赤色矮星「TRAPPIST-1」の惑星の水

Posted by moonrainbow on 14.2017 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
TRAPPIST-1の外側の惑星に水が存在しうる可能性(ヨーロッパ宇宙機関

TRAPPIST-1を巡る惑星のうちの一つから見た光景の想像図
TRAPPIST-1を巡る惑星のうちの一つから見た光景の想像図(提供:ESO/N. Bartmann/spaceengine.org)

赤色矮星「TRAPPIST-1」を巡る7つの惑星のうち、外側のほうにあるものには相当量の水が存在しうる可能性が、ハッブル宇宙望遠鏡による観測で示されました

2017年2月、みずがめ座の方向約40光年彼方に位置する赤色矮星「TRAPPIST-1」の周りに地球サイズの惑星7つが発見されことが報じられました。これほど多くの地球サイズの惑星が見つかっている惑星系は、現在のところ他にはないのです

恒星からの紫外線は惑星大気中の水蒸気を光分解し、発生した水素は惑星から逃げてしまう。その影響を見積もるため、スイス・ジュネーブ天文台のVincent Bourrierさんたちの研究チームがハッブル宇宙望遠鏡でTRAPPIST-1の紫外線放射量を調べたところ、惑星大気から莫大な量の水が失われた可能性を示唆する結果が得られました

とくに内側の2惑星については大量の紫外線を受けたため、過去80億年の間に地球の海水量の20倍以上もの水を失ったかもしれないという。「これらの惑星では、宇宙空間への大気の流出(大気散逸)が惑星の進化において大きな役割を果たした可能性があります」(米・マサチューセッツ工科大学 Julien de Witさん)

それに比べ、ハビタブルゾーンに位置する3つを含む外側の惑星から失われた可能性のある水の量は地球の海水量の3倍以下とはるかに少なく、表面には水が残っている可能性もあるという。とはいえ、実際に惑星表面に水が存在しているかどうかについては、残念ながら最終的な判断を下すことはできないのです

「外側の惑星が今後打ち上げ予定のジェームズ・ウェッブ望遠鏡の最高の観測候補であることが示されました。一方で、TRAPPIST-1の惑星の特質や、惑星上の環境に生命の存在を許す可能性があるのかどうかを明らかにするためには、理論的研究と全波長における補足的な観測が必要なこともわかりました」(Bourrierさん)

2017年9月6日
AstroArtsより

系外惑星「WASP-121b」

Posted by moonrainbow on 29.2017 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
成層圏を持つ系外惑星「WASP-121b」

「WASP-121b」(右)の想像図
「WASP-121b」(右)の想像図(提供:Illustration: NASA, ESA, and G. Bacon (STScI)、Science: NASA, ESA, and T. Evans (University of Exeter))

主星のすぐ近くを巡る系外惑星の一つに、成層圏が存在する強い証拠が見つかりました。大気の最上層部は2500度にも達しています

成層圏とは大気の層の一つで、地球では上空10~50km付近に存在しています。オゾンガスが太陽からの紫外線を吸収するため高度が高くなるほど温度が上昇するという特徴があり、木星や土星、土星の衛星タイタンの成層圏などでもメタンガスが同様の働きをしています

太陽系ではよく見られる成層圏が系外惑星に存在するという証拠は、すでにいくつかは示唆されていたが、英・エクセター大学のTom Evansさんたちが行った観測から、これまでで最も強い証拠が見つかりました。「実にエキサイティングな成果です。系外惑星の大気で起こるプロセスと、太陽系という異なる条件下で起こるプロセスが比較できます」(NASAエイムズ研究センター Mark Marleyさん)

Evansさんたちはハッブル宇宙望遠鏡で、とも座の方向約900光年彼方にある系外惑星「WASP-121b」を観測しました。WASP-121bの半径は木星の1.9倍、質量は1.2倍で、中心星からわずか400万kmほど(太陽~地球の約40分の1)の距離を1.3日周期で公転している「ホットジュピター」です。これほどの近距離にあるため、惑星の大気の最上層は摂氏約2500度にまで熱せられています

恒星の光は惑星大気の奥深くまで到達し、ガスの温度を上昇させ、そのガスは宇宙空間に赤外線の形で熱を放射します。もし大気の一番上に温度の低い水蒸気があると、水分子によって、特定の波長の光が宇宙空間へ逃げ出すのが妨げられます。しかし、水分子の温度が高ければ、ガスと同じ波長の赤外線が発せられます。「水からの放射が見られるということは、高度と共に温度が上昇していることを意味しています」(NASA ジェット推進研究所 Tiffany Katariaさん)

太陽系の惑星の場合、成層圏内の温度上昇は摂氏56度ほどだが、WASP-121bの場合は560度も上昇している。どのような化学物質によるメカニズムかはまだわかっていないが、褐色矮星によく見られる酸化バナジウムと酸化チタンが候補に挙げられています。これらの化合物が気体の状態である温度が必要なことから、ホットジュピターの中でも特に温度の高い系外惑星にしか存在しないと予測されています。「この超高温の系外惑星は、大気モデルの一つの基準となるでしょう」(NASAゴダード宇宙センター Hannah Wakefordさん)

2017年8月9日
AstroArtsより

12光年彼方の「くじら座τ(タウ)星」

Posted by moonrainbow on 22.2017 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
12光年先の太陽に似た星に4つの地球型惑星

くじら座τ星の周りに発見された4つの惑星
発見された4つの惑星と太陽系の内惑星のイラスト
くじら座τ星の周りに発見された4つの惑星(上)と、太陽系の内惑星(下)を比較したイラスト(提供:F. Feng, University of Hertfordshire, U.K.)

12光年彼方の太陽に似た恒星「くじら座τ星」の周りに、地球サイズの惑星が4つ発見されました

地球から12光年彼方に輝く3等星「くじら座τ(タウ)星」は、太陽よりもやや小さく低温ながら、太陽と同じスペクトル型がG型の星です。近いことと太陽に似ていることから、地球外知的生命体探査計画「オズマ計画」のターゲットの一つとして選ばれるなど研究対象として興味深く、様々なSFの舞台としても取り上げられています

英・ハートフォードシャー大学のFabo Fengさんたちは、チリのヨーロッパ南天天文台ラ・シーヤ観測所と米・ハワイのケック望遠鏡の観測データから、くじら座τ星の周りに地球と同程度の質量を持つ系外惑星を4個発見しました。太陽系に近いところにある太陽に似た星の周りに見つかったものとしては、最小クラスの系外惑星となります

4つの惑星は、惑星の重力による中心星のふらつきを観測すること(ドップラー法)によって検出されたものです。くじら座τ星のふらつきを観測するには、1秒あたり30cmというわずかな動きの変化を検出できるだけの技術が必要とされます。惑星が小さければ中心星に惑星が及ぼす重力も小さいため、中心星のふらつきを検出することもいっそう難しくなります。「今回わずかなふらつきを検出できたことは、地球のような惑星探しにおいて、また地球のような惑星との比較から地球上にある生命の居住を許す環境への理解を深める上で、画期的なことです」(Fengさん)。

「データが惑星由来のシグナルなのか恒星由来なのかの違いを見分ける独創的な方法を思いつき、その技術の精度向上を図ってきました。観測波長を変えると恒星の活動が異なって見えることを利用し、惑星のシグナルから恒星の活動を分離するのです」(ハートフォードシャー大学のMikko Tuomiさん)。「惑星によって引き起こされるふらつきと、活動が活発な恒星の表面によって引き起こされる現象との違いを徐々に見分けられるようになってきたおかげで、2013年にとらえられ惑星からのものと思われたシグナルのうち2つを除外することができました。そのうえで、どう見ても少なくとも4つの岩石惑星が存在していることが示唆されました」

見つかった4つの惑星のうち外側の2つはハビタブルゾーンに位置するスーパーアースで、表面には水が液体で存在できる環境が存在すると考えられます。ただし、中心星の周りには巨大なデブリ(惑星形成材料の残骸)の円盤があるため、惑星は小惑星や彗星が衝突を繰り返すような生命に優しくない環境かもしれません

2017年8月15日
AstroArtsより

TRAPPIST-1は年齢が54億~98億歳

Posted by moonrainbow on 17.2017 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
太陽より年上のTRAPPIST-1は年齢が54億~98億歳ほど

TRAPPIST-1の7惑星の想像イラスト
TRAPPIST-1の7惑星の想像イラスト(提供:NASA/JPL-Caltech、以下同)


7つの系外惑星が見つかった赤色矮星「TRAPPIST-1」の年齢が54億~98億歳ほどと見積もられ、太陽よりかなり古いことが明らかになりました

今年初めに行われたNASAの記者会見で、チリのTRAPPIST望遠鏡やNASAの赤外線天文衛星「スピッツァー」などの観測から、みずがめ座の赤色矮星「TRAPPIST-1」の周りに地球サイズの惑星が7つ発見されたことが発表されました

発見時、TRAPPIST-1は少なくとも5億歳であるはずだと考えられました。これは、太陽質量の8%と小さい星であるTRAPPIST-1ができあがるまでにかかる時間から見積もられたものです。反対に、TRAPPIST-1が宇宙とほぼ同じくらい年老いていることも理論上考えられます

米・カリフォルニア大学サンディエゴ校のAdam BurgasserさんたちがTRAPPIST-1の運動速度や大気の化学組成、フレアの発生頻度などの情報からTRAPPIST-1の年齢を推測したところ、いずれのデータからもTRAPPIST-1が太陽よりかなり年老いていることが示されました。年齢は54億~98億歳と見積もられ、最長で太陽系の2倍ほどにもなります

年老いた星のすぐ近くを回っている惑星は、数十億年にわたって中心星からの高エネルギー放射という猛威にさらされてきたことになります。その影響で、7つの惑星のうち中心から離れている2つの惑星を除いて、TRAPPIST-1の惑星それぞれから地球の海水に相当する量の水が蒸発したかもしれないのです。太陽系では火星がこの状況に当たる惑星です

年齢が古いからといって、必ずしも惑星の大気が失われたとは限らない。TRAPPIST-1の惑星の密度が地球より低いことを考えると、水のような揮発性分子によって厚い大気が作られ、惑星の表面が放射から守られる可能性があります。厚い大気は、惑星の昼の面から夜側に熱を運ぶ役割を果たすかもしれない(TRAPPIST-1の惑星はすべて潮汐固定されており、昼と夜が入れ替わることがない)。しかし今度は、厚い大気が暴走温室効果を生じさせるという可能性もあり、金星のような過熱状態となるかもしれないのです

「もしTRAPPIST-1の惑星上に生命がいるとすれば、潜在的に悲惨な環境を数十億年間生き抜いてきた強い生命でしょう」(Burgasserさん)。

惑星「TRAPPIST-1 f」(右)の側から見たTRAPPIST-1の惑星系のイラスト
惑星「TRAPPIST-1 f」(右)の側から見たTRAPPIST-1の惑星系のイラスト

2017年8月16日
AstroArtsより

系外惑星が受ける、低温小質量星からの脅威

Posted by moonrainbow on 18.2017 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
系外惑星が受ける、低温小質量星からの脅威(RAS

ある系外惑星の想像図
ある系外惑星の想像図。中心星からの強い放射によって大気がはぎとられている(提供:Ron Miller)

低温で小質量の星で起こるコロナ質量放出をモデル化した研究から、こうした星の周りのハビタブルゾーンに位置する系外惑星は、生命にとって致命的ともいえる影響を受ける可能性が示されました

系外惑星の軌道が、液体の水が存在できる範囲(ハビタブルゾーン)にあるとき、その惑星には(地球に見られるような)生命を育むのに適した環境が存在すると考えられてきました。低温で小質量の(軽い)星の場合、その範囲は太陽系のもの(地球軌道付近)よりも中心星に近くなります

こうした星は磁場が強く、中心星からのコロナ質量放出(CME)が激しくなります。CMEとは恒星の表面で磁場のエネルギーが突然解放され、プラズマの塊が放出される爆発的な現象です。太陽でもたびたび発生しており、人工衛星や地上の電子機器に悪影響を及ぼすことがあります

このCMEが惑星を直撃すると、惑星を守っている磁気圏が圧縮されます。CMEが極端に強い場合には、その圧力で磁気圏が縮小し、惑星大気が露出し、さらには惑星から大気が逃げ出すことになります。すると、惑星の表面やそこに存在する生物は、中心星からの有害なX線にさらされる。ハビタブルゾーンが中心星に近ければ、その影響はさらに大きくなります

NASAゴダード宇宙飛行センターのChristina Kayさんたち研究チームは、系外惑星が見つかっている低温の星「ペガスス座V374」に太陽系内のCMEに関する情報を当てはめ、こうした系で惑星にどのような影響があるかを調べました

この系で発生すると考えられる理論上のCMEをモデル化して調べたところ、中心星の強い磁場によって惑星に対するCMEの影響が甚大になることが示された。このCMEから系外惑星の大気を守るためには、惑星の磁場は地球の10倍から数千倍も強い必要があります。「太陽の場合よりも強力なCMEがより頻繁に起こるだろうとは考えていましたが、CMEがどこまで届くかは予想外でした」(Kayさん)

「低温の星は宇宙で最も多く存在する天体と考えられていて、その周囲に存在する系外惑星は地球外生命探しの対象として最適だと思われています。しかし今回の結果からわかるように、低温の星の『ハビタブルゾーン』は、生命にとって危険な場所でもあるのです」(共同研究者 Marc Kornbleuthさん)

2017年7月6日
AstroArtsより
 

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