火星探査機から届いた最後の「自撮り」、間もなく永遠の休息へ
火星着陸探査機「インサイト」から送られてきた最後の自撮り写真
米国航空宇宙局(NASA)の火星着陸探査機「インサイト」から、最後の自撮り写真が送られてきた。太陽電池パネルを覆った塵(ちり)の量から判断すると、これが最後の写真になる理由は明らかだった。
画像はインサイトのロボットアームを使って4月24日に撮影された。インサイトは今月中に「引退ポーズ」と呼ばれる最終姿勢に入る。セルフィーを撮影するにはアームを何度も動かす必要があるが、それがもう、できなくなった。
「太陽エネルギーをこれ以上失う前に、時間を取って自分の周りを撮影し、自分の最後のセルフィーを撮った。アームとカメラを永遠に休ませて格納ポジションに置く前に」。インサイトの公式ツイッターには24日、そんなメッセージが投稿された。
電力供給が減っていることから、インサイトの科学探査の任務はこの夏の終わりまでに終了する。2018年11月に着陸して以来、同機の探査によって謎に満ちた火星の内部の様子が明らかになっていた。
インサイトの太陽電池パネルに降り積もる火星の赤い塵は増え続けている。火星は冬を迎えて大気中に舞い上がる塵が増え、状況は一層の悪化が予想される。
そうした浮遊粒子に遮られて、インサイトの動力となる太陽光発電に必要な太陽光は届きにくくなった。現在の延長ミッションは今年12月まで続く見通し。主な目標は最初の2年で達成していた。
最後の自撮り写真には、インサイトを覆う塵の量が18年12月と19年4月の写真に比べて大幅に増えた様子が写っていた2022年5月26日
CNN.より