NASAの火星探査車、太古の岩石サンプルから有機物発見 生命存在した可能性 
ロボットアームを使用し岩石の周辺で調査する火星探査車「パーサビアランス」
米航空宇宙局(NASA)の火星探査車「パーサビアランス」は、太古の河川デルタを調査する中で、今回のミッションにとって最も重要な部類のサンプルを採取した。NASAの科学者らが明らかにした。同探査車は火星に生命が存在したのかどうか突き止める任務を担っている。
最近採取したサンプルのいくつかには有機物が含まれている。これはかつて湖があったとみられるジェゼロ・クレーターと、そこに流れ込んでいた河川デルタが35億年前には生物の暮らせる環境下にあった可能性を示す。
パーサビアランスのプロジェクトを担当するカリフォルニア工科大学の科学者、ケン・ファーリー氏は「デルタで調べた岩石には、このミッションでこれまで発見した中で最も高密度の有機物が含まれる」と説明した。
パーサビアランスによるミッションは1年半前に始まった。太古に生きていた微生物の痕跡を探すのも任務の一つだ。採取する岩石のサンプルには、こうした生命の痕跡の動かぬ証拠が残っている可能性がある。現在、パーサビアランスは12の岩石サンプルを採取している。
「マーズ・サンプル・リターン」と呼ばれる一連のミッションでは、最終的にこれらの収集物を2030年代に地球へ戻す予定。
パーサビアランスは直径45キロのクレーターの底を調べ、火成岩の証拠を発見した。過去5カ月間にはデルタでの2度目の調査を行い、豊かな堆積(たいせき)岩層を見つけていた。これらの層から、火星の太古の気候や環境について新たな知見が得られる。
当該の岩石は、塩水の湖の中に泥や砂が堆積してできた。この湖は数十億年前に蒸発した。パーサビアランスはこの岩石の表面をはぎ取り、特殊な機器で分析。そこに含まれる化学物質や鉱物、有機物を明らかにしている。
2022年9月16日
CNN.より