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ビッグバン後の暗黒時代、従来説より短い可能性

Posted by moonrainbow on 02.2022 宇宙の誕生   0 comments   0 trackback
ビッグバン後の暗黒時代、従来説より短い可能性 ウェッブ観測

ビッグバン後の暗黒時代
巨大銀河団エイベル2744(パンドラ銀河団)の外側領域で観測された、二つの最遠方級の銀河「GLASS-z10」(中央上の写真)と「GLASS-z12」(同下)。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡に搭載の近赤外線カメラNIRCamで撮影(2022年11月17日公開)。

宇宙で最初の銀河は、これまで考えられていたよりもはるかに早期に形成された可能性があるとする研究が発表された。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope)の観測結果に基づくもので、初期宇宙に関する天文学者らの理解を塗り替える可能性がある

 英学術誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ(Astrophysical Journal Letters)」に発表された2本の研究論文によると、7月のウェッブ運用開始後数日間に収集されたデータに基づき、非常に明るく、非常に遠方にある銀河が二つ記録されていたことを確認した。

 これらの銀河が極めて大きな光度を持つことは、二つの興味深い可能性を示している。

 一つは、現在の銀河と同様、低質量星を多数有する非常に大質量の銀河である可能性だ。そうすると銀河の形成は、138億年前に宇宙が誕生したビッグバン(Big Bang)から1億年後に始まったと考えられる。

 これは、「宇宙の暗黒時代(星や銀河などの光を放つ天体が存在しない時代)」が終わった時期に関して、現在支持されている説よりも1億年早い。

 もう一つは、これらの銀河が「種族III」の星で構成されている可能性だ。種族III星は、まだ観測されたことのない仮説上の天体で、水素とヘリウムだけでできており、それより重い元素が存在する前の時代の恒星として存在すると推定されている。

 種族III星は極めて高温で非常に明るく燃焼するため、種族III星で構成される銀河は、ウェッブで観測された明るさを説明するのに、それほど大質量である必要はなく、形成の始まりはそれほど早くなかった可能性があると考えられる。

 米カリフォルニア大学サンタクルーズ校(University of California at Santa Cruz)のガース・イリングワース(Garth Illingworth)氏は、「われわれが目の当たりにしているのは、これほど初期の時代の、非常に明るく、非常に大光度の銀河で、ここで何が起きているのかについては全く不明だ」と記者会見で述べた。

 今回発見された二つの銀河は、ビッグバンから約4億5000万年後と約3億5000万年後に間違いなく存在していたことが明らかになった。後者の銀河「GLASS-z12」は、観測史上最も遠方の星光を示している可能性がある


2022年11月26日
AFPより

宇宙最初の星々「ファーストスター」

Posted by moonrainbow on 05.2022 宇宙の誕生   0 comments   0 trackback
宇宙最初の星は「ひとりっ子」で誕生する

ファーストスター形成
ファーストスター形成への磁気流体効果の影響(図の左右は、数値シミュレーションで磁気流体効果を無視した/考慮した計算の違い。磁気流体効果を計算した右側の結果では、星周ガスの分裂が抑制されて、ただ一つのファーストスターが誕生する。)

宇宙最初の星々「ファーストスター」が誕生する際、磁場強度が指数関数的に強くなるために星周円盤の分裂が抑制され、大質量のファーストスターが「ひとりっ子」で誕生することが磁気流体シミュレーションで示された

初期宇宙に誕生した第一世代の星々である「ファーストスター」がどのような天体なのかを明らかにするため、数値シミュレーションを用いて誕生の様子を再現する理論的研究が行われてきた。近年ではファーストスター形成における磁場の影響に注目が集まっているが、これまでのシミュレーションでは星の周りの磁場を無視する簡単化が行われていたため、厳密性に欠けていた。

東京大学の平野信吾さんと九州大学の町田正博さんの研究チームは、ファーストスターの表層から星が生まれるガス雲までを空間分解する高精度な磁気流体シミュレーションを行って、ファーストスター形成における新たな磁場増幅機構を発見した。

まず、誕生間もないファーストスターの回転により、ファーストスターに突き刺さる磁力線が巻き上げられて磁場が強まる。その後、星周囲のガスの回転によって増幅した磁場が外側へと伝搬することで、強磁場領域が徐々に拡大する。ファーストスターが誕生する初期宇宙の磁場強度は現在の宇宙と比べて10桁以上低く極めて微弱なものだが、今回発見した増幅機構が働くことで磁場は指数関数的に15桁ほど増幅するという


磁場強度分布の変化
磁場強度分布の変化
シミュレーションで示された磁場強度分布の変化。(左)原始星形成時、(中央)10年後、(右)1000年後。高密度領域では磁場強度が15桁にもわたり指数関数的に増幅し、時間の経過とともに強磁場が低密度領域(星形成領域の外側)へ広がっていく(提供:九州大学リリース、以下同)

これまでの数値シミュレーションでは、星周ガスの回転が速く、星周円盤が分裂して複数の小質量ファーストスターが誕生すると考えられていた。しかし、今回の磁気流体シミュレーションで現れた磁場増幅メカニズムを考慮すると、強磁場による磁気ブレーキ効果によってファーストスターを取り囲む星周ガスの回転が弱まる。すると、円盤分裂が抑制されるため小質量ファーストスターは誕生せず、大質量のファーストスターが「ひとりっ子」として誕生することが示された

赤道面の密度分布の比較
流体・磁気流体シミュレーションの比較
原始星形成後1000年の、赤道面の密度分布の比較。(左)流体シミュレーション、(右)磁気流体シミュレーション。流体シミュレーションでは小質量のファーストスターが複数誕生し、磁気流体シミュレーションでは大質量ファーストスターが1つだけ誕生する

従来の数値シミュレーションで示されていた小質量ファーストスターは、宇宙年齢である138億年以上の寿命を持つため、天の川銀河に存在するはずだが観測で見つかっていない。今回、小質量ファーストスターは誕生しないことが示され、この観測的問題も解決した。

本研究はファーストスター形成における磁気流体効果の重要性を明確にするものであり、同時に形成シナリオの再構築を促すものである。平野さんたちは、今回発見した磁場増幅メカニズムが初期宇宙における他の天体や大質量ブラックホールにおいても起こることを確認している。今後は星形成仮定の物理条件を変え、今回発見した影響がどこまで普遍的なものかを検証する予定だ


2022年8月26日
AstroArtsより

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が観測した、最も遠いところにある銀河「GLASS-z13」

Posted by moonrainbow on 22.2022 宇宙の誕生   0 comments   0 trackback
135億年前の銀河か ウェッブ宇宙望遠鏡

135億年前の銀河
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が観測した、最も遠いところにある銀河「GLASS-z13」とみられる画像。デンマーク・コペンハーゲン大学ニールス・ボーア研究所提供)。

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope)が捉えた画像に写っている銀河は、135億年前のものかもしれない──。米航空宇宙局(NASA)が一連の画像を公開して1週間後の19日、データを分析した研究者がAFPに明らかにした

 ハーバード大学天体物理学センター(Harvard Center for Astrophysics)のローハン・ナイドゥ(Rohan Naidu)氏はAFPに、「GLASS-z13と呼ばれる銀河は、ビッグバン(Big Bang)から3億年後のもので、これまでに確認されている銀河よりおよそ1億年古いとみられる」と話した。

「私たちが目にしているのは、人類が見た中で最も遠いところから届いた星々の光である可能性がある」

 GLASS-z13は宇宙誕生の初期に存在したが、正確なことは分かっていない。138億年前のビッグバンの後、3億年ほどの間に形成された可能性があるとされる。現在観測できる最も初期の宇宙は、ビッグバンから約3億3000万年後のもの。

 GLASS-z13は、ウェッブ宇宙望遠鏡に搭載されている赤外線観測機能「NIRcam」で観測された。赤外線を可視スペクトルに変換すると、「ディープフィールド」と呼ばれる深宇宙領域を捉えた画像の一部に赤い固まりがあり、中央部分が白く写っていた。

 ナイドゥ氏が加わっている世界中の天文学者25人から成る研究チームは、今回の調査結果を査読前論文として科学雑誌に投稿。すでに世界中の天文学界で話題になっている。

 ナイドゥ氏は、別の天文学者チームも同じデータから同様の結論に至っているとして、「今回の発見に自信を持っている」と話した


2022年7月21日
AFP=時事より

ビックバンから5億年後の宇宙

Posted by moonrainbow on 06.2022 宇宙の誕生   0 comments   0 trackback
ビックバンから5億年後の宇宙で銀河回転のはじまりに迫る

銀河MACS1149-JD1の想像図
132.8億光年かなたの銀河MACS1149-JD1の想像図
Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)

早稲田大学、筑波大学、国立天文台および四国学院大学の研究者を中心とした国際研究チームは、132.8億光年かなたの銀河を観測し、銀河が回転している兆候を見つけました。これまでに見つかった中で、最遠方の回転円盤銀河です。その回転速度は秒速50キロメートルほどであり、天の川銀河の回転運動に比べて遅く弱々しいため、回転運動が発達していくそのはじまりをとらえたと考えられます。銀河の形成過程を理解するための大きな手がかりとなることが期待されます

私たちが住む天の川銀河は円盤状の構造をもち、その円盤は回転運動をしています。回転速度は秒速220キロメートルもあり、この猛烈な速さによる遠心力と重力がつりあって形を保っています。このような回転円盤銀河が、宇宙の歴史上いつごろできたのかということについては長年研究されてきました。最近の研究では、120億年以上前の宇宙でも、巨大な回転円盤銀河や渦巻銀河が見つかっています。一方、130億年ほど前の宇宙の銀河では、ある程度の回転運動が見られるものや、逆に回転運動がほとんど見られないものが見つかっています。銀河の回転運動の起源に迫りつつある状況でした。

最初期の銀河が回転運動をしているのかどうか調べることは、銀河の形成過程を理解するうえで重要な手がかりになります。回転運動は、例えば、お風呂の水を抜くときに、排水溝に向かう水が渦を作る様子に似ています。もし回転運動をしていれば、銀河へのガスの流入が整然として継続的にあり、その流れの中で星が生み出されて銀河が形作られたと考えられます。逆に、回転運動が無ければ、小銀河の衝突を繰り返すような激しい出来事を経て銀河が形作られたと考えられます


銀河の回転を測定する方法の解説
銀河の回転を測定する方法の解説。「光のドップラー効果」による波長のずれを測定する。
Credit: Tokuoka et al.

早稲田大学大学院先進理工学研究科修士課程2年(当時)の徳岡剛史氏と、同理工学術院の井上昭雄教授、筑波大学の橋本拓也助教、国立天文台および早稲田大学の菅原悠馬研究員、四国学院大学の清水一紘准教授らの研究グループは、人類の知る最も遠い銀河の一つである、132.8億光年かなたのMACS1149-JD1という銀河をアルマ望遠鏡で観測しました。この銀河は以前にもアルマ望遠鏡で観測されていましたが、今回の観測では空間分解能を2.5倍高めた観測を行いました。その結果、銀河内部の構造や運動を調べることが可能になり、回転運動の兆候をとらえることに成功しました。

「私はとてつもなく遠くにある銀河が、どのような姿で、どんな運動をしているのだろうと想像しながら研究していました。皆さんにも是非、そんな想像を膨らませて、わくわくしていただければと思います。」と徳岡剛史氏は語っています。また、「MACS1149-JD1の回転速度は秒速50キロメートルほどであり、後の時代の銀河や天の川銀河の回転運動に比べて弱々しいものでした。今回の観測は、銀河の回転運動が発達していくその始まりを捉えたと考えられます。」と井上昭雄教授は述べています


アルマ望遠鏡で取得したMACS1149-JD1
(左図)アルマ望遠鏡で取得したMACS1149-JD1の観測速度マップ。等高線はO2+イオンガスの明るさ分布を表し、速度測定が十分にできた領域のみ、青から赤のグラデージョンでガスの速度を表す。赤色は私たちから遠ざかる方向に、青色は私たちに近づく方向にガスが動いていることを示す。赤から青へのグラデーションが見えていることは、ガスが円盤状に回転している可能性を示す。速度の単位はキロメートル毎秒。左下の楕円は観測データの空間解像度のサイズを表す。(右図)回転速度などの物理量を導出するために作成した、速度マップに対するベストフィットモデル。
Credit: Tokuoka et al.

Toku銀河の回転運動の比較
MACS1149-JD1の回転運動と後の時代の銀河の回転運動の比較。回転速度と速度のバラつきの比が大きいほど、回転運動が支配的であることを示す。
Credit: Tokuoka et al.

さらに、MACS1149-JD1の質量についても知見が得られました。今回の観測から、MACS1149-JD1の直径は約3,000光年と測定され、回転速度の情報と組み合わせると、その質量は太陽の約10億倍と推定されました。これは、以前にMACS1149-JD1のスペクトルの概形と光度から推定された質量と一致しています。当時、この質量の大半は、観測時点からさらに2~3億年さかのぼった時期に生まれた恒星たちで担われていると結論づけられています。つまり、MACS1149-JD1は、ビッグバン後2.5億年頃に形成された銀河であり、観測時点(5億年頃)には、その回転円盤を形作り始めた段階にあると言えます。

現在観測可能な最古の宇宙での銀河形成に関して、天の川銀河のような円盤銀河の誕生の瞬間に迫る成果が得られました。昨年12月に打ち上げが成功したジェームズウェッブ宇宙望遠鏡を使えば、今回とは別の波長帯のさらに高空間分解能な観測が可能です。MACS1149-JD1もジェームズウェッブ宇宙望遠鏡の初年度のターゲットとなっており、年齢3億年の若い恒星でできた回転円盤や、誕生直後の若い恒星の分布などが明らかになると考えられます。引き続き、銀河形成の全貌解明に挑んでいきます


国立天文台より
2022年7月 1日

約131億光年先で見つかった天体「GNz7q」

Posted by moonrainbow on 22.2022 宇宙の誕生   0 comments   0 trackback
約131億光年先で見つかった天体、ブラックホール急成長の謎を解く鍵となる

天体「GNz7q」
【▲ 約131億光年先で見つかった天体「GNz7q」(画像中央の赤い点)(Credit: NASA, ESA, G. Illingworth (University of California, Santa Cruz), P. Oesch (University of California, Santa Cruz; Yale University), R. Bouwens and I. Labbé (Leiden University), and the Science Team, S. Fujimoto et al. (Cosmic Dawn Center [DAWN] and University of Copenhagen))】

こちらは「ハッブル」宇宙望遠鏡が撮影した「おおぐま座」の一角です(※)。無数の銀河が散りばめられた視野の中央に、小さな赤い点のような天体が捉えられているのがわかりますでしょうか。この天体は、初期宇宙における巨大なブラックホールの謎を解明する上で重要な存在となるかもしれません

コペンハーゲン大学の藤本征史さんを筆頭とする研究グループは、約131億光年先の宇宙で塵に覆われたコンパクトな天体を発見したとする研究成果を発表しました。冒頭の画像中央に写る小さな赤い点がその天体で、研究グループからは「GNz7q」と呼ばれています。

※…画像はハッブル宇宙望遠鏡の「広視野カメラ3(WFC3)」および「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」による紫外線・可視光線・赤外線の観測データを合成して作成


■初期宇宙における超大質量ブラックホール急成長の謎を解く鍵となるか

近年では、約138億年前のビッグバンから10億年と経たない初期の宇宙において、すでに太陽数億個~十数億個分もの質量を持つ超大質量ブラックホールが存在していたと考えられています。こうした巨大なブラックホールは(宇宙の歴史としては)短期間で急成長を遂げたとみられており、天文学者たちは超大質量ブラックホールの誕生と成長の謎を解くための研究に取り組んでいます。

ブラックホールを可視光線やX線といった電磁波で直接観測することはできませんが、ブラックホールの活動にともなって放射される電磁波を観測することで、間接的に存在を捉えることができます。たとえば初期宇宙では、「活動銀河核」(AGN、狭い領域から強い電磁波を放射する銀河中心核)のなかでも特に明るい「クエーサー(quasar)」が存在していたことが知られています。クエーサーをはじめ活動銀河核の原動力は超大質量ブラックホールだと考えられていることから、その時代すでに巨大なブラックホールが誕生していたと推測できるわけです。

発表によると、クエーサーの原動力とされる超大質量ブラックホールは、塵が豊富なスターバースト銀河(爆発的な星形成活動が起きている銀河)の中心で形成され始めたと予想されています。ブラックホールが周囲の物質を取り込んで成長すると、降着円盤(らせんを描きながらブラックホールに落下していく物質でできた円盤構造)から放出されたエネルギーが周囲の塵やガスを吹き飛ばしていきます。最後には成長した超大質量ブラックホールと輝く降着円盤が銀河の中心部に姿を現し、クエーサーとして観測されるようになる、というわけです。

スターバースト銀河とクエーサーは、どちらもビッグバンから数えて7~8億年後の宇宙で見つかっているといいます。しかし、2つの天体を結びつける、超大質量ブラックホール急成長の謎を解く鍵になりそうな天体は、これまで発見されたことはありませんでした


GNz7qを描いた想像図
【▲ GNz7qを描いた想像図。スターバースト銀河の中心部分で急成長しているブラックホールが周囲の濃密な塵やガスを吹き飛ばし、クエーサーとして姿を現しつつある(Credit: ESA/Hubble, N. Bartmann)】

ハッブル宇宙望遠鏡の観測データから見つかったGNz7qを研究グループが詳しく調べたところ、この天体がビッグバンから約7億5000万年後に存在していたことがわかりました。X線から電波にかけてのスペクトル(波長ごとの電磁波の強さ)の特性からは、GNz7qがスターバースト銀河の中心部で急速に成長しているブラックホールの可能性が示されたといいます。つまりGNz7qは、これまで未発見だったスターバースト銀河とクエーサーの間の“ミッシングリンク”を埋める存在であり、超大質量ブラックホールの起源を理解する上で重要な天体かもしれないのです。

研究を率いた藤本さんは「GNz7q は、宇宙初期で見つかっている超巨大ブラックホールの先駆体だと考えられます」とコメント。GNz7qに潜む巨大なブラックホールやその母銀河の成長過程、物理的な性質をより詳細に調べるために、藤本さんは2022年夏から科学観測を始める予定の新型宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」に期待を寄せています。

また、天文学者たちは、GNz7qが発見された領域にも驚かされたといいます。

実は冒頭の画像は、初期宇宙における銀河の形成や進化の研究を目的に実施されたサーベイ観測「GOODS(Great Observatories Origins Deep Survey)」のうち、北天に設定された「GOODS-North」領域の一部を拡大したものです。GOODS-Northは天文学者たちによってよく研究されている領域のひとつであり、現時点で観測史上最遠(※)だと確認されている約134億光年先の銀河「GN-z11」もこの領域で見つかりました。

※…確認待ちの銀河候補としては「ろくぶんぎ座」の方向約135億光年先の「HD1」が2022年4月に報告されています(関連記事参照)


GOODS-North領域
【▲ ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したGOODS-North領域(左)と、GNz7qを中心とした拡大図(右)(Credit: NASA, ESA, G. Illingworth (University of California, Santa Cruz), P. Oesch (University of California, Santa Cruz; Yale University), R. Bouwens and I. Labbé (Leiden University), and the Science Team, S. Fujimoto et al. (Cosmic Dawn Center [DAWN] and University of Copenhagen))】

「GNz7qの発見は、最もよく研究されていた天域の中心で起きた出来事で、大発見がしばしば我々のほんの目の前に隠れていることを示しています」そう語るコペンハーゲン大学のGabriel Brammer(ガブリエル・ブラマー)さんは、GOODS-Northという限られた領域でGNz7qが見つかったのは単なる偶然ではないと考えています。「むしろ、このような天体の出現率は、これまで考えられていたよりもかなり高いかもしれません」(Brammerさん)
藤本さんによれば、国立天文台ハワイ観測所の「すばる望遠鏡」に設置されている「超広視野主焦点カメラ(HSC)」による観測で100個以上発見されている初期宇宙のクエーサーについても、チリの電波望遠鏡群「アルマ望遠鏡(ALMA)」やウェッブ宇宙望遠鏡による観測が予定されているといいます。GNz7qのような天体がさらに見つかれば、初期宇宙で急成長した超大質量ブラックホールを統計的に調べられるようになると藤本さんは期待しています。

〈記事中の距離は、天体から発した光が地球で観測されるまでに移動した距離を示す「光路距離」(光行距離)で表記しています〉


Image Credit: NASA, ESA, G. Illingworth (University of California, Santa Cruz), P. Oesch (University of California, Santa Cruz; Yale University), R. Bouwens and I. Labbé (Leiden University), and the Science Team, S. Fujimoto et al. (Cosmic Dawn Center [DAWN] and University of Copenhagen)

2022-04-16
Soraeより
 

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