さらなる宇宙の「ダーク」な謎の「ダーク球状星団」を発見(ESO)
楕円銀河「NGC5128」。同規模の巨大銀河としては地球に最も近く、1200万光年しか離れていない。PHOTOGRAPH BY ESO,ESA/HUBBLE, NASA
南米チリにあるパラナル天文台の超大型望遠鏡(VLT)での観測により、ケンタウルス座Aとしても知られる楕円銀河「NGC5128」の周りで新しいタイプの「暗い」球状星団が発見されました。チリ・カトリカ大学の博士課程に在籍するマシュー・テイラー氏らが論文サーバー「arXiv」に投稿しました。
球状星団(Globular Cluster )の研究は銀河の形成と進化の解明につながると考えられています。ほとんどの球状星団は明るいほど重いのですが、今回の観測では、暗くて重い奇妙な星団が見つかりました。しかも、さらに不思議なことに、星団が重いほど、暗い部分の割合が多かったのです。つまり、星団には重くて見えない何かがあるということです。
研究チームらはこれらの奇妙な星団を「ダーク球状星団(Dark Globular Clusters)」とも呼んでいます。ブラックホールやダークマターなどが関係している可能性がありますが、今のところ暗くて重い理由はまったくわからないのです。それでも、星団の形成過程の違いの解明につながるのではないかと研究チームは期待を寄せています。
Panning across the giant elliptical galaxy Centaurus A (NGC 5128) and its strange globular clusters楕円銀河 NGC 5128 の周りの「ダーク球状星団(Dark Globular Clusters)」は赤くマークされています。
ナショナル ジオグラフィックより
2015年 5月20日