科学者が予測する10の宇宙終焉説
人類のこれまでの科学技術を持ってしても、宇宙は壮大すぎてその全てをはかり知ることはできません。宇宙のはじまりはもちろん、宇宙に終わりはくるのか?それはいったいどのようにして訪れるのだろう?宇宙の終わり方に関してもいくつもの説があります。
我々が存命中は知ることのできないであろう宇宙の終わり。科学者たちが予測する10の宇宙終焉説を見てみると。
1.ビッグ・クランチ(Big Crunch)
宇宙誕生の最も有力な説はビッグバンです。宇宙誕生の際、ビッグバンは膨大なエネルギーを放ち、気の遠くなるような年月を経て我々の知る銀河系を作りました。ビッグ・クランチは簡単に言えばビッグバンの真逆の現象です。
ビッグ・クランチ説によると、ビッグバンの際に放たれたエネルギーはやがて宇宙全体の「重力」によってその拡大が減速し、引っ張られ、徐々に収縮していくのだというのです。この仮説によれば、最終的に宇宙全体は目に見えない程の点に押し込められ、終わってしまうそうです。
The Big Crunch Theory HDしかし、最近ではこの説は懐疑的な見方をされることが多いのです。近年発表された研究によると「宇宙の拡大が減速するどころか、その拡大が加速度的に速くなっている」からです。
2.熱的死
熱的死とは「宇宙の拡大により惑星同士の空間が広がり、惑星や宇宙の持つ熱量は何時か尽きる」と言う事です。
私達の世界は熱力学によって動いていて宇宙も例外ではないのです。熱力学によると、熱というエネルギーは最終的に平衡し、それぞれの空間に均等に行き渡るそうです。つまり、宇宙という空間が広がり続ける限り、宇宙全体の温度は徐々に下がり始めるという事です。星や惑星は熱という輝きを失い、宇宙全体は平衡という終わりを迎えるであろうという理論です。
3.ブラックホールによる熱的死
ブラックホールにより宇宙全体が飲まれてしまう可能性があるというのです。ブラックホール同士が衝突した際、小さい方のブラックホールが大きい方に飲み込まれ、更に巨大なブラックホールを形成されます。次第に巨大化していくブラックホールは宇宙全体を飲みこみ、彼らは死に際に「
ホーキング輻射」という放射反応を起こします。そして宇宙が終るとき、「ホーキング輻射」だけが残る空間が出来上がるというのです。
4.時の終わり
全てが有限だとしても時だけは続いてほしいものですが、時が有限だとしたら?科学者達によれば、数々の終焉説を数学的・科学的に見た場合、「時が有限でなければ」説明出来ない理論もあるのだというのです。
「ある日突然時が止まり、世界の全てが永遠に停止する日がくるかも知れない。」というのがこの説です。もしこの現象を体験する日が来ても、私達はそれに気づく事さえ出来ないのです。
5.ビッグ・バウンス(Big Bounce )
ビッグ・バウンスはビッグ・クランチと同様、重力により宇宙が一つの点に戻ってしまうという説ですが、ビッグ・バウンスはビッグ・クランチよりも少しだけ救いがあります。
宇宙が一つの点に押し込まれてしまった場合、その反動でまた新たなビッグバンが起きるの可能性があるというのです。宇宙の終焉ではなく、また一から繰り返すのです。もしかしたら私たちの居る宇宙もその一つで、今この宇宙が400個目の宇宙なのかもしれないのです。しかし今、それを確かめるすべはないのです。
6.ビッグリップ(Big Rip)
宇宙の終わりを説明するのに、科学者達はとかく「ビッグ」という言葉を使いたがります。宇宙の膨張が加速度的に速くなっている事は周知の事実ですが、仮に「この加速度が持続した場合、宇宙全体の物質がそれに耐えきれず裂けて(リップ)してしまうのかも知れない」というのが、この仮説です。
The Big Rip Theory - a theory of the end of the universe based on its increasing expansion rate7.偽の真空から真の真空への相転移(バキューム・メタスタビリティー事象)
この仮説は「宇宙そのものが不安定な状態である」という所から始まります。科学者達によれば、宇宙に存在する粒子の幾つかは「生まれながらに不安定」なのだというのです。
仮にこれらの粒子が宇宙のどこかで安定状態となった場合、宇宙空間に突然大きな「泡」のような空間が生じる事になります。泡の内部は安定した空間ですが、我々が存在する「泡の外」にとっては全く別次元の空間なのです。
泡内部の粒子が安定すると、不安定な粒子世界に生きる我々にとって「未知の領域」に突入することとなります。この泡は光の速さで広がり、瞬きをするよりも早く私たちの星を飲み込んでしまうかもしれないのです。
8.時の壁(タイムバリア)
仮に
多元宇宙論が本当だとすれば、避けて通れないのは「永遠の時間」という問題です。多元宇宙論によると、全ての現象が起こる可能性は100%です。これは私たちの宇宙に起こらなくとも、別の宇宙で起こっているからです。そうした場合、時が終る可能性は0になってしまいます。
この可能性を数学的に計算するべく、科学者等は動きました。そして科学者等が導き出した仮説は、「多元宇宙論を用いた場合、時間はある日突然終わる」という恐ろしいものです。それは拡大しすぎた無限の宇宙による、物理的な「時の壁」です。
9.宇宙は終わらない(複数の宇宙が存在するから)
仮に我々の宇宙がビッグ・クランチ、熱的死、ブラックホール、時の終わり、ビッグ・バウンス、ビッグリップなどで終わりを迎えたとしても宇宙は終わらないのです。なぜならそれは、我々の宇宙は無限に存在するうちの一つでしかないからです。
10.エターナル・ユニバース(永遠の宇宙)
「宇宙はこれまで通りに、そしてこれからも、そうあり続ける。」
宇宙誕生仮説の中には「ビッグバンは二つの宇宙膜(ブレーン)が衝突した事によって生じた現象である」という説があります(これらの膜は我々の三次元・四次元よりも、より高い次元で存在しています)。この説では、宇宙は広がり続け、終わる事はないのです。
via:
listverse・原文翻訳:riki7119
カラパイアより
2014年05月01日