火星にUFO?物議を醸した画像にNASAが異例の見解を発表
火星にUFO? NASAの火星探査車「パーシビアランス」が火星で撮影した画像に2基のUFOが写り込んでいるとしてネットがざわついていた。
この件に関しNASAがフェイクである可能性が濃厚だと見解を発表したが、このようにわざわざ声明を出すのはとても珍しいことだ。
これまでなら相手にしないか、ただの埃かピクセルの不具合として否定されるのが当たり前だった。もしかするとこの一件は、画像の真偽以上に、NASAのUFOに対する方針が変化したことを示す兆候なのかもしれない。
これはUFOではない。NASAが公式見解 2021年2月19日より火星上で活動中の探査車「パーシビアランス」によって撮影されたという2機のUFOの画像は以下の動画で紹介されている。
NASA's Perseverance Rover Caught Two Mysterious UFOs while Driving Toward Jezero River Delta On MarsNASA's Perseverance Rover Caught Two Mysterious UFOs while Driving Toward Jezero River Delta On Mars
NASAによると、この画像は、熱心な天文ファンが加工したものだという。
人類がUFOを探して空を眺めるようになったのは最近のことではない。しかし1960年代に人類が宇宙へ進出するようになると、宇宙船が撮影した映像もまた調査の対象になった。
今でもそうした映像がSNSに投稿されると、UFO肯定派からも否定派からも徹底的な分析がくわえられる。
今回の件で注目すべきは、NASAがコメントを出していることだ。
これまで、そうした奇妙な物体については口をつぐむのがNASAの常だった。それがUFOの写真とされるものなら尚更だ。ところが、今回おそらくでっち上げだろうと述べているのだ。
「パーシビアランスに興味を持っていただきありがとうございます」NASAのアラナ・ジョンソン氏は、『The Debrief』誌の取材に対してこう答えている。
同氏によれば、天文ファンはNASAの宇宙船から送られてくる生画像を楽しみにしており、時折ファンメイド作品を発表するのだという。おそらく今回のものも、そうしたファンによって作られた作品であるそうだ。
火星のUFOとされる画像。その後、同じ場所の空に謎めいた物体が出現する 元になった画像は、こちらの「生画像データベース」のものだと考えられている。
UFOのフェイク動画は特に珍しくはない。珍しいのはNASAがそれについてコメントしたことだ。
これについて『The Debrief』誌は、新長官ビル・ネルソンがUFOについて語ったことにも言及しつつ、NASAにこの問題を公に取り上げる許可が下りた可能性があると推測している。
今回の場合、NASAは火星のUFOはただのフェイクと指摘しただけだ。しかし同機関は、地球外生命の捜索という科学的なミッションにおいても重要な役割を担っている。
NASAがそれまでの方針を転換し、UFOや宇宙人についてオープンに語れるようになった徴候なのかもしれないし、そうでもないのかもしれない。
2022年04月30日
カラパイアより