研究グループが観測に用いた「超大型望遠鏡(VLT:Very Large Telescope)」を運用するヨーロッパ南天天文台(ESO)は、今回用いられた観測手法が天の川銀河や近傍の銀河に存在するブラックホールを検出するための鍵になり得るとしており、謎めいた天体であるブラックホールの形成と進化を明らかにする上で助けとなるかもしれないと期待しています。
■太陽約11個分の質量があるブラックホールを大マゼラン雲の星団で発見
【▲星団「NGC 1850」(中央)とその周辺の様子。星団を囲む赤いフィラメント構造は超新星残骸だと考えられている。画像はハッブル宇宙望遠鏡と超大型望遠鏡(VLT)が可視光線の波長で撮影したデータから作成(Credit: ESO, NASA/ESA/R. Gilmozzi/S. Casertano, J. Schmidt)】
また、Saracinoさんは、ESOがチリのセロ・アルマゾネス山で建設を進めている次世代の大型望遠鏡「欧州超大型望遠鏡(ELT:Extremely Large Telescope)」にも言及。より暗い星、より遠くの球状星団がELTによって観測できるようになれば、天文学者はさらに多くのブラックホールを検出できるようになると予想されることから「この分野に間違いなく革命がもたらされるでしょう」と期待を寄せています。