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天の川銀河の中心領域の星

Posted by moonrainbow on 21.2019 天の川   0 comments   0 trackback
天の川銀河の中心領域の「80億歳以上の多数派」と「10億歳未満の少数派」の星

天の川銀河の中心付近
パラナル天文台の超大型望遠鏡(VLT)によって赤外線で観測された天の川銀河の中心付近。近赤外線の3つの波長(1250nm、1635nm、2150nm)にそれぞれ青、緑、赤を割り当てて着色したもの(Credit: ESO/Nogueras-Lara et al.)

私たちが住む天の川銀河の中心部分には、1立方光年(一辺が1光年の立方体)あたり1000から10万の恒星が密集して存在しています。その大半が80億年以上前に誕生した古い星であり、10億年ほど前まで星があまり形成されない時期があったとする研究成果が発表されました

■中心領域にある星の8割が80億年以上前のスターバーストで形成されていた

今回、Francisco Nogueras-Lara氏(マックス・プランク天文学研究所、研究当時はアンダルシア天体物理学研究所)らの研究チームは、ヨーロッパ南天天文台(ESO)に所属するパラナル天文台(チリ)の「超大型望遠鏡(VLT)」に設置された赤外線観測装置「HAWK-I」を使って、天の川銀河の中心付近、直径1000光年の範囲に観測される星々の年齢を調べました。

分析の結果、天の川銀河の中心領域にある恒星の80%以上が、およそ135億年前から80億年前に起きたスターバーストで形成された古い星々であることが判明しました。この時期には太陽の重さにして毎年100個分の恒星が誕生するかたわらで、「10万回以上の超新星爆発がもたらされたはずだ」とNogueras-Lara氏は語ります。

いっぽう、残る恒星の一部は、およそ10億年前から1億年前ほどの間に起きた小規模なスターバーストによって形成されたとみられています。つまり、天の川銀河の中心領域にある恒星は、「80億歳以上の多数派」と「10億歳未満の少数派」に分かれていることになります。

多数派と少数派の星々がそれぞれ誕生した時期の間には60~70億年ほどのギャップがありますが、この期間は星があまり生み出されない停滞期だったものとみられています。太陽系はおよそ46億年前に誕生したと考えられていますが、その頃の天の川銀河の中心付近は、2つのスターバーストにはさまれた穏やかな時期を迎えていたことになります


■天の川銀河中心付近の歴史に再考を迫るか?

milkyway.jpg
天の川銀河の想像図。今回研究されたのは中心付近の直径1000光年ほどの狭い範囲(円盤部全体の直径の1%)に観測される恒星。中心の右上から左下にかけて棒状の構造が伸びている様子も描かれている(Credit: NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (SSC/Caltech))

これまでの研究では、天の川銀河の中心領域にある恒星は数十億年かけて徐々に形成されたと考えられてきました。天の川銀河の中心には太陽400万個分の重さを持つ超大質量ブラックホール「いて座A*(エースター)」の存在が確実視されていますが、いて座A*も銀河中心の星形成と足並みをそろえるように、徐々に成長してきたものと思われていました。

ところが、今回の観測結果は、およそ80億年前から10億年前までの間に星形成が停滞した時期があったことを示唆しています。このことから、いて座A*は80億年前にはすでに現在と同程度の質量に達するほどの急成長を遂げていた可能性が出てきました。

また、棒渦巻銀河に分類される天の川銀河の中心付近には、渦巻腕(銀河の円盤部にある恒星の集まり)をつなぐようにした棒状の構造が存在するとみられています。このような棒状の構造は、銀河の中心付近へと効率的にガスを送り込む役割を果たしていると考えられてきました。

しかし、数十億年に渡る星形成の停滞期を明らかにした今回の観測結果は、棒状の構造が「(天の川銀河では)最近出現したか、従来考えられていたほどガスを送り込む役割を果たしていないかのどちらか」(Nogueras-Lara氏)を示唆するといいます。

銀河の円盤部に位置する地球から銀河の中心方向を観測しようとすると、円盤部に存在する塵が妨げとなります。塵は可視光線(人の目に見える光)を遮りますが、赤外線などを利用することで、塵を見通して中心方向を観測することが可能となります。

6万平方光年の範囲にある300万個の恒星を赤外線によって観測することで得られた今回の研究成果は、天の川銀河の中心付近がどのような歴史をたどってきたのか、その再考を迫るものとなりそうです


Image Credit: ESO/Nogueras-Lara et al.

2019-12-17
Soraeより

超高速移動する恒星「S5―HVS1」発見

Posted by moonrainbow on 23.2019 天の川   0 comments   0 trackback
1億年後、銀河系外へ 

超高速で移動する恒星の想像図
超高速で移動する恒星の想像図(画像右の大きな青い星)。連星が銀河系の中心にある巨大ブラックホール(画像左の光に包まれた黒い点)に接近した際、片方の恒星だけはじき出されたという(スウィンバーン・アストロノミー・プロダクションズ提供)

 銀河系(天の川銀河)を時速約600万キロの超高速で移動している恒星を発見したと、米カーネギーメロン大などの国際研究チームが2019年11月14日までに英王立天文学会月報に発表しました

銀河系の中心にある巨大ブラックホールに、互いに回り合う連星が接近した際、片方の恒星が猛烈な重力の影響ではじき出されたと考えられ、約1億年後には銀河系の外へ飛び出すという事です。

 この恒星「S5―HVS1」はオーストラリアにある口径3.9メートルのアングロ・オーストラリアン望遠鏡で発見された。銀河系を高速で移動する恒星はこれまでも見つかっていますが、つる座の方向、2万9000光年先と近かったため、欧州の天文衛星ガイアなども使って詳細に観測。その結果、約500万年前に銀河系の中心付近からはじき出されたとみられることが分かりました。 

 この恒星はかつてはもう一つの恒星とペアの連星だったと考えられます。ブラックホールに近づいた際、猛烈な重力で相手の星を取られる一方、自らは回転運動の勢いが増し、秒速1800キロ近いスピードではじき出された可能性が高いという事です


2019年11月14日
時事通信より

天の川(銀河系)の中心部

Posted by moonrainbow on 04.2019 天の川   0 comments   0 trackback
電波望遠鏡で描き出す銀河系の中心部

銀河系の中心

私たちの銀河系の中心部では何が起きているのでしょうか?

地球から銀河系の中心を可視光で見ようとしても、星間塵(宇宙塵、宇宙空間にある微粒子)が光を遮ってしまうため観測は困難です。しかし電波のように他の波長の光を使うと観測することができ、さらにその活動的な様子も見えてきます。

この画像は南アフリカに完成した電波望遠鏡「MeerKAT」が観測した電波画像です。MeerKATでは直径13.5メートルのアンテナ64台を連携させ(アレイと呼びます)、天体から来る電波をキャッチしています。この画像がカバーする範囲を地球から観測すると、夜空に満月を4個ほど並べたくらいの大きさに相当。電波が強いところを明るい色で表現していますが、詳しく見るとさまざまな形・強弱があることがわかります。この領域には過去に他の望遠鏡でも観測した天体がありますが、MeerKATアレイによりそれらも含めて非常に詳細・鮮明に映し出されているのです。

よく知られている天体は画像中で「Sgr A(いて座A)」などとして示されています(「Sgr」はいて座(Sagittarius)のことで、私たちの銀河系の中心はいて座の方向にあるため、このような名前がついています)。画像中心の右側に示された「Sgr A」は銀河系の中心にある超大質量ブラックホールを宿しています。その他、中央から左側にかけて弧を描いた「アーク(Arc)」と呼ばれる構造や多数のフィラメントのようなものが見えますが、それらの電波源についてはまだよくわかっていません。

MeerKATが目指す観測対象は他にもあり、はるか昔(宇宙の年齢が若いころ)に放出された中性水素からの電波放射や、遠く離れた天体から短時間に電波が放射される「高速電波バースト」も含まれています。これからの成果が楽しみです


Image: MeerKAT, SARAO

2019/10/27
Soraeより

天の川銀河のガス

Posted by moonrainbow on 24.2019 天の川   0 comments   0 trackback
天の川銀河ではガス支出よりも収入が多い

ガスの出入りの観測の概念図
天の川銀河におけるガスの出入りの観測の概念図。クエーサーの光が銀河円盤から遠ざかるガスの中を通るとスペクトル中の吸収線が赤い方向にずれ、銀河円盤に近づくガスの中を通ると吸収線が青いほうにずれる。画像クリックで表示拡大(提供:NASA, ESA, and D. Player (STScI))

天の川銀河から出ていくガスの量と入ってくるガスの量のバランスは釣り合っておらず、入ってくるほうが多いことが、ハッブル宇宙望遠鏡による10年間の観測データから明らかにされました

天の川銀河では超新星爆発や激しい恒星風によって、ガスが銀河円盤から銀河を取り囲むハローへと出ていく。そのガスは銀河円盤へと戻ってきて、新しい星の材料となる。こうしたガスのリサイクルは数十億年以上にわたって繰り返されてきました。

米・宇宙望遠鏡科学研究所のAndrew Foxさんたちの研究チームは、このリサイクルの仕組み全体を理解する目的で、ハッブル宇宙望遠鏡が10年間で取得した紫外線観測データを分析しました。

ガス雲そのものを観測することはできないが、はるか遠方のクエーサーからやってくる光がガス雲を通過すると、光のスペクトル中に吸収線という特徴が表れます。銀河円盤から遠ざかるガス雲を通り抜けた光の場合、吸収線の波長は赤いほうにずれ、反対に銀河円盤へと近づくガス雲を通り抜けた場合は波長は青いほうにずれる。この情報を手掛かりとして、Foxさんたちはガス雲の存在とその動きを調べました。

その結果、天の川銀河におけるガス雲は、出ていく量よりも入ってくる量のほうが多いことが明らかになりました。「バランスが取れているという結果が得られると予測していたのですが、支出よりも収入のほうが多いようです」(Foxさん)。

入ってくる量のほうが多い原因はわかっていないが、銀河間空間からガスがやってきているのかもしれません。あるいは、天の川銀河の周辺に存在する矮小銀河からガスを奪っている可能性もあります。また、今回の研究は銀河全体を対象としているが温度の低いガスしか見ておらず、温度が高いガスのことを考慮する必要もあるかもしれないのです。

「天の川銀河を詳しく調べることは、宇宙に存在する他の銀河を理解するための基礎になります。今回私たちは、天の川銀河が想像以上に複雑なことを認識しました」(独・ポツダム大学 Philipp Richterさん)


2019年10月18日
AstroArtsより

超高速度星「PG 1610+062

Posted by moonrainbow on 17.2019 天の川   0 comments   0 trackback
銀河を高速で駆け抜ける”超高速度星”は未発見の天体が弾き出した?

天の川銀河のハローにある超高速度星「PG 1610_062」の想像図
天の川銀河のハローにある超高速度星「PG 1610+062」の想像図

ハワイのマウナケア山にあるW.M.ケック天文台は2019年9月9日、超高速度星「PG 1610+062」の起源に迫ったAndreas Irrgang氏らの研究成果を紹介しました。研究結果は論文にまとめられ、8月6日付でAstronomy and Astrophysicsに掲載されています

■超高速度星は銀河中心のブラックホールが撃ち出している?

近年、他の恒星と比べて非常に速く運動する超高速度星(Hyper Velocity Stars:HVS)が幾つか見つかっています。1秒間に数百kmという高速で移動することになった原因として考えられているのが、天の川銀河の中心に存在が確実視されている超大質量ブラックホール「いて座A*(エースター)」です。

過去の研究におけるシミュレーションでは、太陽の400万倍もの重さを持った超大質量ブラックホールに連星が近付くと、片方の恒星がブラックホールに破壊され飲み込まれてしまういっぽうで、もう片方の恒星はエネルギーを得て加速されます。こうして生き残った恒星はブラックホールの重力を逃れるだけでなく、銀河系を脱出できるほどの高速を獲得する可能性が示されました


実際に超高速度星が見つかるとともに、超大質量ブラックホールの存在もより確かになっていきます。「超高速度星は超大質量ブラックホールに飲み込まれた連星の生き残り」という仮説は、他に超高速度星をうまく説明できる仮説がなかったこともあり、自然と受け容れられていきました

■PG 1610+062が出発した場所は銀河の中心部ではなかった

天の川銀河を飛び出すPG 1610_062のイメージ図
天の川銀河を飛び出すPG 1610+062のイメージ図

今回Irrgang氏らの研究チームは、W.M.ケック天文台のケック望遠鏡や、アストロメトリ(位置天文学)に特化した欧州宇宙機関(ESA)の宇宙望遠鏡「ガイア」の観測データを使い、天の川銀河のハロー(銀河円盤を球状に取り囲む銀河の一番外側の構造)にあるPG 1610+062を詳しく調べましました。

かつてPG 1610+062は太陽の半分の質量を持つ、ハローではよく見られる古い恒星と考えられていました。ところが、ケック望遠鏡の観測データを分析したところ、実際の質量はその10倍ほど(太陽の4~5倍)もある、若くて青いB型の恒星であることがわかりました。さらに、ガイアの観測データを分析したところ、PG 1610+062は秒速510~590kmで放出された超高速度星であることも判明します。

問題は、その出発地点でした。現在の移動速度や方向からPG 1610+062が放出されたのが天の川銀河のどこだったのかを遡って調べた結果、いて座A*があるとされる銀河中心部ではなく、そこから離れた円盤部にある渦状腕のひとつ(いて・りゅうこつ腕付近)だったのです。

つまり、これまでの定説に反して、PG 1610+062は超大質量ブラックホール以外の何かによって加速を受けたことになります。連星の片方が超新星爆発を起こすことで高速移動を始める恒星もありますが、ここまで加速させることはできません


■原因は中間質量ブラックホールだった?

さまざまな可能性を検討した末に研究チームが導き出したのは、未発見の「中間質量ブラックホール」との相互作用によって弾き出されたとする結論でした。中間質量ブラックホールとは、超新星爆発で誕生する恒星ほどの重さの「恒星質量ブラックホール」と、銀河中心にあるような「超大質量ブラックホール」の中間にあたる質量を持ったブラックホールです。

中間質量ブラックホールは渦状腕にある若い星団などに存在するとみられていますが、いまだ検出には至っていません。しかし、中間質量ブラックホールの存在を仮定しない限り、渦状腕から秒速550km前後の速度でPG 1610+062が放り出されるとは考えられないといいます。

超高速度星によって中間質量ブラックホールの存在を間接的に示した今回の研究成果。Irrgang氏によると、天の川銀河内に存在が予想されるこの中間質量ブラックホールを巡り、「発見するための競争がすでに始まっている」とのことです


Image Credit: A. IRRGANG, FAU

2019/9/10
Soraeより
 

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