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自由浮遊惑星「MOA-9y-5919」

Posted by moonrainbow on 20.2023 浮遊惑星   0 comments   0 trackback
小さな自由浮遊惑星「MOA-9y-5919」を発見 地球に近い質量の自由浮遊惑星としては2例

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宇宙空間を単独で移動している地球サイズの自由浮遊惑星の想像図

特定の天体の周りを公転していない「自由浮遊惑星」 (※) は、一体どれくらい存在するのでしょうか?大阪大学の住貴宏氏らが所属する国際研究グループ「MOA(Microlensing Observations in Astrophysics)」は、ニュージーランドに設置された「1.8m MOA-II望遠鏡」による過去9年分の観測データを分析し、恒星と比べて約20倍も多い可能性を示しました。これは、天の川銀河だけで1兆個もの自由浮遊惑星が存在する可能性を意味します

※…Free-Floating Planet (FFP) 、Rogue Planet。浮遊惑星、はぐれ惑星とも。

この分析の過程では、地球程度の質量を持つ自由浮遊惑星「MOA-9y-5919」が新たに発見されました。質量が地球程度の自由浮遊惑星の発見は2例目であり、非常に珍しい存在です


■小さな見えない天体を発見する「重力マイクロレンズ法」

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自由浮遊惑星が恒星の手前を横切ると、重力によって恒星の光が曲げられ、短時間だけ明るさが増大する。この変化によって自由浮遊惑星を見つける方法が重力マイクロレンズ法である

「惑星」という単語を聞くと、普通は恒星などの別の天体の周りを公転しているものをイメージするでしょう。しかし、宇宙にはどの天体の周りも公転せず、単独で宇宙空間を移動している「自由浮遊惑星」と呼ばれる天体があります。自由浮遊惑星がどの程度存在するのかはよく分かっておらず、その総数を推定するための観測が続けられています。

しかし、自由浮遊惑星の観測や発見は一般的に困難です。大きなサイズの自由浮遊惑星は赤外線観測によって発見されることもありますが、赤外線の放射が強いほど天体のサイズは大きくなるため、見つかった天体は惑星の枠組みを超えた褐色矮星 (恒星と惑星の中間的な質量と性質を持つ天体) である可能性が高まります。ただし、この方法では地球サイズの小さな自由浮遊惑星を見つけることはできません。

地球サイズの小さな自由浮遊惑星を見つける方法には「重力マイクロレンズ法」があります。これは「重力レンズ効果」を利用した観測方法です。

虫眼鏡のような凸レンズには、通過した光を焦点に集中させる効果があり、何もない場合と比べて1点の明るさは増します。また、一般相対性理論では重力は空間の歪みとして表現され、光はこの歪みに沿って進むとされています。このため、重力を持つ天体の近くを通る光は進路を曲げられ、焦点に光が集中します。もしも焦点に観測者がいれば、何もない時よりも天体の見た目の明るさが増すことになります。このような現象を重力レンズ効果と呼びます。

地球にいる観測者と遠くにある星の間に自由浮遊惑星が入り込むと、自由浮遊惑星の重力によって重力レンズ効果が生じます。しかし、自由浮遊惑星は重力が弱い上に移動しているため、その重力レンズ効果による増光は短時間かつ小さな変化に留まります。恒星や銀河で起こるような強い重力レンズ効果と比較すると効果が小さいため、これを重力「マイクロ」レンズ法と呼ぶのです。

とはいえ、重力マイクロレンズ法で見つかった地球程度の質量を持つ自由浮遊惑星は、これまで「OGLE-2016-BLG-1928」 (質量は地球の約0.3倍) ただ1つしか知られていませんでした。小さな自由浮遊惑星による重力レンズ効果はとても小さいため、観測自体が困難であるとともに、変光星やノイズなどとの区別が難しいからです。恒星などを公転する惑星とは異なり、自由浮遊惑星の通過は一度きりで二度と観測できないという性質も研究や発見を困難にしています

小さな自由浮遊惑星「MOA-9y-5919」を発見 地球に近い質量の自由浮遊惑星としては2例目


■地球サイズの自由浮遊惑星「MOA-9y-5919」を発

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MOA-9y-5919と名付けられた増光イベント。星の明るさがほぼ1時間半だけ急激に明るくなったことから、質量の非常に小さな天体で起きたマイクロレンズ事象であったことが分かる (中央のグラフ)

今回、MOAは1.8m MOA-II望遠鏡による2006年から2014年までの9年分の観測データを解析して、小さな重力レンズ効果の観測を示す「マイクロレンズ事象」の候補6111個の中から一定の水準を満たす3535個を選び出しました。特に、そのうちの6個は惑星程度の質量を持つ天体によるマイクロレンズ事象である可能性が高く、増光時間が0.5日未満のイベントであることが分かりました。

中でも2008年5月14日に観測された「MOA-9y-5919」は、増光時間がわずか0.057日(約1時間22分)という非常に短いマイクロレンズ事象でした。観測結果を分析した結果、地球から約1万4700光年離れた地球の約0.37倍の質量を持つ自由浮遊惑星か、あるいは地球から約1万9300光年離れた地球の約0.75倍の質量を持つ自由浮遊惑星のどちらかであると考えられています。どちらの場合も、MOA-9y-5919は地球質量程度の自由浮遊惑星ということになり、OGLE-2016-BLG-1928に次いで2例目となる「小さな自由浮遊惑星の発見」ということになります。

これほど小さな自由浮遊惑星について、数年で2例目を発見できたという点は重要です。短いマイクロレンズ事象を観測できる確率はとても低いため、このような発見ペースそのものが、小さな自由浮遊惑星が宇宙にはたくさん存在することを示唆していることになるからです。

今回のデータ分析では、過去の自由浮遊惑星の発見データも含めて統計解析を行うことで、自由浮遊惑星の存在量に関する分析も行われました。その結果、恒星1個に対して、数にして21個(8~44個)、質量にして地球の80倍(33~153倍)の自由浮遊惑星が存在するという結果が得られました。これは1個の恒星の周りを公転する普通の惑星の約6倍もの数であり、例えば約2000億個の恒星からなる天の川銀河では約1兆個もの自由浮遊惑星が存在することになります。

一方で、恒星1個あたりの惑星の総質量を比較すると、自由浮遊惑星と普通の惑星はほぼ等しい値であることも今回判明しました。このことから、普通の惑星に対する自由浮遊惑星の数は、軽いものほど多い傾向にあることになります。今回の研究では、地球の10倍の質量を持つ惑星は恒星の周りを公転しているものの方が多いのに対し、それを下回るものは自由浮遊惑星の方が多いとも分析されます。

自由浮遊惑星の形成プロセスには様々なシナリオが想定されていますが、最も受け入れられているのは「自由浮遊惑星も元々は普通の惑星として形成された」というものです。恒星の周りを公転する惑星が複数あると、接近時に重力を介して影響を及ぼし合って互いの公転軌道を変化させます。場合によっては、公転していた恒星の重力を振り切って、永久に逃げ出してしまうこともあるでしょう。このようなプロセスの場合、軽い惑星であるほど逃げ出しやすくなるため、今回の研究結果と一致します。このことから、自由浮遊惑星の存在数について1つの重要なデータが得られたと言えます


■自由浮遊惑星の観測体制は今後強化される

今回の研究は自由浮遊惑星の数に関する1つの重要なデータを提供しましたが、自由浮遊惑星探索はこれからも続きます。例えば、南アフリカ共和国に設置された「1.8m PRIME望遠鏡」は、従来実施されてきた可視光線ではなく近赤外線での重力マイクロレンズ法による観測を目指しています。また、NASA(アメリカ航空宇宙局)が2026年の打ち上げを目指している赤外線望遠鏡の「ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡」は、宇宙での重力マイクロレンズ法による観測を目的としています。

今回の研究では、ローマン宇宙望遠鏡は潜在的に988個(422~2836個)の自由浮遊惑星を発見できるとも推定されました。そのうちの575個 (141~2308個) は地球の0.1~1倍の質量を持つ小さな自由浮遊惑星であるとも推定されています。このように、未発見の自由浮遊惑星は無数にあると推定されており、その数や起源は、恒星の周りでどのように惑星系が作られるのかという疑問にも関わってきます。また、重力でのみ存在を知ることが可能な「暗黒物質」の中に自由浮遊惑星がどの程度含まれているのか、という疑問にも答えることができるようになるでしょう


Source
Naoki Koshimoto, et al. (MOA collaboration). “Terrestrial and Neptune mass free-floating planet candidates from the MOA-II 9-year Galactic Bulge survey”. (arXiv)
Takahiro Sumi, et al. (MOA collaboration). “Free-Floating planet Mass Function from MOA-II 9-year survey towards the Galactic Bulge”. (arXiv)

2023年8月17日
sorae 宇宙へのポータルサイトより

天の川銀河に1兆個以上存在していいる浮遊惑星

Posted by moonrainbow on 01.2023 浮遊惑星   0 comments   0 trackback
次々見つかる浮遊惑星、天の川銀河に1兆個以上存在か

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地球質量の浮遊惑星の想像図(提供:NASA/GSFC)

恒星の周りを回らない浮遊惑星が6個見つかり、そのうち1個は地球程度の質量だった。この発見は、浮遊惑星の方が星の周りを回る惑星より多く、その総数は天の川銀河で1兆個以上もある可能性を示唆する

これまでに5000個以上の惑星が太陽系外で見つかっている。そのほぼ全てが恒星の周りを回っているが、こうした惑星が多く発見されるのは、明るい主星の光を使って間接的に検出できるからだ。

一方、恒星の周りで誕生した惑星のうちいくつかは、他の惑星によって軌道を乱され、恒星の重力を振り切って浮遊惑星(自由浮遊惑星)になると考えられる。このように主星から離れて単独で存在する浮遊惑星は、そのままでは暗すぎて観測が難しい。

しかし、浮遊惑星のように暗い天体であっても、地球から見たときに偶然遠くの恒星の前を通過すれば、惑星の周りのゆがんだ時空がレンズの役割を果たして遠い恒星からの光を増幅したり曲げたりする。このような「重力マイクロレンズ」と呼ばれる現象を利用して天体を見つける手法は、浮遊惑星の検出にも有効だ


How Gravitational Microlensing Reveals Rogue Planets


重力マイクロレンズを利用した浮遊惑星探索の解説動画。観測者が左、恒星が右の点線で囲まれた円内にあり、その間を浮遊惑星が通ると重力レンズ効果で恒星の光が2つの経路にわかれて観測者に届く。そのときに恒星の像が見える方向とその明るさが、実際の位置の両側に描かれている(提供:NASA’s Goddard Space Flight Center/CI Lab)

日本とニュージーランドによる共同プロジェクト「MOA(Microlensing Observations in Astrophysics, 宇宙物理マイクロレンズ観測)」では、ニュージーランドにある口径1.8mのMOA-II望遠鏡を天の川銀河の中心方向に向け、重力マイクロレンズ現象を探し続けてきた。大阪大学の住貴宏さん、越本直季さんたちの研究チームは、MOAで2006年~2014年までの9年間に観測したデータを系統的に解析して6111個の重力マイクロレンズ現象を発見し、一定の基準を満たす3535個を選び出した。

重力マイクロレンズを引き起こす天体が軽いほど、増光期間は短くなる。通常の恒星が引き起こす増光は数週間から2か月程度続くが、その期間が0.5日以下であれば惑星質量の天体である可能性が高い。研究チームが分析した重力マイクロレンズ現象の中には、増光期間が0.5日以下のものが6個あった。

その中でも、いて座方向にある「MOA-9y-5919」の増光期間は0.06日と非常に短く、レンズ天体は地球と同程度の質量しかない。地球質量の浮遊惑星が見つかるのは2例目だ。数時間という短い増光を偶然検出できる確率が非常に低いことを考慮すると、これらのような低質量の浮遊惑星はありふれた存在だと示唆される。

研究チームは発見された全ての事象を統計的に解析し、浮遊惑星の存在量と質量分布を世界で初めて求めた。それによれば、恒星1個に対して推定20個程度の浮遊惑星が潜んでいることになる。恒星の周りを回る系外惑星の推定数と比べても、浮遊惑星は6倍以上多い計算だ。約2000億個の恒星が存在する天の川銀河には、1兆個以上もの浮遊惑星が存在すると見積もられる。

また、質量が地球の10倍以上ある惑星であれば、恒星の周りを回っている割合が高いが、それ以下の質量では浮遊惑星になっているものの方が多いことも示唆された。結果的に、地球質量のように軽い浮遊惑星ほど多く存在することになる。この結果は、軽い惑星ほど他の惑星との相互作用で弾き飛ばされて浮遊惑星になりやすいという予想と一致する。

今後、南アフリカのPRIME望遠鏡や、NASAが2026年に打ち上げ予定のナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡で多数の重力マイクロレンズ現象を検出し、その中から多くの浮遊惑星が見つかれば、存在量や質量分布をより正確に推定できるだろう。そのデータから、系外惑星全体の形成過程と進化、ひいては太陽系や地球の起源の解明につながる知見が得られると期待される


2023年7月27日
AstroArtsより

「自由浮遊惑星」が新たに見つかる

Posted by moonrainbow on 09.2022 浮遊惑星   0 comments   0 trackback
星を公転していない「自由浮遊惑星」少なくとも70個が新たに見つかる

「自由浮遊惑星」の想像図
【▲「自由浮遊惑星」の想像図。背景には太陽系に比較的近い星形成領域「へびつかい座ロー分子雲」が描かれている(Credit: ESO/M. Kornmesser)】

ボルドー天体物理学研究所/ウィーン大学の天文学者Núria Miret-Roigさんを筆頭とする研究グループは、恒星を公転していない惑星質量の天体「自由浮遊惑星」(英:free-floating planet、rogue planet。浮遊惑星、はぐれ惑星とも)を新たに複数発見したとする研究成果を発表しました。今回見つかった自由浮遊惑星とみられる天体の数は少なく見積もっても70個、多ければ170個に上るといい、研究グループは自由浮遊惑星の起源や特徴を理解する上で重要なステップになったとしています

■自由浮遊惑星を多数発見、起源の謎に迫る手がかりとなるか

私たちが住む地球をはじめとした惑星は、恒星などの周囲を公転する天体です。太陽系では現在8つの惑星が知られていますが、太陽以外の天体を公転する太陽系外惑星もすでに4800個以上が見つかっています。惑星の質量の上限は木星の13~15倍程度とされていて、これより重くて恒星ではない天体(質量が木星の75~80倍程度以下)は褐色矮星と呼ばれています。

ところが、近年では恒星などを公転していない惑星質量の天体が発見されるようになりました。このような天体は「自由浮遊惑星」などと呼ばれています。研究グループによると、自由浮遊惑星は恒星の周囲で形成された後に何らかの原因(他の惑星との相互作用など)で惑星系から放り出されてしまった惑星ではないかと考えられているものの、恒星を生み出すには質量が少なかった星間雲(宇宙空間に存在するガスや塵の高密度な集まり)から形成された……つまり一度も恒星を公転することがなかった天体である可能性もあるといい、起源がはっきりしていないといいます


自由浮遊惑星の候補天体の位置を示した図
【▲今回検出された自由浮遊惑星の候補天体の位置を示した図。本文で触れているように、検出された天体が自由浮遊惑星であるかどうかは年齢に左右されるが、ここでは幅がある推定年齢のうち中程度の年齢だった場合の候補115個の位置が示されている(Credit: ESO/N. Risinger (skysurvey.org))】

研究グループは今回、チリのパラナル天文台にあるヨーロッパ南天天文台(ESO)の「超大型望遠鏡(VLT)」、国立天文台ハワイ観測所の「すばる望遠鏡」、欧州宇宙機関(ESA)の宇宙望遠鏡「Gaia(ガイア)」などで取得された観測データ約20年分を参照し、さそり座とへびつかい座にまたがる太陽系に比較的近い星形成領域で自由浮遊惑星を捜索しました。その結果、冒頭でも触れたように少なくとも70個、多ければ170個の自由浮遊惑星が見つかったといいます。Miret-Roigさんは「これほどの数が見つかったことにワクワクしました」と語ります。

自由浮遊惑星はそもそも発見することが難しい天体です。恒星を公転する系外惑星の場合、恒星の光を反射した系外惑星を直接撮像できる場合がありますし、直接撮像が無理でも惑星が恒星の手前を横切って光の一部をさえぎったり(トランジット法)、公転する惑星が恒星を揺さぶったり(視線速度法、ドップラーシフト法)する様子を恒星の観測を通して捉えることで、間接的にその存在を検出することも可能です(系外惑星の検出方法については以下の関連記事もご参照下さい)。

しかし、自由浮遊惑星は宇宙を孤独に漂っているので、主星である恒星の光を頼ることができません。過去の研究では、移動する自由浮遊惑星が恒星と地球の間に偶然入り込んだ時に生じる「重力マイクロレンズ」(※)効果なども利用してその存在が検出されてきました。今回の研究では、可視光線と赤外線を利用して取得された膨大な観測データをもとに、およそ2600万個もの天体の位置・明るさ・動きについての情報をまとめ、そのなかから非常に暗い天体である自由浮遊惑星を見つけ出すことに成功しています。

※…遠くにある恒星(光源)と地球の間を別の天体(レンズ天体)が通過する際に、光源を発した光の進む向きがレンズ天体の重力の影響を受けて曲がることで、時間とともに光源の明るさが変化する現象


パラナル天文台
【▲パラナル天文台の「VLTサーベイ望遠鏡」と「VISTA望遠鏡」の観測データをもとに作成された画像。画像中央に写る小さな赤い点が自由浮遊惑星の発した光(赤外線)とされる(Credit: ESO/Miret-Roig et al.)】

ただし、今回の方法で見つかった自由浮遊惑星の数は、その年齢に左右されます。発表によると、自由浮遊惑星は形成されてから時間が経つにつれて温度が下がり、明るさは暗くなります。また、質量が小さいものほど温度が下がりやすく、大きいものほど下がりにくくなります。ある明るさで検出された自由浮遊惑星について考えると、年齢が新しければ質量は小さく、年齢が古ければ質量は大きいという関係が成り立つことになります。

今回、研究グループは自由浮遊惑星の明るさを分析することはできたものの、質量についての情報はありませんでした。観測データから見つかった自由浮遊惑星とみられる天体のうち比較的明るいものについては、年齢が古い場合には質量が「惑星」の範囲(ここでは木星の13倍まで)を超えている可能性があるといいます


検出された自由浮遊惑星はどれも同じような時期に形成されたと考えられていますが、推定される形成時期には不確かさがあります。そのため、今回見つかった自由浮遊惑星の数は推定年齢が最も古ければ70個、最も新しければ170個といったように、幅を持たせた数になっているわけです。

また、前述のように自由浮遊惑星はその起源がまだ明らかではありませんが、今回検出された自由浮遊惑星の数は星間雲から形成されたと考えるには多すぎるといい、恒星の周囲で形成された後に惑星系から放り出された惑星が多くを占める可能性を研究グループは指摘しています。

研究に参加したボルドー天体物理学研究所の天文学者Hervé Bouyさんによれば、自由浮遊惑星の数は天の川銀河だけでも数十億個に達する可能性があるといいます。研究グループは、今回検出された自由浮遊惑星がその起源を理解する上で手がかりになることを期待するとともに、ESOが建設を進めている次世代の大型望遠鏡「欧州超大型望遠鏡(ELT)」や、新型宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」による自由浮遊惑星の観測にも期待を寄せています


Image Credit: ESO/M. Kornmesser

2021-12-25
Soraeより

自由浮遊惑星に生命の存在

Posted by moonrainbow on 29.2021 浮遊惑星   0 comments   0 trackback
自由浮遊惑星に生命が存在する可能性を探る 最新研究を紹

自由浮遊惑星の想像図
【▲ 自由浮遊惑星の想像図(Credit: A. Stelter / Wikimedia Commons)】

アメリカのフロリダ工科大学は10月、自由浮遊惑星に生命が存在する可能性を研究しているフロリダ工科大学の宇宙生物学者マナスヴィ・リンガムさんの最新の研究内容を紹介する記事を公開しました。今回はこの記事を元に自由浮遊惑星に生命が存在する可能性について最新の研究成果をご紹介していきたいと思います

まず、自由浮遊惑星とはどの恒星系にも属さない惑星です。暗く冷たい宇宙空間を孤独に旅しています。名古屋大学などの研究チームによる推定によれば、私達の天の川銀河内だけでも4000億個ほどもの自由浮遊惑星が存在すると推定されています。

では、このような自由浮遊惑星に生命が存在する可能性はあるのでしょうか?

リンガムさんによれば「ある」といいます。

まず、地球のように海を持つ惑星が恒星系の外に放り出されたとします。すると、宇宙空間は極寒ですので、やはり海の表面は凍り付いてしまいますが、その下は液体の状態が維持される可能性があるといいます。なぜなら、表面の氷が断熱材として働くと共に、惑星のコアに含まれる放射性物質が自然崩壊することで熱が発生するためです。

リンガムさんによれば、自由浮遊惑星が惑星が形成されてから間もなく恒星系から放り出された場合にはこの可能性はより高まるといいます。惑星が形成されてから間もなくはコアにおける地熱活動がより盛んなためです。

また、もし自由浮遊惑星が衛星を持っていれば、その衛星の内部では潮汐加熱によって熱が発生する可能性もあるようです。

しかし、仮に氷の下に液体の海が存在するとしても、生命はどこからエネルギーを得ることができるのでしょうか?

リンガムさんによると、その方法の1つとしてクエーサー(活動銀河核)からの電磁波が考えられるといいます。

ほとんどの銀河の中心には超大質量ブラックホールが潜んでいますが、この超大質量ブラックホールに物質が呑み込まれていくときには、物質は渦を巻きながら呑み込まれていきます。この渦巻状の円盤が「降着円盤」です。

降着円盤内は、呑み込まれていく物質同士の摩擦によって熱が発生し、非常に高温になります。そのため、X線、可視光線から電波までさまざまな電磁波で光り輝きます。これがクエーサーの正体です。

自由浮遊惑星がクエーサーがある銀河の中心から1000光年未満ほどの範囲内にあれば、このクエーサーからの電磁波を使って、光合成をおこない、生命を維持することができる可能性があるといいます。

ところで、実は、地球上の微生物については、生存に太陽の光を必要とする微生物よりも、生存に太陽の光を必要としない微生物の方が多いことが解っています。

研究の次の段階として、リンガムさんは、このように生存に太陽の光を必要としない微生物について分析するなどして、微生物が低温、低圧力などどのような極限状況まで生き延びることができるのか、確かめていきたいとしています。

もしかしたら、そのうち「太陽系に迷い込んできた自由浮遊惑星で生命が発見された」なんて夢のような話が現実になるかもしれませんね!


Image Credit: A. Stelter / Wikimedia Commons

2021-10-24
Soraeより

自由浮遊惑星の発見

Posted by moonrainbow on 12.2020 浮遊惑星   0 comments   0 trackback
重力マイクロレンズ現象を利用して新しい自由浮遊惑星の候補を発見

重力マイクロレンズ現象の想像図
自由浮遊惑星による重力マイクロレンズ現象の想像図(Credit: Jan Skowron / Astronomical Observatory, University of Warsaw.)

プシェメク・ムロズ博士などからなる光学重力レンズ実験(OGLE)の研究チームは2020年10月29日、重力マイクロレンズ現象を使って、新たな自由浮遊惑星の候補を発見したとする論文を発表しました。この自由浮遊惑星の候補の質量は、火星~地球程度で、これまで重力マイクロレンズ現象を使って発見された天体のなかでも、最も小さいものの一つになります

自由浮遊惑星とは、どの恒星系にも属さずに、宇宙空間を放浪している惑星をいいます。その数は意外に多く、名古屋大学の研究チームの推定によれば、私達の天の川銀河だけでも数千億個の自由浮遊惑星が存在するのではないかと考えられています。

このような自由浮遊惑星は、非常に暗いために観測が難しく、重力マイクロレンズ現象を利用した特殊な方法で探査されています


アインシュタインの一般相対性理論によれば、大きな質量を持つ天体の近くでは、空間が曲げられ、光の進路が曲げられます。その結果、大きな質量を持つ天体の近くを通る光りが、あたかもレンズによって集光されたかのように、明るさを増す現象が起こることがあります。これが重力マイクロレンズ現象です。重力レンズ現象の一種になります。

研究チームは、自由浮遊惑星が地球と恒星の間を横切ったときに発生したこの重力マイクロレンズ現象を観測・分析することによって、今回の新しい自由浮遊惑星の候補を発見しました。

重力マイクロレンズ現象による増光の時間の長さは自由浮遊惑星の質量に関係しています。そのため、研究チームは、あわせて、その自由浮遊惑星の候補の質量を推定することもできました。その質量は火星~地球程度の質量だと考えられるといいます。

研究チームは、このように質量が小さな自由浮遊惑星について、重力マイクロレンズ現象を使って、さらに探査を続けていきたいとしています


Image Credit: Jan Skowron / Astronomical Observatory, University of Warsaw.

2020-11-01
Soraeより
 

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