ビッグバンからほんの8億年後の宇宙

Posted by moonrainbow on 13.2017 宇宙の誕生   0 comments   0 trackback
8億歳の宇宙のライマンアルファ銀河から探る宇宙再電離

発見された23個のライマンアルファ銀河
(小さな白い四角)発見された23個のライマンアルファ銀河、(黄色い四角)最も明るいライマンアルファ銀河2つ(提供:Zhen-Ya Zheng (SHAO) & Junxian Wang (USTC))

ビッグバンからほんの8億年後の宇宙に、小さな星形成銀河が一度に20個ほど発見されました。宇宙の再電離を引き起こした初代の銀河の多くは、さらに以前に形成されていた可能性を示す観測結果です

ビッグバンから約30万年後の宇宙は暗く、星も銀河も存在しない宇宙は中性の水素ガスで満たされていました。ある時に最初の銀河が現れ、その強い紫外線によって周囲の銀河間ガスが電離され闇が照らし出されて、宇宙の暗黒時代が終わったと考えられています

この劇的な変化はビッグバンの約3億~10億年後の間に起こったことが知られていますが、最初の銀河がいつ形成されたのかを決定するのは非常に困難です。これらの銀河から放射された紫外線は中性の銀河間ガスに強く吸収や散乱されてしまい、検出が難しいためです

中・上海天文台のZhenya Zhengさんたちの研究チームはチリのブランコ4m望遠鏡に設置されたダークエネルギーカメラ「DECam」を使って、「Lyman-Alpha Galaxies in the Epoch of Reionization:LAGER(電離時代のライマンアルファ銀河)」と名付けたサーベイ観測を実施しました。水素のライマンアルファ線で光る小さな星形成銀河が中性水素ガスに取り囲まれていると銀河は見づらいが、ガスが電離すれば銀河が検出しやすくなるので、こうしたライマンアルファ銀河の人口調査を行うことで銀河間ガスが電離された時代、ひいては宇宙初代の銀河がいつ形成されたのかを推測することができます

観測の結果、ビッグバンから8億年後の宇宙に存在していたライマンアルファ銀河の候補23個が発見されました。一度にこれほどの多くのライマンアルファ銀河が発見されたのは初めてのことです。これまで同時代に検出されていたライマンアルファ銀河の数は20個ほどだったので、今回の結果により一気に数が倍ほどに増えたことになります

一方でこの数は、ビッグバンから10億年後の宇宙に比べると4分の1でしかないのです。この結果は、宇宙の電離プロセスはもっと早い時期に始まり、ビッグバンから8億年後の時点では銀河間ガスの半分が中性で半分が電離しているという状態で電離プロセスがまだ完了していなかったことを示唆しています。「ビッグバンから8億年後の時点ですでに銀河間ガスの50%が電離していたことを発見しました。銀河間の中性水素ガスを電離させ宇宙を照らし出した初代銀河の大部分が、それ以前の時代に形成されたことを示すものです」(中国科学技術大学 Junxian Wangさん)。

2017年7月18日
AstroArtsより

大質量の円盤銀河が初期宇宙に発見

Posted by moonrainbow on 11.2017 宇宙の誕生   0 comments   0 trackback
初期宇宙に存在した星生成を止めた大質量の円盤銀河

銀河団「MACS J2129-0741」と重力レンズ効果を受けた銀河「MACS 2129-1」
銀河団「MACS J2129-0741」と重力レンズ効果を受けた銀河「MACS 2129-1」。一番下の囲みは重力レンズ効果がなかった場合の見え方(提供:Science: NASA, ESA, and S. Toft (University of Copenhagen), Acknowledgment: NASA, ESA, M. Postman (STScI), and the CLASH team)

重力レンズ効果を利用したハッブル宇宙望遠鏡による観測で、高速自転する大質量の円盤銀河が初期宇宙に発見されました

従来、遠方(初期宇宙)に存在する星生成を止めた銀河の構造は、近傍宇宙に存在する楕円銀河と似ていると考えられてきました。これを観測的に確かめるため、デンマーク・コペンハーゲン大学のSune Toftさんたちはハッブル宇宙望遠鏡を用いて、みずがめ座の方向にある銀河団「MACS J2129-0741」による重力レンズ効果で拡大された遠方の銀河「MACS 2129-1」を観測しました

さらに、ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡の観測などと合わせて、この銀河が星生成を止めた、高速自転する大質量の円盤銀河であることが明らかになりました。質量は天の川銀河の3倍もあるが大きさは半分しかなく、回転速度は天の川銀河の2倍以上速いのです。宇宙誕生の数十億年後という早い段階で星生成を止めた円盤銀河としては初の観測例となります

この結果は、初期宇宙で星生成を終えた銀河の少なくとも一部は円盤銀河であり、それが現在見られるような巨大楕円銀河へと進化したことを示す初めての観測的証拠です。「星形成が止まってしまった銀河が楕円銀河だけでなく円盤銀河であり得るという事実に気づかなかったのは、単に今までの観測では、その姿を解像することができていなかっただけなのかもしれません」(Toftさん)

MACS 2129-1で星生成が止まってしまった理由は不明ですが、銀河中心の活動的なブラックホールの影響などが考えられています

2017年6月28日
AstroArtsより

銀河「A2744_YD4」

Posted by moonrainbow on 16.2017 宇宙の誕生   0 comments   0 trackback
132億光年彼方の銀河「A2744_YD4」に酸素と塵を検出

ハッブル宇宙望遠鏡で観測された銀河団エイベル2744
銀河A2744_YD4.。ハッブル宇宙望遠鏡で観測された銀河団エイベル2744。画像中左上に銀河A2744_YD4の位置と拡大図を示す。(赤)アルマ望遠鏡によって観測された塵からの電波(提供:ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), NASA, ESA, ESO and D. Coe (STScI)/J. Merten (Heidelberg/Bologna))

アルマ望遠鏡の観測により、132億光年彼方の銀河「A2744_YD4」で、酸素と塵が放つ電波が検出されました。酸素と塵が発見された銀河の最遠方記録を約1億光年更新する成果であり、宇宙で最初の星が誕生していた時代に迫る成果です

宇宙で最初の星や銀河は、138億年前のビッグバンから数億年後に誕生したと考えられています。ビッグバン直後の宇宙には、水素とヘリウム、ごく微量のリチウムだけが存在しており、星内部の元素合成によって炭素や酸素、鉄などの重い元素が作られていきました

こうした重元素が、宇宙の歴史のいつごろからどのようなペースで銀河に蓄積されてきたのかを調べることで、宇宙最初期の星の誕生史と銀河の進化のようすを理解することが可能となり、ひいては私たちのルーツを探ることにもつながります

英・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのNicolas Laporteさんたちの研究チームは、ちょうこくしつ座の銀河「A2744_YD4」をアルマ望遠鏡で観測しました。この銀河は銀河団「エイベル2744」の方向にあり、銀河団の重力レンズ効果によって増光されているおかげで銀河の光や電波を詳しく分析するのに適しています

観測の結果、銀河中の塵と酸素が発する電波が検出されました。さらに、酸素が発する電波を詳細に分析し、A2744_YD4までの距離が132億光年であることを突き止めました。ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡「VLT」による追加観測でも距離が確認され、この銀河が確かに132億光年先に存在していることがわかったのです。この距離は、塵や酸素が検出された銀河としては従来の記録を1億光年更新する最遠方記録となります

観測された塵からの電波をもとに計算すると、A2744_YD4に含まれる塵の総質量が太陽の600万倍、星の総質量が太陽の20億倍となります。さらに、1年間で太陽20個分に相当するガスが星になっていることもわかりました。A2744_YD4における星の誕生が天の川銀河と比べておよそ10倍活発であることを示しています

塵は、星の内部で作られた元素が星の死によってばら撒かれる過程で作られる。このため、星の誕生のペース(すなわち、星の死によって塵が作られるペース)と観測された塵の総量とを比較すれば、塵が蓄積するのに必要な時間を求めることができます。観測結果によれば、A2744_YD4ではその時間は約2億年と計算されました。つまり、現在から134億年前に活発な星形成活動が始まったということを示しています。宇宙全体の歴史から見れば2億年というのはわずかな時間であるため、今回の成果は宇宙で最初の星や銀河の「スイッチが入った」時期に迫る大きな手がかりといえます

「銀河A2744_YD4は、単にアルマ望遠鏡で観測された最も遠い天体、ということにとどまりません。非常に大量の塵を検出できたことは、星の死によってまきちらされた塵による「汚染」がこの銀河の中ではすでに進んでいることを示しているのです。同様の観測を進めることで、宇宙初期の星の誕生をたどり、銀河における重元素増加の開始時期をさらに昔までさかのぼることができるでしょう」(Laporteさん)

2017年3月9日
Astro Artsより

宇宙創生のシナリオ

Posted by moonrainbow on 25.2017 宇宙の誕生   0 comments   0 trackback
さらに謎が深まった宇宙リチウム問題

宇宙における反応と今回測定した逆反応の説明図
宇宙における反応と今回測定した逆反応の説明図(提供:京都大学)

ビッグバンによる元素合成で起こる反応の一つについて確率が測定され、従来の推定値よりもずっと小さいことが明らかになりました。「宇宙リチウム問題」解決策の見直しが必要とされます

宇宙は約138億年前に起こった「ビッグバン」で誕生したと考えられています。宇宙開闢の約10秒後から20分後にかけて「ビッグバン元素合成」が起こり、水素、ヘリウム、リチウムなどの軽い元素が生成されました。こうした宇宙初期における軽元素の生成量について、観測による推定値とビッグバン元素合成の計算による予測値を比較することは、宇宙創生のシナリオを明らかにするうえで極めて重要な知見をもたらします

水素とヘリウムの同位体については、生成量の観測推定値と理論予測値がよく一致しています。しかし、リチウム同位体の一つであるリチウム7(7Li)については、観測推定値が理論予測値の約3分の1しかないという重大な不一致が知られています。この不一致は「宇宙リチウム問題」と呼ばれ、ビッグバン理論に残された深刻な問題として世界中の研究者の関心を集めています

7Liはベリリウム7(7Be)が崩壊して生成されたと考えられており、この7Beの生成量そのものを小さくしたり、7Beから7Li以外へ変わる反応を大きくしたりして、結果的に7Liの生成量を小さくする説明が試みられてきました。後者については、7Be+n→4He+4He反応(ベリリウム7と中性子から2個のヘリウム4ができる反応)が高い確率で起こるという仮説が考えられてきましたが、7Beと中性子が短寿命の不安定核であるため、その確率の測定は容易ではなかったのです

京都大学の川畑貴裕さんたちの研究グループは、逆反応である4He+4He→7Be+n反応の断面積(反応を起こす確率を表す量)を測定するという手法を用いて、7Be+n→4He+4He反応の断面積を決定することに成功しました。そして、この断面積が、これまでビッグバン元素合成の理論計算に広く用いられていた推定値より約10倍も小さい値であることを示したのです

今回の結果から、7Liの観測推定値が小さいことに対する説明として、宇宙初期における「中性子が7Beに衝突し2つの4Heに分解する反応」の寄与は非常に小さいことが明らかになりました。「宇宙リチウム問題」の有力な解決策が否定され、ビッグバン元素合成の謎はさらに深まってしまったのです

「学部生の卒業研究として実施したこの研究が、世界的に注目を集める成果として結実したことを嬉しく思います。残念ながら『宇宙リチウム問題』を解決するには至りませんでしたが、原子核反応率の見直しや標準ビッグバン模型を超える新しい物理の探索など、宇宙リチウム問題へのさらなる研究を動機づけることになると思います」(川畑さん).

2017年2月15日
Astro Artsより

126億光年彼方の宇宙

Posted by moonrainbow on 18.2016 宇宙の誕生   0 comments   0 trackback
126億光年彼方の宇宙で成長中の小さな銀河

126億光年彼方の宇宙
54個の銀河のうち、2個の小さな銀河が衝突しているように見える例(提供:愛媛大学、以下同).

126億光年彼方の宇宙にある若い銀河の形を詳細に観測し、コンピュータシミュレーションの結果と合わせて調べたところ、1個に見える銀河のいくつかは実際には2個以上の小さな銀河の集まりと考えても説明できることが明らかになりました。初期宇宙で小さな銀河が衝突して星を活発に形成し、大きな銀河へと育っていく途上を見ているものと思われます

誕生から138億年が経過した現在の宇宙には、天の川銀河のような巨大銀河がたくさん存在しています。しかし、宇宙誕生直後からこのような巨大銀河があったわけではないのです。銀河の種(冷たいガス雲)ができたのは宇宙年齢が2億歳から3億歳の頃で、大きさは現在の銀河の100分の1程度、質量は100万分の1程度でした。その中で、宇宙の「一番星」が生まれた時が銀河の誕生です。その後、小さな銀河の種は周囲にあった同様の種と合体し成長してきたと考えられていますが、これまで銀河の成長の様子を詳しく見ることはできていなかったのです

愛媛大学などの研究者からなるチームは、すばる望遠鏡の主焦点カメラSuprime-Camを使って126億光年彼方の銀河を多数発見し、その形をハッブル宇宙望遠鏡(HST)で詳細に調べました。すると、54個の銀河のうち8個は、2個の小さな銀河が衝突しているように見えることがわかりました

さらに、残る46個の若い銀河には少し細長い形をしているものが多いことに気づき、これらはHSTでも分解できないほど小さい2個の銀河同士が近づいているものではないかと考えてコンピュータシミュレーションを行いました。すると、シミュレーションの結果と観測結果が見事に一致しました。この結果は、2個の小さな銀河が近づいていたために1個の銀河に見えていたという解釈を支持するものです。また、1個に見えるものは銀河同士の距離が近いため、銀河衝突の影響で星形成が活発である可能性が高いはずと予測されますが、これも観測から予測どおりであることが明らかになったのです

126億光年彼方の宇宙1
1個の細長い銀河に見える例

これまでにも若い銀河の形はHSTで調べられてきましたが、1個に写っているものは1個の銀河であると断定して解析が進められてきました。しかし今回の研究から、HSTでも分解できないくらい小さな2個以上の銀河が衝突しつつある姿が見えてきたのです。既存の世界最高レベルの望遠鏡をもってしても到達できない観測分野については、口径30m望遠鏡(TMT)やジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による新たな深宇宙探査が待たれるところです

2016年3月10日
Astro Artsより
 

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