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「ハビタブル惑星」の捜索

Posted by moonrainbow on 01.2020 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
地球に似た惑星探しに役立つテンプレートが公開される

太陽系外惑星「ケプラー62f」を描いた想像図
太陽系外惑星「ケプラー62f」を描いた想像図(Credit: NASA Ames/JPL-Caltech)

数千個が発見されている太陽系外惑星のなかには、地球にいるような生命が存在できる環境を持つことが期待される惑星も幾つか存在しています。そんな「ハビタブル惑星」とも呼ばれる系外惑星の捜索に利用できるテンプレートを検討・作成した研究成果が発表されています

■地球の各時代における大気組成にあわせた5種類のテンプレート

何光年も離れた系外惑星に生命が存在できるかどうかを調べる方法として、系外惑星の大気組成を分析する手法があげられます。地球の生命に欠かせない水(水蒸気)はもとより、酸素、メタン、二酸化炭素といった生命活動にも結びついた物質の比率を調べることで、その惑星に地球のような生命が存在する可能性が高いか低いかを判断できます。

系外惑星の大気組成は、大気を通過してきた主星(恒星)の光を虹の七色のように波長ごとに分ける「分光観測」にかけることで調べることができます。今回Lisa Kaltenegger氏(コーネル大学)らの研究チームが作成したのは、この分光観測で用いることを想定したテンプレートです。

Kaltenegger氏らはハビタブル惑星を探すにあたり、現在の地球だけを手本とするのではなく、過去の地球にも目を向けるべきだと考えました。今の地球の大気は約21パーセントを酸素が占めていますが、過去の地球では酸素濃度がより低く、生命が誕生したばかりの頃はほとんど酸素がなかったとされています。そのため、「生命はいるが、大気組成は今の地球と異なる」ような惑星を見つけるには、地球の各時代にあわせた手本が参考になるはずです。

そこで研究チームは、地球を生命誕生前の時代から現代まで5つの時代に分けた上で、それぞれの時代における大気組成の特徴にあわせたテンプレートを用意しました。分光観測で得られた系外惑星の大気組成をこのテンプレートと比較することで、その惑星が地球の歴史でいえばどの段階にあるのかがわかるというわけです。テンプレートの特徴を簡単にまとめると、次のようになります(実際には酸素や二酸化炭素以外にメタンやオゾンなども考慮されています)。

・現代:21パーセントの酸素、少ない二酸化炭素
・8億~5億年前:2.1パーセントの酸素、1パーセントの二酸化炭素
・20億~10億年前:0.21パーセントの酸素、1パーセントの二酸化炭素
・35億年前:希薄な酸素、1パーセントの二酸化炭素
・39億年前:希薄な酸素、10パーセントの二酸化炭素

Kaltenegger氏は、NASAの新しい宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」(2021年3月打ち上げ予定も新型コロナウイルスの影響で開発は一時停止中)や、ヨーロッパ南天天文台(ESO)が建設中の「欧州超大型望遠鏡(ELT)」(2025年観測開始予定)といった、次世代の観測手段による系外惑星の大気に対する分光観測に期待。「地球の過去を鍵とすることで、系外惑星における生命の徴候がより見つけやすくなる」とコメントしています


Image Credit: NASA Ames/JPL-Caltech

2020-03-28
Soraeより

太陽系外惑星は大きく傾いた軌道に形成されることがある

Posted by moonrainbow on 28.2020 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
「タトゥイーン」のような太陽系外惑星は、大きく傾いた軌道に形成されることがある

惑星の日没を描いた想像図
連星の公転軌道に対して傾いて周回する惑星の日没を描いた想像図。空に描かれた楕円形は連星の公転軌道を示している(Credit: NRAO/AUI/NSF, S. Dagnello.)

ここ四半世紀で数千個が見つかっている太陽系外惑星。その一部は2つの恒星からなる連星の周囲で発見されています。映画「スター・ウォーズ」シリーズの舞台のひとつ、双子の太陽を持つ「タトゥイーン」にも例えられるこうした系外惑星は、大きく傾いた軌道に形成される場合があることを示した研究成果が公開されています

■連星の公転周期が長いと「周連星円盤」は傾きやすいことが判明

若い恒星の周囲にはガスや塵でできた円盤「原始惑星系円盤」が存在し、ここから惑星が形成されると考えられています。こうした円盤は連星でも観測されており、2つの恒星をドーナツ状に大きく取り囲むものは「周連星円盤」とも呼ばれます。

Ian Czekala氏(カリフォルニア大学バークレー校)らの研究チームは、チリの「アルマ望遠鏡」によって得られた周連星円盤の観測データと、NASAの宇宙望遠鏡「ケプラー」によって得られた連星を周回する系外惑星の観測データを分析・比較しました。その結果、連星を成す主星と伴星の公転周期が30日以下の場合は周連星円盤の傾きが連星の公転軌道とほぼ揃うものの、連星の公転周期が30日を超えてくると周連星円盤の傾きが連星の公転軌道と一致せず、大きく傾きやすいことがわかったといいます。

たとえば連星の公転周期が13.6日の「さそり座AK星(AK Sco)」の場合、連星の公転軌道に対する周連星円盤の傾きは2.7度以下で、連星とほぼ揃っています。ところが連星の公転周期が315日と長い「HD 98800 B」では周連星円盤の傾きが89~95度と、ほとんど垂直に達しています。

このような周連星円盤より形成された惑星から空を見上げると、さそり座AK星のように公転周期の短い連星では、「1年(惑星が軌道を1回公転するのに要する期間)」を通して主星と伴星がひんぱんに重なって見える可能性が高くなります。いっぽう公転周期の長いHD 98800 Bのような連星の場合、惑星の軌道が大きく傾いているために主星と伴星が重なって見える時期は「1年」のうち2度ほどの短い期間に限られますし、重なって見えるかどうかは連星が公転するタイミングにも左右されるので、ほとんどの期間は主星と伴星の間隔が広がったり狭まったりして見える空のもとで過ごすことになります。

Czekala氏は今後、連星の公転周期と周連星円盤の傾きのあいだになぜこのような関係があるのか、その謎を解き明かすために引き続き研究を進めていきたいとコメントしています


HD 98800 B(左)とさそり座AK星(右)
アルマ望遠鏡によって観測された、HD 98800 B(左)とさそり座AK星(右)の周囲にある周連星円盤(オレンジ色)。円盤内部と左下に示されているのは連星とその軌道(Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), I. Czekala and G. Kennedy; NRAO/AUI/NSF, S. Dagnello.)

image Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), I. Czekala and G. Kennedy; NRAO/AUI/NSF, S. Dagnello.

2020-03-25
Soraeより

「鉄の雨」が降っている系外惑星「WASP-76b」

Posted by moonrainbow on 17.2020 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
太陽系外惑星WASP-76bでは、明けない夜の空から鉄の雨が降る

ホットジュピターを描いた想像図
ホットジュピターを描いた想像図(Credit: ESO/L. Calçada)

4000個以上が見つかっている太陽系外惑星のなかには、主星(恒星)に非常に近い軌道を描いているために、表面や大気が高温に熱せられているものもあります。そんな灼熱の系外惑星のひとつでは「鉄の雨」が降っているとする研究成果が発表されました

■昼側で蒸発した鉄の蒸気が、夜側では雨となって降りそそぐ

David Ehrenreich氏(ジュネーブ大学、スイス)らの研究チームが調べたのは、「うお座」の方向およそ640光年先にある系外惑星「WASP-76b」です。

木星より若干軽いWASP-76bはいわゆる「ホットジュピター」のひとつで、太陽の1.5倍ほどの重さがある主星を約1.81日で一周するほど小さな軌道を描いています。主星の重力がもたらす潮汐力によって自転周期と公転周期が同期する「潮汐固定(潮汐ロック)」の状態にあると考えられており、昼側の温度は摂氏2400度以上に達するとみられています。

研究チームがヨーロッパ南天天文台(ESO)のパラナル天文台にある「超大型望遠鏡(VLT)」でWASP-76bを観測したところ、昼側の大気には鉄の蒸気が豊富に含まれていることがわかりました。また、昼夜の境界のうち、片側では鉄の蒸気が検出されたものの、もう片側では鉄の蒸気が検出されないことも判明しています。

潮汐固定されたWASP-76bでは、主星にずっと照らされる昼側とまったく照らされない夜側との温度差が摂氏1000度近くに達していて、強い風が吹いているとみられています。研究チームでは、鉄の蒸気が風や自転の働きによって高温の昼側から「夕方(day-to-night)」の境界を越えて低温の夜側に運ばれていき、冷やされて凝縮し雨となることで、「朝(night-to-day)」の境界では鉄蒸気が検出されないと考えています。もしもWASP-76bを訪れることができたなら、明けない夜の空から鉄の雨粒が降っている光景を見ることができるかもしれません。

なお、今回の観測では、VLTに設置されている分光観測装置「ESPRESSO」が使用されました。ESPRESSOはもともと太陽に似た恒星の周囲にある地球のような系外惑星を見つけるために開発されたものですが、Ehrenreich氏は「系外惑星の極端な気候を探る新たな手段」と評価しています


WASP-76bの景色を描いた想像図
WASP-76bの景色を描いた想像図。夕方から夜の領域に入ると凝縮した鉄の雨が降っていると考えられている(Credit: ESO/M. Kornmesser)

Image Credit: ESO/M. Kornmesser

2020-03-12
Soraeより

「ケプラー87c」など3つの系外惑星

Posted by moonrainbow on 11.2020 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
「綿菓子のような」低密度の系外惑星、その一部は環を持っている?

環を持つ系外惑星が主星の手前を横切る様子を描いた想像図
環を持つ系外惑星が主星の手前を横切る様子を描いた想像図(Credit: Robin Dienel and courtesy of the Carnegie Institution for Science)

4000個以上が見つかっている太陽系外惑星のなかには、太陽系では考えられないほど平均密度が低いものが幾つか見つかっています。今回、そのうちの一部が実は環を持っているのではないかとする研究成果が発表されました

■環を持っているかもしれないのは「ケプラー87c」など3つの系外惑星

土星の平均密度(質量を体積で割った値)は、水よりも低い1立方cmあたり0.69g(1立方mあたり690kg)。密度の低さをわかりやすく伝えるために「水に浮かぶ」と表現されることもありますが、系外惑星のなかには平均密度が0.1g/cm3を下回るものも幾つか見つかっています。

Anthony Piro氏(カーネギー研究所、アメリカ)とShreyas Vissapragada氏(カリフォルニア工科大学、アメリカ)は、「綿菓子のようだ」とも表現されるこれらの低密度な系外惑星が実は「環」を持っているために、本来のサイズよりも大きな系外惑星として観測されているのではないかとする仮説を立てました。

系外惑星のサイズは主星(恒星)の手前を横切るトランジット現象を起こす際の明るさの変化をもとにして算出されます。Piro氏とVissapragada氏は、もしも系外惑星が環を持っていて、地球からは環が傾いて見える場合、環によって主星の光がさえぎられるために、系外惑星のサイズが実際よりも大きく見積もられるのではないかと考えたのです。



両氏が10個の低密度な系外惑星(平均密度は0.03~0.31g/cm3)について、環を持っていると仮定した場合の明るさの変化を複数の条件でシミュレートした結果、「ケプラー87c」「ケプラー177c」「HIP 41378f」の3つが環を持っている可能性があることが示されました。これらの系外惑星は主星の比較的近くを周回しているため、土星のような水の氷でできた環ではなく、岩や石でできた岩石質の環を持っているとみられています。

ただし、これらの系外惑星が実際に環を持っているかどうかを確かめるには、現在の観測手段では精度が不足しています。両氏は来年2021年に打ち上げ予定の「ジェイムズ・ウェッブ」宇宙望遠鏡によって環の有無が確認されれば、このような系外惑星がどのようにして形成されたのか、その理解が深まると期待を寄せています


Image Credit: Robin Dienel and courtesy of the Carnegie Institution for Science

2020-03-03
Soraeより

系外惑星「2MASS 1155-7919 b」

Posted by moonrainbow on 18.2020 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
330光年先の500万歳。宇宙規模では「近くて若い」太陽系外惑星を発

系外惑星「2MASS 1155-7919 b」(左)の想像図
【▲若く巨大な系外惑星「2MASS 1155-7919 b」(左)の想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (SSC-Caltech))】

およそ138億年前に始まったとされる宇宙の歴史を振り返れば「わずか」と言える、誕生から数百万年しか経っていないとみられる巨大な太陽系外惑星が見つかりました。その場所は太陽系に比較的近く、惑星形成の謎を解き明かす上で貴重な情報が得られると研究者は期待を寄せています

■質量は木星の10倍、主星から遠く離れている理由は不明

Annie Dickson-Vandervelde氏(ロチェスター工科大学、アメリカ)らの研究チームが発見したのは、南天の「カメレオン座」の方向およそ330光年先、木星の10倍ほどの質量を持つ巨大な系外惑星「2MASS 1155-7919 b」です。この系外惑星は赤色矮星「2MASS 1155-7919」の周囲を公転しています。

今回見つかった系外惑星が周回する赤色矮星は、誕生から300万~500万年しか経っていないとみられる若い星のグループ「カメレオン座イプシロンアソシエーション(epsilon Chamaeleontis Association)」に属しています。研究チームはこのことから、今回発見された巨大惑星も誕生から長くても500万年ほどしか経っていないと考えています。

未解決の謎として提示されたのは、その軌道です。今回見つかった2MASS 1155-7919 bは、主星から約600天文単位(太陽から地球までの距離の600倍)も離れたところを周回する軌道を描いているとみられています。主星から大きく離れたところを周回する系外惑星はこれまでにも「HD 106906 b」などが見つかっていますが、こうした惑星がどのように形成され、現在の軌道で観測されるようになったのかについては、今も議論が続いています。

Dickson-Vandervelde氏らは、主星から遠く離れた系外惑星の形成に関する新たな知見を得るためにも、地球に比較的近く、また年齢も若い2MASS 1155-7919 bに対する追加観測の必要性を強調しています


Image Credit: NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (SSC-Caltech)

2020-02-12
Soraeより
 

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