fc2ブログ

自由浮遊惑星でも表面に液体が保たれる可能性がある

Posted by moonrainbow on 10.2020 浮遊惑星   0 comments   0 trackback
恒星がない自由浮遊惑星でも表面に液体を保持できる可能性

自由浮遊惑星でも表面に液体が保たれる

液体の水が保たれる条件を満たした天体は、地球外で生命が存在し得る場所として注目されています。恒星から受け取るエネルギーが適度なハビタブルゾーンに位置する太陽系外惑星が特に注目されていますが、恒星を周回していない自由浮遊惑星でも表面に液体が保たれる可能性を示した研究成果が発表されています

■豊富な放射性元素の崩壊熱で温められる

Manasvi Lingam氏(フロリダ工科大学)とAbraham Loeb氏(ハーバード大学)は、主星から遠すぎてハビタブルゾーンから外れている系外惑星や、惑星として形成された後に何らかの理由で恒星から離れてしまった「自由浮遊惑星」のような天体において、溶媒として知られる水、アンモニア、エタンが液体の状態で保たれる可能性を検討しました。自由浮遊惑星は天の川銀河だけでもかなりの数が存在するとみられていますが、恒星を周回していないことから検出が難しい天体です。

恒星から受け取るエネルギーがきわめて少ないか、そもそも受け取ることができない天体におけるエネルギー源として両氏が注目したのは、放射性元素の崩壊熱でした。原子力発電や核兵器などに使われる放射性元素は地球の地殻やマントルにも含まれており、崩壊するときに放出されたエネルギーは最終的に熱となります。両氏の研究では、地球と同じ質量で表面が1気圧の天体を仮定した場合、放射性元素の量が地球の100倍であれば摂氏マイナス140度ほどの表面温度が長期間維持され、表面に液体のエタンが数億年以上保持される可能性が示されました。

また、地球の10倍の質量で放射性元素の量が地球の1000倍であれば、表面温度が摂氏30度ほどに落ち着き、表面に液体の水が同程度の期間保たれる可能性があることも示されています。こうした天体では強い放射線にさらされることになりますが、両氏は放射線に耐性を示す細菌デイノコッカス・ラジオデュランス(Deinococcus radiodurans)を例に、強い放射線のもとでも生命が存在できる可能性に言及しています。

両氏は、星々が密集している天の川銀河の中心付近では鉄より重い元素が生成される「r過程」を引き起こす中性子星どうしの合体(キロノバ)が比較的発生しやすく、研究で検討されたウラン238やトリウム232といった放射性元素を多く含む惑星が形成される可能性も高まると考えています。

なお、両氏によると、来年打ち上げが予定されているNASAの「ジェイムズ・ウェッブ」宇宙望遠鏡であれば、このような天体が放つ赤外線を検出できる可能性があるとのことです


Image Credit: Guillem Anglada-Escude – IEEC/Science-wave, using SpaceEngine.org.

2020-04-03
Soraeより

浮遊惑星「SIMP J01365663+0933473」

Posted by moonrainbow on 17.2018 浮遊惑星   0 comments   0 trackback
20光年先に恒星を周回せずに漂流している「浮遊惑星」が存在

[SIMP J01365663+0933473」のイメージ図
「SIMP J01365663+0933473」のイメージ図/Chuck Carter/NRAO/AUI/NSF

地球から20光年離れた宇宙空間に、恒星を周回せずに宇宙空間を漂う「浮遊惑星」とみられる天体が存在すると学術誌「アストロフィジカルジャーナル・サプリメントシリーズ」にこのほど、論文が発表されました。この天体の磁場を分析した結果としています

天体の名称は「SIMP J01365663+0933473」。質量は太陽系最大の惑星である木星の12.7倍で、磁場の強さも木星の200倍以上です

表面温度は815度を超えます。ただこれは、約5500度に達する太陽の表面温度に比べれば「寒冷」と言えます

太陽系外に存在するこうした天体の磁場を電波望遠鏡で検知・測定したのは今回が初めてです。米ニューメキシコ州にあるカール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群の観測所を使って突き止めました

この天体は惑星以外には、褐色矮星(わいせい)である可能性も指摘されてきました

褐色矮星は通常、惑星としては質量が大きすぎるものの、恒星のエネルギー源となる水素核融合のプロセスを維持できるほどの質量がない天体とみなされています。理論的には1960年代から存在が予想されていましたが、95年に初めて発見されました

論文の著者であるアリゾナ州立大学のメロディー・カオ氏は今回の星について、惑星と褐色矮星のちょうど境界に位置づけられる天体との見方を示しています

この天体が2016年に他の4つの褐色矮星と一緒に見つかった際、その年齢は今回の測定よりも古く、質量もより大きいとみられていました

しかし科学者のチームが昨年、実際には若い恒星群の一部であり、質量も当初の想定より小さいことを発見。質量を特定した上で、自由浮遊惑星の可能性があると突き止めたのです

2018年8月8日
CNNより

天体「SIMP J013656.5+093347(SIMP0136)」

Posted by moonrainbow on 15.2017 浮遊惑星   0 comments   0 trackback
褐色矮星と思われてきた天体は実は若い惑星状天体だった

SIMP の想像イラスト
SIMP J013656.5+093347の想像イラスト(提供:NASA/JPL, Jonathan Gagné)

これまで褐色矮星だと考えられてきた太陽系に近い天体の質量が、実際には木星の10倍程度しかないことが明らかになりました。2億歳程度の天体の集団の一員とみられ、系外惑星の大気の研究に役立つと期待されています

うお座の方向約20光年の距離に位置する天体「SIMP J013656.5+093347(SIMP0136)」はこれまで、褐色矮星という種類の天体と考えられてきました。褐色矮星は巨大惑星よりは大きいが、恒星としては小さすぎる(軽すぎる)ため、天体中心部での核融合反応を持続して行うことができず、長い間高温で明るく光ることはできないのです

米・カーネギー科学研究所のJonathan Gagnéさんたちの研究チームは、SIMP0136が年齢2億歳程度の天体の集団「Carina-Near」の一員であることを突き止めました

Carina-Nearのように宇宙空間を一緒に移動している年齢の似通った星の集まりは、その集団内にあって主星を持たない惑星状自由浮遊天体(自由浮遊惑星)を研究するうえで重要な対象です。冷たく孤立した自由浮遊惑星の年齢を決定する唯一の方法を提供してくれるからです。年齢と温度がわかれば、天体の質量を知ることができます

こうした結果から、SIMP0136の質量は木星の13倍程度であることがわかりました。この数値は褐色矮星の特性と惑星状天体とのちょうど境界あたりですが、SIMP0136は褐色矮星というよりはむしろ自由浮遊惑星と呼ぶべき天体といえます。

この程度の質量を持つ天体は、近年多数発見されている巨大な系外ガス惑星ととてもよく似ています。こうした系外惑星は中心星が明るすぎるため大気の観測を行うことが非常に難しいが、自由浮遊惑星であればそうした問題がないのです。したがってSIMP0136のような天体は、系外惑星の大気の研究という点で貴重な存在となります

「SIMP0136が褐色矮星だと考えられていた時点ですでに、非常に速く変化する表面の気象パターンを検出していました。これまでにわずかな発見例しかない自由浮遊惑星に新メンバーとしてSIMP0136が仲間入りしたことは、非常に注目すべきことです」(研究チームのÉtienne Artigauさん)。

2017年5月10日
Astro Artsより

「うみへび座TWアソシエーション」に褐色矮星

Posted by moonrainbow on 29.2016 浮遊惑星   0 comments   0 trackback
恒星の集団「うみへび座TWアソシエーション」での浮遊天体「WISEA J114724.10-204021.3(WISEA 1147)」は褐色矮星(NASA

低質量の褐色矮星と思われるWISEA 1147の想像図
低質量の褐色矮星と思われるWISEA 1147の想像図(提供:NASA/JPL-Caltech) .

若い恒星の集団「うみへび座TWアソシエーション」で、惑星質量の天体が発見されました。その正体は褐色矮星であるようです

天の川銀河は、宇宙空間に浮かぶ孤独な惑星であふれているらしいという研究成果が5年前に発表されました。暗闇の宇宙で、仲間となる他の惑星を持たず、まして中心星も存在せず、ただ静かにたたずむ惑星の数が、他の天体より多いのかもしれないというのです

もしこれが本当だとすれば、そのような浮遊天体はどこから来たのだろう。自らが誕生した太陽系から追い出された惑星なのか、それとも実際には他の恒星と同じように単独で生まれた、軽い天体である「褐色矮星」なのだろうか

米・トレド大学のAdam Schneiderさんたちの研究グループは、NASAの赤外線天文衛星「WISE」(現・NEOWISE)と2μm全天観測(Two-Micron All Sky Survey; 2MASS)プロジェクトのデータを利用した研究から、これらの疑問を紐解く手がかりとなる天体を発見しました

研究グループが見つけたのは、地球から約160光年の距離に位置する30個ほどの恒星の集団「うみへび座TWアソシエーション」の中に存在する、木星の5~10倍と非常に軽い浮遊天体「WISEA J114724.10-204021.3(WISEA 1147)」です。こうした浮遊天体の存在はわずかしか知られていません

うみへび座TWアソシエーションの星々の年齢は、500万歳から1000万歳ととても若く、そのためWISEA 1147も約1000万歳と考えられます。一方、惑星が形成されるには少なくとも1000万年を要し、その惑星が誕生した生まれ故郷から追い出されるのはさらに後のことだろうと考えると、WISEA 1147は惑星ではなく褐色矮星と考えられます

無数に存在するとみられる孤独な浮遊天体のうち、褐色矮星と惑星の割合がどうなっているのかは全く不明です。その割合を解明するためには、WISEA 1147のような天体を調べ誕生の起源に迫ることが重要になってきます

2016年4月21日
Astro Artsより
 

プロフィール

moonrainbow

Author:moonrainbow
昔、"地球の旅人"の頃




服と鞄と雑貨の販売をしています

カテゴリ

カレンダー

08 | 2023/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード