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渦巻くガスと塵のなかで惑星が形成されつつある様子

Posted by moonrainbow on 28.2020 宇宙   0 comments   0 trackback
詳細な観測に成功

「ぎょしゃ座AB星」の原始惑星系円盤
ESOの超大型望遠鏡(VLT)によって赤外線で観測された「ぎょしゃ座AB星」の原始惑星系円盤(Credit: ESO/Boccaletti et al.)

惑星は若い恒星を取り囲む原始惑星系円盤のなかで形成されると考えられており、原始惑星系円盤を観測できる恒星は多くの研究者から注目されています。今回、ヨーロッパ南天天文台(ESO)の望遠鏡を用いて、今まさに惑星の形成が進行しているとみられる様子を観測したとする研究成果が発表されています

■形成途上の惑星の存在を示すとみられる特徴を確認

Anthony Boccaletti氏(パリ天文台)らの研究チームは、ESOの「超大型望遠鏡(VLT)」に設置されている観測装置「SPHERE」を使い、ぎょしゃ座の方向およそ520光年先にある若い星「ぎょしゃ座AB星(AB Aurigae)」の原始惑星系円盤を赤外線の波長で観測しました。その結果、星からおよそ30天文単位(太陽から海王星までの平均距離とほぼ同じ)のところに、円盤を構成する物質の流れがより合わされたように見える明るい部分を確認しました。研究チームは、この部分で惑星が形成されつつあると考えています。

ぎょしゃ座AB星では原始惑星系円盤の存在がすでに知られていて、これまでにも国立天文台ハワイ観測所の「すばる望遠鏡」やチリの「アルマ望遠鏡」によって観測されています。アルマ望遠鏡による観測では2本のらせん構造が見つかっており、2017年に発表された研究では、この構造が惑星の形成と関係している可能性が指摘されていました。

今回の研究に参加したAnne Dutrey氏によると、形成中の惑星を中心にガスや塵の流れがより合わさったように見える構造は、惑星形成モデルでも存在が予想されているといいます。VLTによる今回の観測ではアルマ望遠鏡が捉えたらせん構造の1つにこのような部分が見つかっており、形成されて間もない惑星がここで物質を得て成長し続けているとみられています。

研究を主導したBoccaletti氏は、惑星の形成におけるガスの関与をより詳しく観測できるようになるはずだとして、ESOが建設を進めている「欧州超大型望遠鏡(ELT)」の完成に期待を寄せています


原始惑星系円盤の中心部分を拡大
原始惑星系円盤の中心部分を拡大したもの(右)。拡大画像の中央付近に見えるひときわ明るい部分(白丸)で惑星が形成されていると考えられている。右下の青い円は海王星の公転軌道を同じスケールで示したもの(Credit: ESO/Boccaletti et al.)

Image Credit: ESO/Boccaletti et al.

2020-05-21Soraeより

30億光年先にある銀河で発生した「SN 2016aps」

Posted by moonrainbow on 19.2020 宇宙   0 comments   0 trackback
通常の500倍。非常に明るく輝いた超新星爆発がキャッチされていた

SN 2016apsを描いた想像図
SN 2016apsを描いた想像図(Credit: M. Weiss)

2016年2月、ハワイの掃天観測プロジェクト「パンスターズ(Pan-STARRS)」によって、遠くの銀河で起きた超新星爆発が捉えられました。今回、この超新星が通常の500倍ものエネルギーで輝いていたとする研究成果が発表されています

■衝撃波が周囲のガスに衝突したことで非常に明るく輝いたか

Matt Nicholl氏(バーミンガム大学)らの研究チームが調べたのは、「りゅう座」の方向およそ30億光年先にある銀河で発生した「SN 2016aps」です。距離が離れているために、地球からでは最大でも18等ほどの明るさで観測された現象でした。

研究チームが発見から4年間の追跡調査を実施した結果、SN 2016apsは「対不安定型超新星」(※)あるいは「脈動性対不安定型超新星」だった可能性があり、放出されたエネルギーは典型的な超新星の10倍に達していたことが判明しました。

※…大質量星の内部で起きているとみられる「電子と陽電子の対生成」にともなう不安定性が原因とされる超新星爆発の一種

さらに研究チームによると、典型的な超新星で可視光(人の目に見える光)として放射されるのはエネルギー全体の1パーセントに過ぎないとされていますが、SN 2016apsで可視光として放射されたのはエネルギー全体のおよそ半分に達しており、典型的な超新星と比べて500倍も明るい爆発だったとみられています。

研究チームでは、SN 2016apsを引き起こした恒星は晩年に脈動しつつ周囲に大量のガスを放出したと推定。放出されたガスに爆発の衝撃波が到達して運動エネルギーの多くが電磁波に変換された結果、通常の500倍で輝くきわめて明るい超新星として観測されたと考えています(これほど明るく輝く原因となったガスの放出を、Nicholl氏は「火に油を注いだ」と表現しています)。

また、大質量の星では恒星風によって大部分が失われてしまうはずの水素ガスが、SN 2016apsでは高いレベルで検出されました。超新星爆発の時点で水素ガスが残っていた理由について研究チームは、SN 2016apsを引き起こしたのは2つの恒星が合体してできた大質量星であり、合体する前の恒星が単一の大質量星よりも軽かったことから、より長い期間に渡り水素ガスが保持された可能性を指摘しています。

なお、研究に参加したEdo Berger氏(ハーバード大学)は、SN 2016apsの研究を通して宇宙の初代星(ファーストスター)による同様の超新星爆発を特定する道がひらかれたとコメントしており、チリのヴェラ・ルービン天文台で建設が進められている「大型シノプティック・サーベイ望遠鏡(LSST)」によって、宇宙誕生から10億年以内の超新星が観測されることに期待を寄せています


Image Credit: M. Weiss

2020-04-15
Soraeより

宇宙の膨張速度は方向によっても異なる

Posted by moonrainbow on 14.2020 宇宙   0 comments   0 trackback
宇宙の膨張速度は時代だけでなく方向によっても異なる可能性

方向ごとに異なる宇宙の膨張速度
今回の研究によって示された、方向ごとに異なる宇宙の膨張速度(ハッブル定数)を示した全天マップ。地球から見た方向によって、膨張速度が速いところ(黄、オレンジ)と遅いところ(紫、黒)がある(Credit: K. Migkas et al. 2020)

およそ138億年前のビッグバンによって誕生したこの宇宙は、今も膨張を続けていると考えられています。膨張する速度は加速していて時代ごとに異なるとみられていますが、同じ時代であれば宇宙のどこでも一定だとされてきました。今回、最近の宇宙においては観測する方向によっても膨張速度が異なっている可能性を示した研究成果が発表されています

■不均一な暗黒エネルギーの影響で膨張速度が異なっている可能性

全天から観測される宇宙マイクロ波背景放射(CMB)はビッグバンの名残とされています。その観測結果から、宇宙はどの方向にも同じ速度で膨張を開始し、加速している膨張速度も同じ時代であれば一定(等方性がある)とされてきました。Konstantinos Migkas氏(ボン大学、ドイツ)らはこの等方性を検証するための方法として、比較的最近の宇宙に存在する銀河団に注目して研究を進めていました。

研究チームがNASAの「チャンドラ」や欧州宇宙機関(ESA)の「XMM-Newton」といったX線天文衛星によって観測された313個を含む842個の銀河団について、そのX線光度と温度の関係をもとに宇宙の膨張速度(ハッブル定数)を求めたところ、地球から宇宙を見たときにある方向では膨張速度が速くて別の方向では遅いという異方性を示す結果が得られました。

研究チームは「最近の宇宙の膨張速度には異方性が認められる」という結論を下す前に、この結果が別の原因によってもたらされた可能性がないかを検討しました。たとえば、地球と銀河団の間にまだ知られていないガスや塵の集まりが存在していて、特定の方向の銀河団を暗く見せかけたのかもしれません。また、幾つかの銀河団が重力で作用し合い、同じ方向へ連れ立つように運動しているために、膨張速度の計算結果に影響を与えた可能性もあります。

しかし検討の結果、これらが原因となって膨張速度の算出に影響を及ぼしたとは考えにくく、今回の結果は過去の研究で示唆された異方性とも一致していることがわかりました。研究チームでは、宇宙の加速膨張の原因と目されている暗黒エネルギー(ダークエネルギー)そのものが一様ではなく、膨張速度の異方性は暗黒エネルギーが不均一であることの現れではないかとみています。

Migkas氏は、今回の研究結果がもしも正しければ、遠方宇宙に存在する天体までの距離を求める上では観測方向による膨張速度の違いを考慮しなければならなくなるため、過去の研究についても再考を迫られることになるとコメントしています。

なお、ESAでは暗黒エネルギーの解明を目指す宇宙望遠鏡「ユークリッド」の打ち上げを2022年に予定しており、宇宙が不均一な速度で膨張しているとした今回の研究成果についても検証できる可能性があるとしています


宇宙望遠鏡「ユークリッド」を描いた想像図
2022年に打ち上げ予定の宇宙望遠鏡「ユークリッド」を描いた想像図(Credit: ESA/ATG medialab)

Image Credit: K. Migkas et al. 2020

2020-04-10
Soraeより

気圧が高い惑星はハビタブルゾーンが拡大

Posted by moonrainbow on 09.2020 宇宙   0 comments   0 trackback
気圧が高い惑星はハビタブルゾーンが拡大されるかもしれない

太陽系外惑星「K2-18b」(右)を描いた想像図
太陽系外惑星「K2-18b」(右)を描いた想像図(Credit: ESA/Hubble, M. Kornmesser)

数年以内に登場する予定の「ジェイムズ・ウェッブ」宇宙望遠鏡や「欧州超大型望遠鏡(ELT)」といった次世代の観測手段の準備と歩調を合わせるように、太陽系外惑星の環境にも関わるさまざまな理論上の研究も進められています

今回、窒素が主成分で気圧が高い惑星では、気圧が低い場合よりもハビタブルゾーンが広くなるとした研究成果が発表されています

■太陽系の場合、窒素主体で5気圧の大気ならハビタブルゾーンが2割拡大される)

地球は生命の存在が唯一知られている天体であり、生命が存在できる系外惑星を探す上での重要な指標となっています。従来、恒星の周囲に存在するハビタブルゾーンを計算する上では現在の地球の大気における窒素の量が参考にされてきましたが、地球のような岩石質の惑星では窒素が主体でも大気の圧力がさまざまである可能性が指摘されています。

今回、Ramses Ramirez氏(東京工業大学地球生命研究所)らの研究チームは、窒素が主成分の大気がある惑星を仮定した上で、3パターンの気圧(1気圧、2気圧、5気圧)ごとにハビタブルゾーンの広がり方をシミュレートしました。その結果、より気圧が高い窒素大気をもつ惑星ほど、ハビタブルゾーンの内側の境界線が恒星に近づく傾向が示されました。

研究チームによると、高圧の窒素大気では恒星から届いたエネルギーが宇宙空間に反射されやすくなり、同時に雲による冷却効果も期待できるようです。太陽系の場合、1気圧の窒素大気と5気圧の窒素大気を比べると、5気圧のほうがハビタブルゾーンは20パーセント拡大されることになるといいます


■温室効果は暴走しやすいことも明らかに

また、今回の研究では、現実に即したモデルを用いた温室効果の分析も行われています。従来の研究では、F型/G型(太陽を含む)/M型の恒星を周回する1気圧の窒素大気を持つ惑星では、平均的な表面温度が340ケルビン(摂氏67度)を超えると比較的ゆるやかに進行する「湿潤温室効果」が始まり、地球の表面にあるのと同程度の水であれば45億年ほどかけて失われると考えられてきました。

いっぽう、Ramirez氏らのシミュレーションでは同じ条件の惑星において湿潤温室効果は起きず、より激しく進行する「暴走温室効果」に陥ってしまうことが示されました。研究チームによると、シミュレーションで湿潤温室効果が起きると示されたのは、窒素大気により反射されやすい青い光を多く放つA型の恒星を周回する場合に限られたといいます。

過去の一部の研究では金星の水が湿潤温室効果によって失われたとされていますが、Ramirez氏は金星で湿潤温室効果は起きず、もしもかつての金星に水があったとしても「暴走温室効果によって急速に失われたものと考えられる」とコメントしています


Image Credit: ESA/Hubble, M. Kornmesser

2020-04-02
Soraeより

星形成領域「LHA 120-N 150」

Posted by moonrainbow on 25.2020 宇宙   0 comments   0 trackback
大質量星誕生の実験室。大マゼラン雲に輝く「星のゆりかご」

星形成領域「LHA 120-N 150」
星形成領域「LHA 120-N 150」(Credit: ESA/Hubble, NASA, I. Stephens)

淡い赤色を放つこちらの天体は、南天の大マゼラン雲にある星形成領域「LHA 120-N 150」(以下「N150」)です。画像に向かって上下方向に伸びるフィラメント状の構造の向こう側には、電離した水素ガスの雲が左右方向へ広がっている様子が見えています。自ら輝く星としての最期を迎えた恒星によって形成される惑星状星雲や超新星残骸にも似ていますが、N150のような星形成領域は高密度のガスから恒星が誕生する場所で、「星のゆりかご」と表現されることもあります

N150は「タランチュラ星雲」の呼び名で知られる星形成領域「かじき座30(30 Doradus)」の近くにあります。銀河としては比較的近い約16万光年先の大マゼラン雲に存在し、塵に観測をさまたげられることもないため、タランチュラ星雲とその周囲にある星形成領域は、特に太陽よりも重い大質量星が誕生する様子を調べるのに適した「実験室」となっています。

たとえば3年前に発表された研究では、孤立して誕生する大質量星があるのかを調べるために、N150が観測されました。大質量星は複数の星が集まった星団として誕生すると予想されていますが、実際には大質量星の1割が孤立して誕生しているように観測されています。Ian Stephens氏らの研究チームがN150を含む幾つかの星形成領域を「ハッブル」宇宙望遠鏡によって詳しく観測したところ、一見孤立しているように見える若い大質量星の周囲にも、前主系列星に分類される若い星が数多く存在していたことがわかりました。

また、昨年11月に発表された研究では、N150と同じくタランチュラ星雲の近くにある「N159」における大質量星の形成を福井康雄氏らの研究チームが「アルマ望遠鏡」で観測した結果、2億年ほど前に大マゼラン雲に接近した小マゼラン雲から移動したガスによって、大マゼラン雲における星形成活動が活性化された様子が明らかになっています


この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡に搭載されている「広視野カメラ3(WFC3)」によって撮影されました

LHA 120-N 150と周辺の様子
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したLHA 120-N 150と周辺の様子(Credit: ESA/Hubble, NASA, I. Stephens)

Image Credit: ESA/Hubble, NASA, I. Stephens

2020-03-21
Soraeより
 

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