爆発後の1年間に劇的な変化を見せましたが、その理由はどうやら爆発前の星が一生の後半に多くの物質を放出していたためとみられています

超新星は水素の有無によって、I型(水素がほとんど見られない)とII型(水素が含まれる)に大きく分けられます。様々な観測により、SN 2014CはI型からII型へと変化したと研究者は結論付けています。爆発して間もないころは水素が検出されないI型だったのだが、約1年後には、外側に広がる水素が豊富なシェル(球殻)状構造に爆発の衝撃波が衝突し、水素が検出されたのです

X線でとらえたNGC 7331
X線でとらえたNGC 7331。白い四角内がSN 2014C(提供:NASA/CXC/CIERA/R.Margutti et al.)

NASAのX線観測衛星NuSTARなどによる追加観測から爆発の膨張速度やシェルの物質の量を見積もったところ、SN 2014Cは爆発の数十年から数百年前に、太陽1個分ほどの質量の物質をすでに放出していたと考えられます。そのふるまいは、星の爆発に関して現在わかっているどのカテゴリーにも入らないのです。説明には、大質量星が爆発前にどうなっているのかについてのアイデアの修正が必要になります

なぜ爆発前に大量の水素を放出したのでしょうか。大質量星の中心核で起こる核融合に関する理解に、何かが欠けているのかもしれないのです。あるいは、星が単独で最期を迎えなかったという可能性が考えられています。伴星の影響で、爆発前のSN 2014Cが普通の星とは異なる最期を迎えたのかもしれないのです

「この『カメレオン超新星』は、大質量星で作られた物質を宇宙へ放出する新たなメカニズムを代表する存在なのかもしれません」(米・ノースウエスタン大学 Raffaella Marguttiさん)。

2017年1月27日
Astro Artsより

PSR J1119-6127

Posted by moonrainbow on 16.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
太陽の数兆倍の磁場を持つパルサーの正体( NASA JPL

パルサーのイラスト
パルサーのイラスト(提供:NASA/JPL-Caltech)

静かなパルサーと考えられていた天体に、マグネターのような激しいX線バーストが観測されました。この天体特有のものなのか、パルサーとマグネターは一つの天体の異なる進化段階であることを示す結果なのかは、わかっていないのです

りゅうこつ座とケンタウルス座の境界に位置するPSR J1119-6127(以降J1119)は2000年に発見された天体で、従来は電波パルサーだと考えられてきました。パルサーとは超新星爆発の後に残された非常に高密度の天体である中性子星の一種で、高速の自転に伴って規則正しい電波放射が観測されます

2016年7月、静かな天体だと思われてきたJ1119に、2度のX線バースト(突発増光)が観測されました。こうした現象は、X線やガンマ線の波長で激しい高エネルギーのアウトバーストを起こします、マグネターと呼ばれる超強力な磁場を持つ天体に見られるものです

1970年代からパルサーとマグネターは完全に別種の天体として扱われてきましたがが、ここ10年ほどの間に、これらは一つの天体の異なる進化段階である可能性を示す証拠が出てきたのです。もしかするとJ1119はパルサーとマグネターとの中間に位置する天体で、いずれかへと移行する段階にあるのかもしれないのです

「J1119は、ある時にはパルサー、またあるときにはマグネターという2つの顔を持っています。この天体を調べることで、パルサーのメカニズムに潜む何かがわかるかもしれません」(NASAジェット推進研究所 Walid Majidさん)

J1119のX線バーストは、天体の自転によって超強力な磁場がねじれたことで生じたと考えられます。J1119の磁場は太陽の数兆倍もあり、これは既知のパルサーの中で最も強いものです。磁場のねじれにより中性子星の外層が破壊され、「グリッチ」と呼ばれる自転の急激な変化を起こします。このグリッチはNASAの天文衛星NuSTARによって観測されています

また、追跡観測の結果、X線バーストから2週間ほどでJ1119は再び静穏になり通常のパルサーに戻ったようにみえることも確認されたのです

本当にパルサーとマグネターが一つの天体の進化段階だとすると、一体どちらが先だったのかという疑問も残ります。J1119のような天体はまずマグネターから始まり、徐々にX線やガンマ線のアウトバーストを起こさなくなるとも考えられるし、パルサーとして誕生した天体に磁場が発生してアウトバーストが始まるという説もあります。こうした天体はありふれているのか、進化の過程はどうなっているのか、今後の発見と継続観測で謎が解き明かされていくでしょう

2017年1月11日
Astro Artsより
 

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