地球から最も近く、地球に似た惑星ーー生命体がいるかも:
地球と同様の、地上があり海が存在し、平均気温は0~40度で
今の人間が住める環境がある。
それが、
ーーー「グリーゼ581c」(Gliese 581 c)ーーー
「グリーゼ581c」は12カ国の共同研究機関ヨーロッパ南天天文台(ESO)のスイス・フランス・ポルトガルの科学グループによって発見されました。2007年4月25日に発表されたこの星は、地球のある太陽系から20光年もはなれていますが、地球に似ていて、水や生きものが存在する可能性あるのではないかと注目されています。
生きものが存在するためには、地球のように、太陽からちょうどいい距離のところを回っていることが必要です。このように、生きものが存在するのにちょうどよい温度になるところをハビタブル・ゾーンと言います。

太陽系のハビタブル・ゾーン
今回、発見されたグリーゼ581cは、グリーゼ581という恒星の周りを回る惑星で、ちょうど、グリーゼ581のハビタブル・ゾーンにあるのです。だから、グリーゼ581cには生きものが存在するのではと期待されています。
何故、20光年はなれた惑星「グリーゼ581c」のことがわかったのか。
グリーゼ581cは、ヨーロッパ南天天文台(ESO)が、南アメリカのチリにあるラ・シーヤ天文台で発見さされ、20光年もはなれているので、惑星の形が見えるわけではありません。ここの望遠鏡には、HARPS(高精度)視線速度系外惑星探査装置という光のわずかな変化を分析する装置がついています。
まず、恒星グリーゼ581の光が観測されました。そして、その光がほんの少しだけぶれていることを、HARPSで発見したのです。その光(のぶれは、グリーゼ581の周りを回わっている惑星があることを意味しています。恒星に惑星が存在すると、その惑星の重力に恒星が引っ張られて、観測される光がぶれます。まわりを回る惑星が小さいほど、恒星のぶれも小さくて観測が難しいが、HARPSはそれを見つけました。そして、惑星グリーゼ581cが発見された。

ラ・シーヤ天文台の望遠鏡とHARPSが恒星からの光を観測
・惑星をもたない恒星の光はぶれない。
・惑星をもつ恒星の光はその惑星の重力の影響でぶれる。
恒星グリーゼ581は、太陽の3分の1の大きさで、惑星グリーゼ581cは、直径が地球の約1.5倍の密度が地球と同じだとすると、重さは5倍ほどの惑星だということがわかっています。惑星グリーゼ581cに水や生きものが存在しているかどうかはわかっていませんが、恒星グリーゼ581のハビタブルゾーンにあることはわかっているので、地球のような生きものがいるかもしれない、となったのです。
監修=川崎青少年科学館学芸員 国司真
国立天文台 広報室
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Wikipediaによると

写真はWikipediaより
グリーゼ581c(Gliese 581 c)は、太陽系から約20光年離れた、赤色矮星グリーゼ581の周囲を公転する太陽系外惑星。この星系の惑星としては2番目に発見され、内側から数えても第2惑星にあたる(惑星数は2008年現在3個発見されている)。
発見時は、ハビタブルゾーン内の軌道を持つ可能性が高く、生命が存在する事が可能な表面温度(推定0~40 ℃(32~104 °FF))を持つ岩石型の惑星(地球型惑星)と期待されていた。しかし、2007年12月にドイツとフランスの研究グループが独立に発表した2つの論文によると、ハビタブルゾーンより主星に近いところを公転していることが判明した。 その後2008年には、仮にこの惑星の表面が75%以上の水の雲に覆われているならば、表面には液体の水が存在できる、とする論文が発表された。
アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計や将来の大型天文装置によって、この星の詳細な分光観測やイメージングが可能になるかもしれない。
現在の無人探査機で到達しようとすると30万年程度の期間が必要になる。

グリーゼと比較した地球
グリーゼ581cが地球と同じような組成で出来ていると仮定した場合、直径は地球の約1.5倍、表面の重力は地球の2.2倍と推定される。
また惑星質量が地球の5倍以上と、太陽系の地球型惑星と比較してやや大きい為、グリーゼ876dと同じくスーパーアース(Super Earth; 巨大地球型惑星)に分類される。
写真と記事はWikipediaより