今回の再解析で得られた楕円銀河M87の中心の電波画像。左上の図で示すブラックホール周辺の拡大図では、「コア構造」(中央下寄りの赤い円形部分)と「ノット構造」(中央右と右下のやや縦長な部分)が見られる。広域の図では、画像の右上に向かって伸びるジェット構造が見られる。なお、右端の赤い点はリアルな存在ではなく、画像を構築する手法によって引き起こされたものである(詳しくは論文を参照)。(クレジット:Miyoshi et al.) オリジナルサイズ(226KB) イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)が取得した楕円銀河M87の中心の観測データを独立に再解析した結果、異なる特徴を持った画像が得られたという研究が報告されました。観測データや解析手法を公開して、研究者の間で広く検討と議論を進めることで、より確からしい結果に近づけるという現代科学の研究プロセスの一環です。
本研究成果は、Miyoshi M. et al. “The Jet and Resolved Features of the Central Supermassive Black Hole of M87 Observed with the Event Horizon Telescope (EHT)”として、米国の天体物理学専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル』に2022年6月30日付で掲載されます。現在プレプリントが公開されています