星団「Gaia 1」

Posted by moonrainbow on 28.2017 星団   0 comments   0 trackback
位置天文衛星「ガイア」のデータから発見されたシリウスの隣の新星団

シリウス(画像中央やや右の輝星)と、新発見された散開星団「Gaia 1」
シリウスと散開星団「Gaia 1」
シリウス(画像中央やや右の輝星)と、新発見された散開星団「Gaia 1」(画像中央)(提供:Sergey Koposov; NASA/JPL; D. Lang, 2014; A.M. Meisner et al. 2017)

位置天文衛星「ガイア」の観測データから、これまで検出されていなかった大質量星団が発見されました。そのうち1つはシリウスのすぐそばにあります

18世紀後半、天文学者ウィリアム・ハーシェルと妹カロラインは、全天を600以上の領域に分けてそれぞれの範囲内の星を数え、天の川銀河の形を人類で初めて推定しました。それから200年以上の時が過ぎた現在、同じように「領域内の星を数える」手法によって、新しい星団が発見されました

米・カーネギーメロン大学のSergey E. Koposovさんたちの研究チームはこれまで様々な観測のデータを用いて、星団や天の川銀河の伴銀河を探してきました。星が予想以上に密集している領域を見つければ、そこに星団や伴銀河があると考えられます

2016年公開された、ヨーロッパ宇宙機関の位置天文衛星「ガイア」の観測データから作られた10億個以上の星を含むカタログのデータを分析していたKoposovさんは、おおいぬ座の1等星シリウスの近くにこれまで知られていなかった星の集団を見つけました。ずっと昔に見つかっていてもおかしくない天体だが、シリウスの輝きに隠されていたのです

夜空に見える星の中で最も明るいシリウスのような輝星は、実在しない像を作り出す可能性があるため、データに現れているものが本当の星かどうか慎重に判断しなければならないのです。「シリウスの影響による人工的なものに違いない」と考えたKoposovさんは別の領域を調べ始めたものの、この領域が頭から離れなかったのです。「シリウスによってたくさんの虚像が発生するはずがない、これは変だと思いました。そこでもう一度この領域を見て、本物の天体であることに気づいたのです」(Koposovさん)

新発見された星団「Gaia 1」は1万5000光年の距離に位置し、30光年ほどの範囲内に太陽数千個分に相当する星々が集まっている大質量の散開星団です

オーストラリア天文台のJeffrey Simpsonさんが地上の望遠鏡を使って星団に属する41個の星を追加観測したところ、星団の年齢が30億歳であることがわかりました。一般に散開星団の星々の年齢は数億歳以下であり、別種の星団である球状星団の場合は100億歳以上のことが多く、その中間である30億歳という年齢の星団は天の川銀河内にはそう多くないのです。Gaia 1は、2種類の星団間を理解する上で重要な橋渡しの役割を果たすかもしれないのです

また、この星団は軌道も変わっているようです。ほとんどの散開星団は銀河面近くに位置し、約9割の星団は銀河面から1000光年も離れることがないのに対し、Gaia 1は銀河面から上下に3000光年以上も離れたところまで動くようです7。シミュレーションによれば、こうした軌道を持つ星団はバラバラに散らばると予測され、30億年も生き残れないと考えられます。「モデルの予測との一致を目指ざした、さらなる研究が必要です」(Simpsonさん)

Gaia1 が天の川銀河の外で作られ、その後に銀河内に落ち込んできたという可能性も挙げられたが、星の化学組成を調べたところ、星団が天の川銀河内で形成された場合の予測と同じだったため、謎は未解決のままです

ガイアの観測データは新しい星団の発見と同時に、これまでに報告されている共通の起源をもつ星の群「アソシエーション」の存在の確認にも利用されます。「ガイアのデータでは星の動きもわかるので、どの星が本当に散開星団を形成しているのか確認できます」(アルゼンチン国立科学技術調査委員会 Andrés E. Piattiさん)。Piattiさんの研究によると、あるカタログに収録されている散開星団15個のうち10個は実際には星団ではなかったというのです

2018年4月に予定されている2回目のデータリリースでは、正確な星の固有運動や過去にない数の星までの距離などが明らかになります。これまでは遠過ぎたり光が拡散し過ぎて見えなかったり、星の間で埋もれたりした星団が、より効率的に見つかるでしょう。「次回のデータリリースで、新しい種類に属する天体も発見できることを願っています」(Simpsonさん)

Gaia: How to find a star cluster


星団の見つけ方の説明動画(提供:ESA)

2017年11月22日
AstroArtsより

プレアデス星団(すばる)の変光の観測

Posted by moonrainbow on 22.2017 星団   0 comments   0 trackback
プレアデス星団(すばる)の星々の変光

衛星「ケプラー」がとらえたプレアデス星団
衛星「ケプラー」がとらえたプレアデス星団。名前が付記されているのは星団中の明るいほうから7つの星(7姉妹とは一致しない)(提供:NASA / Aarhus University / T. White.)

「ハロー測光」という新しい手法によって、これまでで最も詳細にプレアデス星団の星々の変光が観測されました

ギリシア神話に登場する7人姉妹「プレアデス」、日本では「すばる」として知られている、おうし座のM45プレアデス星団は、地球からおよそ440光年の距離に位置する若い星々の集団です。

星団を構成する星々は肉眼でも見えるほど明るく、天文ファンにとっては嬉しいことですが、研究者にとっては(暗い光を観測するための望遠鏡で見るには)明るすぎます。そこでデンマーク・オーフス大学のTim Whiteさんたちの研究チームは、こうした明るい星を観測するための手法「ハロー測光(Halo Photometry)」を開発し、観測衛星「ケプラー」を用いてこれまでで最も詳細にプレアデス星団の星々の変光を調べました

観測によれば、プレアデス星団の明るい7つの星のほとんどは、数日周期で明るさが変化するB型脈動星です。この変光周期は星の中心で起こる、よくわかっていないプロセスを明らかにするための鍵となります

そして、「マイア(Maia)」だけは変光周期が10日と長く、これまでの研究でマイアは、表面にマンガンなどの元素が異常な濃度で存在する種類の星の一つであることが示されています。このことが変光周期と関連があるかどうかを調べるため、スペイン・テイデ天文台のヘルツシュプルングSONG望遠鏡を使った分光観測が行われました

「ケプラーが観測した明るさの変化が、大気中のマンガンによる吸収の強さの変化と密接に関係していることがわかり、変光は星の表面にある元素から成る巨大な斑点によって引き起こされているとの結論に至りました。星の自転に合わせて斑点が10日の周期で見え隠れしているのです」(オーフス大学 Victoria Antociさん)

「60年前の天文学者は、マイアが数時間の周期で脈動する新しい種類の変光星『Maia variables(マイア型変光星)』の第1号ではないかと考えましたが、私たちの観測によってマイアはそのようなタイプの変光星ではないことが示されました」(Whiteさん)

Whiteさんたちが開発した新しいアルゴリズムでは、ケプラーや2018年打ち上げ予定のNASAの系外惑星探査衛星「TESS」、「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」を使って明るい恒星を巡る系外惑星を検出するのに必要とされる精度を達成しています。太陽系に最も近い恒星「リギルケンタウルス星系」など太陽系に近く明るい恒星を、系外惑星探しの最高のターゲットとすることができそうです

2017年9月1日
Astrartsより

大マゼラン雲の星団中に見つかった若すぎる星

Posted by moonrainbow on 18.2017 星団   0 comments   0 trackback
大マゼラン雲の星団中に見つかった、若すぎる星(RAS)

赤外線天文衛星「スピッツァー」がとらえた大マゼラン雲
赤外線天文衛星「スピッツァー」がとらえた大マゼラン雲(提供:NASA/JPL-Caltech/M. Meixner (STScI) & the SAGE Legacy Team)

大マゼラン雲に存在する星団に、非常に若い星の候補が見つかりました。星団中の星の年齢はどれもだいたい同じであるという従来の考えを見直す必要が生じるかもしれないのです

星団に含まれる星々は、共通の材料からおよそ同時期に誕生したものと考えられています。したがって、星団の星の年齢や化学組成はだいたい同じであると考えられ、その仮定をもとに恒星進化のモデルが作られ、質量の違いが星の進化にどのように影響するかが研究されてきました

豪・電波天文学研究国際センターのBi-Qing Forさんたちの研究チームは、天の川銀河から16万光年離れたところにある隣の矮小銀河、大マゼラン雲の星々について、星団の位置と数千個もの若い星の位置とを照合した。そして、同じ星団に属していながら、他の星よりもはるかに若い星の候補を15個発見しました

これらの若い星は星間空間から星団へと入ってきたガスが材料となって形成された可能性も考えられたが、電波望遠鏡による観測によって星の材料となる星間水素ガスと星団の位置との間に関係がないことが示され、その説は否定されました。「やはり若い星は、星団中の古い星が放出した物質を材料として誕生したと考えられます。つまり、一つの星団中に複数世代の星が存在することを発見したのかもしれません」(同センター 戸次賢治さん)。

星の周囲を大量のガスや塵が取り囲んでいるため、現在のところ光学望遠鏡では観測できない。星が成長し、周囲のガスや塵が吹き飛ばされれば、ハッブル宇宙望遠鏡のような強力な手段で星を観測できるようになるでしょう。そうすれば、本当に若い星と年老いた星の両方が星団中に存在していることが確認できるはずです

「もし、わたしたちの発見が示唆しているように、『星団の星は年齢が大体同じである』という従来の仮定が間違っているとすると、これまでの恒星進化モデルに見直しと修正が必要となるでしょう」(Forさん)

2017年3月10日
Astro Artsより

星団「ターザン5」

Posted by moonrainbow on 19.2016 星団   0 comments   0 trackback
天の川銀河内の星団の一つ「ターザン5」に、年齢が70億年ほども異なる、非常に年老いた星と若い星が見つかった

ターザン5
ハッブル宇宙望遠鏡で撮影したターザン5(提供:ESO/F. Ferraro)

いて座の方向約1万9000光年彼方にある「ターザン5」は、発見以来40年あまり球状星団として認識されてきた天体です。伊・ボローニャ大学のFrancesco Ferraroさんたちの国際研究チームがヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡(VLT)やハッブル宇宙望遠鏡などを用いてこの星団を観測したところ、ターザン5には明確に種類の異なる2種類の星が存在することがわかりました。化学組成の違いだけでなく、両種には70億歳もの年齢差があるのです

年齢が2つに分かれているということは、ターザン5では連続的な星形成があったのではなく、2度の爆発的な星形成があったことを示しています。「つまり、ターザン5には2番目の(若いほうの)星を誕生させるだけの大量のガスがあったはずです。少なく見積もっても太陽質量の1億倍はあったでしょう」(伊・国立天体物理研究所 Davide Massariさん)。

ターザン5の特徴は球状星団としては一般的ではないが、天の川銀河のバルジ(中心の膨らんだ部分)に見られる星の種族とはひじょうによく似ている。銀河形成に関する理論によれば、ガスや星でできた巨大な塊が相互作用して天の川銀河の原始バルジが形成されたと考えられているが、ターザン5は天の川銀河のバルジを形成した最初期の構成要素の生き残りなのかもしれないのです。「塊のいくつかは破壊されずに天の川銀河内に残っているでしょう。こうした生きた化石は、銀河の歴史再構築というパズルの重要なピースの一つなのです」(Ferraroさん)。

また、星形成が活発な遠方銀河に見られる塊の性質とターザン5の性質には似ている部分があり、遠方(過去)の銀河と近傍(現在)の銀河のどちらでも、形成初期段階では同じようなプロセスが起こることが推測されます

「今回の発見から、様々な疑問が出てきました。ターザン5はどのようにして生き残ったのか。2回目の爆発的星形成を引き起こした原因は何だったのか。わたしたちは、現在その答えを調べています」(米・カリフォルニア大学ロサンエゼルス校 Michael Richさん)。

2016年9月12日
Astro Artsより

プレアデス星団「すばる」の星々の自転速度が計測されました

Posted by moonrainbow on 23.2016 星団   0 comments   0 trackback
プレアデス星団の星々の自転速度を測定

プレアデス星団
NASAの赤外線天文衛星「WISE」(現:NEOWISE)がとらえたプレアデス星団。4種類の赤外線波長による観測データをもとにした擬似カラー画像(提供:NASA/JPL-Caltech/UCLA) .

NASAの探査衛星「ケプラー」の観測から、プレアデス星団の星々の自転速度が計測されました。星の周囲のどこでどのように惑星が形成されるのか、星団の星がどう進化するのかについて理解が深まると期待されています

日本では「すばる」という名前でよく知られているプレアデス星団は、地球からおよそ440光年の距離に位置する若い星の集まりです。星々の年齢は約1億2500万歳で一生のうちの「若い成人期」に相当し、その自転速度は生涯を通じて最も高速の状態にあると考えられています

米・カリフォルニア工科大学のLuisa Rebullさんたちの研究チームは、NASAの系外惑星探査衛星「ケプラー」の「K2ミッション」でプレアデス星団を72日間にわたって観測し、750個以上の星の自転速度を調べました

太陽の黒点と同様、恒星の表面にも磁場の影響で低温の暗い部分が存在します。星の自転に伴って暗い部分が見え隠れすることにより星の明るさが変化するので、その明るさの変化から星の自転速度がわかります。とくに、若い星では強力な磁場の影響によって暗い部分が巨大になるため、自転に伴う明るさの変化も大きくなり、自転速度が測りやすくなるのです

観測データから、質量の大きな星ほど自転速度が遅く、小さな星ほど速いという傾向が明らかにされました。質量の大きい星(太陽と同程度)の自転周期は1日から11日、小さい星(最も小さいもので太陽の10分の1ほど)の多くは自転周期が1日以下でした

こうした自転速度の違いは、星の内部構造の違いによると考えられています。大きい星はその内部の対流層が薄く、反対に小さい星ではほぼ全体が対流層です。星の自転は星からの質量放出(恒星風)と磁場の働きによって遅くなるのですが、この磁場ブレーキは対流層が薄い大きい星のほうに効果的に影響するのです

プレアデス星団は地球に近いので、今後の観測で星の自転速度とその他の特徴との間にある複雑な関係も明らかにできそうです。星の特徴は、その周りを回る系外惑星の気候や生命に適した環境の有無にも関係してきます

「プレアデス星団と他の星団とを比較することにより、星の質量や年齢との関係、その星系における歴史についても多くのことが今後わかってくるだろうと期待しています」(Rebullさん)。

2016年8月16日
Astro Artsより
 

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