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天の川銀河の円盤に見られる歪み

Posted by moonrainbow on 15.2020 天の川   0 comments   0 trackback
天の川銀河の歪みの原因は矮小銀河の衝突かもしれない

横から見た天の川銀河のイラスト
銀河の中心部にはバルジと呼ばれる膨らみがあり、太陽は銀河中心から約2万6000光年の距離にある。銀河の外縁部には、星の分布が上下にやや反り返っている歪みが見られる。今回の研究では、銀河中心から約5万2000光年までの範囲にある太陽周辺の星々の運動データが主に使われた。右上は天の川銀河を真上から見た図(提供:Stefan Payne-Wardenaar; Inset: NASA/JPL-Caltech; Layout: ESA)

位置天文衛星「ガイア」のデータ解析から、天の川銀河の円盤に見られる歪みは、過去に矮小銀河と衝突した痕跡である可能性が示されました

私たちの天の川銀河は円盤状の棒渦巻銀河だが、その銀河円盤は完全に平らではなく、片側がやや上に反り返り、もう一方の側はやや下向きに反り返るという歪み(warp)を持っていることが1950年代から知られている。また、この歪みの位置は、回転するコマの首振り運動のような「歳差運動」と呼ばれる動きによって、円盤の中を徐々に移動していることがわかっている。

天の川銀河の歪みの原因については、これまでに様々な理論が提案され、議論が続いている。たとえば、銀河間の磁場によって引き起こされているという説や、天の川銀河を包み込むように存在するハローのダークマター(暗黒物質)が不均一な分布をしているために、その重力の影響で銀河円盤が曲げられるという説などだ。


伊・トリノ天文台のEloisa Poggioさんたちの研究チームは、ヨーロッパ宇宙機関の位置天文衛星「ガイア」が観測した天の川銀河の星のデータに着目した。2018年に公開されたガイアの第2期データ(Gaia Data Release 2; DR2)には17億個以上の星の位置や運動の情報が含まれている。研究チームではその中から約1200万個の巨星をピックアップし、これらの巨星の動きから、円盤の歪みの歳差運動を詳しく解析した。

その結果、歪みの位置が歳差運動で銀河円盤の中を一周するのにかかる時間は約6億~7億年であることが明らかになった。これは太陽が天の川銀河の中を公転する時間(約2億2000万年)より3倍ほど長いが、円盤の歪みが銀河間磁場で生じるという説やダークマターハローの不均一な重力で引き起こされるという説から予想される速度と比べると、はるかに速いものだった。

このことから研究チームでは、銀河円盤の歪みはもっと強力な作用、たとえば天の川銀河に他の銀河が衝突するといった現象が原因で生じたと考えている。

天の川銀河の周囲にはたくさんの小さな銀河が周回していて、過去に天の川銀河と衝突を起こしたと推定されているものもあるが、今のところ、いつ、どの銀河が衝突して天の川銀河の歪みが作られたのかはまだわからない。

その候補の一つと考えられているのは「いて座矮小銀河」だ。2018年に発表された別の研究では、やはりガイアDR2のデータの分析から、いて座矮小銀河が過去に天の川銀河の円盤を何度か突き抜けたことがあり、徐々に天の川銀河と合体しつつある途中の段階にあるらしいことが示されている(参照:「数百万個の星の動きに残る天の川銀河の過去」)


ガイアDR2の観測データから描いた天の川銀河
ガイアDR2の観測データから描いた天の川銀河。中央の赤色の楕円の位置に、いて座矮小銀河が存在する(提供:ESA/Gaia/DPAC, CC BY-SA 3.0 IGO)

2013年に打ち上げられたガイアは現在も観測を続けており、今年中に第3期、2021年後半には第4期のデータ公開が予定されている。これらのデータによって、天の川銀河のさらなる謎が解かれることを世界中の研究者が期待している

2020年3月9日
AstroArtsちょり

小惑星「パラス」

Posted by moonrainbow on 17.2020 天の川   0 comments   0 trackback
まるでゴルフボール。小惑星パラスの激しい衝突の歴史が明らかに

小惑星「パラス」
【▲超大型望遠鏡(VLT)によって撮影された小惑星「パラス」。右は北半球、左は南半球を写したもの(Credit: ESO/M. Marsset et al./MISTRAL algorithm (ONERA/CNRS))】

火星と木星の公転軌道のあいだに位置する小惑星帯。そのなかでも最大の小惑星である「パラス」(直径およそ510km)表面の詳細な様子が、今回初めて明らかになりました。数多くのクレーターに覆われたその表面は、激しい衝突が繰り返されてきた歴史を物語っています

■傾いた軌道が速度差をもたらし、パラスに激しい衝突の痕跡を残させた

画像は、Michaël Marsset氏(マサチューセッツ工科大学、アメリカ)らの研究チームがヨーロッパ南天天文台(ESO)の「超大型望遠鏡(VLT)」によって撮影したパラスの表面。右はパラスの北半球、左は南半球を写したものとなります。表面の1割以上が衝突クレーターに覆われている様子をMarsset氏は「ゴルフボールのようだ」と表現しています

パラスは1802年の発見から今年で218年を迎えるものの、その表面や形成史には謎が多く残されています。研究チームはパラスの表面が目立つクレーターだらけになった理由を探るために、パラス、準惑星「ケレス」(小惑星帯最大の天体)、小惑星「ベスタ」(パラスに次ぐ大きさを持つ)を対象に、過去40億年間に渡る他の天体との衝突の様子をシミュレートしました。

その結果、パラスは傾きの大きな楕円軌道(軌道傾斜角34.8度、軌道離心率0.23)を描いているために、ケレスやベスタよりも直径の大きなクレーターが形成されやすいことが示されました。軌道が傾いているパラスは小惑星帯の平均的な軌道に対して「水平方向」だけでなく「上下方向」にも大きく移動しながら横切ることになるため、他の天体との相対速度が大きくなりやすく、同じ重さの小天体が衝突するときの運動エネルギーもケレスやベスタより大きくなるのがその理由です


■17億年前の大規模な衝突がパラス族の小惑星を生み出したか

今回の観測によって、パラスの赤道に沿うように巨大な衝突地形が存在することと、南半球に明るいスポットのような場所がみられることも判明しました。

巨大な衝突地形については、シミュレーションの結果から、およそ17億年前に直径20~40kmの小惑星が衝突した際に形成されたと推測されています。このとき飛び出した破片によって、パラスに似た傾いた軌道を持つ「パラス族」と呼ばれる複数の小惑星が誕生したとみられています。

また、南半球の明るいスポットは、NASAの無人探査機「ドーン」の観測によってケレスの表面に見つかった、炭酸塩鉱物のような物質に由来するのではないかと研究チームは考えています。その理由としてMarsset氏は、「ふたご座流星群」の母天体(流星のもとになる塵を放出した天体)とみられる小惑星「ファエトン」(フェートン)の名を挙げています。

ふたご座流星群として地球の大気圏に突入する塵には、他の流星群よりもナトリウムが豊富に含まれていることが知られています。このことから、ふたご座流星群の母天体であるファエトンはナトリウムを含む炭酸塩鉱物に富んでいるとみられていますが、ファエトンはパラスを母体とするパラス族小惑星のひとつであり、もともとはパラスの一部だったとも考えられています。今回観測された明るいスポットはパラスにおいて炭酸塩鉱物の鉱床が表面に露出している可能性を示すとともに、パラスとファエトンのつながりをも示すものと言えるかもしれません。

ファエトンは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が現在検討を進めている深宇宙探査技術実証機「DESTINY+」によって、接近観測を行うことが計画されている小惑星でもあります。Marsset氏は、パラスにおける塩鉱床の形成を検証するにあたり、DESTINY+によるファエトンの観測に期待を寄せています


深宇宙探査技術実証機「DESTINY_」の想像図
【▲JAXAが検討中の深宇宙探査技術実証機「DESTINY+」の想像図(Credit: JAXA/カシカガク/Go Miyazaki)】

Image Credit: ESO/M. Marsset et al./MISTRAL algorithm (ONERA/CNRS)

2020-02-12
Soraeより

天の川銀河を取り巻くハロー

Posted by moonrainbow on 03.2020 天の川   0 comments   0 trackback
天の川銀河のハローに潜む想像以上に高温のガス

渦巻銀河「NGC 5746」)
銀河を取り巻く高温ガスの観測例(おとめ座の方向約9500万光年彼方の渦巻銀河「NGC 5746」)。NASAのX線天文衛星「チャンドラ」の観測でとらえられた高温ガス(青)が銀河円盤の上下に広がっている(提供:(X線)NASA/CXC/U. Copenhagen/K.Pedersen et al;(可視光線)Palomar DSS)

天の川銀河を取り巻くハローには温度が異なる3つのガス成分が存在し、そのうちの1つはこれまで考えられていたよりも10倍も高温であることがX線観測で明らかになった。ハローの化学組成が予測とは異なることも示されている

銀河の周囲には、星やガス、ダークマターで構成されている巨大な球状構造「ハロー」が存在している。ハローは銀河と銀河間空間とをつないでおり、銀河の進化に重要な役割を果たしていると考えられている。

これまで、銀河のハロー内には、銀河の質量によって決まる温度が単一の高温ガスが含まれていると考えられてきた。しかし、米・オハイオ州立大学のSanskriti Dasさんたちの研究チームが行った、ヨーロッパ宇宙機関のX線観測衛星「XMMニュートン」による観測から、天の川銀河のハローが、温度の異なる3種類のガス成分で構成されていることが明らかになった。そのうち最も高温のガスは、これまで考えられてきたよりも10倍も温度が高い。ハローが温度の異なるガスで構成されていることが明らかになったのは、天の川銀河以外の銀河を含めて、初めてのことだ


ハローの温度分布を示すイラスト
ハローの温度分布を示すイラスト。中心の濃い緑色の部分は天の川銀河を、その周囲のエメラルドグリーン・黄・緑はそれぞれ温度が異なるガス成分を表す(提供:ESA)

「ハローのガスの温度は1万~100万度の範囲と考えられてきましたが、天の川銀河のハロー内のガスの中には1000万度に達するものもあることが明らかになりました。どのようにしてハロー内のガスがこれほどの高温になったのかはわかっていませんが、天の川銀河の円盤構造から吹く風によるものかもしれません」(Dasさん)。

今回の研究でDasさんたちは、非常に活動が活発で強力なエネルギーを持つ遠方銀河の中心核である「ブレーザー」からの光を利用した。50億光年彼方のブレーザーから届いたX線が天の川銀河のハローを通過すると、そのX線中にハロー内のガスの特徴に関する情報が含まれる。「ブレーザーの光を分析し、特定の温度にしか見られない特徴をもとにしてガスの温度を決定することができました」(オハイオ州立大学 Smita Mathurさん)。

また、天の川銀河のハローに含まれる元素の比率は太陽の元素比と似ていると考えられてきたが、今回の研究により予想よりも鉄や酸素が少ないことが示された。「実ににエキサイティングで予想外の結果でした。天の川銀河がどのように進化してきたかについて、まだまだ学ぶべきことが非常に多いということです」(Dasさん)。

今回発見された天の川銀河のハロー中の超高温ガス成分は過去に観測例がなく、これまでの分析で見落とされてきた可能性も考えられる。天の川銀河で観測される物質の量が理論予測よりもはるかに少ないという「ミッシングバリオン問題」の理解につながる成果となるかもしれない


2020年1月23日
AstroArtsより

天の川銀河の中心に天体「G3」「G4」「G5」「G6」を発見

Posted by moonrainbow on 27.2020 天の川   0 comments   0 trackback
天の川銀河の中心にある「G2」に似た天体を複数発見、合体した連星の可能性

「G2」などの天体を描いた想像図
超大質量ブラックホール「いて座A*」(中央)を周回する「G2」などの天体を描いた想像図。ガスや塵に囲まれるようにして連星が合体してできた恒星が存在すると考えられている(Credit: Jack Ciurlo)

天の川銀河の中心に存在が確実視されている超大質量ブラックホール「いて座A*(エースター)」の周囲には、幾つもの恒星やガス雲が存在しています。今回、2014年にいて座A*に接近したガス雲の正体が合体した連星であると提唱する研究チームによって、これに似た天体が新たに4つ発見されました

■ブラックホールに接近しても生き延びた「G2」はガスをまとった恒星か

2005年、Andrea Ghez氏(カリフォルニア大学ロサンゼルス校:UCLA)らの研究チームは天の川銀河の中心に変わった性質を持つ天体を発見し、「G1」と名付けました。2012年には、ドイツの研究チームがG1に似た天体「G2」を発見しています。

G1やG2の正体はガス雲ではないかと考えられていました。G2は2014年にいて座A*へと最接近した際に、太陽の400万倍の質量を持つブラックホールの強い重力がもたらす潮汐力によって長く引き伸ばされており、いずれブラックホールに飲み込まれていくだろうとも予想されました。

ところが、G2はブラックホールへの最接近後も存続しており、現在では接近前のようにコンパクトな天体に戻ったことが観測されています。単純なガス雲のようでいて、恒星のような性質も示すG2の正体については、研究者のあいだでも議論が続いています。

今回、Anna Ciurlo氏(UCLA)や前述のGhez氏らの研究チームは、20年に渡り蓄積された観測データを分析することで、G1やG2に似た4つの天体「G3」「G4」「G5」「G6」を発見しました。研究チームは、いて座A*を100年から1000年ほどの周期で公転するこれらの天体がただのガス雲ではなく、その内部に「連星が合体してできた恒星」が隠れているのではないかと考えています。

2014年にいて座A*へと最接近した際、G2のガスは大きく引き伸ばされたことが確認されたものの、G2に含まれる塵はガスほど大きくは引き伸ばされませんでした。「何かがG2をコンパクトなサイズに保っている」(Ciurlo氏)ことこそが、内部に恒星が存在することの証拠であると研究チームは捉えています。

2つの恒星が互いに周回し合う連星は、宇宙においてありふれた天体です。Ghez氏は、超大質量ブラックホールの周囲では強い重力によって連星の合体が促進されるのではないかと考えており、連星が合体する現象は意外とありふれた出来事かもしれないと語っています


G1からG6までの軌道を示した図
G1からG6までの軌道を示した図。中央の白十字がいて座A*の位置を示す。銀河の中心付近では連星の合併が比較的ひんぱんに起きているのかもしれない(Credit: Anna Ciurlo, Tuan Do/UCLA Galactic Center Group)

Image Credit: Jack Ciurlo

2020-01-17
Soraeより

天の川銀河は115億年前に別の銀河と合体

Posted by moonrainbow on 22.2020 天の川   0 comments   0 trackback
天の川銀河と「ガイア・エンケラドス」の衝突は115億年以上前に起きていた

別の銀河と衝突する天の川銀河の想像図
別の銀河と衝突する天の川銀河の想像図(Credit: V. Belokurov (Cambridge, UK and CCA, New York, US) based on the image by ESO/Juan Carlos Muñoz)

私たちが住む天の川銀河は、100億年ほど前に別の銀河と合体したことが近年明らかになっています。今回、南天のある恒星を詳しく調べたことにより、その衝突時期がおよそ115億年より前だったとする研究成果が発表されました

■インディアン座の恒星から銀河の衝突時期を推定

星々の動きを精密に観測するESA(欧州宇宙機関)の宇宙望遠鏡「ガイア」の観測によって、天の川銀河は今からおよそ100億年前、研究者から「ガイア・エンケラドス(Gaia-Enceladus)」などと呼ばれる別の小さな銀河と衝突・合体したことが最近になって明らかになりました。

衝突と合体が天の川銀河にどのような影響を及ぼしたのかをより正確に理解するには、その時期を絞り込む必要があります。そこでBill Chaplin氏(バーミンガム大学)らの研究チームは、およそ94光年先にあって肉眼でも見える南天の恒星「インディアン座ニュー星」に注目。この星の年齢、化学組成、移動する速度や方向などを詳しく調べました。

過去の研究においてインディアン座ニュー星の年齢は90億歳以上と推定されていましたが、今回の分析の結果、誕生からおよそ110億年が経った古い星であることが判明。また、この星はもともと天の川銀河を取り囲むハロー(銀河ハロー)で誕生したものの、ガイア・エンケラドスとの衝突による影響を受けた結果、ハローから離れて移動するようになったこともわかりました。

衝突の影響が広がる期間を考慮した上で、研究チームは、初期の天の川銀河とガイア・エンケラドスが衝突・合体したのは115億年前から132億年前のあいだだったと推定しています。宇宙が誕生したのが約138億年前とされていますから、ガイア・エンケラドスとの衝突は天の川銀河の歴史でもかなり初期の頃に起きていたことになります


■系外惑星だけじゃないTESSの活躍

系外惑星探査衛星「TESS」による南天の観測範囲の一部
系外惑星探査衛星「TESS」による南天の観測範囲の一部。青い丸のなかにインディアン座ニュー星が位置する。左下は天の川(Credit: J. T. Mackereth)

今回の研究を支えたデータは、前述の宇宙望遠鏡ガイアをはじめ、ESO(ヨーロッパ南天天文台)の観測装置「HARPS(高精度視線速度系外惑星探査装置)」や、NASAの系外惑星探査衛星「TESS」の観測によって得られています。

このうち2018年に打ち上げられたTESSは、太陽に比較的近い恒星を巡る太陽系外惑星を探すために2年間で全天の観測を行うミッションを遂行中。今回の研究では2018年7月から約1年かけて実施された南天の観測データが用いられています。

TESSの観測データからは4億年近く離れた銀河で恒星がブラックホールに引き裂かれる際の明るさの変化が見つかったり、およそ4700年前に北極星だった「トゥバン(りゅう座アルファ星)」が食連星(食変光星)だったことが判明したりしており、系外惑星以外の分野でも活躍する探査衛星として注目されています


Image Credit: V. Belokurov (Cambridge, UK and CCA, New York, US) based on the image by ESO/Juan Carlos Muñoz

2020-01-14
Soraeより
 

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