ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡( James Webb Space Telescope /
JWST)は、計画中の赤外線観測用宇宙望遠鏡である。老朽化して2010年には観測活動を終えることになっていたハッブル宇宙望遠鏡の後継機として2011年打ち上げが予定されていたが、ハッブルの補修による延命措置で打ち上げ予定が
2013年に延期された。ESAとNASAの共同運用で計画中であり、太陽 - 地球のラグランジュ点(L2)に置かれることになっている。ハッブルのように地球上を周回させるのではなく、地球から太陽とは反対側に150万km離れた空間に漂わせる。
望遠鏡の名称は、NASAの二代目長官ジェイムズ・E・ウェッブ にちなんで命名された。彼は1961年から1968年にかけてNASAの長官を務め、のちのアポロ計画の基礎を築くなどアメリカの宇宙開発を主導した。かつては「次世代宇宙望遠鏡」 (NGST / Next Generation Space Telescope) と呼ばれていたが、2002年に改名された。
ラグランジュ点(英語:Lagrangian point、ラグランジュポイント、L点とも)とは、天体力学で円制限三体問題の5つの平衡解を指す名称である。すなわち、2つの物体が両者の共通重心の周りをそれぞれ円軌道を描いて回っている時に、この2体に比べて質量が無視できるほど小さな第三の物体をある速度を与えてこの軌道面内に置くと、最初の2体との相対位置を変えずに回り続けられるような位置が5つ存在する。2体の共通重心を中心としてこれらと同じ周期で回転する座標系から見ると、ラグランジュ点では2体が作る重力場が遠心力と釣り合っている。このために
第三の物体は2体に対して不動のままでいることができる。つまり、
重力がつり合って安定する位置。各点はL1~L5という名称で呼ばれる(図参照)。

ラグランジュポイント図
1760年頃、レオンハルト・オイラーが制限三体問題の解として、主星と従星を結ぶ直線上にあるL1からL3までの解(オイラーの直線解)を発見した。その後、ジョゼフ=ルイ・ラグランジュが1772年に "Essai sur le problème des trois corps" (『三体問題に関するエッセイ』)という論文を発表し、オイラーの解は一般の三体問題の場合にも成り立つこと、主星・従星を一辺とする正三角形の頂点 (L4, L5) も解であることを示した。この業績によってラグランジュとオイラーはこの年のフランス科学アカデミー賞を共同受賞した。
5つのラグランジュ点はそれぞれ以下のように定義される。
1760年頃、レオンハルト・オイラーが制限三体問題の解として、主星と従星を結ぶ直線上にあるL1からL3までの解(オイラーの直線解)を発見した。その後、ジョゼフ=ルイ・ラグランジュが1772年に "Essai sur le problème des trois corps" (『三体問題に関するエッセイ』)という論文を発表し、オイラーの解は一般の三体問題の場合にも成り立つこと、主星・従星を一辺とする正三角形の頂点 (L4, L5) も解であることを示した。この業績によってラグランジュとオイラーはこの年のフランス科学アカデミー賞を共同受賞した。
所属 NASA、ESA、CSA
波長域 赤外線
軌道高度 150万km(ラグランジュ点L2) 軌道周期 1年
打ち上げ予定時 2013年6月
運用期間 5年間~10年間
質量 6,200 kg
異名 次世代宇宙望遠鏡(Next Generation Space Telescope , NGST)
Web サイト http://www.jwst.nasa.gov/
光学系
形式 カセグレン式反射望遠鏡
口径 6.5 m
集光面積 約 25 m²
有効焦点距離 131.4m ( 431.1ft)
観測装置
NIRCam 近赤外線カメラ
NIRSpec 近赤外線分光器
MIRI 中赤外線観測装置
FGS 高精度ガイドセンサー

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)の主鏡(左)とJWSTの主鏡(右)(提供:NASA)
写真と記事はWikipediaより