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ヒヤデス星団

Posted by moonrainbow on 05.2021 星団   0 comments   0 trackback
見えざる巨大構造がヒヤデス星団を崩した

ヒヤデス星団とアルデバラン
ヒヤデス星団とアルデバラン(左)、火星(中央)、プレアデス星団(右)。おうし座の1等星アルデバランの近くにV字形に並んでいる星々がヒヤデス星団(撮影:北極老人星さん)。画像クリックで天体写真ギャラリーのページへ

おうし座のヒヤデス星団からはぐれた星が数千光年離れたところまで散らばっていることが示され、散乱の過程で質量が太陽の約1000万倍ある未知の塊と作用している可能性が示唆された。

恒星の大集団である銀河は、しばしば他の銀河からの重力で変形し、ときには引っ張られて細長くなる。似たようなことはもっと小さなスケール、すなわち銀河の内部にある星団でも起こっているかもしれない。ただ、星団から散らばった星は、周りの無関係な星に紛れてしまうので、星団が引きちぎられる様子をとらえて分析するのは銀河に比べて難しい。

それでも、恒星の位置と移動速度を一つずつ正確に調べることで、星団からはぐれた星とそうでない星をより分けることができるはずだ。このような分析には、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の位置天文衛星「ガイア」が全天を観測して得た、天の川銀河内の恒星10億個以上のデータが役に立つ。

ESAのTereza Jerabkovaさんたちの研究チームは、距離約153光年と太陽系に最も近い散開星団である、おうし座のヒヤデス星団に注目した。ヒヤデスは牡牛の顔の部分にあたり、V字形に星が並ぶ様子が肉眼や双眼鏡でも見やすいが、望遠鏡でとらえられる暗い星も含めると、直径およそ60光年の範囲に数百の恒星が集まっている。Jerabkovaさんたちはその外へ散ってしまった星を探した


ヒヤデスのような散開星団はほぼ同時期に同じ星間雲から生まれた星の集団なので、誕生した時点ではほぼ一様に、同じ方向へ運動していると予想できる。だが星団内の星同士に働く重力により、一部の星は端へ移動し、そこで外部からの重力を受けて引きずり出される。これらの効果によって、星団全体の進行方向とその逆方向に2つのトレイル(尾)が形成されるはずだ。

研究チームはこのプロセスをコンピューターシミュレーションで再現し、予想されたトレイルの位置とガイアのデータを比べることで、ヒヤデスからはぐれた星を探した。ヒヤデスのトレイルをたどる研究はこれが初めてではないが、従来は単純にヒヤデス星団と同じ速度で運動している恒星を探すことでトレイルをたどっていた。だがヒヤデスは誕生してから6~7億年も経過しているので、大昔に星団からはぐれた恒星の動きは変化している。Jerabkovaさんたちは計算によってこれらの星も拾うことに成功し、数千光年にまで伸びた2本のトレイルを構成する数千個の星を検出した


数百個の星々
ヒヤデス星団に元々属していた数百個の星の広がり
ガイアのデータから示された、ヒヤデス星団に元々属していた数百個の星々(ピンク)の広がり。星団中心部から左斜め下と右斜め上へトレイルが伸びている(提供:ESA/Gaia/DPAC, CC BY-SA 3.0 IGO; acknowledgement: S. Jordan/T. Sagrista)

詳しく調べたところ、星団の前方にあるトレイルに比べると、後ろのトレイルに含まれる星の方が少ない。理論上はどちらのトレイルにも同じ数の星があるはずなので、ヒヤデス星団はただ自然に崩れ続けたのではなく、何か劇的な作用があったと予想される。

Jerabkovaさんたちはシミュレーションを重ね。太陽の約1000万倍の質量を含む塊がトレイルにぶつかれば、この結果を再現できることを示した。しかし近傍には、これほどの大質量を持つガス雲や星団は知られていない


Evolution of Hyades star cluster from ~ 650 million years ago until now



ヒヤデス星団の6.5億年前から現在までの進化を追ったシミュレーション動画。終盤(17秒ごろ)に太陽質量の1000万倍の構造(灰色の丸)が星団に接近して尾と衝突し、片方の尾の星が破壊されたとみられる(提供:Jerabkova et al., A&A, 2021)

もし、この塊が将来の観測でも検出できなければ、その正体はダークマターの「サブハロー」かもしれないとJerabkovaさんは考えている。天の川銀河には円盤面を包む球状の「ハロー」と呼ばれる構造があり、そこには光学的に観測可能な天体の質量を上回るダークマターが存在することが知られているが、サブハローとはより小さなスケールでダークマターが集まった領域だ。

星団のトレイルをたどることで、天の川銀河の見えざる構造を可視化できるかもしれないとJerabkovaさんたちは期待している


2021年3月29日
AstroArtsより

ガス雲同士が様々な星団の誕生

Posted by moonrainbow on 25.2021 星団   0 comments   0 trackback
ガス雲の衝突が星団を作る

2個の球状ガス雲が衝突する様子
数値シミュレーションによる球状ガス雲の衝突
数値シミュレーションで再現した2個の球状ガス雲が衝突する様子。(左)真横から見た様子の時間進化、(右)衝突の最後の段階を正面から見た場合の観測結果を示したもの(提供:北海道大学、京都大学)

ガス雲同士が衝突して圧縮されることで、様々な星団の誕生が説明できることがわかった。この仕組みは球状星団にも当てはまる可能性があり、普遍的なものかもしれない

恒星は材料となるガス雲が収縮することで生まれると考えられているが、何がきっかけでガス雲が収縮するのかはまだ解明し切れていない。多くの天文学者はただ1つのガス雲を思い浮かべ、それを圧縮させる方法について考えてきたが、このやり方だけでは大質量星を含むたくさんの星が集まった星団を効率的に作ることはできない。

これに対し、名古屋大学の立原研悟さんと福井康雄さん、大阪府立大学の西村淳さんと藤田真司さんたちの研究グループは、複数のガス雲の衝突が星形成の引き金になるという仮説に注目した。衝突によって大規模な星団が作れることには理論的な裏付けもある。

一方で、現在観測されている大質量星や星団の数を説明できるほどガス雲の衝突が頻繁に起こるかどうかというのは別の問題であり、これを観測で証明するのは難しい。ガス雲そのものは電波で観測できるが、ガス雲同士の衝突は激しい現象ではなく重なって混ざり合うような過程に近く、一旦混ざってしまえば、それが元々複数の塊だったことを示すのは容易ではないからだ。

そこで立原さんたちは、長野県の野辺山45m電波望遠鏡や南米アタカマ高原のNANTEN2、アルマ望遠鏡といった電波望遠鏡で天の川銀河内外の星団周辺を観測し、ガス雲の衝突シミュレーションの結果と比べる研究を10年以上にわたって続けてきた。

立原さんたちの研究成果は日本天文学会欧文研究報告(PASJ)の特集号として刊行された。この特集号には、同研究グループの呼びかけに応じた国内外の天文学者たちによる論文も寄せられている。これまでわずか数天体でしか知られていなかったガス雲衝突の痕跡が92個まで増えただけでなく、痕跡は様々な場所、規模の星団の周りで発見されており、ガス雲の衝突が普遍的な現象であることを示唆する結果となっている。

地球から約6000光年と比較的近い星形成領域であるわし星雲M16(へび座)や、天の川銀河で最も活発に星が生まれている領域の一つであるW51(わし座)でもガス雲が衝突している形跡が見つかった。また、方向約7000万光年の距離にある衝突銀河のアンテナ銀河(からす座、触角銀河とも)でも、大規模なガス雲同士の衝突が起こっていて、球状星団が誕生しつつあることがわかった


星団の位置
分子雲の衝突で誕生したと考えられる星団の位置と主なガス雲の電波観測結果
分子雲同士の衝突により誕生したと考えられる星団の位置と、代表的なガス雲の電波観測結果(提供:名古屋大学、国立天文台、NASA、JPL-Caltech、R. Hurt (SSC/Caltech)、Robert Gendler、Subaru Telescope、ESA、The Hubble Heritage Team (STScI/AURA)、Hubble Collaboration、2MASS)

天の川銀河にも球状星団はあるが、それらは通常の星団(散開星団)と比べて規模が大きく、年齢も100億歳以上と極めて古いため、誕生のメカニズムも異なるとされることが多かった。しかしアンテナ銀河の事例は、天の川銀河が若かったときに起こった大規模なガス雲同士の衝突で球状星団が生まれた可能性を示唆している。

こうした結果から、研究グループはガス雲の衝突が古今、大小、あらゆる星団の形成に不可欠な要因だった可能性を指摘している。また、これまでの研究は大質量星に注目したものだったが、太陽のような軽い恒星の誕生にもガス雲衝突が関わっていた可能性についても研究を進めていくという


2021年3月17日
AstroArtsより

球状星団RBC EXT8

Posted by moonrainbow on 30.2020 星団   0 comments   0 trackback
記録的に重元素が少ない球状星団RBC EXT8

球状星団RBC EXT8
球状星団RBC EXT8
アンドロメダ座大銀河(右)の外縁部、画像の中央に球状星団RBC EXT8がある。左はその拡大画像(提供:ESASky/CFHT)

水素とヘリウム以外の重元素が異常に少ない球状星団が、アンドロメダ座大銀河の周縁で見つかった。宇宙初期の恒星や銀河の形成に関する理論に疑問を投げかける結果だ

ビッグバン直後の宇宙に存在した元素のほとんどは水素とヘリウムで、それ以外の「重元素」は後に恒星の核融合反応などによって生成された。つまり、ある天体に重元素がほとんど含まれないのであれば、その天体は宇宙がまだ若かったときに誕生したのだと推測できる。だが、水素とヘリウムしかなかった時代の宇宙では、ガスはあまりまとまってなかったと考えられているため、質量の大きな天体を作るのは難しかったはずだ。

アンドロメダ座大銀河(M31)の外縁部に位置する球状星団「RBC EXT8」は、まさにそうした「宇宙初期で作られるはずのない」サイズの天体である。そのRBC EXT8にあるはずの重元素が、極めて欠乏していることが判明した。

「このような注目すべき星団が私たちの目と鼻の先でほったらかされていたことに驚きました。この星団はアンドロメダ座大銀河に属する星団の中でも最も明るい部類に入り、数十年前から知られていましたが、詳細に調べられたことがなかったのです」(米・サンノゼ州立大学 Aaron Romanowskyさん)。

2019年10月にオランダ・ラドバウド大学のSøren Larsenさんたちの研究チームは、ハワイ・マウナケア山頂のケック天文台に搭載されている高解像度エシェル分光器(HIRES)を使って、RBC EXT8のスペクトルから鉄とマグネシウムの痕跡を調べた。

その結果、RBC EXT8を構成する星々に含まれる鉄の量が、平均して太陽の約800分の1しかないことが判明した。これまで知られていた中で最も鉄が少なかった球状星団と比べても、3分の1しかない。また、マグネシウムも極端に欠乏していた。

さらに研究チームはカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡(CFHT)のアーカイブ画像から星団の大きさと質量も調べ、RBC EXT8が太陽およそ100万個分の質量をもつ、球状星団の中でも大きな部類の天体であることが確認された。

RBC EXT8のように重元素が極端に少ない大質量の球状星団は、宇宙初期には大きな天体を形成するほどのガスのまとまりがなかったという現行の考え方に疑問を投げかけるものだ。

「球状星団には必ず一定量以上の重元素が含まれているという理解が、これらの非常に古い星団が初期宇宙でどのように形成されたという私たちの考え方の多くを支えていました。今回の発見はその標準的なモデルと矛盾しますが、それはいつだって楽しいことなんです!」(豪・スウィンバーン工科大学 Jean Brodieさん)


2020年10月21日
AstroArtsより

球状星団「NGC 1805」

Posted by moonrainbow on 14.2020 星団   0 comments   0 trackback
2世代の星々が同居する大マゼラン雲のカラフルな球状星団

球状星団「NGC 1805」
球状星団「NGC 1805」(Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Kalirai)

散りばめられた星々が美しく輝くこちらの天体は、南天の「かじき座」の方向、およそ16万3000光年先にある大マゼラン雲の端近くに位置する球状星団「NGC 1805」です。近紫外線で強く輝く青い星々と、赤色と近赤外線で輝く赤い星々のコントラストが、星団の印象を深めています

数千個の星々が密集して互いに周回し合っているというNGC 1805では、太陽から最寄りの恒星までの距離と比べて100分の1から1000分の1まで星々が近づくために、その周囲に惑星は形成されていないだろうと考えられています。

通常、球状星団は同じ時期に誕生した星々から構成されるとみられていますが、NGC 1805には年齢が数百万年離れている2つの星々の集団が存在すると考えられています。このような星団を観測することは、恒星がどのように進化するのか、その最期を決定付ける要因は何かを天文学者が理解する上での助けになるといいます。

画像は「ハッブル」宇宙望遠鏡に搭載されている「広視野カメラ3(WFC3)」によって撮影されたもので、「今週の一枚」として2020年9月7日付で公開されています


Image Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Kalirai

2020-09-08
Soraeより

球状星団「M15」

Posted by moonrainbow on 26.2018 星団   0 comments   0 trackback
終焉を迎える10万以上の光

球状星団のM15(NGC7078)

10万を超える恒星が集まったこの星々は、ペガスス座の方向約35000光年先にある球状星団のM15(NGC7078)です

M15は多くの赤色巨星を含む終焉に向かっている星で構成され、星団としての大きさは直径約200光年。星団中心部分に向かって恒星の密度が高くなっており、それは約10光年内に凝縮され、その輝きを生み出しています

また、M15の中心星域からは強いX線放射が確認されているため、銀河の中心と同じ様にブラックホールが存在しているかもしれません

球状星団のM15(NGC7078)1
Image Credit:Gregg Ruppel

球状星団のM15(NGC7078)2
Image Credit: ESA, Hubble, NASA

なお、M15は6等級と比較的明るく、秋の時期の暗い夜空であれば双眼鏡で観測することが可能です

Image Credit:Bernhard Hubl (CEDIC)

2018/10/18
Soraeより
 

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