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説明不能の幽霊のようなリング

Posted by moonrainbow on 06.2021 宇宙   0 comments   0 trackback
なんじゃこりゃ?現在の天文学理論では説明不能、幽霊のようなリングを発見(国際研究)

宇宙空間で謎のリング
宇宙空間で謎のリングを発見 image by:Barbel Koribalski

 2019年9月、これまでに知られている天体のどれとも違う奇妙なものを見つけたと、アメリカ国立電波天文台のアナ・カピンスカ博士が報告した

 「なんだこりゃ?」とコメント付きで公開されたその写真には、幽霊のようにぼうっと霞む電波放射のリングが写し出されていた。専門家すら初めて目にするもので、その正体が何なのか見当もつかなかった。

 驚いたことに、その数日後に別の研究者によって2つ目のリングが観測。その後の調査で、さらに数個のリングが発見されている


天文学最新のミステリー、幽霊のようなリング

リングが発見されたのは、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の新型電波望遠鏡「ASKAP」を利用したプロジェクト「EMU(宇宙の進化マップ)」においてだ。

 ASKAPは、これまでならごく狭い範囲でしか得られなかった深度のまま、広範囲を素早く観察することができる。EMUでは、こうした特徴を活かして、これまで調査されてこなかった領域の探索を試みている。

 その成果の1つであるこのミステリアスなリングは、「不規則電波サークル(ORC/odd radio circle)」と名付けられた。天文学最新のミステリーだ


宇宙空間で謎のリング1
image by:Barbel Koribalski

 オーストラリア、ウェスタン・シドニー大学をはじめとする研究グループは、当初ソフトウェアのエラーによって生じた画像ノイズを疑っていたという。しかしASKAP以外の望遠鏡でも観察されたために、確かに存在していることが確認された。

 これまで発見されたORCの数から、空におよそ1000個は存在するだろうと推測されている。

 だが現時点において、大きさも距離もまるで分かっていない。天の川銀河の中にある数光年の範囲に散らばった天体の集まりかもしれないが、もっとずっと遠くにあって、数百万光年という広がりを持つ可能性もある。

 同じ場所を光学望遠鏡で覗いても何も見ない。電波放射のリングはおそらく電子の雲なのだろうと推測されているが、可視光では何も見えない理由は不明だという


超新星の残骸ではない、 アインシュタインの環でもな
 
ORCの正体は不明だが、いくつかの可能性は棄却されている。

 たとえば超新星の後に残された残骸だとは考えられない。なぜなら天の川にあるほとんどの星からずっと離れた位置にあるし、たくさんありすぎるからだ。

 内部で激しく星が形成されている銀河でときおり観測される電波放射とも違う。星が誕生している銀河が見当たらないからだ。

 電波銀河で観測される電波放射でもない。そうした放射は超大質量ブラックホールから放出される電子のジェットが原因なのだが、ORCははっきりとした円形で、電波銀河で見られるもつれるような雲とは見た目が違う。

 銀河団の重力によってどこかの銀河から放たれた電波が円形に見える現象――すなわち「アインシュタインの環(恒星や銀河などが発する光が、途中にある天体などの重力によって曲げられ、複数の経路を通過する光が集まりリング状の像となる)」はどうだろうか? が、ORCはあまりにも対称的すぎるし、中央にクラスターが見られないので、これもやはり違う


宇宙空間で謎のリング2
超新星

既知の天体のどれとも違う
 
Publications of the Astronomical Society of Australia』に掲載予定の本研究(現在は『arXiv』で閲覧可)は、ORCについてあらゆる可能性を検討し、これまでに観測された既知の天体のどれとも違うと結論づけている。

 その正体は、やはり謎の現象とされる「高速電波バースト(FRB)」の衝撃波や、中性子星やブラックホールが衝突して生じた重力波と関係しているかもしれない。

 あるいはそうした類のものとはまるで違う現象である可能性もある。なにしろロシアの科学者が、ORCはワームホールの”喉”かもしれないと提唱しているくらいだ


まったく新しい謎を解き明かすチャンス
 
天文学者はORCをめぐってこれから大いに頭を悩ませることになるだろう。だが、それは彼らにとって幸福なことだ。

 現在行われている天文学的な研究は、すでに知られている宇宙の事象をさらに詳細に追求するものがほとんどだ。

 まったく新しい謎を解き明かすチャンスなど滅多にない。まったく新しい現象かもしれないORCは、天文学者がどんなに願ってもそう簡単には得られない夢のビッグチャンスかもしれないのだ


2020年12月05日
カラパイアより

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