超高輝度超新星「Gaia16apd」

Posted by moonrainbow on 20.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
超高輝度超新星が紫外線波長で輝くメカニズム

超高輝度超新星の爆発過程の想像図
超高輝度超新星の爆発過程の想像図。「衝突モデル」、「マグネターモデル」、「電子対生成不安定モデル」の3つ(提供:Kavli IPMU)

超高輝度超新星「Gaia16apd」が紫外線波長で特に明るく輝くという特徴は、爆発直前に放出された大量のガスと爆発時の噴出物が激しく衝突するというモデルで最もよく再現できることが示されました

通常の10倍から100倍明るく輝く超新星は「超高輝度超新星」と呼ばれ、その輝きのメカニズムとして:

・ニッケルの放射性同位体「56Ni」を大量に含むという「電子対生成不安定モデル」
・超高速回転をし極度に磁化した中性子星であるマグネターが強い電磁波を放射するという「マグネターモデル」
・超新星爆発時の噴出物が爆発直前に放出していた大量のガスと激しく衝突するという「衝突モデル」
が提唱されています


東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構のAlexey Tolstovさんらの研究グループは、2016年5月に16億光年彼方の暗い矮小銀河に出現した超高輝度超新星「Gaia16apd」に注目し、3つのモデルのうちどれに適合するかを調べましたGaia16apdには異常に強い紫外線放射が見られ、その強度は可視光線の3~4倍にもなるという特徴があります。

シミュレーションで紫外線、可視光線、赤外線の各波長の光度曲線や、光球半径と爆発の速度が観測に合うかどうかを調べたところ、Gaia16apdは3つのモデルのうち「衝突モデル」で輝く超高輝度超新星である可能性が最も高いことが明らかになりました

研究チームではさらに各モデルの紫外線放射を計算する方法を開発しており、観測された超高輝度超新星がどのモデルに即しているのかを特定する研究に役立つものとなります。「超高輝度超新星の物理をより明確に理解する新たな一歩となることに加え、爆発のシナリオを特定する鍵になると思います」(Tolstovさん)

次の段階として他の超高輝度超新星でもシミュレーションを試行し、非対称な爆発の詳細やマグネターに関する物理も考慮に入れた、より現実に近いシミュレーションを計画中です

2017年9月13日
AstroArtsより

遠方の爆発的星形成銀河の周囲を取り巻く大量の冷たいガス

Posted by moonrainbow on 13.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
遠方銀河に見つかった荒れ狂う大量の低温ガス

アルマ望遠鏡がとらえた非常に遠方のスターバースト銀河
非常に遠方のスターバースト銀河。アルマ望遠鏡がとらえた非常に遠方のスターバースト銀河。「Cosmic Eyelash(宇宙のまつげ)」というニックネームで呼ばれる(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/E. Falgarone et al.)

アルマ望遠鏡による観測で、遠方の爆発的星形成銀河の周囲を取り巻く大量の冷たいガスが見つかりました。猛烈な勢いの星形成がなぜ長続きするのかという謎を解明する手がかりを与えてくれる発見です

宇宙初期の銀河は、私たちの住む天の川銀河の数百倍という猛烈な勢いで星を生み出していたことが知られています。こうした爆発的な星形成が進んでいる銀河は「スターバースト銀河」と呼ばれ、その後の銀河の進化に大きな影響を与えたと考えられます

爆発的に星が生まれた結果、誕生した星の光圧や超新星爆発の圧力などにより星の材料であるガスが銀河外に押し出されるため、爆発的な星形成活動は長くは続かないはずだが、なかには長期にわたって爆発的星形成を続ける銀河も存在しています。これらがどのようにして星の材料を確保しているのかは、これまで不明でした

フランス高等師範学校およびパリ天文台のEdith Falgaroneさんたちの研究チームはアルマ望遠鏡を使って、地球から約110億光年彼方にあるスターバースト銀河を6個観測し、分子イオンの一種「CH+」が放つ電波を検出しました。CH+は銀河のガスのなかでも乱流運動が活発な場所で作られるので、電波が検出される場所は高エネルギー領域といえます。「CH+が作られるには高いエネルギーが必要です。しかも他の分子や原子とすぐに化学反応を起こしてしまい、CH+という形で存在できる時間は非常に限られていてるため、作られた場所からそれほど遠くまで運ばれることはありません。つまりCH+は、銀河やその周りでどのようにエネルギーが分布しているかを調べるのにうってつけなのです」(ヨーロッパ南天天文台 Martin Zwaanさん)

観測の結果から、銀河の中の星形成領域から高温高速のガス流(銀河風)が噴き出し、衝撃波を作り出していることが明らかになりました。銀河風によって星の材料であるガスは銀河の外に押し出されるが、ガス内部の乱流としてエネルギーが消費されるため、ガスは銀河の重力を振り切ることができず戻ってくるようです。戻ってきたガスは比較的低温低密度になり、銀河の周囲に3万光年以上の広がりを持って漂っています。これらが再び銀河の中まで戻り、星の材料になると考えられます

スターバースト銀河周囲のガスの模式図
スターバースト銀河周囲のガスの模式図。(オレンジ)ガスが噴き出している爆発的星形成領域、(緑)乱流が引き起こされている大量の低温ガス、(青)冷たいガスの総量を補うために必要と考えられる、銀河の外から流れ込む低温ガス(提供:ESO/L. Benassi)

「CH+の電波を調べることで、銀河を覆うほどの規模の銀河風に蓄えられていたエネルギーが、これまで見えていなかった冷たいガスの乱流に形を変えていることがわかりました。銀河風は爆発的星形成を止めるのではなく、ガスの乱流を引き起こして星形成を長続きさせる作用があることを示す結果です」(Falgaroneさん)。銀河風だけでは今回発見された冷たいガス全てを説明することはできないため、従来の理論的研究で示唆されていた通り、銀河衝突などによって外からガスを継ぎ足してやる必要もありそうだという

2017年9月5日
AstroArtsより

Ia型超新星からのX線を初検出

Posted by moonrainbow on 07.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
Ia型超新星からのX線を初検出

超新星「SN 2012ca」から検出されたX線(円内)
超新星「SN 2012ca」から検出されたX線(円内)(提供:Vikram Dwarkadas/Chandra X-ray Observatory)

Ia型超新星の観測で初めてX線が検出されました。超新星爆発の衝撃波が突入しX線を放射する星周物質の密度が高いことが示唆されていますが、その起源は謎です

Ia型超新星は、白色矮星ともう一つの天体との連星系で起こる暴走的核融合から発生する天体です。その爆発の明るさは特有で、見かけの明るさとの比較から距離を計算することができるので、宇宙の距離を測る指標となっています

米・シカゴ大学のChristopher D. Bochenekさん(現在は米・カリフォルニア工科大学)たちの研究チームはNASAのX線天文衛星「チャンドラ」による観測で、超新星「SN 2012ca」からのX線を検出しました。この超新星は2012年に、みなみのかんむり座の方向2億6000万光年彼方の渦巻銀河「ESO 336-G009」に出現したものです。Ia型超新星でX線が検出されたのはこれが初めてです
SN 2012caが出現した渦巻銀河「ESO 336-G009」
SN 2012caが出現した渦巻銀河「ESO 336-G009」(提供:Digital Sky Survey)

発生のメカニズムが異なるII型超新星の場合、超新星爆発前の大質量星から放出された物質が星の周囲に集まっており、そこに爆発で生じた衝撃波が突入することでX線が放射されます。近年では、Ia型の中にもこうした濃い星周物質が存在するものがある可能性が指摘されています。「このIa型超新星はかなりの量の星周物質に覆われているようです。物質の密度も高く、私たちがIa型超新星にとって最大と考えた値の100万倍ほどであることが観測から示唆されています」(シカゴ大学 Vikram Dwarkadasさん)

白色矮星は爆発以前に質量を失うことはなく、通常の星周物質の起源は伴星と考えられています。しかし、観測から示唆されるSN 2012caを取り巻く物質の量は非常に多く、たいていの伴星を起源として考えた場合の量をはるかに超えています。「ほとんどの大質量星においてさえ、物質が失われる割合はそれほど高くありませんから、SN 2012caのような超新星がどんなプロセスを経て形成されるのか疑問です。本当にSN 2012caがIa型なら、なぜ大量の星周物質に覆われているのか理由はわかりませんが、そのように変化したプロセスは非常に興味深いです」(Dwarkadasさん)

研究チームが検出したX線光子の数は、超新星爆発後の1年半に33個、更にその200日後に10個と非常に少ない。「ほんのわずかな光子から情報を得られるのは驚きです。数十個の光子から、超新星を取り巻く高密度のガスは塊状か円盤状だろうと推測することができました」(Bochenekさん)

今後、特異なIa型超新星からのX線や電波を検出を目指す観測やその研究が増えれば、その形成を含めた謎の解明につながる新たな取り組みとなるかもしれない

2017年8月31日
AstroArtsより

連星の起源

Posted by moonrainbow on 05.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
多くの星は双子で誕生か?

星の卵2つを含む楕円形の分子雲コアの例
星の卵2つを含む楕円形の分子雲コアの例。色が濃いところほどサブミリ波の強度が強い(提供:Sarah I. Sadavoy, Steven W. Stahler)

星の誕生現場である分子雲コアをサブミリ波で観測したところ、2つの星の卵が含まれているものが複数見つかりました。ほとんどの星は単独ではなく複数で形成され、その後ばらばらになるようです

複数の星がお互いの周りを回り合う「連星系」がどのように形成されるのかは、天文学上の中心的な問題の一つです。特に、連星系を成している恒星の質量傾向を探るために、分子雲の中で生まれる幼い星々の観測研究が多く行われてきました。たとえば、若い星ほど連星系を成している傾向が強いとする研究成果があります

しかし連星系では、星同士の力学的作用で星が放り出されたり、逆に取り込まれたりするなど多くの要素が複雑に影響するため、課題となる関連性についてはっきりしたことはわかっていなかったのです。また、これまでの観測的研究の多くは、サンプル個数が少ないという問題もあります

米・ハーバード・スミソニアン天体物理センターのSarah Sadavoyさんたちの研究チームは、電波を使ったペルセウス座分子雲中の若い星のサーベイと、それらの星の周囲にある高密度物質のサブミリ波観測とを合わせて、24個の多重星系の存在を確認しました

星が埋もれている分子雲コアをさらに調べると、中にある連星はコアの中心部に位置する、つまり生まれた場所からほとんど動いていない幼い星々であることがわかったのです。これらの連星のおよそ半数が細長い構造の分子雲コアに埋もれていたことから、研究チームは、初期の段階から分子雲コアがそのような形をしていたと結論づけました

観測による発見をモデル化した結果から、最も可能性の高いシナリオとして研究チームが主張しているのは以下のようなものです。単独および連星を含むすべての星はまず連星系で形成され、その後に自ら生まれたゆりかごから放出されるか、または分子雲コア自体が崩壊して散り散りになっていきます。ほんの一部の連星系では結びつきがより強まります

同様のシナリオは他の研究でも示唆されてきましたが、Sadavoyさんらの研究は、まだ塵に埋もれている非常に若い星の観測をもとにした成果としては初めてのものとなります。最も重要な結論の一つは、多くの塵から成る分子雲コアが、通常モデル化される単一の星ではなく、2つの星を誕生させる可能性が高いことです。コアでは、これまで考えられてきた数の2倍の星の形成が進んでいるのかもしれないのです

2017年8月24日
AstroArtsより

全天図

Posted by moonrainbow on 27.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
星空の色の分布図

星の色の分布図のプレビュー版
星の色の分布図のプレビュー版。青い波長と赤い波長の観測データの差を模式的に表したもの。中央が天の川の中心で、左右が銀河面(天の川の流れに沿った向き)。(提供:ESA/Gaia/DPAC/CU5/DPCI/CU8/F. De Angeli, D.W. Evans, M. Riello, M. Fouesneau, R. Andrae, C.A.L. Bailer-Jones、以下同)

位置天文衛星「ガイア」が観測した10億個以上の星の色をもとに作成された、全天図のプレビュー版が公開されました

2013年12月に打ち上げられたヨーロッパ宇宙機関の位置天文衛星「ガイア」は、2014年6月から観測データを集め続けており、恒星の位置と動きを記した史上最大かつ最も詳しいカタログの作成を目指しています。ガイアは星の色も観測しており、そのデータは星の内部構造や化学組成、進化などに関する多くの疑問を解決するために重要なものとなります

星の色の観測結果は2回目のデータリリースとなる2018年4月に最高レベルの解像度のフルカラーマップとして公開される予定になっており、そのプレビュー版が公開されました。2014年7月から2016年5月までに得られた1860万個の明るい星の初期データに基づくもので、それぞれの点で観測されたすべての星の色の中間値が示されています

星の個数密度マップ
星の個数密度マップ。明るいところほど密度が高い。中央右下の白い部分は大小マゼラン雲。

主に天の川の中心付近(図の中央)に見られる最も赤い領域は、星の個数密度を示した図の暗い領域に対応しています。この方向では大量の塵が星の光を一部隠しており、とくに青い波長の光が減ってしまうため、同領域が赤っぽく見える「赤化」現象が起こっています。個数密度が小さいのも赤化が起こるのも塵の影響による見かけ上のもので、実際に星数が少なかったり赤い星の割合が多かったりするわけではないのです

2016年9月に発表されたガイアの初カタログは、各星の観測を平均70回行うことになっている5年間のミッションで収集されるデータ総量の4分の1以下を基にしたものです。その時点ですでに11.4億個の星の明るさと位置を前例のない正確さで示すものだったが、星の色に関する情報は含まれていなかったのです。その後の観測を経て、今回のプレビュー版に見られるような恒星の色の推定値が得られるようになってきています

2018年発表されるデータには、星の明るさや位置だけでなく色の情報も含まれ、さらに長年待ち望まれていた恒星の視差と固有運動の推定値もあります。このデータによって天の川銀河の秘密が掘り下げられ、組成や形成、進化などをかつてないレベルで調べることが可能になるでしょう

2017年8月21日
AstroArtsより
 

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