ハンバーガー原始星

Posted by moonrainbow on 21.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
アルマ望遠鏡がとらえた「ハンバーガー原始星」

アルマ望遠鏡とヨーロッパ南天天文台のVLTでの観測データを合成した画像
原始星HH 212の分子分布。(a)アルマ望遠鏡とヨーロッパ南天天文台のVLTでの観測データを合成した画像。(b)原始星を取り巻く塵の円盤のクローズアップ画像。(c)円盤の上空部分に複雑な有機分子が分布している様子を表した画像。緑がCH2DOH、青がメタンチオール、赤がホルムアミドの分布(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/Lee et al.、以下同)

アルマ望遠鏡の観測で、「ハンバーガー原始星」を取り囲む複雑な有機分子の分布と噴き出しているガスのジェット回転がとらえられました

オリオン座の方向1300光年彼方にある原始星HH 212は、4万歳と生まれたばかりの星で、太陽(46億歳)よりもきわめて若い天体です。星の周囲を塵の円盤が取り巻いているが、地球から観測するとこの円盤を真横から見る角度になっており、しかも中心に暗い筋が入っているため、まるでハンバーガーのように見えるのが特徴です

台湾中央研究院天文及天文物理研究所のChin-Fei Leeさんたちの研究チームは、この「ハンバーガー原始星」をアルマ望遠鏡で観測し、原始星を取り囲む複雑な有機分子の分布と、噴き出しているガスのジェットが回転していることを発見しました。いずれの発見もアルマ望遠鏡の高い解像度によって得られた成果です

複雑な有機分子は、生命の起源に関連するかもしれないアミノ酸の材料にもなりうる物質だが、これがHH 212を取り囲む円盤の上空に存在していることが発見されました。アルマ望遠鏡による観測で原始星の周囲に複雑な有機分子が検出された例はこれまでにも何度かあったが、原始星の周りのどのあたりに分布しているかが画像としてとらえられたのは今回が初めてです。星や惑星が作られていく過程で、生命の材料になりうる分子がどこでどのような化学反応を経て作られるのか、という謎に迫る上でこの発見は重要な意味を持ちます

また、HH 212は非常に細く絞られた高速のジェットを噴き出していることで有名ですが、このジェットの根元を詳しく観測したところ、ジェットが回転していることも明らかとなりました。原始星ジェットはこれまでにも様々な望遠鏡で観測されてきたが、これほど高い解像度で観測されたのは今回が初めてです

アルマ望遠鏡がとらえたHH 212の塵円盤とジェット
HH 212のジェット。(a)アルマ望遠鏡がとらえたHH 212の塵円盤(オレンジ)とジェット(緑)。(b)ジェットの中で観測者に向かってくる動きの成分を青、遠ざかる成分を赤で示した画像。ジェットが赤と青にわかれていることは回転を示す

星はガスや塵が集まることで誕生するが、その元となるガス雲はわずかに回転しており、ガスや塵が中心に集まるにつれてその回転は速くなります。回転が速くなると遠心力も強くなり、ガスや塵が内側に落下できなくなるが、これでは星が成長することができなくなるため、実際には何らかのメカニズムによって回転の勢いが抜き取られていると考えられてきました

その原因として、噴き出すガスのジェットが有力とされていたが、これまでジェットの回転ははっきりととらえられていなかったのです。今回の発見は、ガスがどのように原始星に降り積もるのか、という星の誕生に関する長年の謎を解く手がかりとなります

2017年7月7日
AstroArtsより

オリオン座分子雲のリボン状の構造

Posted by moonrainbow on 15.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
オリオン座分子雲中に長さ50光年のアンモニアのリボン(Green Bank Observatory)

オリオン座分子雲中のアンモニアのリボン状構造
GBTがとらえたオリオン座分子雲中のアンモニアのリボン状構造(提供:GBO/AUI/NSF)

米・グリーンバンク電波望遠鏡の観測で、オリオン座分子雲中に伸びるアンモニアでできたリボン状の構造がとらえられました

米・グリーンバンク電波望遠鏡(GBT)がオリオン座分子雲中の北に当たる「オリオン座A分子雲領域」を観測し、アンモニア分子が発するかすかな電波を検出して、リボンのように伸びる長さ50光年の星生成ガスの姿をとらえました

直径100mのGBTでは「グールド・ベルト」として知られる巨大な構造に含まれる、アンモニアなどの分布図を作るプロジェクトを行っている。グールド・ベルトとは、天の川銀河内に約3000光年にわたって広がる、明るい大質量星が集まった領域のことです。今回の観測データはプロジェクトの最初の成果で、オリオン座A分子分領域やおうし座、ペルセウス座、へびつかい座の領域の観測成果となっています

アンモニア分子を調べると、星生成ガスの温度や動きがわかる。「これらの観測データを使って、天の川銀河内にある大きなガス雲がどのように崩壊して新しい星を生むのかについての理解を深めたいと思います。最新データは、あるガス雲やフィラメント状のガスが安定して永続するのか、あるいはガス雲の崩壊が進んで新たな星が誕生しているかどうかを判断するうえで、きわめて重要です」(カナダ・トロント大学ダンラップ研究所 Rachel Friesenさん)

2017年6月21日
AstroArtsより

人類は宇宙でも火を手に入れる

Posted by moonrainbow on 29.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
NASAが3度目の火災実験を実施

人類は宇宙でも火を手に入れる

2016年から宇宙で火を起こす実験を行なっているNASAは、2017年6月4日に3度目の火災実験SAFFIRE-IIIを実施しました。国際宇宙ステーションISSの無人補給機であるシグナス内で行われる火災実験は、無重力での火の動きの研究、火災発生対策のため行なわれ、今後のあらゆるミッションに役立つ非常に大切な実験となっています
【画像】NASAが公開した1回目の実験での火の動きの様子

実験内容はとてもシンプル。ISSから打ち出されたシグナス内で、20分間燃焼させるというもの。NASAは現在詳細な実験データを地上で受信中。今後、実験結果が発表されることでしょう

宇宙での火災は地上以上に危険な事故となります。宇宙船は非常に狭いうえ、酸素を行き渡らせる換気装置が火災を増長させます。しかも宇宙飛行士は外に脱出することは不可能。ということで、NASAの研究者たちが無重力下での火の動きを知り、対策を練るために大事な実験です

SAFFIRE実験責任者のDavid UrbanさんはNASAの公式リリースで、「実際の火を使った研究を行なえるSAFFIRE実験は、低重力・密閉空間での火の動きの習性を知るうえで有益な実験です」と述べています

Saffire-I Experiment Burns in Space



こちらの動画はNASAが公開した1回目の実験での火の動きの様子です

今回の実験でSAFFIREミッションは一旦終了する予定。NASAによれば、2019年には次のステップへと移るとのこと。Urbanさんは、「次のSAFFIRE-IVからVIは、より大規模な火災実験、さらに消火システムのテストを実施することになるでしょう」と説明しています

数十万年前に原始人が火を使い始め、進歩してきた人類。今、我々は宇宙で火を手に入れようとしています

Image: NASA
Source: NASA, YouTube

2017b年6月13日
ギズモード・ジャパンより

「共生星」と呼ばれる変光星「みずがめ座R星」

Posted by moonrainbow on 15.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
共生する不安定な星「みずがめ座R星」

みずがめ座R星
みずがめ座R星。X線(青)と可視光線(赤)の観測データを合成(提供:X-ray: NASA/CXC/SAO/R. Montez et al.; Optical: Adam Block/Mt. Lemmon SkyCenter/U. Arizona)

生物学で「共生」とは、2つの生物が相互関係を持ちながら共に生きることを指す言葉です。天文学でも同様に、「共生星」と呼ばれる種類の天体があります。そのなかの一つが変光星「みずがめ座R星」です

みずがめ座R星は地球から約710光年の距離にある天体で、約1000年ほど前にはすでに明るさが変わる星であることが知られていました。その正体は単独の星ではなく、密度が高く小さな白色矮星と低温の赤色巨星のペアです

このうち赤色巨星は「ミラ型変光星」というタイプの長周期変光星で、星全体が周期的に膨れたリ縮んだりすることによって250倍も明るさが変化します。白色矮星の明るさはその1万分の1ほどしかないのです。表面温度も、赤色巨星が3000度、白色矮星は2万度と大きく異なります

また、質量は白色矮星がやや軽い程度ですが、白色矮星のほうが圧倒的に小さいため、表面での重力は強くなります。その結果、赤色巨星の外層が白色矮星に引っ張られ表面に積もっていきます。そして白色矮星の表面に十分な量の物質が降着すると、水素の熱核融合が引き起こされて新星爆発が起こります。爆発によって星の外層は時速数千万km以上の速度で吹き飛ばされ、エネルギ―と物質が宇宙空間に放出されます

こうした新星爆発は繰り返し起こります。1073年に起こった爆発は韓国の「高麗史」に客星の出現として記録が残されているほか、南極の氷にも情報が刻まれています。さらに1770年代初めに起こった爆発の跡は、画像中の赤いリングとしてとらえられています

1999年にX線天文衛星「チャンドラ」が打ち上げられて以降、みずがめ座R星はX線でも継続的にモニター観測されるようになり、画像(青色)に見られるような上方左へと延びるX線ジェットの存在が明らかになりました。X線は衝撃波で発生しているようです。さらに、2000年、2003年、2005年にはジェット中に変化が見られており、X線を放射する塊が星から時速220万kmと300万kmの速度で離れていったこともわかっています。これらの塊は1950年代と1980年代に起こった、エネルギーの低い爆発で作られたらしいと計算されています

2007年に米・ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのJoy Nicholsさんたちの研究チームが、みずがめ座R星で新しいジェットを検出した可能性を報告しました。これは2000年代初めに別の爆発が起こったことを示唆しています。エネルギーの比較的低い、まだよくわかっていない爆発現象が数十年毎に繰り返し起こっているとすると、そのような爆発が次に起こるのは、10年以内ということになります

一方で、みずがめ座R星が周期的に新星爆発を起こす反復新星だとすれば、肉眼でも見えるほど明るくエネルギーの高い新星爆発が再び起こるのは(前々回が1073年、前回が1773年ごろなので)2470年ごろということになる。共生星みずがめ座R星の不安定な関係の性質は、今後の継続的なX線観測などで理解されていくことでしょう

2017年6月9日
AstroArtsより

フォーマルハウト(Fomalhaut)

Posted by moonrainbow on 29.2017 宇宙   0 comments   0 trackback
彗星同士の衝突で作られたフォーマルハウトの環

フォーマルハウトを取り巻く環
アルマ望遠鏡(オレンジ)とハッブル宇宙望遠鏡(青)で撮影した、フォーマルハウトを取り巻く環。ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた可視光線での写真は、星の周りを鮮明に写し出すために「コロナグラフ」を使って星の光を隠している(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), M. MacGregor; NASA/ESA Hubble, P. Kalas; B. Saxton (NRAO/AUI/NSF))

みなみのうお座の1等星フォーマルハウト(Fomalhaut)を取り巻く環の全体像がアルマ望遠鏡によって観測されました。環は彗星同士の衝突で作られたものと考えられています

アルマ望遠鏡による観測で、25光年彼方に位置するみなみのうお座の1等星フォーマルハウトを取り巻く環の全体像が描き出されました。アルマ望遠鏡は2012年にもフォーマルハウトを撮影していましたが、そのときには環の半分しか観測されていなかったのです。今回の完全な環の画像は、単に美しいだけでなく、化学的な特徴が太陽系の彗星と似ていることも示唆しています

フォーマルハウトの年齢は4億歳ほどで、太陽よりはずっと若いものの、やや進化が進んだ星です。こうした大人の星を取り巻く塵の環(デブリ円盤)は、これから惑星ができていく現場ではなく、ある程度出来上がった惑星系の外縁部で彗星や小天体が互いに衝突したあとの塵でできていると考えられています

今回の観測とコンピュータモデルの解析から、この環がフォーマルハウトから約200億kmの距離にあり、幅は約20億kmであることがわかりました。また、詳細な環の形状や、細い環が惑星の重力の影響下で作られたことが確認されたのです

さらに、環の中でも星から遠い位置が明るく輝くという理論的に予測されていた現象が初めて確認されました。天体の周囲を楕円軌道で回る物体は、星から最も遠い場所ではゆっくりと動くが、フォーマルハウトの環の場合も、星から遠い場所では塵の公転速度が落ちるため、塵が渋滞し、密度が高くなることで強い電波を出しているのです

「環の様子を驚くほど鮮明に写し出すことができました。形がより良く見えたことで、環に影響を及ぼす惑星系について多くのことを知ることができるのです」(米・ハーバード・スミソニアン天体物理学センター Meredith MacGregorさん)

一方で、分子ガスが放つ電波に注目すると、一酸化炭素ガスが塵の環と同じ場所に分布していることもわかりました。「新しいデータによって、フォーマルハウトの一酸化炭素と二酸化炭素を合わせたガスの相対存在量が、太陽系の彗星における値と似ていることがわかりました。フォーマルハウト惑星系の外縁部と太陽系で、彗星の形成条件が似ていた可能性を示すものです」(英・ケンブリッジ大学 Luca Matràさん)

ガスの起源については、たくさんの彗星の衝突が断続的に起こったことによって供給された、あるいはヘール・ボップ彗星の何百倍も大きな巨大彗星の衝突が一度だけ起こったことによって供給された、という2つの可能性が考えられています

太陽系ではおよそ40億年前の「後期重爆撃期」に、太陽系形成時に作られてその時期まで残っていた大量の小惑星や彗星が、すでに形作られていた地球やほかの惑星に雨のように降り注いだと考えられています。フォーマルハウトの周りにこれほどはっきりとした環があり、その組成が太陽系と似ているということは、後期重爆撃期と同じような現象がフォーマルハウトの周りで起こっているのかもしれないのです

2017年5月22日
Astro Artsより
 

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