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ワームホールは理論上は通れる

Posted by moonrainbow on 11.2020 ワームホール   0 comments   0 trackback
人間が通過できるワームホールの可能性を5次元宇宙理論で説明(米研究)

ワームホール

2点の時空をむすび、光速を超える移動を可能にするワームホールは、今のところSFの中の存在でしかない。そして少なくともこれまでは、一般相対性理論によって、実際に人間が安全に通行できるワームホールの存在は否定されてきた。しかし、プリンストン大学の研究者による最近の研究によれば、宇宙を5次元の視点からとらえた量子物理学の領域であれば理論上は実現可能なのだそうだ

時空の2点をむすぶワームホール
 
ワームホールの理論は、一般相対性理論に呼応する形で20世紀前半に登場した。

 最初に提唱したのは、ドイツの物理学者カール・シュヴァルツシルトである。彼はアインシュタインの場の方程式の解としてこれを考察し、その「シュヴァルツシルト解」はブラックホールの存在を裏付ける最初の理論的基礎にもなっている。

 ここから導き出されるのが、時空の異なる点をむすぶブラックホールで、これを「アインシュタイン=ローゼン橋」という——すなわちワームホールのことだ。

 ワームホールという名称は、その理論をジョン・アーチボルト・ホイーラーが1957年に、空間の2点をむすぶ3次元のチューブの穴として説明したことにちなんでいる


ワームホール1

ワームホールの通行に必要な負のエネルギー
 
このワームホールは、内部を通行してある点から別の点へ移動するにはあまりにも不安定で、すぐに崩壊してしまうと考えられている。

 だが、フアン・マルダセナ氏とアレクセイ・ミリーキン氏による『Humanly Traversable Wormholes』(8月15日付。arXivで閲覧可能)という論文によると、ある特殊な条件が整えば、ワームホールは通行可能なのだという――それは「負のエネルギー」だ。

 負のエネルギーは古典物理学では認められていないが、量子物理学の領域内ならば存在しうる。その格好の例が、量子場が閉じた環に沿って広がるときに負のエネルギーを作り出す「カシミール効果」という現象だ。

 粒子が平坦空間の1点に進入し、最初の地点から再出現することで環内を移動できるという事実は、「真空のエネルギー」が変更され、負になりうることを示唆している。そして、この負のエネルギーの存在が安定したワームホールの存在を裏付けていると、両氏は主張する


ワームホール2

5次元宇宙理論から導かれる実用サイズのワームホール
 
こうしたワームホールは、素粒子物理学の標準モデルに組み込まれている物質を基礎として存在する。

 ただ唯一の問題は、あまりにも小さすぎて、ごく短い距離しかつなげないだろうことだ。人間にとって実用的なものであるためにはもっと大きくなければならないが、それを説明するには標準モデルの先の物理学が必要になる。

 論文によれば、それこそが「ランドール=サンドラム2モデル」や「5次元ワープ幾何学理論」として知られる、宇宙を5次元の視点からとらえた理論であるという。

 この理論はもともと素粒子物理学の「階層性問題」を解決するために考案されたものなのだが、一般に研究されているものよりもエネルギーが低く、重力を介してしか物質とむすびつかないために検出されない物理も記述することができる。

 同理論のアプローチは、既存の物理学に強く相互作用する質量のない場をたくさん追加するのにも似ており、そのために負のエネルギーを扱うこともできる


ワームホール3

ワームホールを通るとかえって遅くなる!?
 
こうして説明されるワームホールだが、それを利用するのもまた一苦労だ。

 たとえばマルダセナ氏とミリーキン氏によると、外側から見ると、ワームホールは電荷を帯びた中型ブラックホールに似ているという。

 そのために、宇宙船が通過するならその潮汐力によって破壊されないよう注意しなければならない。そこを通行しようとするなら、宇宙船には何か非常に大きなブースト因子が必要になるのだ。

 この問題をクリアできたとして、そもそもそれが近道なのかという疑問も残る。というのも、ハーバード大学のダニエル・ジェファリス氏が、安定したワームホールがあったとしても、その内部を通行するには、普通の宇宙を移動する以上に時間がかかるだろうと意見を述べているからだ


ワームホール4

移動する本人には一瞬。燃料も不要

一方、マルダセナ氏とミリーキン氏は、移動者の視点から見れば、ワームホールの通過はほぼ一瞬だと主張する。

 一般相対性理論と矛盾しないように考えるのならば、外から観察する者の目には、その時間はずっと長く感じられるだろう。

 しかし、光速に匹敵する速度で移動する本人は時間の歪み(たとえば時間の遅れ)を経験する。1万光年(天の川の10分の1)を移動したとしたら、それを観察する人間には1万年に感じられても、移動する本人は1秒にしか感じられないはずだ。

 もう1つのメリットは、ワームホールの通行に燃料の類はいらないことだ。そんなものに頼らずとも、ワームホールの重力が宇宙船を加減速してくれる。パイロットはただ機体の位置を正しくしておけば、あとはワームホールの潮汐力が運んでくれるのだ


ワームホール5

それでも厄介で危険なワームホー

いいことばかりではない。マルダセナ氏とミリーキン氏は、このワームホールの欠点も指摘する。

 まず最初に挙げられるのは、通行可能なワームホールを作り出すために、負の質量を利用せねばならないことだ。

 これは少なくとも理論上は可能だが、そのための時空の設定を事前に突き止めておく必要がある。しかも、この作業に必要となる質量とサイズはあまりにも大きすぎて、今私たちに予見できる科学技術の範疇を超えてしまっている。

 またワームホールが安全であるためには、この宇宙が冷たく平らでなければならないらしいが、5次元ワープ幾何学理論ではそう予測していない。

 そして何より、ワームホールに進入する物体の加速は、この宇宙にあまねく存在している宇宙背景放射ですら危険なものに変えてしまうほどのものだ


不可能でないなら、いつかは――
 
なお、今回の研究の目的は、「一般相対性と量子力学のかすかな相互作用」の結果としてワームホールが存在しうるということを示すことだったそうだ。

 この目的に成功していたのだとしても、今考えられる方法によって、ワームホールが実用的な代物になることは考えにくそうだ。

 それでも、SFには絶対不可欠なこの仕掛けが、きちんとした可能性の範囲内にあるということが分かっただけでも、ワクワクするのではないだろうか。絶対に不可能な代物ではないなら、いつか遠い未来に実現することだってあるだろう


2020年09月04日
カラパイアより

「ワームホール」を作成するための具体的な手

Posted by moonrainbow on 20.2019 ワームホール   0 comments   0 trackback
空間領域トンネル「ワームホール」を作成するための具体的な手順が物理学者によって公開される

ワームホール

数千光年という気の遠くなる距離であってすら、一瞬で到達できてしまうワームホール――おそらく宇宙の旅を夢見る人たちにとっては究極の移動手段ではなかろうか?

 だが、それを実現するには少々技術的な難題を解決しなければならない。時空に近道を作り出すワームホールは、それはもう不安定なのだ。

 このほど『arXiv』(2019年7月29日)に掲載された論文では、かなり安定したワームホールの作り方が紹介されている。

 そのワームホールとて結局は崩壊してしまうのだが、少なくともメッセージを、それどころか物体をも送れるかもしれないくらいには開いていてくれるという


原理は簡単だがあまりにも不安定なワームホール
 
原理としては、ワームホールの作り方はしごく単純だ。

 一般性相対理論によれば、質量とエネルギーは時空を歪める。この性質を利用して、それらを一定の条件を満たすように配置してやれば、宇宙の2点間をつなぐトンネルが形成される。
 
 残念ながら、そうしたワームホールは儚いほどに不安定だ。ちっぽけな光子ひとつを通過させるだけで破壊の連鎖が発生して、光よりも速く崩壊してしまう


ワームホール1
Image by :YuLi4ka/iStock

ブラックホールとホワイトホールをつなぐ
 
もし相応の負の質量があれば、物質が通過することによる不安定化に抵抗し、利用可能なものにすることができるが、そんな都合のいいものは存在しない。

 そこで別の作戦を考案せねばならない。

 まずワームホールには入口と出口が必要だ。これはブラックホール(何者も逃れられない宇宙の領域)とホワイトホール(何者も進入できない理論上の宇宙の領域)をつなぐことで理論上は出来上がる。

 これらふたつをつなぎ合わせたものが、求めるワームホールだ。ぴょんっと飛び込めば、超重力で潰されてしまう代わりに、反対側にさっと抜け出すことができる。

 が、困ったことにホワイトホールもまた存在しない。ならばどうするか?


ワームホール2
Image by Caspar With from Pixabay

チャージしよう。何を? 電荷を!
 
起死回生の奇策は、どうやら数学が用意してくれた。その解決策とは、電荷を帯びたブラックホールだという。

 ブラックホールは電荷を帯びることができる(なお、その形成メカニズムゆえに一般的なものではない)。

 電荷を帯びたブラックホールの内部は奇妙な場所で、通常は点のようなブラックホールの特異点が伸びたり歪んだりしており、もうひとつの電荷ブラックホールとの間に橋を形成することができる。

 さあ、このワームホールなら、おそらくこの世に実在するだろうものだけで作ることができる!


ワームホール3
Image by deselect from Pixabay

引き寄せ合う二人は虚無を作り出す
 
しかし、これにもまだ2点ほど問題がある。

 ひとつは相変わらず不安定で、これを使おうとすれば、途端にちぎれてしまうことだ。

 もうひとつは、両端に配置された電荷ブラックホールが、重力と電気力によってお互いに引き寄せ合ってしまうことだ。

 無事、お互いが巡り会えたその瞬間、歓喜に満ちたバラ色の世界が誕生する――ことはなく、巨大で役立たずのブラックホールがひとつ残されるだけだ


宇宙ひもを利用してブラックホールを離れ離れに
 
したがって、ワームホールを望み通りに機能させるためには、ふたつの電荷ブラックホールを安全な距離まで引き離し、きちんと開いたまま維持しておかねばならない。

 その鍵を握るのが「宇宙ひも」だ。

 宇宙ひもとは、氷ができたときに生じるヒビにも似た、理論上の時空の欠陥だ。

 これはビッグバンが生じてから1秒にも満たない誕生直後の宇宙で形成された名残りで、幅は陽子よりも細いくせに、数センチも長さがあればエベレストよりも重たいという、きわめて風変わりな性質を持っている。

 ライトセーバーのようにキレッキレの切れ味で、人間などわけもなく両断してしまえるが、存在が確認されているわけではないので、あまり心配する必要はない。

 だからといって、絶対にないとも言い切れない。

ことワームホール作成に関しては、非常に便利な性質を持っている。張力がバツグンに高く、滅多なことではたわんだりしないのだ。

 だから宇宙ひもをワームホールの入口から入れて、出口まで通しておけば、その張力によって両端の電荷ブラックホールはきちんと距離が維持される


ワームホール4
Image by bluebudgie from Pixabay

暴れひもに手綱を

 こうして電荷ブラックホールが引き寄せ合う問題は解決されるが、ワームホールが崩壊してしてしまう問題は未解決のままだ。

 そこで宇宙ひもをもう1本通してやる。だが、こちらは電荷ブラックホールの間に広がる宇宙にも引っ張り出して、輪っかを作ってやる。

 こうして宇宙ひもを輪にするとくねくねと動く――それはもう激しく。
 
 このときの振動は時空を攪拌するのだが、これをうまい具合に調節して、周囲の宇宙エネルギーがマイナスになるようにする。

 すると負の質量のように作用して、ワームホールを安定させてくれる


宇宙ひもが散る前に通り抜けよう
 
なんだが、壮大かつややこしいかもだが、論文を読めば、ワームホールを作成する手順がステップバイステップで紹介されている。

 が、これも完璧ではないようだ。

 宇宙ひもの振動は、ひも自体からエネルギーを奪い取る――つまり質量が減少する。

 このためにひもは次第次第に小さくなり、やがては自滅してしまう。そうなれば、苦労して作り上げたワームホールもまた崩壊する。

 それでもメッセージや、物体さえきちんと通過させられるくらいには開いていてくれるというのだから、苦労して作る甲斐はあるというものだ。

 さあ、あなたはどんなメッセージを宇宙の最果てに送りたいだろうか?

 だが、とびきりロマンチックな伝言を考えるその前に、まだ発見されていない宇宙ひもを宇宙の最果てまで探しに行こう


2019年09月05日
カラパイアより

ワームホールによるワープは可能

Posted by moonrainbow on 03.2019 ワームホール   0 comments   0 trackback
しかし、思っているより時間がかかり近道にはならない(ハーバード大学物理学者)

ワームホール

湾曲した時空のトンネルで、中に入ればはるか遠方まであっという間にワープできるとされるワームホール――それが存在しうるということが、ハーバード大学の物理学者によって明らかにされました

 しかし、銀河の果てまで旅をしようと旅行鞄に荷物を詰め込むのはちょっと待ってほしい。ダニエル・ジャフェリス氏によれば、理論上は存在しうるとしても、人間が移動に使うには便利なものではない

 直接行くよりも、ワームホールのほうが時間がかかるというのです

ワームホールは近道にならない?

 この新説は2019年度アメリカ物理学会で発表される予定のものです

 新理論の重要な点は、ブラックホール情報パラドックスや、重力と量子力学との関係といったことを知る手がかりになります

 光が通過できるワームホール作成法を発見することができれば、量子重力理論の発展を加速させる便利なツールになるでしょう

 2013年に提唱されたER = EPR理論では、ブラックホールを結ぶ「アインシュタイン=ローゼン・ブリッジ」(ER)が存在し、これは素粒子の「量子もつれ」(EPR)と等しいと主張しています

 そして、ジャフェリス氏によれば、ブラックホール同士を接続させた方が、ワームホールより短いということである――

 つまりワームホールは近道にならないのです

ワームホール1
photo by pixabay

銀河旅行には役立たないが、量子重力理論を進めるツールになるかも

 銀河旅行の役には立たないかもしれないワームホールだが、量子重力の理論の発展を加速させるツールとして利用できる

 これは、普通なら事象の地平面の後ろに隠れてしまう領域を探る計器になるという。時空の内側にいる観察者の経験を知る窓であり、しかもそれを外側から覗きこむことができるのです

 深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいていれれば、それを知る手がかりとなります

 現時点で、通過可能なワームホールを定式化するための最大の難関は、負のエネルギーです

 これは量子重力とは一貫していないかのような印象があるのですが、新しい場の量子論に基づくツールを利用することで、この難題を突破しようというのがジャフェリス氏の狙いです

 「ゲージ・重力対応や量子重力などについて詳しいことがわかるでしょう。量子理論を定式化する新しい方法すら見つかるかも知れません。」(ジャフェリス氏)

2019年04月20日
カラパイアより

「磁気ワームホール」を作り出すことに成功

Posted by moonrainbow on 28.2018 ワームホール   0 comments   0 trackback
宇宙の二領域をつなぐワームホールが実験室で作られていた(スペイン)

ワームホール

今から3年前、スペインの研究者が史上初めて小型の磁気ワームホールを作り出すことに成功しました。彼らはそれを利用して宇宙の二領域を接続。磁場はその間を通り、”目に見えぬ”旅をしました

 ただしこれはSF映画のように空間のワープを可能にする重力のワームホールとは違います。こちらのワームホールは物質を運ぶことができない類のものです

 そうではなく磁場がある点で消えて、別の場所で出現するトンネルを作り出すことに成功したのです。これも、十分に素晴らしい快挙です

電磁気的なワームホールを作り出すことに成功

 ワームホールとは宇宙の二点をつなぐトンネルです。これまで、そのプロセスがシミュレートされたことはありましたが、重力のワームホールが作られたことは、それに近いものですらないのです。というのも、それには膨大な量の重力エネルギーが必要になるからです。我々は未だその方法を知りません

 それでも物理学者は電磁気的なワームホールを作り、操作することなら得意です。そこでバルセロナ自治大学の研究チームは磁気のワームホールを作り出せるものか試すことにしました

ワームホール1
image credit:Autonomous University of Barcelona

 2014年、彼らは磁場を一点から別の点へ通り抜けさせるトンネルを作り出しました。残念ながら、これは本物のワームホールではないのです

 磁場がトンネル内を移動中に検出不能になる、つまり磁気的に”透明”な状態を保つことができなかったからです

 だが2015年、研究チームはメタマテリアルとメタサーフェスを使うことで、ついにこの問題を克服しました

 すなわち、磁石や電磁石といったあるソースから生じた磁場を、ワームホールの間になんの痕跡も残さず出口から出現させることに成功したのです

ワームホール2

磁場が別次元を移動しているように見える

 これはまるで磁場が別次元を移動しているかのような錯覚を引き起こします。奇妙なことに、それは分離した磁気の単極(つまり北か南の一方しかない磁石)がトンネルの終点でランダムに現れるということを意味していました

 「磁気的な単極は自然には存在しない。この結果だけでも奇妙である」と当時のプレスリリースには説明されています

 「全体的な効果は、磁場がある点から別の点へ通常の3次元の外にある次元を通過しているように見える」 

 はっきりさせておくと、この実験のワームホールは人間の目に本当に見えないわけではない。実はワームホールは外面の強磁性表面、内面の超電導レイヤー、筒状に内向きに巻かれた強磁性シートで構成された球です

 しかし設計された通路は、磁気的に完全に検出不能です。言い換えると、外から見ると磁気的に透明であるが、我々にはイラストのように見えます

ワームホール3
image credit:Autonomous University of Barcelona

空間の位相を変える

 我々が宇宙空間を移動することが可能になるワームホールとは似ても似つかないように思えるだろうが、実はいくつも共通点があります

 それは空間の位相を変える。その様子は、まるで内部の領域が磁気的に空間から消去されたかのようです

 磁場を用いる分野ならこの研究の応用も可能性かもしれない。例えば、狭い機器内に人が寝そべらなくてよく、しかも精度が高いMRIが開発できるかもしれない

 だが重要なのは、これが我々が空間を通り抜ける方法について示唆に富んでいることです。こちらは本気で興奮する挑戦です

References:nature

2018年03月18日
カラパイアより

ブラックホールの中心にワームホール?

Posted by moonrainbow on 19.2016 ワームホール   0 comments   0 trackback
別の領域へつながる裏口の可能性を示唆

ブラックホールの中心にはワームホール

「ブラックホールの奥深くには重力の特異点と呼ばれる領域が存在する。ここでは時空の歪みが無限大となり、いかなるものも生存できない場所だ」……と、これまでは考えらえれていましたが、ある最新の研究では、ブラックホールの中心にはワームホールがあり、これが裏口として機能していると論じられています

 ワームホールとは時空が歪んで作り出される近道のことです。例えば、折り紙に鉛筆で2点の点を描いて、その間の距離を宇宙の距離に見立てたとしよう。このとき折り紙を折れば、点の距離を近づけることができる。ワームホールもこれと同じようなものです

 スペイン、バレンシアにある粒子物理学研究所(Institute of Corpuscular Physics)の物理学者らは、特異点を時空の幾何学構造の中の欠陥であるとみなすシナリオを提唱しています

 この考えを検証するために、グラフェン層の結晶の構造に似た幾何学構造を用いるというあまりないアプローチが採用されました。この結晶の構造はブラックホールの内部活動によく一致しているのだというのです

 研究チームが焦点を当てたブラックホールは、動きがなく、電荷を持つタイプです

 「ブラックホールは重量に関する新しいアイデアを試すことのできる理論的な実験場のようなものです」とバレンシア大学のゴンサロ・オルモ氏。結晶にはミクロスケールの構造に欠陥があるように、ブラックホール中心領域は時空の異常であり、正確に記述するには新しい幾何学要素が必要になると解釈することが可能なのだという

 研究チームは新しい幾何学配列を分析することで、小さく、球状面を持つ中心点を発見。これはブラックホール中心にあるワームホールを表しているのだそうです

ブラックホールの中心にはワームホール1

 彼らの理論は電荷を帯びたブラックホールを解釈するにあたって存在するいくつかの問題を解決できる、とオルモ氏は説明する。まず第一に、特異点の問題が解決される。ブラックホール中心にワームホールという出口があるため、ここから時間と空間が継続することができる。計算によれば、中心のワームホールは原子核よりも小さいが、ブラックホール内に蓄えられた電荷に応じてサイズが大きくなるという

 万が一ここに物質が近づくと、ブラックホールからの距離の違いが生み出す重力の差異によって極端なまでに引き伸ばされて(スパゲッティ化)ワームホールに進入できるようになる。それから反対側に到達したときに圧縮され、元のサイズに戻る

 人間が生きたままここを通過することはできなさそうですが、研究チームの主張によれば、ブラックホール内の物質は従来から考えられてきたように永遠に失われるわけではなく、宇宙の別の領域に追い出されるようです

 またアインシュタインの重力理論が示唆するような、ワームホールを発生させるエキゾチックエネルギーも必要なくなります。ワームホールは電場のような通常の物質とエネルギーから出現することが可能となるのです

2016年08月10日
カラパイアより
 

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