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地球質量の「自由浮遊惑星」4個発見

Posted by moonrainbow on 24.2021 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
地球質量の「自由浮遊惑星」4個発見。重力マイクロレンズ法の威力

自由浮遊惑星の想像図
【▲ 自由浮遊惑星の想像図(Credit: A. Stelter / Wikimedia Commons)】

わたしたちは学校などで天文現象を学んだとき、太陽のような恒星の周りを、一定の軌道を持って周回している天体を惑星と習ってきました。実際、天文学においても、ホストとなる親星に縛られず、宇宙空間を単独で浮遊している惑星(惑星程度の質量を持った天体)は存在しないと考えられていました。しかし、近年、観測技術の進歩により、そのような惑星、すなわち「自由浮遊惑星」(free-floating planet:FFP)の存在が明らかになってきました

この度、マンチェスター大学のIain McDonald博士が率いる研究によると、地球と同程度の質量を持つ4つの自由浮遊惑星が新たに発見されました。ケプラー衛星のK2ミッション(主要ミッション終了後に移行された新たなミッション)によって2016年に取得されたアーカイブデータの分析結果によるものです。この研究結果は2021年7月6日付けで王立天文学会月報に掲載されました。

発見に用いられた重力マイクロレンズ法は、アインシュタインの一般相対性理論によって予測されていた重力レンズ現象を利用した方法です。こちらの動画は重力マイクロレンズ効果を説明したアニメーションです


Animation of a microlensing signal as seen from Earth



背景の星に前景の星(惑星状の天体)が重なると、前景の星の重力により背景の星の光が曲げられ、地球上からは丸い像が見え、背景の星の明るさが増します。

天の川銀河に存在する星のうち、100万個に1つ程度は重力マイクロレンズ効果の影響を受けていて、さらにその数パーセントは太陽系外惑星によって引き起こされていると予想されています。

しかし、「このような信号を検出することは非常に困難な作業です」とIain McDonald博士は語っています。「わたしたちの観測では、視力の衰えた高齢の望遠鏡を、星が最も密集した部分に向けました。そこには、明るさの異なる何千もの明るい星と、何千もの小惑星がすでに存在し、わたしたちの視野をかすめています。その不協和音の中から、太陽系外惑星によって引き起こされる僅かで特徴的な明るさを抽出しようとしました」

今後は、そのような僅かな信号を見つけるように設計された他のミッションに引き継がれます。

アンシュタインは重力レンズ現象を予測していましたが、実際に観測することは不可能だと考えていました。しかし、現在では、ブラックホールやダークマターの研究、自由浮遊惑星を含む太陽系外惑星の発見は、重力マイクロレンズ法なしには成し得なかった成果と言えるでしょう。

太陽系内の惑星の動きは基本的にニュートン力学(ケプラーの法則)で説明できますが、視野を太陽系外へと広げていくとニュートン力学だけでは手に負えなくなってきます。

重力レンズ現象は観測不可能と考えたアインシュタインの予言自体はずれましたが、アインシュタインによる一般相対性理論の発見が現代天文学の多くの成果を支えていると言っても決して過言ではないでしょう


Video Credit: 王立天文学会(Royal Astronomical Society)
Image Credit: A. Stelter / Wikimedia Commons

2021-07-17
Soraeより

系外惑星「TOI 2076 b」、「TOI 2076 c」、「TOI 2076 d 」、「TOI 1807 b」

Posted by moonrainbow on 23.2021 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
TESSが若い4個の系外惑星を発見 惑星の進化を解き明かすヒントに

中心星の周りを回る系外惑星の想像図
【▲ 中心星の周りを回る系外惑星の想像図(Credit: NASA)】

NASAは7月12日、NASAのエイムズ研究センターなどで研究するクリスティーナ・ヘッジスさん率いる研究チームが、トランジット系外惑星探索衛星TESS(Transiting Exoplanet Survey Satellite)のデータを使って、若い兄弟星「TOI 2076」と「TOI 1807」について、合計4つの系外惑星を発見したと発表しました。発見されたのは「TOI 2076 b」、「TOI 2076 c」、「TOI 2076 d 」、「TOI 1807 b」の4つです

研究チームによれば、この発見によって、まだよく解っていない惑星進化の若い段階に関する理解が深まることが期待されるといいます。

TOI 2076とTOI 1807は、地球から130光年以上離れたところにあり、互いに30光年ほど離れています。ともに2億歳ほどととても若いです。ちなみに私達の太陽は46億歳ほどです。

ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の位置天文衛星ガイアのデータから、TOI 2076とTOI 1807は宇宙空間を同じ方向に移動していることが解っています。そのため、この2つの恒星は、距離が離れ過ぎているために連星ではありませんが、同じ分子雲で誕生したのではないかと考えられています。いわば、TOI 2076とTOI 1807は兄弟星(Stellar Siblings)というわけです。

そして、TOI 2076とTOI 1807は、とても若いために、太陽と同じ歳になったときに比べて、おそらく10倍もの紫外線を放射しています。

研究チームは、このようなTOI 2076とTOI 1807について、TESSのデータを使って、トランジット法により、合計4つの系外惑星を発見しました。

まず、TOI 2076について、TOI 2076 b(大きさは地球の3倍ほど、公転周期は10日)、TOI 2076 c(大きさは地球の4倍超ほど、公転周期は17日超ほど)、TOI 2076 d(大きさは地球の4倍超ほど、公転周期は17日超ほど)の3つです。

そして、TOI 1807についてはTOI 1807 b(大きさは地球の2倍ほど、公転周期はちょうど13時間)の1つだけです。

理論モデルによると、惑星は、最初、原始惑星系円盤内で形成されたときから残っている厚い大気を持っています。しかし、そのうちのいくつかの惑星は若い中心星の強烈な放射によってこの大気を剥ぎ取られて岩石のコアが剥き出しになります。ただ、さらに、そのうちのいくつかの惑星は、その後、火山活動などその惑星自身のプロセスによって、再び、二次的に大気を獲得します。

研究チームによれば、TOI 2076とTOI 1807の年齢から考えて、TOI 2076とTOI 1807の惑星達は、まさにこのような惑星の大気進化の途上にあることが示唆されるといいます。

今回の論文の共著者であるトレバー・デイビッドさんは、「TESSによるTOI 2076とTOI 1807の発見は、(まだよく解っていない)この若い段階における惑星の進化に関する理解を深めることになるでしょう」とコメントしています。

2021年の後半に打ち上げ予定のNASAの次世代ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の重要なミッションの1つに系外惑星の大気などの観測があります。とても楽しみです


Image Credit: NASA

2021-07-17
Soraeより

「自由浮遊惑星」(free-floating planet、rogue planet)に液体の水が存在?

Posted by moonrainbow on 17.2021 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
宇宙をさまよう自由浮遊惑星の衛星表面にも液体の水が存在?

自由浮遊惑星および表面に液体の水
【▲ 自由浮遊惑星および表面に液体の水が存在し得る衛星を描いた想像図(Credit: Tommaso Grassi / LMU)】

「自由浮遊惑星」(free-floating planet、rogue planet)とは、惑星として形成された後に何らかの理由で恒星から離れ、宇宙を放浪していると予想される天体です。その数は控えめな見積もりでも天の川銀河だけで1000億個を上回るといいます

コンセプシオン大学のPatricio Javier Ávila氏やルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン(LMU)に所属する研究者らのグループは、そんな自由浮遊惑星を公転する衛星の表面に液体の水が存在する可能性を示した研究成果を発表しました

■宇宙線と潮汐加熱が液体の水を生成・保持している可能性

研究グループが想定したのは、木星と同じ質量の自由浮遊惑星を公転する地球と同じ質量の衛星です。研究グループは、衛星が持つ大気の量や降り注ぐ宇宙線の影響といった条件が異なる4つのパターンについて、コンピューターモデルを用いて大気の熱構造をシミュレートしました。衛星の大気組成は二酸化炭素が90%、水素分子が10%と仮定されています。

その結果、条件次第では衛星の表面に液体の水が存在し得ることが示されたといいます。シミュレーションで示された水の量は地球の海水の約1万分の1ですが、地球の大気中に存在する水蒸気の量に対しては約100倍となり、生命の進化と繁栄を可能にするには十分な量だと研究グループは指摘しています。

ただし、地球と自由浮遊惑星の衛星では環境が大きく異なります。地球の場合は太陽エネルギーが地表や大気を温めると同時に、大気中で光化学反応を引き起こすことでさまざまな物質を生成していますが、前述のように自由浮遊惑星は恒星を周回していないため、エネルギー源となる恒星がありません。

研究グループは、衛星表面の水が液体の状態を保つための熱源として、木星のように巨大な自由浮遊惑星の重力がもたらす潮汐加熱(※)を想定。生み出された熱は大気の主成分である二酸化炭素がもたらす温室効果によって効果的に保持されるといいます。また、衛星の大気に入射する宇宙線が化学反応を引き起こすことで、二酸化炭素と水素分子から水やその他の物質が生成されると考えられています。

※…別の天体の重力がもたらす潮汐力によって天体の内部が変形して加熱される現象

なお、2020年にはフロリダ工科大学のManasvi Lingam氏とハーバード大学のAbraham Loeb氏が、自由浮遊惑星の表面に液体の水やメタンが存在する可能性を示した研究成果を発表しました。両氏は恒星に代わるエネルギー源として、自由浮遊惑星の内部に存在する放射性元素の崩壊熱を想定しています。

また、身近な太陽系では木星や土星を周回する氷が豊富な衛星において、潮汐加熱を熱源とした内部海が外殻の下に存在する可能性が指摘されています。地球には似ていないとしても、この宇宙では液体の水が存在する天体はありふれているのかもしれません


Image Credit: Tommaso Grassi / LMU

2021-06-11
Soraeより

ハビタブルゾーンでも水や大気がある?

Posted by moonrainbow on 03.2021 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
地殻の厚さも重要? ハビタブルゾーンでも水や大気がある惑星になるとは限らない

ハビタブルゾーンを公転する太陽系外惑星
【▲ ハビタブルゾーンを公転する太陽系外惑星を描いた想像図(Credit: NASA Ames/JPL-Caltech/T. Pyle)】

人類はこれまでに4300個以上の太陽系外惑星を発見していて、そのなかには恒星のハビタブルゾーン(地球型惑星の表面に液体の水が存在し得る領域)を公転する地球に近いサイズの岩石惑星も含まれています。こうした系外惑星は生命が居住可能な環境を持っている可能性があることから、バイオシグネチャー(生命存在の兆候)やテクノシグネチャー(技術的な兆候)を検出する方法についての研究も進められています

ただ、ハビタブルゾーンを公転しているからといって、必ずしもその惑星が生命に適しているとは限りません。たとえば、地球サイズの系外惑星が7つ見つかっている恒星「TRAPPIST-1」のような赤色矮星では、恒星の表面で発生する爆発現象「フレア」が起きやすいことが知られています。フレアは生命を脅かす放射線を惑星にもたらすことがありますし、長い目で見れば惑星の大気を少しずつ奪い去ってしまうことも考えられます。

「太陽系をよく見て下さい。火星もハビタブルゾーンの中にあり、かつては液体の水をサポートしていましたが、乾ききってからずいぶん経ちます」そう語るブリティッシュコロンビア大学のBrendan Dyck氏らの研究グループは、惑星の表面に水が保たれるかどうかは地殻の厚さに左右される可能性を指摘しています。「たとえ惑星がハビタブルゾーンにあったとしても、生命の居住可能性は初期の形成段階にかかっています」(Dyck氏)


■地殻が厚い惑星では水が内部へ取り込まれることで表面からは失われてしまう可能性

初期の惑星内部では、軽い岩石の成分が上へ、重い金属の成分が下へと分かれていく「分化」というプロセスが進みます。分化した岩石成分は地殻やマントルを、金属成分はコア(核)を形成します。研究グループによると、コアが大きな惑星ではマントルの鉄含有量が少なく、地殻は薄くなりますが、コアが小さな惑星ではマントルの鉄含有量が多くなり、火星のように鉄が豊富な厚い地殻が形成されるといいます。

研究グループは、地殻が厚い惑星では地表の含水鉱物が火山活動によって埋没したり、リソスフェア(地殻およびマントルの最上部)の一部が沈み込んだりすることによって、水などの揮発性物質が惑星の内部へと効率的に運ばれていくと考えています。地球では内部に取り込まれた水などの一部が火山活動によって大気中に放出されていますが、地殻が厚い惑星における揮発性物質の移動は一方通行であり、内部に取り込まれた後で地表へ戻ることはないようです。

「惑星のマントルに含まれる鉄の量さえわかれば、地殻の厚さを予想し、そこから液体の水および大気が存在する可能性も予測できることを私たちは示しました」と語るDyck氏は、今年10月に打ち上げが予定されているアメリカ航空宇宙局(NASA)の宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」に言及。太陽系外惑星系の化学的性質の調査を目標のひとつとする同望遠鏡が「系外惑星の表面がどのように見えるかのアイディアだけでなく、生命の故郷であるかどうかのヒントさえ与えてくれるかもしれません」と期待を寄せています


Image Credit: NASA Ames/JPL-Caltech/T. Pyle

2021-05-25
Soraeより

原始惑星の成長

Posted by moonrainbow on 20.2021 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
地球のように生命を育む惑星が誕生するには「急成長した微惑星」が必要か

小惑星どうしの衝突を描いた想像図
【▲ 小惑星どうしの衝突を描いた想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)】

地球や木星をはじめとした惑星は、若い星を取り囲む「原始惑星系円盤」と呼ばれるガスや塵の集まりのなかで誕生すると考えられています。円盤のなかでは小さな塵が合体して数多くの微惑星が形成され、微惑星どうしが衝突を繰り返すことで原始惑星へ成長するとみられています

ライス大学のDamanveer Grewal氏らの研究グループは、生命を育む地球のような惑星が形成されるためには、恒星からの距離だけでなく惑星形成時の成長速度も重要だとする研究成果を発表しました。研究グループによると、形成された惑星が十分な大気を持つためには、惑星胚(planetary embryo)と呼ばれる月~火星サイズの比較的大きな微惑星の成長速度が鍵になるようです

■急速に成長した惑星胚が生命に必須の揮発性物質をもたらす可能性

地球の内部は岩石でできた地殻やマントルと金属でできたコア(核)に分かれた構造をしていますが、最初からこのように分かれていたわけではなく、ある程度の大きさに成長して内部が溶けた微惑星の段階から、軽い岩石の成分が上へ、重い金属の成分が下へと分かれていったと考えられています。岩石成分と金属成分が分かれていくこのプロセスは「分化」と呼ばれています。

研究グループによると、分化が進むと微惑星や原始惑星の内部から窒素が放出されて大気に加わるものの、他の微惑星と衝突することなどによって、この窒素は宇宙空間へと失われていきます。ただし、大気やマントルの窒素が枯渇した後もコアに十分な量の窒素が含まれていれば、形成が進む地球のような惑星にとって窒素の重要な供給源になり得るといいます。

最終的に地球のような生命が居住可能な惑星が形成される条件を調べるために、研究グループは高圧高温条件下での実験を実施。窒素が大気・マントル・コアの間でどのように分配されるのかを分析した結果、原始惑星に含まれる窒素の量は惑星胚の成長速度に左右される可能性が示されました。研究グループによると、惑星胚が太陽系の始まりからおよそ100万~200万年以内という短期間で急速に成長した場合、惑星胚内部の分化があまり進まないため、惑星胚から形成される原始惑星は窒素を保持することになるといいます。

いっぽう、惑星胚の成長速度が遅いと内部の分化が進むため、時間をかけて成長した惑星胚から形成される惑星の場合、窒素だけでなく炭素や水といった生命にとって欠かせない揮発性物質も十分には蓄積されなかっただろうと研究グループは指摘しています。地球と同じように恒星のハビタブルゾーン(地球型惑星の表面に液体の水が存在し得る領域)を公転する惑星であっても、後に生命が誕生するかどうかは、原始惑星が形成されつつある段階ですでに決まっているのかもしれません


Image Credit: NASA/JPL-Caltech

2021-05-14
Soraeより
 

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