天の川銀河は典型的な銀河?

Posted by moonrainbow on 06.2017 天の川   0 comments   0 trackback
天の川銀河は典型的な銀河ではないかもしれない

天の川銀河に似た銀河の例
天の川銀河に似た銀河の例(提供:Sloan Digital Sky Survey)

天の川銀河は私たちが宇宙で最もよく研究してきた銀河です。従来は典型的な銀河だと考えられてきましたが、そうではないのかもしれないのです

天の川銀河には周りを回っている小さな伴銀河が数十個存在しています。これらの伴銀河を調べると、天の川銀河そのものについても理解が深まります

米・イェール大学のMarla Gehaさんたちの研究チームは5年前から、天の川銀河に似た約100個の銀河の伴銀河を調べるサーベイ「SAGA(Satellites Around Galactic Analogs)」プロジェクトを実施しています。その初期成果から、明るさや環境などが天の川銀河に似た銀河の伴銀河の多くで、活発な星形成が進んでいることがわかりました。天の川銀河の伴銀河ではほとんど星形成が不活発であることと大きく異なります

「私たちは天の川銀河とその伴銀河を、ダークマターや宇宙論、星形成や銀河形成など、あらゆる研究のために利用しています。しかし、そのガイドとなるべき天の川銀河が、典型的な銀河ではない可能性が出てきました」(Gehaさん)

とはいえ、これまでのところSAGAでは8個の銀河しか調べられておらず、決定的な結論を導くにはサンプル数が少なすぎます。今後2年間で25個の銀河が調べられることになっており、より詳しいことがわかってくるだろう。「今後SAGAによって、銀河の形成とダークマターの性質に関する、新しく重要な情報がもたらされることでしょう」(米・スタンフォード大学 Risa Wechslerさん)

「天の川銀河が独特な存在のか、それともいたって普通の存在なのかの答えを知りたいと思っています。天の川銀河に似た銀河とその伴銀河の研究から、天の川銀河に関する知識がさらに増えるのです」(Gehaさん)

2017年9月27日
AstroArtsより

天の川銀河の物質の半分は別の銀河から

Posted by moonrainbow on 14.2017 天の川   0 comments   0 trackback
天の川銀河の物質の半分は別の銀河からやってきた

天の川銀河のような渦巻き銀河「M101」
天の川銀河のような渦巻き銀河「M101」(提供:NASA)

スーパーコンピューターによるシミュレーションから、天の川銀河の物質の半分は遠い銀河からやってきたらしいことが示されました。私たちの体の一部も銀河外物質からできているのかもしれないのです

米・ノースウェスタン大学のDaniel Anglés-Alcázarさんたちの研究チームがスーパーコンピューターで銀河形成のシミュレーションを行い、銀河を作る物質の流れを追ったところ、天の川銀河などを構成する物質の半分は「銀河間の物質輸送」によって外からやってきたらしいことが示されました

小さい銀河で発生した超新星爆発で銀河のガスが吹き飛ばされ、そのガスが銀河風に乗って大きい銀河へと到達するという過程を経て物質の移動が起こるというのです。銀河同士は遠く離れているため、銀河風が秒速数百kmで広がっていくとしても物質の移動には数十億年もの時間がかかります

Animation of the intergalactic transfer of gas



小さい伴銀河から大きい天の川銀河へと物質が運ばれる様子を示したシミュレーション動画。緑の丸が伴銀河からのガス移動を表す(提供:Daniel Anglés-Alcázar, Northwestern University)

「銀河がどのように形成されたのかに関する理解を一変させる結果です。太陽系や地球、私たちひとりひとりを含め身の周りにある原子の半分は、天の川銀河固有のものではなく、最大で100万光年離れた銀河からやってきたことを示唆しています」(ノースウェスタン大学 Claude-André Faucher-Giguèreさん)。「私たちの起源は、思っていた以上に天の川銀河とは縁が薄いものなのです。反対に、身の周りのものと遠い天体との間のつながりを感じさせてくれる結果でもあります」

「私たちを作る物質のうちどれくらいが他の銀河からやってきたのかを考えれば、私たちは『宇宙の旅人』あるいは『銀河外からの移住者』と言えるかもしれません」(Anglés-Alcázarさん

2017年8月3日
AstroArtsより

天の川銀河の超高速星の起源

Posted by moonrainbow on 08.2017 天の川   0 comments   0 trackback
天の川銀河の超高速星は大マゼラン雲からの逃亡者

大マゼラン雲内の活発な星生成領域から逃げ出す暴走星の想像図
大マゼラン雲内の活発な星生成領域から逃げ出す暴走星の想像図(提供:Amanda Smith)

天の川銀河の超高速星の起源は、大マゼラン雲からやってきた「逃亡者」である可能性が示されました

天の川銀河の重力を振り切るほどの高速で宇宙空間を移動する超高速星は約20個見つかっています。これらの星の起源として、天の川銀河の中心にある超大質量ブラックホールによって放り出されたものだという説や、崩壊する矮小銀河、無秩序な状態にある星団などが考えらてきましたが、超高速星のほとんどが決まった空域にだけ見つかるという謎がありました

「これまでの超高速星の起源に関する説明は、私にとって納得のいくものではありませんでした。超高速星のほとんどが北半球、それもしし座とろくぶんぎ座に見つかっている事実に疑問を感じたのです」(英・ケンブリッジ大学 Douglas Boubertさん)

別の起源として、超高速星は元々は連星系だったという説がある。連星系では、2つの星が互いに接近していればしているほど速度が速くなり、やがて片方の星が超新星爆発を起こすと、束縛を失ったもう一方の星は高速で飛んでいきます。しかしこの場合も、天の川銀河内の連星系の場合は超高速星にはなり得ないのです。超高速星になるほどの速度では回転できない(近づきすぎて連星が合体してしまう)からです

Boubertさんたちは超高速星が、天の川銀河のそばにある矮小銀河、大マゼラン雲からやってきた可能性を考えました。大マゼラン雲の質量は天の川銀河の1割しかないため、大マゼラン雲の連星系で誕生した高速星は大マゼラン雲の重力を簡単に振り切って銀河から飛び出すことができます。さらに、大マゼラン雲は天の川銀河の周りを秒速400kmという猛スピードで回っているので、星の速度と銀河の速度が加われば、観測されているような超高速星となるというのです。「連星から逃亡した星が大マゼラン雲の軌道に沿ってしし座とろくぶんぎ座の方向に放り出されたと考えば、超高速星が観測される位置についても説明がつきます」(ケンブリッジ大学 Rob Izzardさん)

Boubertさんたちはスローン・デジタル・スカイ・サーベイのデータとコンピューターシミュレーションを組み合わせ、星の誕生や死、銀河の重力の影響を考慮して、大マゼラン雲からどのようにして星が脱出して天の川銀河にやってくるのかをモデル化しました。これにより、大マゼラン雲から飛び出してきた星が空のどこに見つかるのか予測が可能となります

「来年、ヨーロッパ宇宙機関の天文衛星『ガイア』が取得した数十億個の星に関するデータが発表されます。そこには、北半球のしし座、ろくぶんぎ座から南半球の大マゼラン雲の間にわたる超高速星の痕跡がきっとあるはずです。私たちの研究結果の正否はまもなく明らかになるでしょう」(Boubertさん)

2017年7月11日
AstroArtsより

天の川銀河の中心の「いて座A*」の周辺に異常な速度をもつ小さな分子雲

Posted by moonrainbow on 06.2017 天の川   0 comments   0 trackback
天の川銀河の中心部に複数の「野良ブラックホール」候補

天の川銀河中心部を飛び交う「野良ブラックホール」の想像図
天の川銀河中心部を飛び交う「野良ブラックホール」の想像図(提供:慶応義塾大学)

天の川銀河の中心にある「いて座A*」の周辺に、異常な速度をもつ小さな分子雲が発見されました。孤立した「野良ブラックホール」が巨大分子雲に高速で飛び込み、重力で引き寄せられた部分が局所的に加速された結果とみられます

天の川銀河内には、太陽の数倍から十数倍の質量を持つ軽いブラックホール(恒星質量ブラックホール)が数億個存在すると理論的に予言されていますが、これまでに発見されている候補天体の数は60個ほどしかないのです。その理由として、多くのブラックホールが伴星を持たず孤立した、いわば「野良」であるためとみられています。恒星質量ブラックホールはその周囲に広がる降着円盤から放出されるX線を検出することで発見されてきましたが、降着円盤を継続的に輝かせるためにはブラックホールのすぐ近傍に物質供給源となる伴星が必要だからです

慶應義塾大学の竹川俊也さんらたちの研究チームは、東アジア天文台のジェームズ・クラーク・マックスウェル電波望遠鏡を用いて、天の川銀河の中心核「いて座A*」から約30光年以内の領域をサブミリ波で分光観測し、いて座A*周辺の分子ガスの運動と物理状態を調べました

その過程で同領域内に、直径3光年程度と小型で、周囲の既知の分子雲とは明らかに異質な運動をしている2つの分子雲が発見されました。詳細な解析から、これらの特異分子雲はそれぞれが太陽の十数倍の質量を持ち、10の47乗erg(エルグ)以上(太陽が1秒間に放出するエネルギーの約20兆倍)もの膨大な運動エネルギーを持っていることがわかりました。

膨大な運動エネルギーの起源として超新星爆発との相互作用や重い原始星からの双極流などが挙げられましたが、2つの分子雲にその痕跡が見当たらなかったことから、既知の天体現象以外の“何か”が特異分子雲の駆動源になっていることが示されました。そこで研究チームは、「点状重力源が巨大分子雲へ高速で突入し、重力で引き寄せられた部分が局所的に加速されることで生じる」というシナリオを提示しました。この「突入モデル」によれば、以下のいずれかの場合に、発見されたような特異分子雲が生じます。

太陽と同程度の質量を持つ天体が、秒速約1000kmの超高速で分子雲に突入。
2番目の場合、突入天体の候補としては天の川銀河の重力を振り切るほどの超高速度で運動する軽い恒星(超高速度星)が挙げられるが、超高速度星はこれまで天の川銀河中心部には発見されておらず、大質量星やブラックホールの数に比べて極めて少ないことが理論的に予言されていることから、可能性は低いのです


一方、1番目のモデルでは、突入天体の候補は大質量星か恒星質量ブラックホールと考えられます。さらに、分子雲方向に大質量星のような強力な放射源の存在が確認されていないことから、今回発見された2つの特異分子雲の駆動源は、いて座A*の周りを飛び交う「野良ブラックホール」である可能性が高いということになります

今回の研究は、天の川銀河の中心の超大質量ブラックホール近傍を複数個の野良ブラックホールが飛び交っている可能性を初めて観測的に示したものです。天の川銀河の中心核から30光年以内の領域には1万個以上ものブラックホールが潜んでいるという理論予測もあり、その一端をとらえたという点で有意義な成果です

2017年7月20日
AstroArtsより

天の川銀河の極めて暗い衛星銀河を発見

Posted by moonrainbow on 29.2016 天の川   0 comments   0 trackback
すばる望遠鏡が天の川銀河の極めて暗い衛星銀河を発見

恒星の密度分布
(左)Virgo Iの位置。(右)Virgo Iに含まれる恒星の密度分布。青→白→黄→赤の順で恒星の密度が高い(提供:東北大学/国立天文台、以下同)

すばる望遠鏡の超広視野焦点カメラ「HSC」が撮像したデータから、天の川銀河に付随する衛星銀河「Virgo I」が新たに発見さました。最も暗い矮小銀河の一つで、天の川銀河の形成史やそれを左右するダークマターの性質を知る上で重要な成果です

天の川銀河に付随する衛星銀河は、大小マゼラン雲をはじめこれまで50個近く同定されており、そのうち矮小銀河(光度が暗く小さな銀河)に分類されるものは約40個発見されています。しかし、これまでの観測では口径2.5mから4mの中口径望遠鏡が使われてきたため、天の川銀河のハロー(球状星団などの古い恒星系が存在する銀河円盤周囲の広大な領域)の外側にあるものや、光度がとても暗い矮小銀河は見落とされてきました

東北大学の本間大輔さんたちの研究チームは、口径8.2mのすばる望遠鏡に搭載された超広視野焦点カメラ「HSC」による観測データの解析を行い、天の川銀河の衛星銀河「Virgo I」(おとめ座矮小銀河I)を新たに発見したのです。Virgo Iは最も暗い矮小銀河の一つで、過去に同領域を探査した際には見つかっていなかった天体です。距離は約28万光年と見積もられています

銀河系に付随する極めて暗い衛星銀河の発見



Virgo Iの位置関係などを示したアニメーション。(緑丸)Virgo Iに所属する可能性がある候補星(提供:国立天文台)

矮小銀河を同定するには、まず多量の観測データの中から恒星がまとまって存在していて、その空間密度が超過している部分を探し出します。さらに、この密度超過が偶然ではないことを、恒星の色・等級図(HR図)を用いて確認します。もし密度超過が矮小銀河であれば、一定の恒星種族からなる恒星系であるため、色・等級図上で特徴的なパターンを示すのです

色・等級図上における恒星の分布
色・等級図上における恒星の分布。横軸は色を表す指数、縦軸は星の見かけの明るさ

「HSCによってこれまで撮像された恒星データを系統的に調べたところ、明らかに高い密度超過で、かつ色・等級図上で矮小銀河に見られるような恒星分布を示すものを、おとめ座の方向に見つけることができました。その明るさや空間的な広がりから、これが矮小銀河の一つである同定できました」(本間さん)。

「太陽から遠い距離にある天の川銀河のハローと呼ばれる広い空間領域には、未発見の暗い矮小銀河がたくさん存在している可能性があります。これらが実際どのくらいあって、それぞれどのような性質をしていることを調べることによって、天の川銀河がどのように形成されてきたのか、またその過程でダークマターがどのように関わってきたのか、重要なヒントが得られるものと期待しています」(東北大学 千葉柾司さん)。

天の川銀河の周囲にある衛星銀河の3次元地図
天の川銀河の周囲にある衛星銀河の3次元地図。青四角は大小マゼラン雲

2016年11月22日
Astro Artsより
 

プロフィール

moonrainbow

Author:moonrainbow
昔、"地球の旅人"の頃




服と鞄と雑貨の販売をしています

カテゴリ

カレンダー

10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード