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「多元宇宙論(マルチバース)」

Posted by moonrainbow on 05.2023 パラレルワールド(Parallel world))   1 comments   0 trackback
生命が誕生しえない宇宙は存在するか? マルチバースがハビタブルな条件を明らかにす

マルチバースがハビタブルな条件を明らかにする
ビッグバンから現在までの宇宙の歴史を示す模式図

我々の住む宇宙は、無数に存在する宇宙の一つなのか?」
「別の宇宙はハビタブル(生命居住可能)な世界をもつのか?」


宇宙の始まりの出来事「ビッグバン」とは? 理論や命名についても解説

一見したところ、推測の上に推測を重ねたSFのような話に感じられるかもしれません。しかし実はそれほど馬鹿げた話ではないと、オーストラリア・シドニー大学のGeraint Lewis教授は論考しています。

宇宙は唯一の存在なのか、それとも多数の宇宙が存在し得るのか?


マルチバースがハビタブルな条件を明らかにする1
ビッグバンの発生後に生成された多数の泡宇宙を示す図

Lewis教授が馬鹿げた話でないと主張する論拠が、ビッグバンの発生後に多数の「泡」宇宙が誕生するという「多元宇宙論(マルチバース)」です。インフレーション理論を考案した宇宙物理学者のAlan Guth氏は、この多元宇宙論のアイディアを創案した科学者のひとりです。

Guth氏によると、ビッグバンの発生から10のマイナス32乗秒未満のあいだに原始的な宇宙が急激に膨張したとするインフレーション理論から、多元宇宙論が必然的に導かれるといいます。しかしLewis教授が注釈するように、多元宇宙論は物理学者らのあいだで論争の的になっているようです


多元宇宙論では、我々の住む宇宙と別の宇宙では、宇宙定数などの自然定数や物理法則に違いがある可能性が示唆されます。

たとえば、我々の住む宇宙と比べて電子の質量が100倍もある宇宙では、生命や惑星だけでなく恒星が誕生しているとも限りません。そこでLewis教授は、多元宇宙論が正しいと仮定した場合、生命が誕生したのは条件が適している我々の住む宇宙だけなのか、それとも条件が異なる別の宇宙でも生命は誕生し得るのかと問いかけます


生命誕生には酸素と炭素の割合が重要

そこでLewis教授らの研究グループは、ハビタブルな環境が誕生するための宇宙の条件を検証しました。

我々の宇宙ではビッグバンによって水素やヘリウムが生成され、それ以外の元素は星の内部での核融合や超新星爆発等を通じて生成されました。これらの過程は、強い力・弱い力・電磁気力・重力という4つの力によって支配されています。また、電子やクォークといった素粒子の質量も重要な役割を果たすといいます。

Lewis教授らは、これらに関連する基本的な量(微細構造定数や電子と陽子の質量比など)が不変であるという制約のもとで、マクロな条件を変えたときにハビタブルな環境が作られ得るのかについてシミュレーションを使って検証したようです。Lewis教授らが検証した条件は、岩石に対する金属の割合、酸素に対する炭素の割合、ケイ素に対するマグネシウムの割合、DNAやRNA、タンパク質の構成要素である窒素の存在、鉄・リン・硫黄の存在などです。

検証の結果、ハビタブルであるために重要なのは、酸素に対する炭素の割合であることが判明しました。Lewis教授らは、原始惑星系円盤を構成するガスに含まれる酸素や炭素が一酸化炭素を生成するため、酸素に対する炭素の割合が惑星系の形成、ひいてはハビタブルな環境づくりに強く影響を及ぼすと分析しています


究極理論の完成か、それとも科学の限界か

とはいえ、多元宇宙論はまだ仮説の段階にあると、Lewis教授はクギを刺しています。今の段階では多元宇宙論が検証されたわけでもなく、検証することが可能かどうかすら不明だといいます。我々の住む宇宙を支配する物理法則とは異なる宇宙が実際に存在するのかも不明なのです。

無限の宇宙の中に存在する究極の足場を明らかにする旅、その始まりに我々人類はたどり着いたところなのかもしれないと、Lewis教授は締めくくっています


Image Credit: NASA

2023年3月30日
sorae より

パラレルワールドの最新理論「多相互作用世界」

Posted by moonrainbow on 05.2017 パラレルワールド(Parallel world))   0 comments   0 trackback
パラレルワールドの存在を裏付ける最新理論「多相互作用世界」(オーストラリア研究)

パラレルワールド

オーストラリア、グリフィス大学のハワード・ワイズマンが提唱する最新理論によると、我々のものとまったく同じ時空の中にいくつもの宇宙が存在し、量子レベルで干渉し合っているのだという。そう、パラレルワールドです

 我々のような単なる素人には、量子論は非常に複雑な概念です。そこでは物質は我々が普段親しんでいる宇宙の法則に従った振る舞いをしないのです

 これまでも量子論からひも解くパラレルワールドに関する研究は数々進められていましたが、今回『フィジカルレビューX』で発表された論文では、1950年代に登場した有名な”多世界”アプローチに替わる”多相互作用世界(Many Interacting Worlds)”理論が提唱されています

同じ時空で重なり合う並行世界

 従来の多世界論によれば、ある出来事(隕石の地球衝突など)が起きると、その出来事の関するあらゆる可能な帰結を持ついくつもの宇宙が作られます。我々の宇宙はたまたま恐竜が滅びるような結果のものだったというわけです

 そうした宇宙は同時に並行して存在するが、別の空間にあるため互いに作用することは決してないと考えられてきたのです

パラレルワールド1

 最新の理論を理解するには、積まれたカードのデッキを考えるといいです。カードの一枚一枚が出来事です。手元にカードが一杯のデッキを持っているとき、カードをめくるごとに何らかの一つの結果が生じます。めくり続ければ、それぞれに書かれた出来事を起こし続けることができます

 つまり彼らの理論が示唆しているのは、並行宇宙が重なっており、同じ時空を占めているということです。丁度量子論のように、観察者(カードをめくる我々)が一つの状態が存在するよう強いるまでは、あらゆる可能な状況が同時に存在するのです

賛否両論の新理論

 ワイズマンはこのように説明しています
 
あらゆる可能性がそれゆえに実現されます。ある宇宙では恐竜を絶滅させる隕石が地球にぶつからず、またある宇宙ではオーストラリアはポルトガル人の植民地になっているでしょう。批判的な人たちは、そうした他の宇宙の実在を信じません。そうした宇宙が我々の宇宙にちっとも影響しないからです。この点に関して、”他相互作用世界”アプローチは、その名称からも分かるようにまったく異なっています

パラレルワールド2

 学会からの反応は様々です。「壮大な時間の無駄」と切り捨てる学者もいれば、「素晴らしい分析」と称賛する声もあります

 今後は理論を実験してみなければならない。そして、いつの日か我々が並行宇宙に到達できるのかどうかを確かめるのです。これがタイムトラベルを可能にするかもしれないのです

2016年12月27日
カラパイアより

パラレルワールド発見か?

Posted by moonrainbow on 13.2015 パラレルワールド(Parallel world))   0 comments   0 trackback
宇宙マイクロ波背景放射モデルにあるビッグバン後の明るい領域がこの宇宙と別の宇宙が衝突した痕跡である可能性

パラレルワールド

天文学者はパラレルワールドが我々の宇宙に衝突した瞬間を目撃したのかもしれないのです。宇宙の最果てから届いたシグナルが、全く別の宇宙が我々の宇宙に干渉したことを仄めかしているというのです。この分析結果は、複数の宇宙が存在すると仮定する多元宇宙論の最初の証拠かもしれません

 アメリカ、カリフォルニア工科大学のランガ=ラム・チャリー(Ranga-Ram Chary)博士は、欧州宇宙機関のプランク宇宙望遠鏡が収集した宇宙マイクロ波背景放射のデータを分析し、ビッグバン後の輝きの残滓の中から、マイクロ波光が普通よりも明るい幾つものスポットを発見しました

チャリー博士によれば、これらは138億年前のビッグバンから数10万年経った後に我々の宇宙と別の宇宙が相互作用したことで発生したシグナルである可能性があるといのです

 これは2つの泡がぶつかり合っているのと似ています。多元宇宙内に広がるいわゆる「泡宇宙」は、ビッグバンを経て膨張する最中に衝突し合い、宇宙の表面にその痕跡を残します

パラレルワールド1

 発見されたシグナルは、別の宇宙が我々の宇宙とはかなり異なったものである可能性を示唆しています。そこでは亜原子粒子バリオン(Baryon)フォトン(Photon)の割合が、我々の宇宙よりも10倍あるかもしれないのです。つまり、別宇宙の物理は我々の宇宙とは全く異なるということです
 
パラレルワールド2

 チャリー博士は論文で、我々の現在の宇宙を再現するために初期宇宙のパラメーターを綿密に調整する必要があるということは、この宇宙は永遠に膨張を続ける超領域の一領域に過ぎない可能性を示唆していると主張しています

 観測可能な宇宙を超えたところに、数多くの領域が存在し、それらは科学者が我々の宇宙を計測するために用いている以外の物理パラメーターにも支配されているのかもしれないというのです

パラレルワールド3

 この結論を得るために、同博士は宇宙マイクロ波背景放射モデルを用い、それをプランクが撮影した宇宙全体の画像から差し引きました。さらに恒星、ガス、塵からのシグナルも除去しました。こうした場合、画像に残るのはノイズしかないと想定されましたが、そこには通常の4,500倍の明るさを持つ領域が散りばめられていることが明らかとなったのです

 この発見に天文学者は騒然としていますが、宇宙を覆うただの星間塵ではないかという見解もあります。かつて膨張を続ける多元宇宙の証拠と見なされたシグナルが捉えられたこともあったが、結局塵が原因であることが判明しています

パラレルワールド4

 NASAはPIXIEというミッションで、2016年にこの発見を検証する予定です

rtより

2015年11月07日
カラパイアより

パラレルワールドは量子的に影響し合っている?

Posted by moonrainbow on 30.2014 パラレルワールド(Parallel world))   0 comments   0 trackback
パラレルワールドに新理論:多元宇宙と我々の宇宙はお互いに影響し合っている

多元宇宙

最近パラレルワールドと呼ばれる多元宇宙に関しての議論が活発化しているようですが、オーストラリアのグリフィス大学ハワード・ワイズマンの研究チームは量子物理学を元に、私達の宇宙とパラレルワールドである「多元宇宙」がお互いに量子的に影響し合っている可能性があることを発表しました。この研究はphysical review Xという物理学誌に掲載され、研究チームのリーダーは「ミカエル・ホール」という人物である事が発表されています

 量子物理学は非常に複雑な分野で、我々の世界にありながら、日常で感じているニュートン力学とは全く違う、予測の出来ない働きを見せる事があります。量子物理学の基礎として、「量子は数々の状態が折り重なって存在している」という物があり、この折り重なった状態は観測者が「観測するまで」不安定なのです

 20世紀半ばに登場した「多元宇宙論」は当初「多元宇宙同士はある瞬間を境に増えるが、増えた先の数々の宇宙は互いに干渉し合う事はなく、それぞれ全く違う空間を持っている」という理論が主流でしたが、今回発表された新しい理論では、「多元宇宙は独立しておらず、お互いにオーバーラップした(重なり合った)状態で存在し、干渉しあっているのではないか?」と言われています

多元宇宙1

 ワイズマン氏は今回の研究についてこう語っています。 「つまり全ての可能性は現実なんです。例えば隕石が恐竜を絶滅に追いやった出来事を回避出来た世界も存在しているし、オーストラリアがポルトガルに占領されてしまった世界も存在しています。これまでの理論では、こういった多元宇宙を証明する事はできませんでしたが、我々が新たに提唱する理論ではお互いに干渉している可能性があるので、もしかしたら多元宇宙論を証明できるかもしれません。」

 この多元宇宙論で唱えられる数々の宇宙には我々と全く似た世界が幾つも存在している可能性があります。また「バタフライ効果」によって我々の世界から完全に変わってしまった世界も存在している可能性があるという。こういった世界は全て、我々の世界のコピー等ではなく、それぞれが等しく我々の世界と同様に本物・現実なのです

多元宇宙2

 「我々の理論の素晴らしいところは、仮にニュートン力学しか存在しない世界があり、量子力学しか存在しない世界があるとしたら、そのどちらでもない全く新しい物理学の元で存在している世界もあるはずなんです。そして、我々の理論を元に今後は新しい量子力学の基盤が作り上げられて行く事だろうと思います。」とワイズマン氏は語りました。

多元宇宙3

この理論に対する物理学コミュニティの評価はまちまちで、今まさに熱を帯びた議論が成されている所です。チェコの物理学者ルボス・モトル氏はワイズマン氏の新理論を 「何の生産性もない、時間の無駄」 と激しく非難し、ミシガン大学チャールズ・セベンス氏はワイズマン氏と全く違う方法で同じ可能性にたどり着き 「ワイズマン氏の研究は基底エネルギーとトンネル効果に新しい光を指す素晴らしい研究だ」 と称賛しています

多元宇宙4

理論はわかりましたが、現実の問題としては、この理論を今後どうやって証明するか?という事です

flscience

2014年12月21日
カラパイアより

パラレルワールドを量子力学で説明する「MIW理論」

Posted by moonrainbow on 15.2014 パラレルワールド(Parallel world))   0 comments   0 trackback
量子力学が説明する新理論でパラレルワールド(Parallel world))は実在する?

SF世界では良く題材に取り上げられるパラレルワールド。これは、ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する別の世界(時空)を指します

 私たちの世界に平行してパラレルワールドが存在しているという考えはフィクションでなじみ深いものですが、この多世界解釈と呼ばれるものが、実は量子力学の解釈への答えになる可能性があるのです

パラレルワールド

 米、テキサス・テック大学の物理学教授であるビル・ポワリエールは、パラレルワールドは存在するとした上で、パラレルワールド同士が相互作用していることを仮定した理論を提唱しました。世界同士がお互いに影響し合っているという途方もないアイデアをもとにしたこの理論が、量子力学の「奇妙さ」を説明できるというのです

 量子力学というのは微小なスケールを扱う物理学の一領域です。原子レベルかそれより小さい粒子は日常スケールの物体とは大きく異なる振る舞いを見せることがありますが、そんな実験結果を説明するべく、粒子は波としても振る舞うという「奇妙」な仮定を置いているのです

 量子力学はこの記述を試みています。その中ではヤングの二重スリット実験など、粒子が同時にいくつもの場所に存在しているかのように見えることがあるのですが、その理由についても説明しています

パラレルワールド1

 粒子がどこにどれくらいの確率で出現するかという情報は「波動関数」というもので記述されますが、波動関数は観測が行われると変化し、例えば粒子としての位置が観測されると「粒子がそこにのみ存在する」という情報を持った関数に変化しますが、無限の平行宇宙が存在するとする多元宇宙理論ではそうではなく、観測すると、起こりうるそれぞれの観測結果を持つパラレルワールドができるというのです

 ポワリエールはこの多世界理論に修正を加えて、より具体的な「多世界相互作用」理論(Many Interacting Worlds:MIW)というものを提唱しました。このMIW理論では、量子力学的粒子が波として振る舞うという奇妙なことは全くないのだのです。それぞれのパラレルワールドでは日常スケールの物体と同じように振る舞う粒子のみが存在し、そこでは確率を記述するための波動関数はもはや存在する必要がないのです

パラレルワールド2

 ポワリエールの考えをもとにした新たな研究では、オーストラリアのグリフィス大学とカリフォルニア大学の物理学者らによって、これまで観測されてきたような奇妙な量子的振る舞いを生むには、相互作用し合うパラレルワールドは無限個ではなくたった二個だけでよいということを論証しました。隣り合うパラレルワールド同士は反発する、と研究者らはその論文の中に書いており、粒子が壁を通り抜けるといった奇怪な量子効果も、この反発力で説明がつく可能性があるというのです

 しかし、私たちの宇宙が数あるものの中の一つであることや、パラレルワールド同士が相互作用していることを示すことを検証するための方法を開発するにはある程度の時間がかかるだろう、とポワリエールは考えています

パラレルワールド3

 「実験にもとづく観測はどんな理論に対しても究極の試験です」。とポワリエールは語っています。「これまで、多世界相互作用は標準的な量子理論と同じ予言をしており、そのため現在確かなこととして言えるのは、この理論には正しい可能性があるということだけだ」と

 ノーベル物理学賞受賞者のリチャード・ファインマンはかつて「私は、間違いなく誰も量子力学を理解することはできないと言えると考えている」と語ったそうですが、ポワリエールと彼の同僚は、それでも試行錯誤から得られるものもあるはずだと主張しています

livescienceより

2重スリットの実験



2014年12月14日
カラパイアより
 

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