太陽を3つ持つ太陽外惑星が発見。その空には不吉な赤い目が浮かぶ
NASA Found An Alien Planet With 3 Suns!
地球を照らす太陽は孤高の存在ですが、広大な宇宙の中には群れるのが好きな恒星もあります。そんなとある3連星系において岩石惑星が発見されたそうです。
「LTT 1445Ab」と命名されたその惑星は、地球から22.5光年離れた場所にある3連星「LTT 1445」を構成する3つの赤色矮星の主星を周っています。
「その惑星に降り立ったとしたら、空に3つの太陽が見えるでしょう。そのうち2つはかなり遠くにあるので小さくしか見えないでしょうけれどね」とハーバード・スミソニアン天体物理学センターのジェニファー・ウィンターズ氏は話す。
それは空に輝く不吉な赤い目のように見えるだろうとのことです。
地球の1.35倍の大きさに8.4倍の質量 LTT 1445Abを捉えたのは、NASAの宇宙望遠鏡TESS(トランジット系外惑星探査衛星)です。惑星が恒星の前を通過すると、それが光を遮ることから恒星がわずかに陰る。この宇宙望遠鏡はそれを検出し、惑星の存在を教えてくれるのです。
また陰りにくわえて、惑星の重力に引かれることで生じる恒星の微妙な揺れを観測すれば(別の望遠鏡による)、惑星の大きさや質量を推定することができます。


ESO/L. Calcada/M. Kornmesser
大気の観測に好条件 だが、研究者を喜ばしているのは、そこに大気があることです。恒星の目の前を通過する惑星の大気は、メタンや二酸化炭素といったガスの観測機器のテストにうってつけなのです。
大気のある惑星は、恒星の光を陰らせるだけでなく、大気の化学的組成に応じて光のスペクトルを変化させます。この変化を解析すれば、大気を構成する化学物質を推定できます。
LTT 1445Abは地球からの距離が22.5光年と近く、トランジット(恒星の前を通過すること)の回数も多い。さらにそれが公転する赤色矮星は暗すぎず明るすぎず、ちょうどいい塩梅に輝いているなど、好条件がそろっています。
とはいっても、既存の観測機器ではなかなか上手くいかないかもしれません。だからこそ、ハッブル宇宙望遠鏡の後継機であり、2021年の打ち上げが予定されるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が大いに期待されているのです。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 wikimedia commons
今、天文学者はそのチャンスを首を長くして待っている。研究論文は『The Astronomical Journal』に提出済みで、現時点では『arXiv』で閲覧可能です。
2019年08月03日
カラパイアより