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系外惑星「LP 791-18 d」

Posted by moonrainbow on 01.2023 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
火山活動の可能性がある地球サイズの系外惑星

発見された惑星dの想像図
発見された惑星dの想像図、右側奥の青い点が大きく重い惑星c(提供:NASA's Goddard Space Flight Center/Chris Smith (KRBwyle))

約90光年離れた星で見つかった系外惑星「LP 791-18 d」は、周りの惑星や恒星の影響で活発な火山活動が起こっている可能性があると同時に、地球のように大気を保持しているかもしれない

カナダ・モントリオール大学のMerrin S. Petersonさんたちの研究チームは、コップ座の方向約90光年の距離にある太陽より暗い赤色矮星「LP 791-18」の惑星系を、宇宙と地上から詳しく観測した。LP 791-18の周りにはこれまでに、NASAの系外惑星探査衛星「TESS」による観測で2つの惑星bとcが見つかっている

今回、NASAの宇宙望遠鏡「スピッツァー」による127時間におよぶ連続観測から、新たな惑星dが発見された。その後、日本の多色同時撮像カメラMuSCAT、MuSCAT2を含めた多数の地上望遠鏡が連携して、惑星の性質を調べるための観測が実施された

惑星dの半径は地球のおよそ1.03倍と、地球にとてもよく似ている。一方、恒星の周りを回る公転周期は約2.75日で、約0.94日の惑星bと約4.99日の惑星cの間に位置する。惑星たちは公転するたびに他の惑星と接近するタイミングが訪れるが、このときお互いの引力が動きに影響を及ぼし合う。地上からの観測では、惑星cが恒星の前を通過するトランジットの時刻が、惑星dの存在によってずれる様子が検出された。これにより、惑星dは半径だけでなく質量も地球と同程度であること、外側の惑星cは地球の9倍と重いことがわかった

3つの惑星の軌道
LP 791-18周囲の3つの惑星の軌道。惑星のシンボルの大きさと軌道の円の大きさは、観測された惑星の大きさと公転距離の比を反映している。1auは地球-太陽間の距離に相当し、約1.5億km(提供:東京大学リリース)

惑星dは質量の大きな惑星cに引っ張られることで、軌道がわずかに楕円形になっている。このため惑星dは中心の恒星に近づいたり遠ざかったりすることになり、恒星からの潮汐力が働く。つまり、惑星dの一部が他の部分より強く引っ張られ、摩擦により惑星内部が加熱されている可能性がある。木星の衛星イオでは、同じ仕組みで活発な火山活動が起こっているが、惑星dでも同様に火山が噴火しているかもしれない。

中心の恒星LP 791-18から惑星dまでの距離は近いが、LP 791-18の温度が太陽より低いため、惑星dの位置は水が蒸発せずに液体で存在しうるハビタブルゾーンの内側境界付近にある。ただし、潮汐力により常にLP 791-18に同じ面を向けているため、昼側は高温で水は蒸発してしまっている可能性が高い。一方、夜側は十分に冷えていると考えられる。火山活動が起こっているとすれば、惑星dには大気が供給されているはずで、その大気に含まれる水蒸気が夜側で凝集し、液体の水となっているかもしれない。

惑星cについては、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による惑星大気の観測が予定されているが、研究チームは、惑星dも今後重要な惑星大気観測のターゲットになり得ると考えている。惑星dの活発な火山活動は、本来であれば惑星の地殻内部に閉じ込められてしまう物質を大気中に送り込む役割を果たしているかもしれない。そういった物質の中には、生命にとって重要な炭素なども含まれている。そのため、今後惑星dの大気組成が検出できれば、惑星の地殻活動が惑星大気に及ぼす影響を深く調べることが可能になり、生命起源の研究につながる可能性がある


2023年5月25日
AastroArtsより

太陽系外惑星が形成されるところが撮影

Posted by moonrainbow on 24.2023 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
350光年の彼方に形成過程の惑星発見、観測史上3例目

350光年の彼方に形成過程の惑星発見
モナッシュ大学の研究チームが、HD 169142系の新たな近赤外画像を公開した(HAMMOND ET AL (2023). MONASH UNIVERSITY SCHOOL OF PHYSICS AND ASTRONOMY)

Brand new protoplanet! observed orbiting in the protoplanetary disc around the young star HD 169142



観測史上わずか3例目、地球から何光年も離れた太陽系外惑星が形成されるところが撮影された

オーストラリア・メルボルンにあるモナシュ大学の研究チームは、Royal Astronomical SocietyのMonthly Noticesに掲載した論文で、350光年離れた恒星系で、天文学者たちが原始惑星と呼ぶものが形成されている新たな画像を公開した。

HD 169142はいて座の恒星で、高密度なガスとちりからなる円盤で囲まれている。2014年以来、天文学者らは過去の研究で推測していたが、今回の画像は、円盤の中に新たに形成された若い惑星が存在していることを明らかにした。

この惑星はHD 169142 bと呼ばれ、チリにある欧州南天天文台の超大型望遠鏡(VLT)で直接撮影された。

上の画像は、巨大望遠鏡に取り付けられたSPHEREという機器が捉えたもので、4地球年相当の軌道を表している。撮影は2015年から2019年にかけて行われ、ちりに埋もれていたにもかかわらず、画像化に成功した。

惑星は、この写真によって形成過程にあることが確認された。恒星からの距離は、およそ海王星と太陽の距離くらいだ。このような直接撮影をするためには、天体が中心星から十分離れている必要がある。過去に同じように撮影された太陽系外惑星は、PDS 70 bおよびcの2例だけで、いずれも恒星PDS 70を周回している。

「恒星から約37 au(天文単位)にある原始惑星を、4回の観測すべてで検出することに成功し、その惑星がケプラーの第3法則で定義された速度で中心星を周回していることを確認しました」と論文の主著者で、モナシュ大学物理学・天文学校の博士候補生イアン・ハモンドはいう。

ケプラーの第3法則は、惑星は中心星から遠いほど、ゆっくり周回するとしている。

可視光を反射しながら自らは赤外線を放射するHD 169142 bは、恒星を囲う円盤に隙間を刻み込んだことがわかっている。「形成されている最中の惑星は高温であったと予測し、近赤外線を使って観測することで、HD 169142の周りで惑星が形成されている痕跡を探しました」とハモンドはいう。

「近赤外線では、惑星によって円盤の中に渦上の腕が作られるところを見ることができます。これは同じような渦巻を持つ他の原始惑星系円盤にも、未発見の惑星がある可能性を強く示唆するものです」

原始惑星系円盤が衛星を有している可能性も推測されている。

HD 169142 bは現在、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を使って研究されていると研究チームは話した


2023年4月17日
Forbes JAPANより

12光年先の太陽系外惑星にオーロラ

Posted by moonrainbow on 15.2023 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
12光年先にある地球サイズの惑星でオーロラを観測

12光年先にある地球サイズの惑星でオーロラを観測
太陽系外惑星のオーロラ想像図(Getty Images)

太陽系からわずか12光年先にある太陽系外惑星が電波信号を送っている。ただし、胸踊らせる前に言っておくと、それは生命の証拠ではなく、オーロラの証拠だ。そしてそれは、地球に似た磁場と大気の存在を教えてくれるかもしれない

地球の磁場は、太陽から届く高エネルギー粒子を反射することで、生命を維持するスリムな大気を保護している。

惑星の磁場は、中心星が吐き出す粒子(太陽風)によって大気が疲弊するのを防ぐことができる。これと同じ「宇宙の天気」が地球でオーロラを引き起こしている。

オーロラの発見によって、YZ Ceti b(くじら座YZ星b、地球サイズの太陽系外惑星でくじら座にある地球から12光年離れた赤色矮星を周回している)は磁場のある地球型太陽系外惑星の最有力候補になった。

「太陽系以外の恒星系で、居住可能あるいは生命が存在する世界を見つけるためには、岩石質の地球に似た太陽系外惑星に磁場があるかどうかを解明できることが重要です」と、NSF(全米科学財団)で国立電波天文台のプログラムディレクターを務めるジョー・ペッシュは、Nature Astronomyに掲載された最新論文について話した。「この研究は、この地球型惑星に磁場がある可能性を示すだけでなく、もっと発見するための有望な方法を提供するものです」

ニューメキシコ州にある超大型干渉電波望遠鏡群を使用して、研究チームはくじら座YZ星が生成し、惑星であるくじら座YZ星bの磁場に干渉されたと考えられる強い電波を検出した。

「この電波は恒星の周辺環境に関する新たな情報を教えてくれます」と論文の共同主著者、セバスチャン・ピネダは述べ、この検出を「太陽系外宇宙の天気」と呼んだ。「私たちは実際に恒星のオーロラを見ているのです。それがこの電波放射です。そして、もし惑星に大気があるなら、そこにもオーロラはあるはずです」

遠くに存在する太陽系外惑星周辺で磁場の存在を検知することは容易ではない。地球サイズの太陽系外惑星の周辺に磁場が見つかったのはこれが初めてであり、これまでの検出例は、木星サイズの太陽系外惑星のものだけだった。

12光年の彼方から送られてくる電波が検出されるためには、電波が非常に強いだけでなく、太陽系外惑星が中心星の非常に近くを周回している必要がある。くじら座YZ星Bは、中心星を周回するのにわずか2日しかかからない。「中心星のすぐ近くを周り、サイズが地球くらいの惑星を探しています」とペネダはいう。「そういう惑星は、居住する場所としては中心星に近すぎますが、あまりに近いために、惑星は中心星からやってくる大量の物質をかき分けて進んでいるような状態です。もしその惑星に磁場があって、十分な量の星の材料をかき分けていけば、中心星に強い電波を放出させるでしょう」

これらの発見を検証するためには追加作業が必要だと研究チームはいう


2023年4月9日
Forbes JAPANより

40光年離れた惑星の砂嵐

Posted by moonrainbow on 01.2023 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
ジェームズ・ウェッブ望遠鏡、40光年離れた惑星の砂嵐を検出(海外)

40光年離れた惑星の砂嵐を検出
太陽系外惑星「VHS1256b」のイメージ図。

NASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、40光年離れた惑星の砂嵐を発見した

この「スーパー木星」の雲は、非常に熱くて細かい砂のような粒子で構成されているという。

JWSTの優れた能力の1つは、光だけで未知の惑星の大気の構成を分析できることだ。

アメリカ航空宇宙局(NASA)のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)がその威力を証明した。地球から40光年(約38兆km)離れた惑星「VHS1256b」に渦巻く砂嵐を発見したのだ。

JWSTの優れた能力の1つは、別の天体の大気を分析できることだ。太陽と地球のラグランジュ点L2を中心とした軌道を周回しながら、JWSTは遠くの天体を観測し、その大気を通過して届く光の赤外線スペクトラムを分析する。

スペクトラムが異なれば成分も異なるため、遠くの天体の大気に含まれるガスや蒸気を正確に示すことができるのだ。

「画像は1000の言葉の価値があると言われるが、天文学者にとってのスペクトルは1000の画像の価値がある」と、宇宙望遠鏡科学研究所の研究員であるアントネラ・ノータ(Antonella Nota)は以前述べている。

2つの恒星を周回する、煙のような砂の雲で覆われた高温で若い惑星
NASAが2023年3月22日に発表したニュースリリースによると、惑星「VHS1256b」の雲は、非常に細かい砂のようなケイ酸塩の粒子で構成されているという。

イギリスのエディンバラ大学とエディンバラ王立天文台の教授であるベス・ビラー(Beth Biller)は、「煙の粒子ほどのサイズのケイ酸塩というのは、砂粒のようなものだが、それよりもずっと細かい」とBBCニュースに語っている。

「VHS1256bの雲はそのようなものでできているようだが、かなり高温になっている。この惑星は高温で若い天体だ」とビラーは述べ、雲の温度はろうそくの炎と同じぐらいだろうと付け加えた。

大気圏の最上層では、ケイ酸塩の雲は摂氏830度という灼熱の温度になっているという。

JWSTが収集したデータからは、水、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素の存在を示す証拠も検出されており、「太陽系外の惑星で一度に確認された分子の数としては最大」だとNASAは述べている


2023年3月28日
BUSINESS INSIDER JAPAN

「ターミネーター・ゾーン」

Posted by moonrainbow on 29.2023 太陽系外惑星   0 comments   0 trackback
「ターミネーター・ゾーン」と呼ばれる特別な領域内の惑星に球外生命体が存在するかもしれない

ターミネーター・ゾーン

 遠く離れた太陽系外惑星の昼と夜の狭間には、もしかしたら宇宙人が存在するかもしれないという

 昼と夜に挟まれたリングのような領域のことを「ターミネーター・ゾーン」や「明暗境界線」という

 これまで地球外生命の捜索といえば、海におおわれた惑星ばかりが注目されてきた。

 だが米カリフォルニア大学アーバイン校の天文学者チームは、恒星に対して常に同じ面を向けている惑星のターミネーター・ゾーンもまた、生命発見が期待できる有力な場所であると主張している。
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昼と夜に挟まれ、潮汐ロックされた「ターミネーター・ゾーン」
 この宇宙に存在する恒星で一番ありふれているのが非常に低質量の恒星「赤色矮星」だ。そのため中心部は比較的低圧で、核融合の速度は遅く、そのため温度も低い。

 このタイプの星は、これまでに知られている恒星のおよそ7割を占めている。

 『The Astrophysical Journal』(2023年3月16日付)に掲載された研究では、地球外生命を探すのならば、こうした赤色矮星の惑星を調べるべきだと主張する


ターミネーター・ゾーン1
photo by Pixabay
 
そうした赤色矮星を公転する惑星は、潮汐の影響で自転と公転のサイクルが同期しているものが多い。

 つまり特定の面がいつも恒星の方向に向いており(潮汐ロック)、片側は永遠に昼で、その裏は永遠に夜なのだ。

 その昼と夜を隔てるリングのような境界のことを「ターミネーター・ゾーン(明暗境界線)」という。

 今回の研究の主執筆者アナ・ロボ氏らによれば、その昼と夜を分ける境界線は、生命にとって適度な温度である可能性が高いのだという。

 惑星の昼側は灼熱の暑さで生きられない。反対に、夜側は凍えるような寒さで生きられない。だがその中間は生命にとって心地いい温度で、液体の水もあるかもしれない。

 この仮説を検証するために、そうした惑星の気候をシミュレーションしてみたところ、ターミネーター・ゾーンの温度が生命にとって適温である可能性が判明したそうだ


ターミネーター・ゾーン2
photo by Pixabay

地球外生命捜索の新たな候補
 
これまで地球外生命を探す研究者たちは、主に海におおわれた惑星に目を向けてきた。

 だが今後は、赤色矮星に潮汐ロックされた惑星もまた、生命発見が期待できる有力候補として注目されるようになるかもしれない。

 ただしこのタイプの惑星は、生命の進化に大きな制約を課すとも考えられる。というのも、そうした生命はターミネーター・ゾーンという狭い範囲に押し込まれることになるからだ。

 それでも宇宙には潮汐ロックされた惑星惑星を持つ赤色矮星が大量に存在する。

 近い将来、地球外生命がいそうなエキゾチックな気候をもつ惑星が見つかればと、ロボ氏は期待している


2023年03月20日
カラパイアより
 

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