地球からは見ることができない「三日月型の海王星」ボイジャー2号が撮影 
【▲ ボイジャー2号が撮影した海王星と、その衛星トリトン(Credit: NASA, Voyager 2)】
今から40年以上も前、NASAの無人宇宙探査機「ボイジャー」1号と2号が打ち上げられました。
ボイジャーは木星などの惑星を探査することを目的としており、木星・土星を探査した後、ボイジャー2号は地球からさらに遠く離れた天王星・海王星を探査しました。ボイジャーの活躍は宇宙関係の一般書にも昔から載っているため、見覚えのある方も多いかもしれません。その後も2機は航行を続け、2018年にはボイジャー2号が「太陽圏」を離脱したというニュースもありました(詳細は最後にある関連記事をご覧ください)。
この画像はそのボイジャー2号が撮影した海王星と、その衛星「トリトン」の様子です。海王星というとよくある画像がこちら(soraeの関連記事)のような青いものですが、この画像ではそのような色にはなっておらず、しかも三日月のような形に見えています。ボイジャー2号は1989年に海王星にもっとも接近しましたが、この画像はその直後、海王星の背後から撮影されたものです。
三日月型に見える理由は、太陽と海王星、ボイジャー2号の位置関係にあります。地球で太陽系の惑星を観測すると、例えば地球より内側(太陽に近い側)にある金星は満ち欠けしますが、外側にある惑星は満ち欠けしません。このときのボイジャー2号は海王星よりさらに外側から撮影しているため、このような三日月型に見えているのです。また、ボイジャー2号から見ると太陽の光のうち青い光が前方に散乱してしまい、青い色が失われたように見えています。
ボイジャーが40年以上も稼働を続けているのは驚きですが、以前の記事にもあるようにボイジャーに搭載されている電池の寿命があと数年と見られています。ボイジャーは人工物がまだ到達したことのない場所を航行し続けており、さらなる成果が期待できそうです。
Image: NASA, Voyager 2
2021-08-15
Soraeより